2008年5月7日水曜日

色素増感型太陽電池を印刷で量産,英G24i社が6月末にもWebで販売へ


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080502/151314/ 
英国のベンチャー企業G24 Innovations,Ltd.(G24i社)は,色素増感型太陽電池を用いた充電用シートを同社のWebサイトを通じて2008年6月末~7月中に販売を始める。日経エレクトロニクス誌の取材に対して明らかにした。充電シートは現時点で3種類あり,大きさに応じて発電能力が最大0.5W,1W,30Wと異なる。このタイプの太陽電池が量産され一般向けに発売されるのは世界初となる。
新聞紙のように印刷技術で大量生産
 この充電シートは,薄い金属プレートを基板に色素増感型太陽電池をロール・ツー・ロールという印刷技術で形成したもの。製造ラインは2007年10月に稼動を始めており,長さ1/2マイル(約800m)分の太陽電池シートを3時間足らずで製造する能力があるという。1分で4m超のスピードになる。工場は英国南西部のウェールズ州カーディフにあるが,工場の大部分はまだ使われていない。同社は今後製造ラインを積極的に増やし,工場の空きスペースを埋めていくとしている。 G24i社は既に一部の顧客に向けてこの充電用シートを提供している。2008年4月29日には,南極を探検中の冒険家に発電能力が最大30Wの大型充電シートなどを提供していることを発表。曇天や朝夕といった条件の悪い中でも発電能力が大きく低下しない色素増感太陽電池の特徴をアピールしている。 同0.5Wと同1Wの充電用シートは携帯電話機など小型の携帯機器の充電に向けたものである。G24i社はこれらの太陽電池の変換効率について明らかにしていないが,その大きさと発電能力からモジュール変換効率を推測すると3%前後になる。モジュール変換効率15%超の結晶Si系太陽電池に比べて決して効率が高いとは言えないものの,大量生産で製造コストを下げ,発電能力1W当たりのコストを引き下げて既存の太陽電池に対抗する戦略である。
製造装置は風力で動かす
 G24i社のもう一つの特徴は,工場の稼動に必要な電力を風力発電で賄おうとしている点である。同社は工場の周囲に発電能力が最大2.5MW相当の風車を建設する計画を明らかにしている。英国南西部の海岸線は,強い風が比較的安定して吹いている。同社が目指す「再生可能エネルギー100%の太陽電池」(同社)が実現する可能性もある。 色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池といった有機系太陽電池は最近になって急速に技術開発が進み,量産で先陣を切ったG24i社に続くメーカーも複数出てくる見通しです。日経エレクトロニクス2008年5月5日号では,G24i社の技術や戦略の詳細も含め「量産始まる有機太陽電池,効率や耐久性でも躍進」という記事でこうした有機系太陽電池の動向を紹介しています。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20080430/151205/


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