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2009年4月24日金曜日

太陽光を電力に変える塗料を開発(イタリア)


出典:http://www.ecool.jp/foreign/2009/01/post-12.html
イタリア学術研究会議ナノ構造材料研究所は、太陽光を電力に変える塗料の開
発に成功した。フォトン・インサイド(Photon Inside)の名称で、オースト
リアのブライナー社が商品化する。これを塗布すると、50平方メートルで3キ
ロワットの電力が得られるという。
http://www.cnr.it/sitocnr/Englishversion/Englishversion.html



太陽電池の新興企業、赤外光からエネルギを得る材料技術を商用化へ


出典:http://eetimes.jp/article/22755/
 米カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く太陽電池の新興企業Solexant社は、
米University of Buffaloが開発した、赤外領域の光からエネルギを集めること
で太陽電池の発電効率を高める材料技術について、同大学からライセンス供与
を受けた。この技術は、同大学のフォトニクス研究所が開発に取り組んでいる
数多くの技術の1つであり、Solexant社はその商用化を担う。
 「フォトニクス技術は現在、エネルギやヘルスケア分野にも活用が進んでお
り、新しい局面を迎えている」。University of Buffaloの研究部門でエグゼク
ティブ・ディレクタを務めるParas N. Prasad氏は、2009年1月24日?29日に
米カリフォルニア州で開催された光技術の国際学会/展示会「Photonics West
2009」の基調講演でこのように語った。
 同氏の研究グループは、現在の太陽電池が取り込んでいない赤外領域や紫外
領域の光からエネルギを集める技術を開発している。複数のプロジェクトにお
いて、チューニング可能な量子ドットを利用し、赤外領域の光子を吸収して、
それらをカーボン・ナノチューブ壁に電荷のように結合させることで組織化す
る研究が進行中だという。
 このほか同氏は、980nmの赤外光を可視光に変換することに成功した研究プ
ロジェクトについても説明した。赤外光を可視光に変換できれば、一般的な太
陽電池でも吸収できるようになる。さらに別のプロジェクトで研究中の技術は、
レーザー光のみならず、直射日光にも機能するという結果が得られているとい
う。
 同氏は、「われわれは最近、太陽電池に入射した赤外領域の光子のうち30%
を回収する特性を実証した。われわれは、この方向で進展を続けている」と述
べている。
 同氏によると、Solexant社は同研究グループの赤外光技術のライセンス供与
を受け、2年以内の商用化を目指して資金調達を2ラウンド実施したという。同
社は、従来の薄膜太陽電池にも利用可能な、赤外光を吸収する材料の販売を目
指している。
 同氏は、「この技術を実用化できれば、太陽電池の発電効率を10%高められ
るはずだ」と主張する。
 このほかUniversity of Buffaloでは、紫外光からエネルギを回収する技術の
開発にも取り組んでいる。しかしこの実現は、赤外光技術よりもさらに難しい
という。「キャリア増倍」と呼ばれる、まだ研究が進んでいない技術が必要に
なるからだ。同グループでは、紫外光技術の開発に、多環芳香族炭化水素の一
種であるペンタセンを利用して量子ドットの可動性を高めるという手法も導入
している。
 「紫外光技術には課題が数多くあり、開発にはしばらく時間がかかるだろう。
開発に成功すれば、太陽電池の発電効率を300%高められる可能性がある。し
かし現在のところはまだ、正味の効率は1%にも満たない」(同氏)。
 ただ。Photonics West 2009で登壇した別の発表者は、紫外光技術に対し
て懐疑的な意見を述べている。
 材料技術の専門家で、最近までドイツの研究機関であるPaul-Drude-Institute
of Solid State Electronicsでディレクタを務めていたKlaus Ploog氏は、「こ
の分野の技術については詳細に調査したが、結果として言えるのは、紫外光技
術には期待すべきではないということだ。紫外光技術の効率は非常に低い。さ
らにこの技術の研究者は、コスト面については何も語っていない」と指摘した。



2009年4月22日水曜日

独Fraunhofer ISEが、変換効率41.1%のマルチジャンクションタイプの開発に成功


出典:http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2009/01/fraunhofer-ise4.html
World Record: 41.1% efficiency reached for multi-junction solar cells
at Fraunhofer ISE
http://www.ise.fraunhofer.de/press-and-media/press-releases/press-releases-2009/world-record-41.1-efficiency-reached-for-multi-junction-solar-cells-at-fraunhofer-ise

41%と記録的な変換効率の太陽電池、ドイツFraunhofer研究所が開発
http://eetimes.jp/article/22731/
41.1%の変換効率を達成した太陽電池である。セル面積は5.09mm2。
材料はGa0.35In0.65P/Ga0.83In0.17As/Ge。
出典:ドイツFraunhofer ISE
 ドイツのフライブルグを拠点とする研究機関のFraunhofer Instituteは、太
陽電池の変換効率を41%にまで高めることに成功したと発表した。同研究機関
は、「世界最高となる変換効率を実現した」と主張している。

 Fraunhofer InstituteのSolar Energy Systems部門(Fraunhofer ISE)の発
表によると、こうした高い変換効率の実現には、太陽電池向け半導体材料を成
長させるためのある技術が大きく貢献しているという(参考リンク:英語の発
表資料)。
http://www.ise.fraunhofer.de/press-and-media/press-releases/press-releases-2009/world-record-41.1-efficiency-reached-for-multi-junction-solar-cells-at-fraunhofer-ise
 今回発表された太陽電池は、GaAs(ガリウム・ヒ素)やGe(ゲルマニウム)
の基板にIII-Vの半導体材料を蒸着させて作られている。同研究機関は独自に
開発した「アモルファス多セル(amorphous multiple cells)」技術によって、
不純物による電荷トラップの発生を回避することに成功した。一般に、格子定
数が異なる材料を用いた場合は、電子が異なる材料間を移動する際にトラップ
されるという現象が発生する。だが同研究機関の研究者らは、この現象が太陽
電池の中で電子が少ない領域でしか起こらないように改良を加えたという。そ
の結果、電子が集中する領域では電子トラップの発生をほぼ回避でき、41%と
いう高い変換効率を実現できた。同研究機関でマネジャーを務めるEicke
Weber氏は、今回の成果について、「半導体材料中の結晶欠陥を制御すること
で、技術的なブレークスルーを果たせるという好例だ」と述べている。

 Fraunhofer Instituteでは、454の集光比で集めた光を5mm2(平方ミリメー
トル)の太陽電池に照射する実験を行い、41.4%の変換効率を得ることに成功
した。

 同研究機関の科学者らは今回、アモルファス多セル技術に加えて、半導体材
料の構成を厳選して、太陽電池の感度分布を太陽光線の波長分布に限界まで近
づけることも試みた。これも高い変換効率に寄与しているという。

 Fraunhofer ISEは、同技術を早期に実用化するとともに、旧来の発電方式に
対する競争力を高めるため、独Azur Space社および独Concentrix Solar社と提
携を結んでいる。

 今後の開発のポイントとして、Fraunhofer ISE部門でディレクタを務める
Andreas Bett氏は、太陽電池の変換効率と発電コストの関係性を指摘する。同
氏は「太陽電池を使った発電システムのエネルギ・コストを低減するには、変
換効率の高い太陽電池の利用が最も効果的である。われわれは、旧来の発電方
式と競合できる太陽電池の実現を目指す」と語っている。



2008年12月19日金曜日

ソニー、色素増感太陽電池を用いた照明器具「Hana-Akari」~エコプロダクツ2008にて試作品を公開


出典:http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/12/11/3289.html
色素増感太陽電池で光る照明器具「Hana-Akari(ハナアカリ)」の試作品。
「エコプロダクツ2008」にて公開された

 ソニーは、同社が開発する色素増感太陽電池を利用した照明器具「Hana-
Akari(ハナアカリ)」の試作品を、東京ビッグサイトで12月11日から13日まで
開催している「エコプロダクツ2008」にて公開した。
 色素増感太陽電池とは、電池内部の色素が光エネルギーを吸収し電気エネル
ギーへ変える、“光合成”にも似た仕組みを持つ太陽電池のこと。一般的な太
陽電池ではシリコンを使って光を電気へ変換するが、色素増感型ではシリコン
型のような大規模な真空装置を用いずに、色素を塗ることで作製できるため、
材料が安く、生産時のエネルギーや資源も少ないという。さらに、色素の種類
によって色を変えたり、模様を付けることも可能で、同社では次世代の太陽電
池として研究を進めている。
 今回公開された「Hana-Akari」は、色素増感太陽電池をセード(かさ)として
採用する照明器具。色素増感太陽電池が太陽光や部屋の明かりを受け発電、そ
のエネルギーで中央部に備えられたを灯す仕組みとなっている。表面には花柄
のデザインを施すことで、生活の中に溶け込むようなデザイン性が特徴となっ
ている。
 なお、色素増感太陽電池とHana-Akariはいずれも試作品。発売は今のところ
未定だが、太陽電池を使った新しい照明器具として、早期の製品化が望まれる。
 ソニーのブースではこのほか、みかんの皮など植物から抽出した色素で色素
増感太陽電池を作り、発電を体験できるワークショップなどを開催している。

(写真説明)
色素増感太陽電池のパネル。一般的な太陽電池と比べて、コストや資源が節約
でき、また色や模様を付けられるというメリットがある

色素増感太陽電池が電気を発生する仕組み。電池内部の色素が光をキャッチし、
電気エネルギーに変換する

こちらは一般的なシリコン型太陽電池の仕組み。太陽光を受けて発生したプラ
スとマイナスの粒子をシリコンが分別し、電極に電子機器を繋いで電流が流れ
る(エコプロダクツ2008にて展示されていたパネル)

「Hana-Akari」を上からみたところ。中央のプレートの下に、色素増感太陽電
池のパネルとつながったライトが備わっている

会場は明るかったため「Hana-Akari」自体の明るさが確認しにくかったが、液
晶テレビ「BRAVIA」では点灯中の映像が流れていた

カラーは全4色


ソニーグループ、環境展示会「エコプロダクツ2008」へ出展
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200812/08-1205/index.html



【キクタマ 太陽電池編】第4回――結晶Si型の比率は2012年に62%,薄膜Si型が12%まで拡大


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081204/162367/
世界の太陽電池生産能力のタイプ別構成比の推移
(2005年~2007年実績,2008年~2012年予測)
出所:フランスYole Developpement社
 2007年の太陽電池の生産能力をタイプ別に見ると,結晶Si型が90%近くを占
め圧倒的だった。しかし2008年以降は,その構成比率が低下して,2012年には
約62%となる。その代わりに,アモルファスSi(a-Si)型やタンデム型,CIGS
型の2012年の構成比がそれぞれ12%,8%,7%に高まる。
 このほか,米国メーカーが中心だったCdTe(カドミウムテルル)型の生産に,
欧州とアジアのメーカーが参入する。この結果,CdTe型の2012年の構成比は4.4
%になる。色素増感型は,2012年でも1%未満とわずかである。これらのデータ
は,フランスの調査会社Yole Developpement社が,560工場を調査した結果に基
づいている。
 次に,2008年の欧州,米州,アジア,その他の地域の生産能力を見てみる。
米州は結晶Si型の比率が40%を下回るが,そのほかの3地域は70%を越えてい
る。最も生産能力の大きいアジアは,結晶Si型が約90%と大きな偏りがある。
米州の生産能力はアジアや欧州に劣るものの,その内容はかなり特徴的である。
米州は結晶Si型の比率が低い代わりに,a-Si型やCIGS型,CdTe型の比率が高い。


【日本を救う小さなトップランナー】ネクストエナジー・アンド・リソース(太陽光発電装置のリサイクル)環境に2度よい太陽パネル


出典:http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20081210/179796/?P=2&ST=news
2008年12月12日 金曜日 日経ビジネス
ネクストエナジー・アンド・リソース  製造   世界に通じるモノ作り。本誌はこれまで高い技術と生産能力を持つ日本企業を多く描いてきた。その対象はトヨタ自動車やソニーといった大企業に限らない。規模が小さく、知名度が低くても、産業界に欠かせない製品や部品を作る中小企業が全国に数多くある。
 このシリーズでは本誌の人気コラム「小さなトップランナー」から優れたモノ作りの現場を紹介した記事を連続で取り上げる。
* * *
2008年6月30日号より
家庭用に電気を供給する太陽光発電装置だが、家の解体後に廃棄される。
シャープ、三洋製など中古の太陽光パネルを回収し、リサイクルを始めた。
住宅1軒分で150万円程度という低価格が受けて、売り上げを伸ばす。
(宇賀神 宰司)
 太陽光発電装置の導入を2020年までに現状(約40万棟)の10倍、2030年までに40倍にする──。

 7月7日から北海道で開催予定の「洞爺湖サミット(主要国首脳会議)」。地球温暖化問題を話し合うこの世界会議を前に、福田康夫首相は「福田ビジョン」で低炭素社会に向けた具体的な目標を打ち出した。

 二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーとして注目される太陽光発電。家庭向けの電源としても有効だ。

 太陽光発電の普及が進めば、買い替えなどで装置の廃棄も増える。

 「太陽光発電装置に使われる太陽光パネルは製品寿命が長い。回収すれば再販できるはず」

 環境に優しい製品のリサイクル。そんな先を読んだ環境ビジネスを手がけるのが、ネクストエナジー・アンド・リソースだ。

シャープ、三洋製を低価格で

太陽光パネルのリサイクル販売に商機を見つけた伊藤敦社長(長野県の本社で)(写真:堀 勝志古、以下同)
 南アルプスと中央アルプス、2つの山脈を東西に控える長野県駒ケ根市。山間にあるネクストエナジーの倉庫には数千枚の太陽電池パネルが積み上げられている。これらはすべてリサイクル品。住宅の建て替えや農業用ハウスの取り壊しなどで不要となったパネルを全国から買い集めた。製造元はシャープ、三洋電機、京セラなど。

 「パネルは性能試験と清掃を施し、早ければ1週間で出荷する」と伊藤敦社長(39歳)は話す。

 太陽光パネルは製品寿命が長い。期待年数で20年、製品によっては40~50年は使えるという。一方、住宅は30年程度で建て替えることも多い。伊藤社長は、十分に使えるパネルが住宅の建て替えによって廃棄されている現状を目の当たりにしてきた。

そこで思いついたのがリサイクルだ。インターネットのホームページで不用品の回収と販売を告知したところ予想以上の反応があった。

 事業開始から2年8カ月。月間でパネル500枚を売り上げる。規模は決して大きくないが「入荷情報をネットで告知すると、30分もすれば全国から問い合わせが来る」(伊藤社長)と語る。設営工事は販売地域の契約工務店などに依頼している。


中古の太陽光パネルを1枚ずつ検査して、販売価格を決める
 人気の秘密は新品パネルの半額程度という価格。大型の太陽光パネルは幅1m、高さ1.6mほどあるが供給できる電力量は200ワット程度。平均的な住宅 1軒分を賄うには20~30枚ものパネルが必要になる。新品パネルの場合、光エネルギーを家庭用電力にする変換機などの周辺機器や設置費も加えると250 万円程度になる。

 一方、リサイクルパネルを使えば諸経費を加えても150万円程度。そのため新品なら少なくとも15年はかかるという費用回収期間も約9年で済む。

 太陽光パネルを1枚単位で売るという市場も開拓した。住宅全体の電力を賄うのではなく、携帯電話の充電、TVや庭園灯など限定的な電力供給のためにパネルが欲しいというのだ。

 実は新品の販売では、こうした要求には十分応えられなかった。一般的に販売店では住宅用に10枚以上のパネルをまとめて設置している。それに比べ単体での販売は売上額も低く、取り扱いをしない販売店がほとんどだったからだ。

 一方、リサイクルでは住宅から回収したパネルの枚数と、それを設置する住宅のパネル枚数とでは異なることがほとんど。大型施設の解体で一挙に6500枚のパネルが放出されたこともある。そのため、端数となったり、住宅用には使いづらいパネルを単体販売に回すことができる。

 伊藤社長は「パネル1枚当たり2万~5万円程度で買える手軽さが受けている。キャンピングカーや船舶に取りつけたり、ポンプの駆動電源に使ったりと用途は様々。今後もこの市場は拡大が見込める」と語る。


値付けと保証に一日の長
 いち早く太陽光パネルのリサイクルを事業化したネクストエナジー。他社の参入もありそうだが「他の事例は聞いたことがない」(伊藤社長)と言う。この商売の要は、仕入れたパネルに適正価格をつけることにある。

 事業化に際して、伊藤社長は太陽光パネルメーカーが製品テストで使う検査装置を導入した。リサイクル品の出力能力を測り、検査数値の80%以上の発電保証をつけて、販売価格を設定する。保証期間は1~5年に及ぶ。

 今までに評価したパネルは1万枚以上。独自の査定と保証システムを確立した。これがネクストエナジーが顧客に支持される理由だ。

 しかし、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

伊藤社長がネクストエナジーを設立したのは2003年12月のこと。家業の建設会社で始めた次世代エネルギー事業を本格化させるため、独立した。

 まず手がけたのは、小規模事業所向けの風力発電と小水力発電。しかしうまくいかない。水力は小型でも国土交通省から水利権の許可が必要になる。風力は小型の場合、安定して電力を得るのが難しい。そのため導入が思うように進まない。

 起業したものの事業黒字化の見通しが立たない。売り上げ確保のためシャープの太陽光発電装置の販売特約店となる決心をした。しかし、伊藤社長は「太陽光発電はやりたくなかった」と本心を明かす。太陽光発電は訪問販売を中心とした営業モデルが既に確立し、販売店間の競合も激しい。一方、ネクストエナジーは技術者の集まり。営業担当者は1人だけでノウハウも少ない。当然、販売実績は低かった。

 その打開策がリサイクルだった。建設会社での経験から再利用可能なパネルが廃棄されていることを知っていた。「価格さえ安ければ太陽光発電を導入したい」という顧客の声も聞いていた。しかも競合はいない。

 太陽光パネルの回収・販売を電話やFAXを使い全国の太陽光発電装置の販売店や工務店、解体業者に呼びかけた。販促のためインターネットの検索サイトを利用。宣伝費を支払い自社のページが上位に表示される形で、知名度を高めた。その甲斐あって営業力不足を補いネット販売を軌道に乗せた。

 創業から4期目となった2007年6月期に黒字化に成功。2008年6月期は売上高3億8000万円、経常利益は1000万円となる見通しだ。

 今年4月からは「環境付加価値」の買い取りサービスを加えた太陽光発電装置の販売を始めた。

 環境付加価値は、太陽光など自然エネルギーによる発電量に応じて決められる。その量を金額換算し、ネクストエナジーが顧客から買い取る。それで顧客は運営コストを下げられる。買い取った付加価値は証券化して企業間で取引されている。

 エコブームに乗るネクストエナジー。今後は、営業や設営拠点を全国に広げたり、補修能力を強化したりすることも課題となる。





廃熱を電力に変える技術のジレンマ


出典:最初に熱を音に変える実演の動画をご覧下さい。これは,なんの変哲もないプラスチックの管に,網目の大きさが数mm角の金網を入れ,それを加熱するだけ。それだけで,音が鳴り始めるのです。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20081218/163023/


2008年12月14日日曜日

エアロゾル印刷で太陽電池の効率を改善、ドイツの研究機関が発表


出典:http://eetimes.jp/article/22613/
ドイツの研究機関であるFraunhofer Institute Solar Energy Systems(ISE)
に設置された光誘起めっき(LIP:Light-Induced Plating)設備である。
出典:ドイツFraunhofer ISE

 ドイツの研究機関であるFraunhofer Instituteは、シリコン(Si)材料を使
う太陽電池の製造方法を、従来のスクリーン印刷方式から非接触でエアロゾル
を吹き付ける「エアロゾルジェット印刷」方式に変えることで、発電効率を
2%改善したと発表した。エアロゾルとは、気体中に浮遊している状態の液体
や固体の微粒子である。
 Fraunhofer InstituteのSolar Energy Systems部門(Fraunhofer ISE)は、
米Optomec社のエアロゾル・プリンタを使って、太陽電池の製造コストを低減
する従来に比べて薄いシリコン・ウエハーを処理した。同研究機関によれば、
Optomec社のエアロゾル・プリンタを使うことで、従来は16~18%だった太陽
電池の発電効率を20.3%まで高められたという。
 Optomec社のエアロゾル・プリンタは、インクとして米Applied Nanotech社
などが供給するナノ微粒子インクを使うという違いはあるものの、機能的には
一般的なインクジェット・プリンタと同じである。このエアロゾル・プリンタ
は、太陽電池に使われたシリコン・ウエハーの上に、金属インクや半導体イン
ク、絶縁体インクを転写することで、電子回路を作製できる。このほか、RFID
タグなどの用途に向けて、安価で柔軟性のあるポリマー膜を処理する際にも使
える。
 Fraunhofer Instituteは今回、このエアロゾル・プリンタを使って、太陽電
池の入射面の金属配線を作製した。この結果、金属配線面積を削減でき、日陰
損失を低減することで発電効率を高められたという。エアロゾルジェット印刷
された入射面のグリッドには、線幅が45μmを切る光誘起めっきが施されてお
り、そのめっき接点はグリッド全体の幅の43%を占める。
 一般に、インクジェット印刷よりもスクリーン印刷の方が、単位時間当たり
に多くの太陽電池を製造できる。Optomec社によれば、同社のエアロゾルジェ
ットの蒸着ヘッドは40個のノズルを備えており、比較的薄い太陽電池ウエハー
を使って3秒以下で太陽電池を印刷でき、材料コストと印刷時間をともに低減
できるという。



ハイブリッドソーラー船完成 山口


出典:http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811290001.html
 山口県周防大島町の大島商船高専が、太陽電池で駆動するモーターとディー
ゼルエンジンを使い分けできる「ハイブリッド型ソーラー漁船」を完成させた。
 漁場まではエンジンで向かい、漁の最中はモーターを使用。通常はエンジン
をアイドリング状態にして漁をする間の燃料消費と二酸化炭素排出をなくせる
のが特徴だ。
 全長6.75メートル、総重量1.1トンの漁船に、長さ1.35メートル、幅35セ
ンチの太陽電池パネル8枚を屋根のように取り付けた。モーターの出力は
1500ワット。試験運転では最高速度3.7ノットで航行した。
 ハイブリッド化の費用は約230万円。開発した三原伊文(よしのり)教授
(61)は「今後は熱電素子を利用するなど、さらなる省燃料化を図りたい」と
話している。
【写真説明】太陽電池パネルを指さし、仕組みを説明する三原教授




3億5951万円増へ 県補正予算案 ソーラー船建造費5700万円 富山


出典:http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000811270002
県税50億円減
 県は26日、一般会計を約3億5951万円増額する補正予算案を発表した。
歳入では、景気低迷の影響などで県税収入が50億円減。減収補てん債の発行
などで対応するという。補正後の一般会計総額は約5408億8910万円。
県議会12月定例会に提案する。
 雇用対策として、求人開拓をする支援員2人の配置に158万円を計上。ま
た新型インフルエンザ発生に備え、防護服などを整備する医療機関への助成に
6663万円を充てた。ほかに、富岩運河で運航するソーラー船建造費570
0万円など。
 歳入の減額50億円の内訳は、法人2税30億円のほか、暫定税率失効分7
億円など。減収補てん債40億円を発行するほか、暫定税率失効による減収分
は、臨時交付金で全額穴埋めする。企業会計の「地域振興積立金」からも、1
億円を一般会計に繰り入れる。
 県は現時点で、今年度の県税収入は、当初予算比72億円の減収と見込む。
石井隆一知事は会見で「精査中だが、さらに10億~十数億円落ち込むのでは」
との懸念を示した。
 また石井知事は、麻生首相が国の第2次補正予算案の提出を先送りする考え
を表明したことについて、「早くやってほしいという気持ち。国民に必要な政
治を考えてほしい」との意見を述べた。



世界初の太陽エネルギー飛行機、来年テスト飛行へ


出典:http://japanese.cri.cn/151/2008/11/19/1s129758.htm
 現在開発中の世界初の太陽エネルギー飛行機は来年初頭、一回目のテスト飛
行を実施し、2011年に中国を含む世界飛行を行う予定だということです。
 これは国際航空運輸協会が18日に行われたシンポジウムで明らかにしたもの
です。この太陽エネルギー飛行機はサンパワー社が開発したもので、来年初め
にテスト飛行、2011年は世界五ヶ所をまわる世界飛行が実施されるということ
です。サンパワー社の創始者兼総裁のピカード氏は、「太陽エネルギーによる
飛行は大きな挑戦であり、われわれはこの技術を積極的に生かして、限りある
地球のエネルギーを節約していきたい」と語りました。



NEDO、有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発


出典:http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=205683&lindID=4
有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発
http://www.nedo.go.jp/informations/press/201119_1/201119_1.html
 次世代太陽電池として期待される色素増感型において光吸収材料に新規開発
の有機色素(MK-2(注1))を採用。
 従来型のルテニウム系のように希少金属を含まないため低コストで製造でき
るだけでなく、 高効率、高耐久性も実現した。 
---中略---
産総研プレス発表 
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070525/pr20070525.html
特許PCT/JP2006/301402



太陽発電で飛ぶ飛行機、インドでお披露目


出典:http://indonews.jp/2008/11/post-1895.html
 インド北西部ラージャスターン州ジャイプルで16日、インド-スイス友好条
約締結60周年の記念行事にて、太陽発電で飛ぶ飛行機"Solarimpulse"のプロト
タイプが披露された。
 開発グループ広報のフィル・マンドヴィラー氏によれば、来年4月に予定さ
れた試験飛行で世界1周を目指すという。
 同飛行機は燃料を一切使用しないため汚染がなく、昼夜を問わず飛行できる
設計。60人の技術者が開発を進めており、資金1億ドル(約97億3,000万円)を
かけて2機製造するという。
 飛行機の翼は、下面を柔軟膜、上面を薄膜太陽電池で覆い、翼幅を61メート
ルと広くすることにより空気力学的に有利な構造を実現したという。



魚にヒントを得た、従来の1/5の流速でも発電する水力発電機


出典:http://www.planetanalog.com/showArticle.jhtml?articleID=212200617&cid=NL_planet

Hydropower generator mimics fish
Researchers claim to have fashioned a fish-like hydrokinetic scheme that
harnesses
both fast and slow underwater currents to generate electricity.

米MIT,薄膜太陽電池の変換効率を50%向上させる設計方法を発表


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081203/162295/?ref=ML
2008/12/03 12:40

プロジェクトに携わったMIT's Research Laboratory of Electronicsのpostdoctoral researcherであるPeter Bermel氏
 米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の研究チームは,薄膜太陽電池の変換効率を50%向上させる方法を発見したと発表した(発表資料)。コンピュータ・シミュレーションによって薄膜太陽電池を設計し,研究所内の実験で結果を確かめたという。

 厚さ2μmのSi薄膜に反射防止膜を施し,多層の反射膜と回折格子の新しい組み合わせを背面に適用することによって,太陽電池の出力を従来比で50%程度向上させた。太陽電池の背面に設けた多層の膜によって,太陽光がSiの薄膜の中でより長い間反射を続けるため,効率が向上するとする。

 このプロジェクトに携わったMIT's Research Laboratory of Electronicsのpostdoctoral researcherであるPeter Bermel氏は,「重要なポイントは,太陽電池の層に入った太陽光がSiの中で長い経路をたどることだ」と説明する。研究チームは,回折格子の幅やSiの厚さ,太陽電池の背面の反射膜の層の数について,さまざまなバリエーションを考え,何千回もシミュレーションを繰り返したという。

 研究チームは,引き続きシミュレーションと研究所内での試験を通して,この技術の微調整を行う。その後,製造プロセスや材料を研究する予定。3年以内の実用化を目指す。


加納 征子=日経エレクトロニクス

「発電床」の実証実験を東京駅で実施,今年度は2007年度比10倍の発電量が目標


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081203/162331/?ref=ML
2008/12/03 16:45

東日本旅客鉄道(JR東日本)の,改札通路などに圧電素子を敷き詰めた床を設置して,その上を人が通過する際のエネルギーで発電する実験の構成イメージ

JR東日本の「発電床」実験の,2007年度実績と2008年度の目標値
 東日本旅客鉄道(JR東日本)は,改札通路などに圧電素子を敷き詰めた床を設置して,その上を人が通過する際のエネルギーで発電する実験を,2008年12月10日から東京駅で実施する(発表資料のPDF)。この「発電床」の実験は,2006年度から行っているもの(Tech-On!関連記事)。今回は2007年度の実験に比べ,改札1人通過当たりの発電量は約10倍を目標とする。実験期間を通じて発電量の低減を抑える持続性の高さも目指すという。

 今回の実験では,(1)圧電素子の形状と配置の改良,(2)歩行による圧力を各圧電素子に伝える機構の改良,(3)電気回路の改良,の3点により,発電量を高め,持続性を向上したという。改札1人通過当たりの発電量は実験開始時に約10W秒,約2カ月後に開始時の9/10を目指す。2007年度(2008年1月19日~3月7日)の実績値は開始時に約1W秒,7週間後にその2/3だった。2006年度の実績値は開始時に約0.1W秒,3週間後にその1/3だった。今回は歩行面を駅で使用している床材と同等の石材タイルにし,歩きやすさも向上した。前回の歩行面はゴム製だった。

 実験期間は2009年2月初旬まで。八重洲北口の改札7通路と,改札内の階段(7段)に,合計約25m2の「発電床」を設置する。1日当たりの総発電量は1400kW秒以上を見込む。今回,発電した電力は発電量の表示に利用するが,将来は自動改札機や電光表示器などに利用することを目指すという。


2008年12月9日火曜日

Oerlikon、酸化亜鉛の透明電極で薄膜太陽電池のコストを2年以内にワットあたり1$に出来ると主張


出典:http://www.businessgreen.com/business-green/news/2230520/oerlikon-boosts-capacity
Oerlikon's optimised Zinc Oxide bolsters thin film solar performance
vnunet.com?-?Nov 14 1:55 AM
Solar PV manufacturer claims new chemistry makes $1 per watt solar modules
possible within two years Oerlikon Solar
has claimed that it has increased the capacity of its thin film solar
fabrication plant by 50 per cent using a new chemistry....




出典:http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/081121_mega-solar06-01/index1.html

メガソーラー本番、日本の復権なるか?![PART6]桐蔭横浜大学 大学院工学研究科 宮坂力教授インタビュー(前編)
“オタクの分野”から生まれた新型太陽電池
――色素増感太陽電池とは、どのようなものでしょうか。

宮坂 力 教授(以下、敬称略):  色素増感太陽電池は、カラー写真をつくる技術がルーツになっています。

フィルム写真が登場する以前の乾板写真では、「ハロゲン化銀」の入った乳剤をガラス板に塗って使用していました。このハロゲン化銀という化合物は、光の当たった部分が銀に還元されて黒化する特性(感光性)を持っています。この感光度合いの強弱で、色の濃淡を表現しているのです。現在残っている坂本竜馬や夏目漱石の写真などがそうですね。ハロゲン化銀は青い光にしか感光性を持ちませんから、単体ではモノクロ写真しかできません。

その後、1960年代中頃にカラー写真が一般に普及しました。ハロゲン化銀だけでは一色の濃淡でしか写真を映すことができませんでしたが、カラー写真は複数の色を表現するため、各色に感光する色素を組み合わせています。赤は赤、緑は緑、青は青と複数の色を再現するため、各色の光を吸収する色素を使って“増感”しているわけです。増感という言葉は、光の“感度を高める”という意味で、色素分子を使って写真の光感度を高めることを色素増感といいます。

実は、感光色素が光を吸収すると、ハロゲン化銀粒子に電子が移り、発電が起こります。例えば、ハロゲン化銀を真っ平らな板状にして、表面に色素を吸着し、現像薬の入った電解液に浸けて光を当ててやると電流が流れます。

このような、もともとは写真の感度を上げるために使った技術を発電に応用しているのが、色素増感太陽電池です。


宮坂教授は「色素増感太陽電池には、感光色素を利用したカラー写真技術が応用されている」と説明する

――色素増感太陽電池は、いつ頃から登場したのでしょうか。

宮坂: 「色素増感太陽電池」という言葉が一般的に使われ始めたのは、20年くらい前です。私が研究者として論文などを出し始めたのが1978年ですから、個人的には、色素増感の研究に携わるようになり、今年でちょうど30年目になります。

しかし、色素増感の光発電という原理は、それよりもずっと以前の1960年代終わりには既に確立されていました。カラー写真における、感光色素が光を吸収した際に生じるエネルギーを電力として取り出そうという分野が出来ました。それが電池などと同じ「電気化学」です。

この分野には、最近、普段の生活で耳にするようになったものが全部入ってくるんですよ。例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、ニッカド電池、アルカリ電池などのような、いわゆる電解液を使うものです。“元祖”太陽電池はシリコン結晶という固体を使っているので、液体の電解液を使用するこの分野とは無関係ですが、私たちの研究している色素増感太陽電池は、まさに、この電気化学を使って作られるわけです。

さらに細かく言うと、色素増感太陽電池のように光を使って電気化学の反応を起こす(電力を取り出す)分野を「光電気化学」と言います。これはもう、大学でもそのような授業はありませんし、知る人ぞ知る分野という感じで“オタクの世界”になります(笑)。

でも今、1000億円以上の市場に育った抗菌剤や光触媒(※1)は、実はこの光電気化学が生んだ技術です。ノーベル賞の候補にもなっている「本多・藤嶋効果(※2)」の本多健一氏や藤嶋昭氏なども、光電気化学の専門家たちです。

※1 光触媒
自らは変化せずに、光エネルギーで化学反応を促進する物質
※2 本多・藤嶋効果
光触媒の反応のこと。1972年に英雑誌『ネイチャー』に発表された。一方の電極に酸化チタン(光触媒)を使い、そこに光を当てただけで、電流を流さなくても水素と酸素が発生することを発見した。通常、水の分解は、水溶液中に電流を流すことで水が水素と酸素に分解される。
酸化チタンの形状を変えて発電効率11%をクリア
――色素増感太陽電池の歴史は、意外と古いのですね。

宮坂:  確かに古いですね。とはいえ、まだ私が学生時代の1970年代後半には、学術的に「とにかく発電は起きる」という程度で、家庭の電力が賄えるとか、パソコンが動かせるといった、実用レベルにはありませんでした。どの位低いレベルだったかというと、現在の発電効率の11%に比べて100分の1とか、1000分の1とか、その程度だったと思います。




――色素増感太陽電池は、どのような仕組みで発電しているのでしょうか。

宮坂:  構造は非常にシンプルで、電解質溶液を二つの導電性素材の電極で挟んだだけです。一方の電極は透明な導電性の素材に感光性のある酸化チタン粉末を焼き付けて色素を吸着させて作ります。

発電の仕組みは、まず、電極に光が当たると、色素が光を吸収して電子を放出します。この電子は、酸化チタンに移動し、外部回路を経由して対極に流れ、対極から電解液の酸化還元剤に渡されます。電子を放出した色素は、電解液の酸化還元剤から電子を受け取って元の状態に戻ります。この酸化還元を経由した電子の流れが繰り返される仕組みは乾電池とよく似ています。


色素増感太陽電池の仕組み(提供:宮坂力教授)

――発電効率が劇的に向上したのは、何がきっかけだったのでしょうか。

宮坂:  色素増感太陽電池には、写真の感光素材として使われているハロゲン化銀の代わりに「酸化チタン」を使用します。ハロゲン化銀も酸化チタンも半導体の一種で、電子を受け取る性質があります。私が学生の頃には、既に色々な半導体が光発電の目的で試されましたが、淘汰されて、最も安定なものとして残ったのがこの酸化チタンでした。

ただし、当時使われていたのは、酸化チタンの真っ平らな結晶板です。それですと「単分子吸着」といって、分子の厚さ一層にしか色素が付きません。光が当たれば電流は確実に流れますが、色が薄すぎて光を十分に吸収できないという大きな欠点がありました。

ところが1988年に、スイス連邦工科大学のグレッツェル博士が、酸化チタンをナノサイズの球状にすることを思いついたのです。すると、入り組んだ構造となり、色素が付着する表面積がこれまでの約2000倍になりました。光を吸収する色素の面積がこれだけ増えれば、光は通り抜けずにしっかりと吸収されます。その結果、光の吸収率が数百倍も上がり、発電効率も薄膜シリコンと同等レベルまで上がってきたのです。

先ほども言いましたが、現在の色素増感太陽電池の発電効率は最高で11%に達しています。これは、薄膜シリコンの効率にも劣らない高いレベルです。薄膜シリコンは、研究レベルでは12%に達していますが、商品として世の中に出てくるものはもう少し下がります。色素増感は今、研究レベルで11%を超えています。作り方にもよりますが、製品として世に出てくるものが8%位といったところでしょうか。ですから、薄膜シリコンと同じ位のレベルと言えるでしょう。

ロールモデルは「液晶」
低価格でポピュラーなものへ
――日本での研究・普及の様子はいかがでしょう。

宮坂:  日本は研究が非常に盛んで、研究に参画する数は世界に比べて別格の多さです。今、日本は色素増感型太陽電池で2000件以上の特許が出されています。

ですが、色素増感型は太陽電池で唯一、“液もの”を使っていますから、研究者のなかにはこれを嫌う人もいます。エレクトロニクスの世界では、「液体は扱わない」と拒絶する文化があるんですね。

ただし、液体を使っていても認められたものが一つだけあります。それが「液晶」です。液晶も昔は「こんなもの使えない」と言われた技術でしたが、今は巨大なマーケットを作り、日常生活に浸透しています。ですから私は、色素増感太陽電池もいつかは液晶のような存在になるだろうと思っています。研究当初から、シリコン系の太陽電池などと比べると、低コストで物が出来るという期待感もありました。





「シリコン系太陽電池の3分の1の値段を目指す」と語る宮坂教授
――色素増感太陽電池は、なぜ低コストにできるのでしょうか。

宮坂:  まず、酸化チタンが非常に安価で資源量の多い材料だということです。それから電解液も安い。言ってみれば、色素増感太陽電池で使用する材料すべてが安いのです。

唯一、10年近く、高価だと懸念していたのが増感色素に使用するルテニウム錯体でした。ですが、一度に使う量は少ないですし、現在は代替色素の研究もなされていますから、総合的には非常に低コストで製造が可能です。

私も、光電気化学の大御所の先生方からは「こんなものを太陽電池にするのは非常識だ」とずいぶん言われました。「これは学術レベルの話で、実用化するものではないだろう。こんな研究をさせられて、本当は不本意なんじゃないか」と、心配されたことまでありました(笑)。

ただ、いくら低コストに作れるとはいえ、写真の研究者たちは、フィルムの上に乗った色素がいかに脆弱かということをわかっていました。「一度光が当たったら劣化してしまうようなものを屋外に出し、半永久的に使っていくことなど絶対にあり得ない」という批判がありました。




――従来の太陽電池と比べると、どの位安価にできるのでしょうか。

宮坂:  現在の目標は「シリコン系太陽電池の3分の1の値段で量産する」ということです。1平方メートルあたり100ドル以下、1万円以下というレベルです。シリコン系の太陽電池は一番安いものが小売りでだいたい1平方メートルあたり6万円、工場出荷時の原価が2万~3万円だそうです。そこで我々は、工場出荷時の原価を1万円以下にすることを当面の目標にしました。これも一応、達成できるはずだという根拠があり、その根拠のもとに金額を設定しています。

シリコンでは不可能な
“別世界”の値段を現実する
――逆にシリコン系はなぜコストがかかるのでしょうか。

宮坂:  シリコン系の製造コストがどこにかかっているかというと、半導体シリコンを精製する工程の、1400℃という高温と真空です。シリコン系太陽電池は、材料コストを押し上げる二つの要因、“超高温”と“真空”が両方とも求められる技術です。

最近、私が参加しているPVTEC(太陽光発電技術研究組合)という組合で会議があり、「我々が生き残っていくには、(太陽電池の)寿命を延ばすことだ」という話になりました。現在、20年という寿命を40年に延ばす。それは多分可能だから、次は100年まで延ばそうということなのですが、これには少し疑問が残ります。

ビルや橋などに設置したものが100年持つというのはまだしも、一般の民家は普通、100年も持ちませんよね。今は、同じ家に20年住み続けるかどうかも分からないくらいですから、太陽電池を100年間も一般家庭に置きっぱなしというのは、少し考えにくいことです。それはもう、特殊な目的以外には利用できないだろうと思います。

やはり私は、色素増感太陽電池が持つ可能性は、別のところにあると考えています。色素増感型で、これまでの常識から外れた“別世界”の低価格を実現していく。それが出来れば、3年や5年で交換の必要が生じたとしても、十分に採算がとれるはずです。

では、“別世界”とは、どれくらいのレベルかというと、色素増感型は写真の技術を応用して生まれた太陽電池ですから、最終的には写真のフィルムと同じ値段まで下げられる可能性があるということです。

具体的な数字でいうと、私はだいたい1平方メートルで2000~3000円位と予想しています。

このレベルにまで値段が下がれば、様々なアプリケーションが新たに考えられます。

例えば、住宅の屋根に発電効率が8%の色素増感太陽電池を設置しようとした場合、シリコン系の半分の発電効率しか出ないことになります。

シリコンと同等レベルの発電効率を望むなら、面積が2倍必要となり、太陽電池の量も2倍かかるわけですが、値段がシリコン系の10分の1なので金額的には約2割で収まることになります。

ただ、シリコンは20年も長持ちすることに対して、色素増感型は5年で交換が必要になるという耐久性の問題も入ってきます。ですが、値段が10分の1なので、計算をしてみればそれでもまだ色素増感型の方が安いという結論になると思います。

設置面積や小売価格、5年で交換する際の施工費など具体的な要素は省いているので一概にはいえませんが、条件によっては色素増感型がシリコン系を上回る場合があるでしょう。

また、安いだけではなく、軽量でフレキシブル、安全性・衝撃性に優れたものを作れば、太陽電池をホームセンターなどで購入して、自分で設置できるようになるかもしれません。太陽電池の設置工事費が省略されれば、そのためのコストを下げることも可能になるわけです。


宮坂教授は、「最終的には色素増感太陽電池を、シリコン系の10分の1にまで下げたい」と語る
色素増感太陽電池の持ち味を最大限に引き出す
プラスチックフィルム化
――実用化は不可能だと思われていた色素増感太陽電池を、30年間も研究されてきたということは、その可能性を信じていたからですか。

宮坂 力 教授(以下、敬称略):  私は、色素増感太陽電池の普及・実用化の可能性に対しては常に辛口です。今でも「色素増感太陽電池は、形状や特徴をほかの太陽電池と差別化し、用途を特化しなければ普及は難しい」と言っています。

色素増感太陽電池を屋外に設置して、シリコン系太陽電池と同じように使用することもできますし、条件によっては価格的なメリットも生まれるでしょう。ですが、やはり使い方としてはベストではないと思っています。

私がこの大学に来てすぐに始めたことは、色素増感太陽電池の“プラスチックフィルム化”でした。色素増感太陽電池の持ち味を最大限に引き出すには、従来のシリコン系太陽電池ではできなかった、低コストでのフィルム化、フレキシブル化が一番だと考えたからです。

色素増感太陽電池は、今、9割以上がガラス基板の上に作られています。従来のシリコン系太陽電池と同じように屋根に設置して使うなら、もちろんそれで構いません。ですが、太陽電池を洋服やカバン、あるいはパソコンなどに付けてフレキシブルに使おうと考えた時に、ガラス基板だとやはり割れてしまう。シリコン系太陽電池と同じ欠点を抱えるのです。

結晶シリコン太陽電池には、材料が堅くてもろいという弱点があります。いくら表面をプラスチックで保護しても、少しの衝撃やたわみで、中にある結晶が「パリッ」と割れてしまいます。外側に問題はなくても、中身だけ割れてしまうのです。

また、重くて割れる危険のある太陽電池を身に付けたり、持ち歩いたりするなら、使い勝手だけでなく安全性も重要になります。つまり、割れる可能性のあるガラスやシリコンを使うと、どうしても用途的には限界があるということです。プラスチックフィルム化で、そういったシリコン系太陽電池では不可能な分野に入っていこうと考えているわけです。


紙のように曲げ伸ばしできる、フレキシブルなプラスチックフィルム型色素増感太陽電池

宮坂: 今、フレキシブルであることは、ユーザーから当たり前に要求されています。化合物系やシリコン系太陽電池でも薄膜系など、ほかの新型太陽電池でも何とかフレキシブル化しようとしています。エレクトロニクス業界で“フレキシブル化”というのは、ほとんど合い言葉のようになっています。

電子ペーパーなどは序の口で、パソコンまで紙のように持ち運び便利なものにしてしまおうという試みもあります。落としても割れないとか、何トンもの力を加えても壊れないように堅牢にするというアイデアがある一方で、逆に、紙のように丸められる、柔らかいものにしてしまおうという考え方もあるんです。

そのうち、回路がプリントになり、ディスプレイも曲げられるほどフニャフニャなものになって洋服などに貼り付けられるようになる。パソコンや電子ペーパーといった、動かす機器がフレキシブルになったときに、電池だけカチカチに固いものをポケットに入れるわけにはいきません。ですから、電池もフレキシブルにする必要があります。このような動きを「プラスチック・エレクトロニクス」または、「フィルム・エレクトロニクス」と言います。まだ耳慣れないかもしれませんが、今、急速に広がりつつある分野なのです。

これからの太陽電池は
すべての光をエネルギーに換える
――今後、色素増感太陽電池をどのように世の中に普及させていこうと考えていますか。

宮坂:  まず、屋外だけではなく屋内を含めた使い方で、この太陽電池の良さを分かってもらい、市民権を得ていくというのが私の考えです。今、関心があるのは、携帯や移動が可能なモバイル化、屋内設置などです。以前は「屋内に太陽電池のユーザーはいるのか」という質問を散々受けたのですが、現在では、そのようなこともなくなり、色々な業者やメーカーから打診や依頼を受けています。

ただ、市場に出していくためには、やはり「最低限の寿命を保証する」ことが必要になります。最低限の寿命とは、家電製品と同じく保証期間が1年間です。太陽電池の搭載が考えられている機器には、本体そのものの寿命が1年というものもあります。そういう場合は、電池だけ長持ちしてもあまり意味がありません。とはいえ、最初から1年しか持たないものを作るというわけにもいきません。今は、3年から5年の耐久性をメドに考えています。




――どのような商品を視野に入れていますか?

宮坂:  色々なアプリケーションを想定しています。パソコンなどのディスプレイや時計などは当然として、色素増感型の持つ透明性の生きる、窓やステンドグラスといったものも考えられるでしょう。愛知万博(2005年日本国際博覧会)では、緑化壁(※)の上に設置したモジュールも、セル本体がシースルーになっていて、下にある植物にもしっかり光が届き、成長の妨げにならないというものでした。

私は“色素増感太陽電池”という言葉自体に違和感を持っています。太陽光だけで発電するのではなく、蛍光灯や夜のネオンサインなど、様々な光を使って発電しようというのが、私の考えるこれからの「光電池」です。

実際、私のところに来るユーザーが想定しているものの半数は、太陽光の利用を想定していません。ショッピングセンターやデパートなどの、蛍光灯を対象とするケースが増えています。

実は、色素増感太陽電池は、蛍光灯を当てた場合、太陽光に比べて発電効率が約2倍になるという特徴を持っています。蛍光灯は発電に不要な紫外線や赤外線をあまり出していません。色素増感型は可視光によって発電しますから、もともと、屋内の蛍光灯と非常にマッチングが良いのです。逆に、シリコン太陽電池を蛍光灯の明かりで利用しようとすると、発電効率がかなり下がります。ですから屋内環境では、色素増感型の方が発電効率の目減りがずっと少なくなり、性能上も有利になるのです。

※緑化壁:
植物や花で埋め尽くされた巨大な壁。CO2の吸収・酸素の供給、夏季の気温の低減など、都市生活環境の改善や環境負荷の軽減を図ることができる。愛知万博では「バイオラング(生物生命の「バイオ」と肺「ラング」を組み合わせた造語。植物の力で都市を呼吸させる)」というコンセプトで、長さ150メートル、高さ15メートルの巨大な緑化壁が設置された。

プラスチックフィルム型色素増感太陽電池は、セル本体がシースルーになっているため、窓の外の景色が透けて見える

愛知万博では、会場内の緑化壁「バイオラング」(写真左)にプラスチックフィルム型色素増感太陽電池を取り付け。LED電飾の電源として公開と耐久試験を行なった(写真右)
(クリックすると拡大した画像が開きます)
シリコンは「同士」
“すみ分け”で互いの長所を生かす
――色素増感太陽電池の用途を限定する理由は、シリコン系との差別化を図ることにありますか。

宮坂:  そうですね。既存の用途で、シリコン系太陽電池との競争に勝てるかというと、なかなか目に見える成果を得られませんでした。私自身は、今、研究・開発を進めているプラスチック化が答えなのですが、ほかの研究者には理解されにくかったかもしれません。

太陽電池の開発で重視しなければならない3つのポイントは、発電効率と耐久性、コストです。そして、コスト以外では、色素増感型は、どうしてもシリコンに勝てない。発電効率で追いつくことは、かなりハードルが高い。コストは下げられるけれど耐久年数は短い……となると、シリコン系と同じ土俵で戦うのは難しいでしょう。

私としては、30年来かかわってきた仕事ですから、何らかの形で色素増感型を世に出したいという思いが強くありました。太陽電池でなくても構わないと考え、例えばビデオカメラに使っているCCDのカラーセンサーを、シリコンでなく色素増感の画素で作るとか、そんなことを試みたりもしました。

色素増感型が認知されてきた今は、一つの結論として、シリコンとの「すみ分け」を考えています。太陽電池と言った途端、誰もがすぐにシリコンと同じ土俵で競うことを考えますが、そうではなく、よき仲間としてすみ分けることも可能だと思うのです。

シリコン系太陽電池は、高い発電効率と耐久性を持つ、いわば超エリートです。ですから、「狭い面積で大きな電力を得たい」場合には、これまで通り、シリコンを使えば良いと思います。

これに対して、色素増感太陽電池はプラスチックフィルム化することで、一般の人が手に入れやすい超低コストでのデバイスを実現させていきます。さらに、使い勝手を考えて、フレキシブルで軽いという、ユーザーが満足する機能を実現する。そして、透明であるということ。これも、色素増感太陽電池の強みだろうと思います。


幅1メートルのITOプラスチックフィルム(液晶ディスプレイなどに採用されている光を透過する透明電極)。印刷技術を使用すると、このロールを常温常圧で直接作りこむことができるため、将来は、安価で大量生産が可能になる
ニーズの増加から感じる
未来への確かな手応え
――宮坂さんは、これらの研究をもとに立ち上げた、大学発ベンチャー企業「ペクセル・テクノロジーズ社」の社長でもいらっしゃいますね。

宮坂:  この会社は、世界でも唯一の、電気化学エネルギーを光から作る「光電気化学」を専門とするメーカーです。

私は講演などで、この色素増感太陽電池の仕組みや可能性について話をしています。話すということは、ある程度、色素増感太陽電池の技術を明かすことですから、普通の会社は、まずやらないことです。

ところが、私が講演で説明すればするほど、ペクセル社に注文が入ってくる。学生のアイデアが生かされた会社と、大学の先生が行う講演活動や技術紹介、情報発信がユーザーの数を広げて、用途の拡大につながっている。この会社こそ、まさに、大学ベンチャーの典型例であると言えるでしょう。

色素増感太陽電池をめぐる状況については、2007年頃に一変しました。ユーザーのニーズが急速に増え始めたのです。

これまでペクセル社では、外回りなどを一切行っていませんでした。ところが現在は、「あれに使いたい、これに使いたい」「このような製品が欲しい」という話やアイデアが、ユーザーから舞い込んで来ます。

今までは、あるのかないのかも定かではなかった色素増感太陽電池のニーズが、確実に存在し、目の前に広がってきたという印象です。

あとは、それらのニーズに応えられる製品を出して行くだけです。これからも、さらに、色素増感太陽電池の技術を高めていかなければと考えています。

―― どうもありがとうございました。


宮坂教授は2004年3月に、大学ベンチャーとしてペクセル・テクノロジーズ社を設立。他社より一歩先んじて、色素増感太陽電池の実用化を進める



2008年11月15日土曜日

ソーラーパネルに当たる光をほぼ全部吸収可能にする新コーティング


出典:http://www.gizmodo.jp/2008/11/post_4580.html
今あるシリコンのソーラーパネルは、光線の大体3分の2しか吸収しません。
でも、米レンセラー工科大(Rensselaer Polytechnic Institute)が開発した
新ナノコーティングを塗り重ねると、どんなありきたりなソーラーパネルも当
たる光線を弾かず、ほぼ全部捉えるハングリー君に変わります。
なんと96.2%の光線をキャッチできるそうですよ?
しかも、日の出から中天、日の入りまで、どのアングルからくる光でも、それ
ができちゃう。
角度問わずなら日の巡りに合わせてパネルの向き変えなくていいので、余計な
電力の無駄遣いも省ける、というわけですね。コストダウンで長年苦戦してい
るソーラー技術にとっては本当に嬉しい大躍進です。
このコーティング、実は7層あって、厚さは各々50~100ナノメーター。素材は
二酸化ケイ素と二酸化チタニウム・ナノロッドです。揮発性で、「ほぼどんな
太陽電池素材」にも溶着可能なのだとか。
PhysOrgではこの堅く抱き合ったナノロッドを、「樹間から差し込む木漏れ日
を『閉じ込める』深い森」に喩えています。イメージ湧きますよね。
実用化についてはまだ何も発表はありません。なんせ黒板で構想が生まれてま
だ1年ですから。でもこれだけ熱効率が良いということは、当然、発電コスト
も下がるだろうし、そしたら化石燃料に代わる代替エネルギーとしてソーラー
パネルの採算もぐんと現実的なものになりそう。
代替エネルギーで人生変わると信じ込んでるスタトレファンみたいに思われる
のは嫌だけど、こういうのをブレイクスルーって呼ぶんだなって、思います。

[PhysOrg via Kurzweil AI]
http://www.physorg.com/news144940463.html
http://www.kurzweilai.net/news/frame.html?main=/news/news_single.html?id%3D9655
関連 : 太陽電池パネルの変換効率を上げる反射防止コーティング
http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/story/?story_id=1783289
Wilson Rothman(原文/訳:satomi)
http://gizmodo.com/5076530/solar-panel-quantum-leap-near+perfect-light-absorption-possible




米国の太陽エネルギー市場、民主党の勝利で大幅な拡大も--Gartner社の報告から


出典:http://www.ednjapan.com/content/l_news/2008/11/u0o6860000010tha.html
 米Gartner社は2008年11月、「大統領選挙で民主党のBarack Obama氏が勝利
を収めたことは、米国の太陽エネルギー産業に多大な影響を及ぼす可能性があ
る」と発表した。民主党が打ち出しているエネルギー政策が実施される可能性
が濃厚となったからだ。

 その計画とは、RPS(Renewable Portfolio Standard)の要求、クリーンエ
ネルギー技術の調査などへの投資、生産税額控除の5年間の延長、Cap&Trade
制度の実施などが含まれる。RPSとは、2012年までに、米国の消費電力の10%
を、再生可能エネルギーから調達することを求めるものである。また、クリー
ンエネルギー技術への投資については、1500億米ドルを10年間にわたって投資
する計画を打ち出している。Cap&Tradeとは、温室効果ガスの排出量を削減す
るために、企業にインセンティブを与える制度のことである。

 太陽エネルギーに対する需要は、依然として政府の助成金に依存する状況が
続いているが、これは「従来の発電方式に比べてコストが高いため」
(Gartner社)だという。Gartner社は「それでも米国の新政権がその計画の一
部を実施することになれば、太陽エネルギー政策への投資が促進される」と見
込んでいる。また、2008年10月には、太陽エネルギーのプロジェクトに対する
投資にかかる税金を30%控除する制度を延長する法案が可決された。Gartner
社は、「これにより、米国における太陽エネルギー市場の潜在能力が明らかに
なるだろう」と述べている。

 Gartner社は、「太陽電池パネルのベンダー各社は、販売業者やシステムイ
ンテグレータと協力体制を整え、米国市場における販売/サービス体制を確立
すべきだ」としている。