2009年4月24日金曜日

太陽電池の新興企業、赤外光からエネルギを得る材料技術を商用化へ


出典:http://eetimes.jp/article/22755/
 米カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く太陽電池の新興企業Solexant社は、
米University of Buffaloが開発した、赤外領域の光からエネルギを集めること
で太陽電池の発電効率を高める材料技術について、同大学からライセンス供与
を受けた。この技術は、同大学のフォトニクス研究所が開発に取り組んでいる
数多くの技術の1つであり、Solexant社はその商用化を担う。
 「フォトニクス技術は現在、エネルギやヘルスケア分野にも活用が進んでお
り、新しい局面を迎えている」。University of Buffaloの研究部門でエグゼク
ティブ・ディレクタを務めるParas N. Prasad氏は、2009年1月24日?29日に
米カリフォルニア州で開催された光技術の国際学会/展示会「Photonics West
2009」の基調講演でこのように語った。
 同氏の研究グループは、現在の太陽電池が取り込んでいない赤外領域や紫外
領域の光からエネルギを集める技術を開発している。複数のプロジェクトにお
いて、チューニング可能な量子ドットを利用し、赤外領域の光子を吸収して、
それらをカーボン・ナノチューブ壁に電荷のように結合させることで組織化す
る研究が進行中だという。
 このほか同氏は、980nmの赤外光を可視光に変換することに成功した研究プ
ロジェクトについても説明した。赤外光を可視光に変換できれば、一般的な太
陽電池でも吸収できるようになる。さらに別のプロジェクトで研究中の技術は、
レーザー光のみならず、直射日光にも機能するという結果が得られているとい
う。
 同氏は、「われわれは最近、太陽電池に入射した赤外領域の光子のうち30%
を回収する特性を実証した。われわれは、この方向で進展を続けている」と述
べている。
 同氏によると、Solexant社は同研究グループの赤外光技術のライセンス供与
を受け、2年以内の商用化を目指して資金調達を2ラウンド実施したという。同
社は、従来の薄膜太陽電池にも利用可能な、赤外光を吸収する材料の販売を目
指している。
 同氏は、「この技術を実用化できれば、太陽電池の発電効率を10%高められ
るはずだ」と主張する。
 このほかUniversity of Buffaloでは、紫外光からエネルギを回収する技術の
開発にも取り組んでいる。しかしこの実現は、赤外光技術よりもさらに難しい
という。「キャリア増倍」と呼ばれる、まだ研究が進んでいない技術が必要に
なるからだ。同グループでは、紫外光技術の開発に、多環芳香族炭化水素の一
種であるペンタセンを利用して量子ドットの可動性を高めるという手法も導入
している。
 「紫外光技術には課題が数多くあり、開発にはしばらく時間がかかるだろう。
開発に成功すれば、太陽電池の発電効率を300%高められる可能性がある。し
かし現在のところはまだ、正味の効率は1%にも満たない」(同氏)。
 ただ。Photonics West 2009で登壇した別の発表者は、紫外光技術に対し
て懐疑的な意見を述べている。
 材料技術の専門家で、最近までドイツの研究機関であるPaul-Drude-Institute
of Solid State Electronicsでディレクタを務めていたKlaus Ploog氏は、「こ
の分野の技術については詳細に調査したが、結果として言えるのは、紫外光技
術には期待すべきではないということだ。紫外光技術の効率は非常に低い。さ
らにこの技術の研究者は、コスト面については何も語っていない」と指摘した。



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