出典:http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200901160086a.nwc
市場調査会社の富士経済は、海外主要27カ国における風力による発電能力
が2020年に08年の約4倍になるとの予測をまとめた。太陽光発電も約5
倍に拡大。各国の新エネルギー導入促進に向けた電力買い取り価格の引き上げ
や、税制優遇などが後押しすると予想する。特にオバマ次期米大統領がエネル
ギー・環境政策に重点投資を行う「グリーン・ニューディール構想」を打ち出
す米国の伸び率が高まるとみられ、中国とともに市場拡大のけん引役となりそ
うだ。
主要27カ国の風力による発電能力は08年の約1億1000万キロワット
から約4.2倍の約4億7000万キロワットに拡大する見通し。オバマ次期
大統領が雇用確保と温暖化対策の両立を目指して電気自動車などの次世代自動
車の開発・普及に加え、風力、太陽光発電分野へも重点投資する姿勢を示す米
国は約6.1倍に拡大。「20年には風力発電が新エネルギー市場の60%近
くまで上昇する」(富士経済)見込みだ。導入コストが安いことから風力発電
の導入が進む中国も約5.5倍まで成長するほか、ベトナムやタイも高い伸び
率を示すと予想している。
一方、太陽光による発電能力も08年の約1000万キロワットから約4.
8倍の4800万キロワットにまで拡大し、中国では12倍もの伸び率が見込
まれている。先行するドイツなど欧州各国の伸び率はそれほど高くないものの、
20年も上位を確保する見込みだ。アジア諸国ではインド、韓国が高い伸びを
示すと予測される。
このほか、バイオマス(生物資源)発電では、中国が米国を抜いて最大の市
場に躍り出ると予想。12カ国における20年の発電能力は08年の約2.5
倍になる見通しだ。地熱発電もオーストラリアなどの積極的な技術開発を背景
に、約2.9倍にまで拡大することが見込まれる。
世界経済の減速に伴ってグリーン・ニューディール構想は韓国など世界各国
に広がりをみせている。日本政府も日本版グリーン・ニューディール構想の策
定に取りかかった。日本の風力発電会社や太陽電池メーカーなどは現在、優遇
政策が整った欧州を中心に事業展開を図っているが、世界的な新エネ導入機運
が高まれば、ビジネスチャンスの広がりが期待ができそうだ。
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