2008年7月31日木曜日

三井物産、スペインの太陽光発電事業会社を買収


http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=195799&lindID=5
スペインにおける太陽光発電事業の買収
http://www.mitsui.co.jp/release/2008/1188702_2817.html
 三井物産株式会社(本社:東京都千代田区大手町、社長:槍田松瑩)は、当社30%、英インターナショナル・パワー社が70%出資するアイ・ピー・エム・イーグルLLP(イーグル)を通じて、スペインのアバンティア社(電力・エンジニアリング会社)及び、ウルヘスネダ社(地元開発業者)他が保有する太陽光発電事業会社を買収しました。 本事業はバルセロナの西北西約130kmのカタルーニャ地方で、現在100KWpの太陽光発電設備を運転中です。建設中の設備を含めると総発電容量は1,460KWpの規模となり、発電効率の高い追尾型を採用し、約380世帯*の年間消費量に相当する電力を供給する予定です。太陽光発電は化石燃料を使用しない環境にやさしい発電方式であり、本事業によって二酸化炭素排出量を年間約950トン削減*する効果が期待できます。当社が初めて稼動中の太陽光発電に参画する事業であり、本事業を契機として、今後、欧州を含む全世界での太陽光発電事業に積極的に参画していく予定です。 当社は、海外発電事業に積極的に取り組んでおり、現在、世界各国で合計377万KWの持分容量を保有しています。グローバルに環境対策の必要性が高まる中、今後は太陽光、風力を代表とする再生可能エネルギー開発にも注力し、より良い社会作りに貢献していきます。
(*)世帯数及び削減する二酸化炭素排出量は、長期予想値に基づくもの。
  世帯数は本邦換算。

<事業概要>
事業主体 イーグル傘下の100%子会社である
   アイ・ピー・エム・イーグル・デサロジョズ・エスパーニャ
出資構成 当社30%、
       英インターナショナル・パワー社70%
事業内容 太陽光発電所の建設・保守・運営・電力卸売
事業場所 バルセロナの西北西約130kmのカタルーニャ地方
設備容量 100KWp(06年運転開始済)
       1,360KWp(建設中、本年9月操業予定)
事業期間 操業開始より25年間

米Intel社,薄膜太陽電池材料を手掛ける米Voltaix社に1250万米ドルを投資


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080731/155805/
2008/07/31 10:40 半導体チップと太陽電池の材料メーカーである米Voltaix LLCは2008年7月29日,米Intel Corp.の投資部門であるIntel Capital社から1250万米ドルの資金提供を受けたと発表した(発表資料)。この投資によって,Voltaix社は薄膜太陽電池材料の生産能力を拡大する。Voltaix社は,フロントエンドICの製造プロセスで使用する電気化学材料やガスのほか,CVD法による薄膜太陽電池セル製造用の原料(CVD precursor)も製造している。同社のpresidentであるJohn P. de Neufville氏は,「当社は25年以上もの間,半導体と薄膜太陽電池向けに化学材料を提供してきた。薄膜太陽電池の製造は,特に建物に埋め込まれる太陽電池製品などにおいて生産拡大の体勢が整った,と我々は考えている。当社は今回の資金調達によって,薄膜太陽電池の需要に応えるための最新技術を用いた工場の建設が可能になる」とコメントを寄せている。Intel Capitalのpresident兼Intel社のexecutive vice presidentであるArvind Sodhani氏は,「材料の革新は,半導体製造の新たな可能性を生み出すために極めて重要だ。当社のVoltaix社への投資は,先端的なIC製造の分野や薄膜太陽電池のような補完的なクリーン・エネルギー技術分野で,技術革新を促進するという当社の戦略の一環である」とコメントを寄せた。加納 征子=日経エレクトロニクス

How Quantum Physics Could Power the Future


A theoretical model of a quantum dot made out of the semiconductor material gallium arsenide. The dot contains just 465 atoms. Credit: Lin-Wang Wang/Lawrence Berkeley Laboratory


http://www.livescience.com/environment/080730-pf-quantum-enviro.html

How Quantum Physics Could Power the Future
量子物理学は、どのように将来の原動力となることができましたかBy Michael Schirber, Special to
posted: 30 July 2008 09:11 am ET
Editor's Note: Each Wednesday LiveScience examines the viability of emerging energy technologies — the power of the future.
エディタの注: 各水曜日に、LiveScienceは新生のエネルギー技術の生存能力を調べます — 将来の力。

The strange behavior of quantum physics might seem too unpredictable to rely on for our energy needs, but new technologies hope to capitalize on its very strangeness.
量子物理学の変な作用は我々のエネルギーニーズを頼るにはあまりに予測できないようかもしれません、しかし、新技術はそのまさしくその珍しさを利用することを望みます。

The most familiar of these quantum tricks is the fact that light acts both like a wave and a particle.
これらの量子トリックで最もおなじみのものは、光が波と小片のようにふるまうという事実です。

This dual nature is utilized in solar power technology. Incoming sunlight is concentrated by mirrors and lenses that rely on the wave-like properties of light. Once inside a solar cell, however, this focused light collides with electrons in a particle-like way, thus freeing the electrons to create an electric current.
この二重自然は、太陽エネルギー技術で利用されます。入って来る日光は、光の波状の特性に頼る鏡とレンズで集中されます。一度太陽電池の中に、しかし、この焦束された光は小片のような方向で電子と衝突します。このように、電流をつくるために電子を解きます。

Quantum dots
量子点

The next generation of solar cells may employ tiny bits of semiconductor material called quantum dots. These nanometer-sized devices are so small that only a handful (anywhere from 1 to 1,000) of free electrons can reside inside.
太陽電池の次世代は、量子点と呼ばれている半導体材の小さいビットを使用するかもしれません。これらのナノメートルサイズの装置は、自由電子の厄介もの(1から1,000までどこでも)だけが中で住むことができるように小さいです。

Because of these cramped quarters, a quantum dot behaves like an artificial atom in that its electrons can reside only at specific (so-called quantized) energy levels. These levels define exactly what wavelengths of light the dot will absorb.
これらの窮屈な4分の1のため、その電子が特定の(いわゆる量子化された)エネルギー準位だけに住むことができるという点で、量子点は人工原子のようにふるまいます。これらのレベルは、点が光のどんな波長を吸収するかについて、正確に定めます。

"Quantum dots have a host of unusual properties compared to bulk semiconductors," said Arthur Nozik of the National Renewable Energy Laboratory, part of the U.S. Department of Energy. He and his colleagues are looking at how a single light particle (or photon) can enter a dot and excite several electrons, rather than the usual one.
「量子点には、大きさ半導体と比較して多数の変わった特性があります」と、国立RenewableなEnergy Laboratory(米エネルギー省の一部)のアーサーNozikが言いました。彼と彼の同僚は、一つの軽い粒子(または光子)が点を入力することができて、いくつかの電子(普通のものよりむしろ)を励起することができる方法を見ています。

Other researchers are looking to tune the wavelengths at which a dot absorbs light by making it bigger or smaller. Solar cell manufacturers may one day be able to mix together dots of different sizes to absorb sunlight along a wide range of wavelengths.
他の研究者は、点がそれをより大きいかより小さくすることによって光を吸収する波長を調整するのを期待しています。太陽電池メーカーは、ある日、広範囲にわたる波長に沿って日光を吸収するために異なるサイズの点を混ぜ合わせることができるかもしれません。

Quantum wires
量子ケーブル

A quantum wire is like a quantum dot stretched out along one direction. In certain cases, this narrow conduit — 10,000 times thinner than a human hair — can be very good at conducting electricity, as the electrons tend to move in a more orderly fashion down the wire.
量子ケーブルは、1つの方向に沿って伸ばされる量子点のようです。特定のケース(この細いパイプ)で — 人間の髪より10,000回細い — 電子がワイヤーの下により整然としたやり方で動く傾向があって、電気を伝導することが非常に上手でありえます。

One way to make quantum wires is with carbon nanotubes, which are small rolled-up sheets of hexagonally-bound carbon. Discovered in 1991, these nanotubes are beginning to show up in all types of applications, including better energy storage.
量子ケーブルを製造する1つの方法はカーボンナノチューブです。そして、それは六角形に縛られたカーボンの小さな巻かれた板です。1991年に発見されて、これらのナノチューブは、より良いエネルギー保管を含むさまざまなアプリケーションで現れ始めています。

As one MIT group has shown, it is possible to make a souped-up capacitor from carbon nanotubes. The researchers grow the nanotubes close together — in what is likely the world's tiniest shag carpet — to increase surface area inside the capacitor.
1 つのMITグループが示したように、カーボンナノチューブからパワーアップしたコンデンサを製造することは可能です。研究者は、一緒にナノチューブ終わりを発達させます — たぶん世界の最も小さいウカーペットであることで — コンデンサの中に表面積を増やすこと。

The resulting "ultracapacitor" could store as much as 50 percent of the electricity that a similarly-sized battery can, the scientists claim. This might be ideal inside an electric car, as capacitors are more durable and can charge and discharge much faster than batteries.
結果として生じる「ultracapacitor」は同じようにサイズのバッテリーがそうすることができる電気の50パーセントも保存することができたと、科学者が主張します。コンデンサがより耐久性があって、バッテリーより非常に速く充電および放電を行うことができて、これは電気自動車の中に理想的かもしれません。

Superconductors
超伝導体

Although quantum wires can be good conductors, another quantum substance is the best.
量子ケーブルが良いコンダクターでありえるが、もう一つの量子物質は最高です。

Superconductors are materials in which the electrons pair up to carry the current. This pairing is unusual because electrons typically repel each other, but quantum physics overcomes this and, in so doing, reduces the electrical resistance in the superconductor to zero, or very close to zero.
超伝導体は、電子が流れをもたらすためにペアになる材料です。電子が一般的に互いをはね返すので、この組合せは珍しいです、しかし、量子物理学はこれを克服して、とてもする際に、ゼロまたは非常に0近くまで超伝導体で電気抵抗を減らします。

Resistance is what makes a wire get hot when it carries electricity. Power companies typically lose about 7 percent of their energy to heat caused by resistance in transmission wires.
抵抗は、それが電気をもたらすとき、ワイヤーを熱くならせることです。電力会社は、一般的に、伝達ワイヤーで抵抗に起因する熱に、彼らのエネルギーのおよそ7パーセントを失います。

Superconducting wires could help reduce this waste. The trouble is that superconductors only work at extremely cold temperatures.
超伝導ワイヤーは、この無駄を還元するのを助けることができました。トラブルは、超伝導体がとても冷えた温度で働くだけであるということです。

For example, the longest superconducting cable system for transmitting power — installed earlier this year along a half-mile stretch of the Long Island power grid by American Superconductor Corporation and its partners — must be surrounded by liquid nitrogen to keep it at minus 330 degrees Fahrenheit (minus 200 degrees Celsius).
たとえば、力を伝導するために最も長い超伝導ケーブルシステム — アメリカンスーパーコンダクター社とそのパートナーによってロングアイランド送電網の半マイル範囲に沿って、今年始め装置されます — それを華氏マイナス330度(摂氏マイナス200度)に保つために、液体窒素によって囲まれなければなりません。

American Superconductor is also working on applying its superconducting wires to offshore wind turbines, in order to make them smaller and more efficient.
アメリカのSuperconductorも、彼らをより小さくてより効率的にするために、沖合風力タービンにその超伝導針金を塗ることに取り組んでいます。

Light-emitting diodes
発光ダイオード

One good way to use all this quantum-derived electricity is to turn on a light-emitting diode, or LED, which works like a solar cell but in reverse.
このような量子由来の電気を使う1つの良い方法は発光ダイオードまたはLEDをつけることになっています、そしてそれは、作品はリバースで太陽電池を以外好みます。

Electric current going through the diode causes electrons to jump across a barrier between two types of semiconductor material. The jumping electrons then fall into lower energy states, emitting a photon.
ダイオードによって行っている電流は、電子が2種類の半導体材の間の障壁全体でとぶ原因になります。跳ぶ電子はそれから下のエネルギー状態に落ちます。そして、光子を発します。

Because the wavelength of this emitted light is in a very narrow band, there is not a lot of wasted energy emitted in the infrared, as is the case for normal incandescent light bulbs. An LED's efficiency is even better than that of compact fluorescents.
この発された光の波長が非常に狭いバンドの中にあるので、通常の白熱電球の場合のように、赤外線で発される多くの無駄になるエネルギーがありません。LEDの効率は、小さい蛍光のそれよりさらによいです。

LEDs are now being made into full light fixtures that can replace normal bulbs. Their extra cost can be offset by lower electricity bills.
LEDは、現在、通常の電球にとって代わることができる強烈な照明設備になっています。彼らの追加コストは、低い電気代で相殺されることができます。

In the energy saving business, every quantum bit can help.
省エネルギービジネスにおいて、あらゆる量子ビットは助けることができます。


変貌を遂げつつある産総研 太陽光発電研究センターの役割,成果報告会から


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080730/155777/?ST=observer
2008/07/30 19:26 2008年7月28~29日に開催された「第4回太陽光発電研究センター成果報告会」からは,急速に拡大する太陽光発電産業の中で,産業技術総合研究所 太陽光発電研究センターの役割が変わりつつあることが読みとれた(Tech-On!関連記事)。 2007年に比べて2008年の報告会は,コスト低減を含めた産業化を意識した内容の発表が目を引いた。例えば「飛躍的低コスト化を可能にする薄膜シリコン太陽電池仮想工場」や「太陽光発電システムの導入可能量に関する研究」などである。「薄膜シリコン太陽電池仮想工場」では,「PV2030ロードマップ」が目指す“2030年に発電コスト7円/kW時”の達成を15年前倒して,“2015年にモジュール・コストを現在の約1/3の50円/Wにする”ための薄膜Si型太陽電池工場の姿を検討した。厚さ0.4mmの鉄板を基板にしたロール・ツー・ロール生産でタンデム型の薄膜太陽電池を高速で形成することによって,65円/Wのモジュール・コストを実現できるとする。「太陽光発電システムの導入可能量に関する研究」では,2030年時点に予想される日本での総発電電力量1.128TW時に対して,蓄電設備なしで88GWまでの太陽光発電システムを導入できることを需給バランスの観点から示した。また,蓄電設備を導入すれば,133GWが可能であるとする。 いずれの研究も,様々な仮定の上での数値であり,今後の産業界での議論と精査が必要である。しかし,太陽光発電の最先端技術を追求する産業技術総合研究所で,この様な検討がなされたことが興味深い。太陽光発電産業で現実のビジネスが大きく先行しており,太陽光発電研究センターもそれに併せて進化することが求められていることを示している。このほかに,2008年7月2日に経済産業省が,太陽光発電研究センターをCenter of excellence(COE)に選定したことが,今回の会議の場で紹介された(経済産業省報道発表)。温室効果ガス排出量を2050年までに半減(対現状比)するという「クールアース50」の長期目標を実現するための中心となる研究拠点として,東京大学先端科学技術センターと並んで産業技術総合研究所つくばセンターが選定された。2008年から7年間の予定で,国内の大学・企業、諸外国の世界トップレベルの研究機関とも連携しつつ技術開発を進め,2050年の実用化を目指すとしている。この新たなミッションを背にした太陽光発電研究センター長の近藤道雄氏の言葉の端々には,太陽光発電技術に関する研究開発のみならず,太陽電池製造,市場,政府施策などについて様々なメッセージが込められていた。今後の太陽光発電研究センターの役割が,一層増していくことを感じ取れる。なお,「クールアース50」の長期目標には,発電コストとともに変換効率40%の数値目標がある。これに向けた高効率化の開発もこれまで通り進められる。今回の発表の中でも,薄膜を堆積した多接合技術などの開発で,この目標を達成していくことも述べられた。北原 洋明=テクニカルライター

三菱化学,太陽電池とLEDを組み合わせた植物工場のコンセプトを展示


LED照明を使った野菜栽培装置を展示(後ろのフィルム状太陽電池は模型)


2008/07/30 18:34 三菱化学は,太陽電池とLEDを組み合わせた植物工場のコンセプトを2008年7月30日から開かれている「PVJapan 2008」に出展した。同社は野菜栽培ベンチャーのフェアリーエンジェルと協力し,2009年末から太陽電池とLEDを使った植物工場を事業化する計画(関連記事1同2)。三菱化学は現在,フェアリーエンジェルの福井工場内に技術検討用のプラントを建設中であり,2008年10月に設備の導入を完了する予定である。当初は20kW級のSi系太陽電池を使うが,将来的には三菱化学が開発中の有機薄膜太陽電池も視野に入れる。植物工場を都市部に建設する場合は発電効率の高いSi系太陽電池が有利だが,海外などの広い土地では低コストで設置が容易な有機薄膜太陽電池が期待できるとする。三菱化学では,砂漠地帯などの野菜を入手しにくい地域を中心に,今後植物工場に対する需要が高まるとみており,積極的に売り込みたい考えである。2009年初にアラブ首長国連邦で開かれるエネルギー関連のイベントにも出展を検討しているという。なお,塗布型の有機薄膜太陽電池は2010年に試作品を完成させ,2012年から商品化を計画している。モジュール効率は2010年に7%,2015年に15%を目指している。木村 雅秀=日経エレクトロニクス

太陽電池の展示会「PVJapan 2008」が開幕


中央は来賓の経済産業省 渡辺昇治氏。その右側は再生可能エネルギー協議会代表 黒川浩助氏。著者撮影。


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080730/155740/?ref=RL1
2008/07/30 15:45 太陽電池の展示会「PVJapan 2008」が,2008年7月30日に東京ビッグサイトで開幕した。PVJapan 2008と「第3回新エネルギー世界展示会」が一堂に会し,「再生可能エネルギー世界フェア」として8月1日まで開催する。このフェアに先立つ7月28~29日には,産業技術総合研究所の成果報告会(Tech-On!関連記事)も開催され,太陽電池を中心とした「再生可能エネルギー週間」となっている。PVJapan 2008と第3回新エネルギー世界展示会を合わせて,約400社が出展している。PVJapanでは,太陽電池モジュールやシステム・施工関係,製造装置,部品・材料,検査・測定など,太陽光発電に関わるあらゆる種類の展示があった。セミナーは,7月30日午前の基調講演に引き続き,フォーラムやシンポジウム,Tutorialセミナー,製造技術セミナー,特別講演など様々な内容が盛り込まれている。「COOL EARTH 50」の実現に向けた取り組みなども議論される(関連サイト1,2)。 北原 洋明=テクニカルライター

「多結晶Si型太陽電池では負けられない」,京セラと三菱電機が最新モジュールで競う


三菱電機の「ハニカム構造セル」を使ったモジュール

京セラの「バック・コンタクト・セル」を使ったモジュール


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080730/155745/
2008/07/30 16:33
太陽電池の展示会「PVJapan 2008」は,多結晶Si型太陽電池の高効率化を競う京セラと三菱電機が,それぞれ2009年と2010年に量産予定の最新モジュールを披露した。京セラは,2009年に量産予定の「バック・コンタクト・セル」を使ったモジュールを展示するとともに,その出力値を公開した。これまで,セルやモジュールの展示はあったが,モジュールの出力を公開したのは初めてである(Tech-On!関連記事)。「量産できる出力にメドが立ったので値を公開した。多結晶Si型太陽電池では他社に負けられない」(京セラの説明員)。京セラが展示したのは,54枚のセルを搭載した出力220Wのモジュールと,45枚のセルを搭載した出力195Wのモジュールの2種類である。モジュール変換効率は14.8%になる。同社の現在の製品の出力は,54セル搭載品が210W,48セル搭載品が185Wである。三菱電機は,2010年に量産予定の「ハニカム構造セル」を使ったモジュールの試作品を展示した。同モジュールを展示するのは初めてになる(Tech-On!関連記事)。モジュールは50枚のセルで構成しており,出力は220Wで,モジュール変換効率は15.5%である。同社の現在の50セル搭載品は,出力が185W,モジュール変換効率が13.1%である。

ホンダの家庭用太陽電池,販売実績は累計で約100件


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080730/155773/
2008/07/30 18:14 ホンダの太陽電池の販売実績が,2007年10月の国内での本格販売の開始以来,累計で約100件となった。ホンダの太陽電池は,現在主流のシリコン(Si)系ではなく,独自開発した銅(Cu)-インジウム(In)-ガリウム(Ga)-セレン(Se)の化合物を使うCIGS系の薄膜電池。100%子会社のホンダソルテック(本社熊本県・大津町)が太陽電池の製造・販売を担当している。同社は本格販売開始と同時期に,ホンダ熊本製作所(熊本県・大津町)内に量産工場を稼働させ,現在27.5MW/年の生産能力を持っている。ホンダソルテックは販売力を強化するため,現在約130店の販売店を2008年中に200店規模まで拡大させる方針。また,工場などに設置する産業用市場にも2008年秋に参入する。さらに,今後の海外市場への展開も計画している。太陽電池事業の本格化はこれからのようだ。CIGS型太陽電池は,結晶系シリコン太陽電池に比べて発電効率が低いが,製造時のエネルギ消費や材料使用量が少ないので,量産による大幅なコスト削減が見込める。加えて,薄膜系シリコン太陽電池と比べると発電効率が高いので,2002年4月にホンダエンジニアリング(本社埼玉県狭山市)がCIGS型太陽電池の開発を発表した際には,「一般家庭用電力料金以下の発電コスト実現できる」としていた。
高田 憲一=日経ものづくり

ゼロエミッションハウスに関する成果概要(NEDO)



http://www.nedo.go.jp/informations/other/200730_1/200730_1.html
平成20年7月30日企画調整部
NEDO技術開発機構は、我が国の優れたエネルギー・環境技術を発信するため、北海道洞爺湖サミットにおいて、国際メディアセンター(IMC)に隣接する形で、太陽光発電、燃料電池、有機EL照明等の先端技術を備えた住宅『ゼロエミッションハウス』を設置し、内外報道関係者等に対して展示を行いました。
1.概要 地球温暖化を防止するとともに、持続可能な社会の実現に向けた卓越したものづくりの技術が日本には多く存在しています。ゼロエミッションハウスは、グリーン電力証書も活用しエネルギーを全て自然エネルギーでまかなうとともに、「新エネルギー技術」「省エネルギー技術」「環境技術」の3つの技術を集結した、美しい日本の伝統と未来の革新技術を融合した近未来型エコ住宅です。

開催期間:7月5日(土)~10日(木)
場所 :北海道留寿都町ルスツリゾート「国際メディアセンター」内
来場者数:約1,000名

<来場者の主な反応>
最先端のエネルギー・環境技術を、「ゼロエミッションハウス」という形で展示したことは非常に有意義であり、これらの技術により、地球温暖化の防止が可能であると実感しました。
ゼロエミッションハウスの技術を、本国でも紹介したいと思いました。
技術も大切ですが、同時に使う側の意識改革をしていく必要があります。
単なる技術の展示でなく、「家」という形で表現することにより、「暮らし」の中で、快適性と環境配慮の両立が可能であることを目に見える形で実感することができました。

【施設概要】
所在地: 北海道虻田郡留寿都村字泉川13番地(ルスツリゾート内)
施設面積: 約280m2(住居側:約200m2、足湯コーナー側:約80m2)


【展示機器等】
太陽光発電システム
小型風力発電機
ポータブルリチウム電源装置
有機EL照明
高効率ヒートポンプ給湯機
家庭用燃料電池システム
環境配慮建材(エコセメント、調湿建材、間伐材・廃棄木材利用木質材料)
ハイブリッド断熱ボード
光ダクトシステム
軽量鉄骨造の工業化住宅(制震構造・防汚塗装外壁採用)
燃料電池システム実機運転による足湯コーナー
アザラシ型ロボット
家電製品(液晶パネルTV 等)
計画換気システム

2.主なイベント(1)オープニングセレモニー:6月30日(月)13時00分~ 経済産業省 新藤副大臣、吉川衆院議員、産業技術総合研究所 小野副理事長、新エネルギー財団 秋山会長、燃料電池実用化推進協議会 西室会長、東京ガス 鳥原社長、積水ハウス 和田会長、グリーンIT協議会 長谷川事務局次長、NEDO技術開発機構 山本副理事長によりテープカットが行われた後に内覧会を実施しました。当日は、多数の取材陣にハウス内外の導入技術等について取材いただきました。
3.国内外要人のご訪問について(1)町村官房長官のご視察:7月5日(土)10時30分~11時00分ハウス内外の各導入技術について詳しく視察。
居間にてホンダ・アシモのパフォーマンスを体験。
燃料電池システム実機運転による足湯コーナーを体験。 等
ご視察された後に、「おもしろい家だった。」とのコメントをいただきました。

(2)福田総理大臣・ご婦人のご視察:7月6日(日)13時40分~13時55分ハウス内外の主要技術についてご視察。 燃料電池システム実機運転による足湯コーナーにて手湯のご体験。 等
展示物について所々質問をしながら熱心にご視察いただき、「おもしろい家だ。こんな家に住みたい。」とのコメントをいただきました。

(3)IEA田中事務局長の御視察:7月8日(火)13時40分~14時00分ハウス内外の主要技術についてご視察。
展示物について所々質問をしながら熱心にご視察いただきました。

(4)サミット参加国の首脳配偶者によるご視察(日・英・加・EU):7月8日(火)15時05分~16時00分ハウス内外の主要技術についてご視察。
土壁職人・挟土秀平(はさど しゅうへい)氏による泥団子パフォーマンス、森田千鶴子(もりたちずこ)氏によるふろしきパフォーマンスをご鑑賞。
燃料電池システム実機運転による足湯コーナーにおいて手湯を体験。
泥団子および風呂敷に関心を示され、手に取りご体験いただきました。

4.ハウス移設についてサミット終了後、ルスツリゾート内から撤去し、積水ハウス(株) の資源循環センター内(茨城県 古河市)に移設し、サミットで展示したハウスに出来るだけ近い形で再現する予定です。
移設完了後、茨城県が進める「次世代エネルギーパーク」構想の展示施設として、位置づけ、一般公開する予定です。

5.アンケート結果 来場いただいたプレス関係者に対して、アンケート調査を実施いたしました。

アンケート結果に見られるようにNEDO成果をはじめとする我が国の優れたエネルギー・環境技術を、国内外のプレス関係者等に対して「家」という分かり易い型でPRしたことは、事業の手法としては有効であったと考えられます。

参考資料
ゼロエミッションハウス リーフレット(日本語版)(5.0MB)
ゼロエミッションハウス リーフレット(英語版)(5.3MB)

2008年7月30日水曜日

【太陽電池の勝算】シャープ ~2010年にトップの座が見えてくる


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080723/155229/
シャープ 執行役員 ソーラーシステム事業本部長 村松哲郎氏
太陽電池業界をリードしてきた日本の太陽電池メーカーの存在感が急速に低下している。2007年の生産量では,シャープが首位から陥落,他の日本メーカーもことごとく順位を落とした。今後も,LSIメーカーや製造ラインの一括供給を受けた新規メーカーなどが量産に乗り出す。日本メーカーは,海外メーカーにどのように挑むのか。各社に聞いた。
――生産量ランキングで長らく1位を続けてきましたが,2007年は独Q-CellsAGに抜かれました。
 順位を落としたのは,Si 原料の調達の影響を受けた結果です。われわれは100年先を見据えながら,現時点でどんな布石を打つべきかを考えています。今回の結果は,長い歴史の一コマであり,大きな問題ではありません
――次々と打ち出す手を見ると,バリュー・チェーンの川上から川下までを押さえる戦略に見えます。それは意識して実行しているのでしょうか。
 もちろんです。太陽電池事業を鳥瞰的に眺めて,ビジネス・モデルを作っています。通常エレクトロニクス・メーカーは,バリュー・チェーンの収益構造を表現する“スマイル・カーブ”の底辺部分である製造のみにかかわっています。エレクトロニクス事業の中で太陽電池事業は,メーカーがバリュー・チェーンの川上から川下までを取り込める恵まれた分野なのです。
――生産量ランキングで,1位に返り咲くのは,いつごろになりそうですか。
 太陽電池の普及のためには,まず2010 年に発電コストを23円/kW時に近付けることが必要になります。そのときの生産能力は,結晶系と薄膜系でそれぞれ1GWずつになるでしょう。そのころに1位が見えてくるでしょう。

【太陽電池の勝算】京セラ ~多結晶Si型に勝算あり


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080723/155230/?ST=PV
京セラ ソーラーエネルギー事業本部 マーケティング部責任者 池田一郎氏太陽電池業界をリードしてきた日本の太陽電池メーカーの存在感が急速に低下している。2007年の生産量では,シャープが首位から陥落,他の日本メーカーもことごとく順位を落とした。今後も,LSIメーカーや製造ラインの一括供給を受けた新規メーカーなどが量産に乗り出す。日本メーカーは,海外メーカーにどのように挑むのか。各社に聞いた。
――海外メーカーがGW級の規模拡大を急ピッチで進めています。
 われわれは,2010 年に生産能力を500MWに増やす予定ですが,生産量だけを追うつもりはありません。太陽電池市場は,立ち上がり始めたばかりです。頭打ちになるのは,まだ先です。その中でシェアを競っても意味がありません。
――海外メーカーとどのように戦いますか。
 将来は,消費者に選ばれる,本当に強い太陽電池メーカーだけが残るでしょう。そのためにわれわれは,コストとクオリティ,パフォーマンスの三つを確実に押さえた製品を作ります。このうち一つだけでよければ,誰でも簡単に作れます。
――薄膜Si型太陽電池の製造に乗り出す日本メーカーが増えています。京セラはどうしますか。
 今のところ,薄膜Si 型太陽電池をやるつもりはありません。どう計算しても,ここ5 ~ 6 年はわれわれの多結晶Si 型太陽電池であれば勝てるからです。さまざまな状況を考慮して試算した結果です。原料調達に関しても,過去2 年のような厳しい状況はないでしょう。

石油枯渇対策~色素増感型太陽電池の研究について


http://www.news.janjan.jp/culture/0807/0806149580/1.php
相生竜2008/07/30
 アナターゼ型二酸化チタンはバンドギャップエネルギー(以下B.G.と表記)が 3.2 eVの半導体である。ナノサイズに超微粒子化されたものは、量子サイズ効果によりB.G. は 3.4 eV とより一層大きくなる。これは可視光領域に吸収帯が存在しないことを意味する。実際に可視領域に吸収は観られず、紫外領域(<400 nm)にバンドギャップのエッジが存在するだけである。一方、太陽光の輝線スペクトルは、480 nm 近傍に極大を持ち紫外領域には強度が僅かに存在するだけである。→1) このように太陽光のスペクトルと二酸化チタンの吸収スペクトルの間にはほとんど重なりがなく、太陽光エネルギーの大部分を損失していることになる。この問題の解決策として考案されたものが、色素増感型太陽電池である。これは二酸化チタンの電極表面に、可視光部に吸収スペクトルをもつ色素を吸着させたものである。光吸収した色素の分子内部に発生した励起電子が、二酸化チタンの伝導帯へ電子注入されることで電流となる。原理的には写真の感光材料に用いられているハロゲン化銀に、可視光全域に吸収をもつような色素を吸着させて、パンクロマティクな感光性を発現させているものとよく似ている。ハロゲン化銀も本来青色にしか感光性をもたないが、種々のシアニン系色素において強色増感をおこなっている。このような手法により二酸化チタン電極単体のときにくらべて、太陽光エネルギーを有効に利用できるようになった。しかし色素から電極へと電子が注入されるのは表面の単分子吸着層だけであるので、電極の単位面積当たりの色素分子数でエネルギーの変換効率は決まってしまう。この方法でもセルの光電変換効率は1%未満であったといわれている。スイスのM.Grätzelらは、二酸化チタン超微粒子を堆積させた多孔質膜を形成させ、そこにRuⅡ(2,2’‐bipyridyl‐4.4’‐dicarboxlate)2(NCS)2(以下Ru2とする)を吸着させた新規電極を考案した。→2)この方法では平板電極の受光面積約 1cm2 相当に、二酸化チタン微粒子の表面積にして1000 cm2となるような膜を形成させることができる。すなわち光学距離の観点からは1000倍の能力を有したことになるといえる。彼らはこれにより約10% の光電変換効率を達成した。この数値は当時汎用されていたSiを用いた乾式太陽電池の変換効率に近い値である。この太陽電池の大きな利点は、生産コストの低減である。使用される材料がシリコン型のように極端に高い純度を必要としないということである。具体的には、通常の化学的な合成プロセスで得られる99%程度の精製度で十分であるとされている。結果として生産コストが10分の1に低減されると、アメリカの国立研究機関から報告されている。実際に実用化できれば未来エネルギー技術として革命的であるといっても過言ではない。しかしまだまだ課題は多く残されている。主なものを以下に記す。
(1) 光電変換効率の向上。(最大10 ~ 12%)
(2) 耐用年数の延長。(1年未満)
 このシステムでは色素が光を吸収することから、全ての現象が誘導される。課題(1)、(2)を解決するためには、システム全体の研究は当然重要であるが、増感色素-二酸化チタン界面での電子移動などについてより詳細な研究が不可欠である。
<Reference>
1) 藤島昭、橋本和仁、渡部俊也 : 光クリーン革命, (㈱シーエムシー,1997)
2) Moser, J. E.; Grätzel, M. Chem. Phys. 1993, 176, 493.

炎天下でも常に眼前に涼風!? 帽子に装着する究極のミニソーラー扇風機発売


帽子に取りつけた「Solar Mini Clip Fan」


http://journal.mycom.co.jp/news/2008/07/29/033/index.html
2008/07/29湯木進悟  
香港のBrando Workshopは現在、同社オンラインショップで、ソーラーパワーで稼動するポータブル扇風機「Solar Mini Clip Fan」を販売している。価格は10USドル。ファンのサイズが直径7.3cmと、コンパクトなデザインに仕上がったSolar Mini Clip Fanは、ソーラーパネルを上空に向けつつ、帽子のツバの部分などに装着できるクリップを内部に採用。太陽光での充電を行いながら、炎天下でも常に眼前に涼しい風を送り込めるとアピールされている。今年の夏も猛暑になっているが、ここは"クール"にSolar Mini Clip Fanで、納涼を目指すのはいかが!?

三洋電機,セル変換効率22.3%の太陽電池を開発


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080729/155641/ 
三洋電機は2008年7月29日,同社独自の「HIT(heterojunction with intrinsic thin layer)太陽電池」でセル変換効率22.3%を実現したことを明らかにした。まだ研究レベルでの値だが,セルの寸法は10cm角と大きい。同社は2007年6月に同22.0%を実現したと発表している(関連記事)が,今回の結果で「実用サイズの変換効率として,22%の壁を始めて突破した」(同社)という。今回の変換効率の値は,産業技術総合研究所が測定した公式なもの。セル面積は100.5cm2。短絡電流は3.909A,開放電圧は0.725V,形状因子(fill factor)は79.1%。セル1枚での最大電力は2.242Wである。三洋電機によれば今回の性能向上のポイントは,(1)結晶Si層をアモルファスSiの薄膜で挟み込んだ構造のHIT太陽電池において,結晶Si層の表面をアモルファスSi層の形成前に洗浄する技術を向上させた,(2)セル表面の反射防止用の凹凸の寸法や形状を最適化した,の二つである。同社は2010年度までに,セル変換効率を研究レベルで23%,量産技術で22%以上に高めることを目標に挙げている。同社 ソーラー事業部事業企画部 担当部長の脇坂健一郎氏は,その目標達成への戦略も上述の(1)と(2)をさらに追求すること,であると述べた。三洋電機はこれとは別に,HIT太陽電池の薄型化にも取り組んでおり,当初の300μm厚から今は200μm厚まで薄くしていることも明らかにした。「研究所レベルでは100μm厚以下を達成した」(脇坂氏)。これについて
は2008年7月30~8月1日に東京ビッグサイトで開催する太陽光発電技術の展示会「PV Japan 2008」の同社の講演で詳細を述べるという。

産総研が54μm厚と薄い結晶Si型太陽電池を開発,変換効率は12.1%


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080729/155644/
 産業技術総合研究所(産総研)は,アモルファスSiと結晶Siのヘテロ接合による54μm厚の太陽電池セルを開発し,セル変換効率12.1%を確認したことを明らかにした。産総研が2008年7月28~29日に東京の日本未来科学館で開催した「第4回太陽光発電研究センター成果報告会」で発表したもの。結晶Si型太陽電池は,結晶Siウエハの品薄や高騰が大きな課題。薄型化は,コスト削減を進める決め手として研究開発が盛んになっている。アモルファスSiと結晶Siのヘテロ接合による太陽電池セルは,結晶Si層の片面,あるいは両面にアモルファスSiの薄膜を形成したセルである。これは,三洋電機が「HIT(heterojunction with intrinsic thin layer)」と呼ぶセルの構造とほぼ同じである(関連記事)。今回,産総研は結晶Si層の両面にアモルファスSiを形成する構造で,結晶Si層の厚みを大幅に薄くして,54μm厚を実現した。「両面へテロ構造型としては世界で最も薄い」(産総研)。このセルは手で容易に曲げられるという。ただし薄くすることでセル変換効率は低下している。厚みが300μmの場合は,同17.5%だったが,54μm厚では同12.1%。薄くすることで,約900μmより長い波長の赤外線の利用効率が下がるためだという。

環境対策で低利融資/8月から横浜銀行


http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiijul0807821/
 横浜銀行は二十九日、県の地球温暖化対策に協力するため、環境対策を進める企業に対して低利で融資するなどの促進策を発表した。金融機関との連携で中小企業や家庭の自主的な取り組みを促す県の「エコファイナンスプロジェクト」の第一号となる見込み。県は他の金融機関にも広げていきたい考えだ。八月中に県の中小企業制度融資「フロンティア資金」の金利を優遇する「エコファンド」をスタートする。低公害車や太陽光発電システムの導入、電気自動車(EV)の研究開発などが使い道の融資をする場合、通常の金利(年2・3%)を最大で年2・0%まで引き下げる。さらに、環境に配慮した金融商品として、一定期間に集まった定期預金の残高の一部を、県または県に関係する環境団体などに寄付する「エコ定期預金(仮称)」の取り扱いも今後検討する。同行は「年内にも具体化したい」としている。松沢成文知事は二十九日の定例会見で「今後、横浜銀行との連携をさらに深めるとともに、他の金融機関との連携も図りながら温暖化防止に向けた取り組みを進めたい」と期待を込めた。

欧州の再生可能エネルギーの勢力図に変化



http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080728/166390/
2008年7月30日 水曜日 服部 哲郎
洞爺湖サミットに合わせて開催された主要排出国会議では、G8諸国にブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカ共和国などの16カ国が参加し、温暖化ガスの削減について議論された。しかし、削減の数値目標導入の必要性を主張する先進国に対して、ブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカなどの新興国は、排出量の枠設定に対する警戒感が強く、先進国と新興国間の意見の相違が目立った。今後も国連と主要排出国会議で、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みに関して協議が続けられる。意見の相違はあるものの、地球温暖化対策が喫緊の課題であるという問題意識は、先進新興主要国の間で共有されている。欧州をはじめとする先進国だけではなく新興国も、環境問題への意識の高まりに加えてエネルギー価格の高騰もあり、再生可能エネルギーの拡大を急いでいる。
●2007年の風力発電能力、インドは4位、中国は5位
 例えば、風力発電を例に取ると、世界の風力発電能力(設置ベース)は、2007年末に94.1ギガワット(ギガは10億)と前年比27%増となった。先進国だけではなく、新興国でもインドが前年比28%増で世界第4位、中国は同132%増で同第5位となっている。温暖化ガス削減に関する先進国と新興国の議論は噛み合っていないものの、政策面、エネルギー確保の観点から再生可能エネルギーに追い風が一段と強まっている。また環境対策で主導権を取ろうとしている欧州では、EU(欧州連合)が地球温暖化ガス削減の数値目標導入に前向きで、EU内の数値目標を掲げている。その骨子は、
(1)EUの同ガス排出量を2020年までに1990年比で20%削減する、
(2)EU内のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2005年時点の8.5%から2020年までに20%に引き上げる、などである。
●実態に合わせた対策を打ち出す欧州
 この目標を達成する具体策として、EUの行政執行機関である欧州委員会は2008年1月に温暖化対策包括案を発表し、排出権取引制度の改善、長期的な技術開発(CCS=二酸化炭素の回収・貯蔵)、再生可能エネルギーの拡大を打ち出した。同案における再生可能エネルギーに関して、欧州委員会は全加盟国に一律の目標を課してはいない。過去の実績、経済規模などに基づく負担能力を踏まえて、各加盟国別の目標を設定している。各加盟国は風力発電、水力発電、バイオ燃料、太陽光発電などの再生可能エネルギーを組み合わせ、目標達成を求められている。同案が欧州議会の承認を得てEU指令になった際には、達成の義務を負うことになっている。このようなEUレベルの枠組みの下で、再生可能エネルギーへの期待が強まると同時に、限られた期間内、コストで目標達成を可能にする再生可能エネルギーを選別し、優遇しようとする動きがEU加盟国の間で表面化している。優先順位が最も高い再生可能エネルギーは、(1)技術的に成熟している、(2)コスト競争力が向上している、(3)海上など立地面で成長余地が大きい、などの強みを持つ風力発電である。英国やドイツでは風力発電の優遇策が相次いで打ち出されている。
●英国では王室も一役買う
 英国は、欧州委員会からエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2006年の1.5%から2020年までに15%に引き上げることを求められている。引き上げ幅では、EU加盟国の中で最大であり、達成への危機感が強い。英国は、今年6月末に発表した再生可能エネルギー戦略リポート(Renewable Energy Strategy Consultation Document、以下RESCDリポート)において、発電における再生可能エネルギーの比率を2020年までに30~35%に引き上げることで、この目標を達成する青写真を描いている。再生可能エネルギー拡大の動きは既に具体化している。同国海岸の55%、さらに12海里以内の領海を保有する王室の不動産管理機関が、英国政府の意向に沿って、オフショア風力発電所建設を支援する計画を発表した。その内容は、不動産管理機関が管理する海域をオフショア風力発電にリースし、関連する許認可取得を支援するというものである。英国政府は上述のRESCDリポートにて、オンショア(陸上)に4000基、海上に3000基の風力発電機を設置し、風力発電能力を現行の10倍に拡大する方針を示している。この計画では、2020年時点における再生可能エネルギーのうち、オンショア、オフショアの風力発電が32%に達する見通しである。英国は目標達成に向けて、風力発電を中心に再生可能エネルギーを拡大させる戦略を鮮明にしている。
●ドイツでも海上風力発電に重点
 ドイツは、欧州委員会からエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2005年の5.8%から2020年に18%に引き上げるように要求されている。この目標を達成するため、ドイツはオフショアなど風力発電の拡大などから2020年までに発電に占める再生可能エネルギーの比率を30%に引き上げる意向である。ドイツの風力発電能力は、設置ベースで2007年に22.2ギガワット(前年比8%増)と世界最大で、再生可能エネルギーの有力市場である。急成長した再生可能エネルギー市場の起爆剤の役割を果たしたのは、フィードインタリフ(再生可能エネルギー発電システムからの電力に対する最低保証買い取り価格の設定)制度であった。同制度では、電力会社は、再生可能エネルギーの事業者などの発電する電力を買い取ることが義務づけられている。その価格設定は、
(1)再生可能エネルギーごとの発電コストを勘案する、
(2)コスト削減やエネルギー効率の改善を促すために、毎年引き下げられる
――といった形式になっている。同制度は再生可能エネルギーに対する優遇策として多くの国でモデルになっている。ドイツでは、オフショア風力発電に対するインセンティブをフィードインタリフに反映させようとしている。2008年6月に2004年改定の再生可能エネルギー法(EEG)の改正案がドイツ連邦下院において可決された。それによると、新規稼働のオフショア風力発電に対するフィードインタリフは、2008年現在のメガワット(メガは100万)時当たり89.2ユーロから引き上げられた。また2009年から2015年まで同150ユーロに固定される。一方、オンショアの風力発電は2008年現在の同80.3ユーロから2009年に同92ユーロに引き上げられるものの、その後は毎年1%引き下げ(従来は同2%引き下げ)となるなど、相対的にオフショア風力発電が優遇される見通しになっている。太陽光発電は、EEG改正案において、フィードインタリフを約10%引き下げ(価格レンジは同330~440ユーロへ)、毎年実施するフィードインタリフの削減率を、従来の年5%から2010年まで年8~10%に拡大する見通しで、優遇策の縮小を図っている。また、スペインもフィードインタリフの引き下げなど優遇策の削減を検討している。このため、太陽光発電量の伸びに対する不透明感が台頭している。しかし、ドイツの太陽光発電は、相対的に経済発展の遅れている旧東独地域に、成長産業として根づいているため、国策的な観点でも重要度を高めている。削減率は、報道によると当初案で示された30%から大幅に縮小されており、削減そのものは太陽光発電の成長を阻害するものではないとの安堵感が広がっている。フィードインタリフの引き下げは継続されるが、その優先順位は引き続き高い。反面、バイオ燃料には慎重論が拡がっている。世界的なインフレ上昇は、バイオ燃料向け需要の増加に伴う食料品価格急騰に起因すると見なされている。英国では、輸送に占める同燃料の比率を2008年の目標2.5%から2010年までに5%に引き上げる目標を法制化した。しかし、その実施を担当する政府機関が、土地利用や食品価格などへの悪影響を緩和するために、その目標達成時期を2013年に先送りする提言を発表した。今後は、食品と競合しない原材料によるバイオ燃料開発が加速すると見られるが、バイオ燃料の優先順位が低下するリスクが高まっている。
●調整局面は再生可能エネルギー投資の好機
 再生可能エネルギー関連産業は、中長期的な見通しが良好であるが、5月中旬以降の株式市場の下落に伴って、風力発電・太陽光発電関連銘柄も調整局面を迎えた。今般の株価調整は再生可能エネルギー銘柄への投資の好機と捉えたい。再生可能エネルギーの主要プーイヤーは、日本のシャープ(太陽電池)、京セラ(同)、三菱重工業(風力発電機)などに加えて、米国のゼネラル・エレクトリック(風力発電機)、ドイツのシーメンス(同)などの世界の有力大企業である。さらに、欧州では再生可能エネルギーに特化した専業企業が急成長している。

代表的な企業は、風力発電関連では、ガメサ(タービンメーカー、スペイン)、ベスタス・ウインド・システムズ(同、デンマーク)、EDFエナジー・ヌーベル(風力発電、フランス)、イベルドロラ・レノバブレス(風力発電、スペイン)などがある。また太陽光発電では、Q-セルズ(太陽電池、ドイツ)、ソーラーワールド(同、ドイツ)といった企業が挙げられる。加えて、高成長が見込まれる新興国の企業も台頭している。スズロン(風力発電、インド)、米国上場のサンテック・パワー(太陽電池、中国)なども注目に値する。

2008年7月29日火曜日

HIT太陽電池を主力とした事業戦略/いつでも、どこでも、太陽電池の時代へ――三洋電機


写真1 HIT太陽電池の断面構造 左側は結晶系太陽電池の断面構造


http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/news/2008/07/29sanyo.html
2008/7/29 三洋電機は2008年7月29日、太陽電池の市場動向と同社の事業戦略についての説明会を開催。同社がエナジー領域事業として掲げる二次電池事業と太陽電池事業のうち、地球環境への取り組みとして、今後は太陽電池事業をコア事業にするという考えを示した。

 2007年の世界における太陽電池生産量は3733MW(前年比151%)であり、そのうち日本は920MW、原子力発電所の約3機分の生産量にあたる。太陽電池市場は今後も拡大を続け、2010年には4500MW規模になると予測されている。(Marketbuzz2007をもとに三洋電機が推定)

 具体的な取り組みとしては、同社が太陽電池事業において主力差異化商品としているHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer Solar Cell)太陽電池を前面に出した展開や、シリコンウエハの調達からハウスメーカーまでを一貫した事業化の促進を考えているという。

 HIT太陽電池は、太陽からの熱を電力に変換するセル変換率が19.7%であり、両面発電、表裏対称構造で薄型化に有利とされている。従来のヘテロジャンクション対応電池のp型およびn型のシリコンウエハの間にi層と呼ばれる不純物を含まない角膜の層を入れることで、熱を拡散。形成時の発熱量を約200度にした。

設置事例として欧州では、太陽の動きに合わせて向きを変えるトラッキングシステムを搭載したものが人気を得ているという。

 「地球にやさしい太陽電池でクリーンエネルギーを具現化ということで、製造面では省エネルギー、省電力であること。ユーザー面では発電量が多いこと、省スペースであること、環境負荷が少ない材料であることをコンセプトとして開発しました。HIT太陽電池は、世界の太陽電池生産で約90%以上を占めている結晶系太陽電池が形成時に約900度の熱を発するのに対し、約200度という低温での形成を実現しています」(同社 ソーラー事業部 事業企画部 担当部長 脇坂健一郎氏)

同社は今後2010年度までに太陽電池事業に累計700億円以上を投資し、HIT太陽電池生産量を現行2.5倍の年間600WM規模に拡大。HIT太陽電池事業のさらなる差別化と強固な事業基盤造りを図るという。

 さらに、会見では薄膜シリコン太陽電池ビジネスへの参入も視野も示唆。2008年4月に設立した岐阜県の先進太陽光発電開発センターにて、太陽光の有効利用をした微結晶のシリコンタンデム型電池の開発を進めているという。広いバンド領域を持つ太陽光スペクトルの短波長をアモルファスシリコン(a-Si)、残りの長波長を微結晶シリコン(μc-Si)と、2回に分けた吸収をする薄膜シリコン太陽電池だ。

 「将来的には、集合住宅あるいは個人住宅、HEV用の充電スタンドに対して電気が供給できるような、いつでも、どこでも、誰でも、太陽電池の時代を創出したいと思っています」(脇坂氏)







産総研が太陽電池研究の成果を披露,高効率・低コスト技術などが目白押し


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080729/155624/
2008/07/29 15:25 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センターによる年に一度の成果報告会が,2008年7月28~29日に東京・台場の日本科学未来館で開催された(Tech-On!関連記事1 ,2)。招待講演を含む18件の講演や37件のポスター発表,パネルディスカッションが行われた。発表内容を大きく分けると,(1)高変換効率を実現する技術,(2)低コスト化・高生産性を実現する技術,(3)付加価値を産み出す技術,(4)測定技術・システム構築の検討の四つになる。(1)の高変換効率に関しては,高度秩序構造を有する薄膜多接合構造で2015年に変換効率25%以上を目指す技術,量産タイプのCIGS(Cu,In,Ga,Se)型太陽電池サブモジュールで15.9%を達成した技術,水素添加した酸化インジュームで近赤外領域の透過率を大きく改善した技術,p型半導体であるルブレンを使った高い光開放電圧を有する有機薄膜太陽電池などについての発表があった。(2)の低コスト化・高生産性に関しては,薄膜Si型太陽電池工場でモジュールコストを現在の1/3にする手法の検討,高圧枯渇法による微結晶Si薄膜の高速成膜が紹介された。(3)の付加価値を産み出す技術では,フレキシブルなCIGS型太陽電池で17.7%の効率を達成した「貼れる太陽電池」がある。(4)の測定技術・システム構築では,一次基準太陽電池セルの校正機関として,国際的なラボ認定を取得したことが紹介された。このほか,発電量の評価として,これまでの標準試験条件(STC)を補完する評価体系に加えて,発電量(エネルギー)による性能比較のためのベンチマーク方式の提案があった。さらに,太陽電池の普及に伴い,2030年時点で既存の発電システム中へ88GWまでの太陽光発電システムを導入できることを,需給バランスの観点から示した研究結果などが,今回の発表の目玉だった。北原 洋明=テクニカルライター

太陽光発電、電力会社並みの料金単価は2015年がターゲット=三洋電


http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2008-07-29T153050Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-329580-1.html
 【東京 29日 ロイター】 三洋電機<6764.T>のソーラー事業部事業企画部の脇坂健一郎・担当部長は29日、都内で記者団に対し、2015年には太陽光発電システムによる発電単価を電気料金並みに引き下げたいとの考えを示した。脇坂担当部長は、足元で太陽光発電システムによる電力量1キロワット時当たりの料金単価を約45円と見積もっていると説明。太陽電池パネルの材料使用量の削減や発電効率の向上などの技術革新を通じてコストダウンを進めるとし、電力会社との料金差がなくなる時期について「2015年がターゲットになってくる」と述べた。脇坂担当部長は、電力会社の電気料金は値上がりする傾向が続くと見ており、価格差がなくなる料金水準について「30円を切るぐらいではないか」との見方を示した。電力会社は、原油高の影響を受け電気料金を値上げする方向にある。東京電力<9501.T>の場合、現在の料金単価は電力量1キロワット時当たり21.04円に燃料費調整単価の同1.82円を加算した同22.86円となっている。9月からこの22.86円を料金単価とし、来年1月からは、原油価格が1バレル=130ドルの水準が続いた場合、燃料費調整単価を加味すると同25.56―25.66円程度に値上がりすると試算している。

太陽光発電機器、3-5年で半額に 温暖化防止で政府行動計画


http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080729AT3S2900929072008.html
 政府は29日の閣議で、地球温暖化防止のための国内対策を盛りこんだ「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定した。温暖化ガスをほとんど排出しない太陽光発電システムの価格(一般的な家庭向けで300万円程度)を3―5年後に半額にできるよう、技術開発と導入支援策を強化する。企業間で排出枠を取引する国内排出量取引制度の試行を10月をメドに始めることも盛りこんだ。実行計画は6月に福田康夫首相が発表した温暖化対策「福田ビジョン」や首相官邸の有識者懇談会の提言を受け、関係省庁がまとめた。行動計画は太陽光発電の導入量について、2020年に現状の10倍、30年に現状の40倍とする目標を明記した。発電システムを低コストで生産するための技術開発を進めながら、個人住宅での購入費補助などの導入支援策を強化する方針を打ち出した。

太陽光発電で飲料水精製 いちごHD



http://www.kahoku.co.jp/news/2008/07/20080729t12014.htm
淡水化機器を搭載した車両。
上部の左右に太陽光パネル(格納式)と風力発電用のプロペラが設置されたピザ宅配のストロベリーコーンズなどの親会社、いちごホールディングス(仙台市)は、太陽光発電などで海水や泥水を飲料水に精製する機器を搭載した車両を開発し、販売に乗り出した。特許も申請した。水不足に悩む海外諸国をターゲットに売り込むが、「災害時にも活用できる」として国内の自治体などにも販売する考え。機器の製造は、横浜市の機械メーカーに委託した。太陽光発電をメーンに風力発電の装置も備え、システムの駆動を自力で行う。海水や泥水をホースで取水し、固形不純物をろ過。さらに小型の超高圧ポンプを使い、逆浸透膜と呼ばれる特殊フィルターでろ過する。この膜は水以外の不純物を取り除き、10億分の1のバクテリアも除去するという。機器は、トラックを改造した車両に搭載した。「太陽光発電を使った移動可能な淡水化システムはほかにない商品」(いちごホールディングス)という。ろ過した水を国内の水質基準に従い塩素で殺菌すると、飲料水や農業用水として使用可能になる。備長炭が入ったオプションの装置を通せば、ミネラル分やマイナスイオンが多い水になる。1日当たりの最大精製能力は10トンで、1人が1日当たり最低限必要な水分2リットルを5000人分用意できる計算。価格は1台4000万―1億円。機器を車両に搭載せず、コンテナに組み合わせる地上設置タイプもあり、海水による工業用水の精製などにも対応する。いちごホールディングスは、ピザの原材料を調達する中で、穀物高の背景に水不足があるととらえ、水事業にも参入することにした。宮下雅光社長は「砂漠の緑地化や農地化にも活用でき、地球温暖化の防止にもつながる。機動性を生かし、山間部でも活用できる」と話している。

【続報】一部の単結晶Si型車を上回る中間順位,耐久性には課題も


レース中の太陽誘電ソーラーカー苦楽部の車「Aten-1」


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080728/155499/
2008/07/28 07:00 太陽電池を用いた自作車の耐久ラリー「2008 World Solar-Car Rallye(WSR)」(2008年7月25~28日,秋田県大潟村)では,太陽誘電のクラブ・チーム「太陽誘電 ソーラーカー苦楽部」(以下,太陽誘電)が参戦中である(第1報の記事)。ソーラーカー・ラリー参加歴が長い東海大学 工学部 電気電子工学科 教授の木村英樹氏によれば,「色素増感型太陽電池での参加は,こうした有名なソーラーカー・ラリーでは世界で初めて」であるという。会場には,太陽誘電と別の会社や大学で色素増感型太陽電池を開発している技術者,研究者も数人が駆けつけ,「我々が怖くてできなかったことをやってくれた」と感心する。色素増感型太陽電池,特にフィルムを基板に用いたものは一般には耐久性にまだ課題があり,ラリー参加中に発電機能を失ってリタイヤなどすれば,初参加という話題性の大きさがそのままイメージダウンの大きさに跳ね返りかねないためである。最終日(28日)を残した時点での中間結果をお伝えすると,まず,予選のタイム・トライアルでは,太陽誘電は全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ(JISFC)も含めた全エントリー32チーム中,19位と中間的な位置につけた。ただし,この予選は400mを走るいわゆる「ゼロヨン」で,「太陽電池の性能よりはむしろ,太陽電池が発電する電力を蓄電するバッテリやキャパシタの出力,さらにはメカニカル部分の性能で決まる要素が大きい」(ある大会参加者)という。本選2日目を終えた時点での太陽誘電のソーラーカーの走行距離は,200km。これは,動力源に太陽電池だけを使い,しかも車体の大きさがほぼ同じという参加クラスの中で,出走8チーム中,5位である。本選1日目は終日ほぼ快晴で強烈な太陽光が照りつけた。2日目も朝から昼過ぎまではほぼ快晴と,曇天が狙い目だった太陽誘電のソーラーカーには明らかに不利な状況の中,健闘していると言える。一方,色素増感型太陽電池の耐久性にはやはり課題がある。本選1日目で既に,太陽誘電のソーラーカーが搭載した366枚の太陽電池セルのうち,電解液の液漏れを起こすなど明らかに動作しなくなったセルが1~2枚出てきた。本選2日目後の時点でそれは数枚に増えた。停止せずとも,なんらかの性能劣化を起こしたセルは「全体の半数近い」(太陽誘電の関係者)と満身創痍である。「性能が劣化していないセルと劣化したセルの差が激しい。性能劣化の原因は分かっているので(今後の色素増感型太陽電池の開発には)問題がない」(太陽誘電の関係者)。ただし,目の前の問題は,本選3日目に果たして最後まで走りきることができるかどうか。3日目は朝から雨の予報だが,熱に弱い色素増感型太陽電池にとってはむしろよい条件になりそうだ。
・暫定トップは人工衛星用の太陽電池を搭載
 ちなみに,すべての参加クラス中での現時点のトップは,JIFSC側で参加した芦屋大学のチーム「芦屋大学ソーラーカープロジェクト」である。本選2日目まで1025kmと他チームに比べて断突に長い距離を,約53~75km/hで走っている。芦屋大学は1993年から続くこの大会で「第1回から,2回ほどの例外を別にして毎回参加している」(同大学 経営教育学部 准教授の盛谷亨氏)。海外のソーラーカー・ラリーでも何度か優勝しているという。

現在トップをゆく芦屋大学のソーラーカー(出走直前)
 同大学のチームの車が搭載している太陽電池は,人工衛星向けに製造された,GaAs系の3接合型と呼ばれるタイプ。こうした太陽電池は一般の結晶Si系太陽電池の100倍ほども高価で,正規に購入すれば1千万円以上する。芦屋大学の場合,「2005年に米国のメーカーから規格外品をゆずってもらった」(盛谷氏)。現在,モジュール変換効率は25%,ソーラーカー全体の出力は最大1930Wであるという。

予選の結果。異なる参加クラスを一度に掲載している。
野澤 哲生=日経エレクトロニクス


2008年7月28日月曜日

NO WOMAN NO CRY

CdTe薄膜太陽電池の米First Solar社,米電力会社向けに10MWの発電所を建設


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080728/155522/?ST=observer
 CdTe(カドミウム・テルル)薄膜太陽電池技術を手掛ける米First Solar,Inc.は,電力会社の米Sempra Generation社向けに,10MWの発電量の太陽電池による発電所を建設すると発表した(発表資料)。米国ネバダ州のBoulder Cityに建設する。First Solar社は,発電所の設計や建設などを担当し,建設後は監視サービスやメンテナンス・サービスを提供する。Sempra Generation社は,竣工後に発電所を所有および運営する。同工場は2008年7月に既に着工済みで,2008年末までに竣工する予定。この発電所に利用される太陽電池モジュールは,First Solar社が米国オハイオ州のPerrysburgにある工場で製造する予定である。今回建設される発電所は,カリフォルニア州と米国西部の顧客に電力を提供する。同発電所は,Sempra Generation社の既存の天然ガス複合発電所に隣接しており,Sempra Generation社は既存の施設と同じ場所に新しい施設を作ることで,同社の土地や送電施設を最大限利用するという。First Solar社は,欧米で急速に出荷を伸ばしている太陽電池メーカー。同社によれば,2007年末の時点で,同社製の太陽電池モジュールは世界全体で300MW分以上導入されている。さらに,2008年の太陽電池モジュールの出荷量は420~460MW分になる見通しという。

南極の氷分析し太陽活動の歴史 弘大助教ら測定


http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/07/2920.html 
弘前大学大学院理工学研究科で古環境学を専門とする堀内一穂助教らは、南極大陸で最も高所にある基地「ドームふじ」から掘削した氷床コアを使い、宇宙線生成核種のベリリウム10を測定。これにより、太陽活動との関係から過去約千年間の太陽活動の変遷を明らかにした。堀内助教は「今後はより詳細に年代を把握する研究で、正確な地球環境の変遷を解明していきたい」と期待を込める。研究は、4年前から行われており、弘大大学院理工学研究科(地球環境学科)の堀内研究室と東京大学タンデム加速器研究施設(MALT)や国立極地研究所などとの共同研究の一部。研究は、地球年代学の国際誌「クォーターナリー・ジオクロノロジー」の8月号に掲載されている。同研究では、地球気候変動の解明に過去の太陽放射、太陽磁場強度などの太陽活動の変動が注目されていることから、宇宙線と大気との相互作用により生成するベリリウム10を分析。今回、堀内助教らは、700年から1900年までの氷床コア中から加速器質量分析によりベリリウム10の量を測定した。 その結果、太陽活動の極少期とされる4つの時期が、ベリリウム10の最大期として明瞭に検出された。 さらに、ベリリウム10と同じ宇宙線生成核種である炭素14の樹木年輪から復元された生成率がベリリウム10の変動とも一致し、期待された以上の結果を示した。 堀内助教は「研究結果は太陽活動の変動史を知る理想的な試料」とし、「掘削した氷床コアは深さ約3千メートルに達し、72万年前までさかのぼることができる」と可能性を述べた。また、「研究の一部をホームページで公開している。研究者だけでなく、大学の活動の一つとして、中高生にも見てほしい」と話した。

VNL、携帯電話用基地局を開発 新興市場向けに低価格省電力を実現


http://www.usfl.com/Daily/News/08/07/0724_035.asp?id=62504
 インドとスウェーデンに拠点を置く新興企業のVNLは、消費電力が電球と同程度という低消費電力かつ低コストの携帯電話向け基地局を開発した。業界アナリストによると、携帯電話人口は向こう5年間に約20億人の純増が見込まれ、そのうち約80%は開発途上国市場の住民になると予想される。それを受けて携帯電話サービス事業者(キャリヤー)は、アジアやアフリカ、そして中東諸国の特に都市部以外の遠隔地でのサービス供給体制の確立を急いでいる。しかし、それらの地域では電力供給が不安定で通信機器への投資額も限られていることから、省電力かつ低コストの基地局の開発が求められていた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、VNLの基地局は、太陽光パネルを利用して発電し、わずかな電力で稼動する。今日、遠隔地に設置された基地局は、ディーゼル発電機と電池を使って稼動させる方法が一般的だ。しかし、典型的な基地局運営費の65%を燃料費が占めるため、実用性に乏しく、費用も高い点が問題視されている。そこで、テレフォンAB LMエリクソン(Telefon AB L.M. Ericsson)をはじめ、アルカテル・ルーセント、モトローラといった通信機器大手は、基地局用の既存の通信機器を改良し、省電力化や再生可能エネルギーの使用による問題解決に取り組んできた。 エリクソンとアルカテル・ルーセントは、セネガルやウガンダを含むアフリカ諸国に、太陽電池で稼動する基地局をそれぞれ約400局設置した。そのほかにもエリクソンは、インドにバイオディーゼルを利用する基地局約40局を構築済みだ。アルカテル・ルーセントの太陽電池基地局の消費電力は約750ワット。一方のエリクソンの太陽電池基地局は約600ワット。いずれも費用は非公開。両方とも、技術者が数週間かけて設置する必要がある。 それに対し、VNLの基地局の費用は3500ドルで、電球とほぼ同じ100ワットで稼動する。また、専門の訓練を受けていない人でも、比較的簡単に設置できる。対照的に、今日最も普及したGSM基地局の場合、費用は4万~10万ドル、消費電力は600ワットから数千ワットに達することもある。VNLは最近、インドの携帯電話基幹網運営会社であるクイッポ・インフラストラクチャー・イクイップメント(Quippo Infrastructure Equipment)と、インド北部でVNLの太陽電池基地局の試験を行うことで契約を締結した。本格的な利用が始まるのはこれからだが、もしVNLの技術が普及すれば、キャリヤーは遠隔地のサービス供給体制を、低コストかつ迅速に整備できるようになる。VNLは、車両と家電製品に一般的に使われる半導体を改良し、基地局向けに使用した。その半導体は、通信機器向けに比べて消費電力が小さい。基地局は、通信量の多いビレッジ・センター向けと、通信量の少ない地方向けに2種類がある。通信塔は省エネ対策として、使用者が誰もいない時はスリープ・モードに切り替わる。

京セラ、スペインで世界最大の太陽光発電施設建設


太陽光パネル(写真中央)が並ぶ、建設中の太陽光発電所=スペイン・クエンカ県、アバンツァリア提供


http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200807250096.html
 【マドリード=上栗崇】京セラと、スペインの太陽光発電会社「アバンツァリア」は25日、世界最大となる30メガワットの太陽光発電所の建設を、同国中部で進めていることを明らかにした。今年9月に1期工事20メガワット分が完成。残り10メガワットは09年6月をめどに増強する予定だ。予定地はクエンカ県にあり、甲子園球場22個分にあたる86万平方メートル。20メガワットの時点では、京セラ製の太陽光パネル10万5600枚を使い、建設費用は1億8千万ユーロ(約300億円)。電力はすべて電力会社が買い取り、一般家庭約6300戸分の電力をまかなえる。 アバンツァリアのカルロス・ガルドン社長は「京セラの協力を得て今後も積極的に投資を進めていく」と話した。 スペインには、太陽光による電力を電力会社が一般的な電気料金の3倍で買い取る制度がある。計算上は10年程度で投資が回収できるため、大きな発電施設の建設が相次いでいる。ただ、高値で買い取る電力が増えて電気代が上がる懸念が高まっており、政府は今年9月末から、買い取り額を引き下げる方針を固めている。

太陽光発電機普及へ、半額目指す…「低炭素」行動案


http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080726-OYT1T00035.htm?from=navr 
温室効果ガス排出を大幅に減らすため、政府が29日にも閣議決定する「低炭素社会づくり行動計画」案が明らかになった。 2050年の排出量を現状から60?80%削減する長期目標を掲げた「福田ビジョン」の達成に向けた具体策を示したもので、太陽光発電機器の価格を3?5年後に半額程度にする施策を打ち出す。火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の実用化への道筋なども盛り込んでいる。 日本の太陽光発電の導入量は04年までは世界一だったが、05年にドイツに抜かれた。行動計画では「世界一の座を再び獲得する」ことを目指し、「思い切った支援策」を講じるとしている。05年度に打ち切った個人住宅での購入費補助の復活や、電力会社が買い取る太陽光発電の電力量を増やすことを検討する。 住宅向け太陽光発電機器の普及を図ることで、現在200万~300万
円の価格が3?5年後に半額程度になるよう後押しする。導入量については、20年に現在の10倍、30年には40倍にするとしている。 温室効果ガスを大幅削減する「革新的技術」として期待がかかるCCSは、来年度に大規模実証実験をスタートさせ、20年までの実用化を目指す。 原子力発電所の建設についても、着実な実現を目指すとし、電力各社が新規建設を計画している13基の原発のうち、17年度までに9基を新設するとしている。 このほか、エアコンなどの家電製品や自動車ですでに導入され、エネルギー効率が最良の製品を業界の基準とする「トップランナー方式」を来年4月から建売住宅にも導入する。企業間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引制度は10月から試行を始める。

頭脳放談 第98回 石油が高ければ太陽があるさ


http://www.atmarkit.co.jp/fsys/zunouhoudan/098zunou/solarpower.html
Massa POP Izumida

 筆者がわざわざ書かなくても皆さんよくお分かりのとおり、ガソリンの価格が異常に高い。筆者のように田舎に住んでいると、ちょっとした買い物でも車なしには済まないから燃料の高騰は非常に痛い。痛いどころか職業によっては「やってられない」苦しい状況の方もいらっしゃるだろう。高騰の「原因」もニュースなどでいろいろ聞かされているわりには、それによって儲けているヤツの顔は見えてこないので、怒りは地下にたまっている感じである。ちょうどいまもクリーニング屋に洗濯物を取りに行ってきたのだが、往復4km。もちろん車である。ガソリン代も気になるが、二酸化酸素(CO2)も出している。どうも筆者の暮らしはエコになれない。どこで読んだのかは覚えていないのだが、都会暮らしと田舎暮らしを「1人当たり」の観点で比べると、田舎暮らしの方がエネルギーを1けた多く使っているという話であった。都会の方が巨大なエネルギーを消費しているのは明らかなのだが、頭割りすると田舎の方が使っているという論理である。都会の方が、電車で移動するし、狭いところにインフラが集まっているので「エネルギー効率」がよい。それに比べると田舎は効率が悪いのだそうだ。田舎には住むな、ということだろうか。二酸化炭素といえば、例のサミットも終わったようだ。まずは無事に済んでめでたい。しかし北海道での「お祭り」のために、東京周辺の年中行事の日程
まで随分と変更になっていたようだ。これは警備の人員のやりくりの都合だろうが、二酸化炭素を目の敵にするあまり、さまつで本質とは遠いところでの議論も多いように感じる。ほとんどすべての人が「温暖化を何とかしなきゃ」と感じているはずなので、ともかく「CO2が!」、といわれると反対できない雰囲気がある。そのわりには効果の不明瞭な対策に関連する議論も多い。もちろん、二酸化炭素排出を制限しようとすると摩擦が多いことおびただしい。先進国のせいで起きたこの状況を、途上国に押し付けるのかという議論はご存じのとおり。制限のための仕組みやら枠組みづくりやらはいろいろ考えられてはいるが、なかなかうまく進まない。二酸化炭素を出す権利を売り買いしても、枠をはめることにはなるが、結局、二酸化炭素は出る。何が一番の問題なのかはよく考えてみるべきだろう。
半導体が温暖化を止める?
 結局、燃料が高騰しているのも、温暖化も、「化石燃料を燃やしてエネルギーを取り出す」という点が最大の問題なのである(牛や豚のゲップのメタンガスが問題だから、牛や豚を食べないようにしよう、という話もあるが……)。もし、いますぐに「化石燃料を燃やさないでエネルギーを取り出せる」なら、それこそ原油バブルははじけ、儲けているファンドの誰かは真っ青になり、二酸化炭素の排出比率にしたら「さまつな」問題のほとんどは忘れ去られるであろう。 思うに、「いますぐ」は無理だが、それを可能にするのは「実は(広い意味での)半導体屋」かもしれない、と昨今思い始めている。何かというと、「太陽電池」こそが世界を救う「本命」じゃないかと思うのだ。大げさだろうか。 しかしである。想像してみるに、日本の総発電量の数十%くらいを太陽電池で賄えるようになったら、どれほどの石油を燃やさないで済むだろうか? また、どれくらい二酸化炭素を出さずに済むだろうか? そういうトレンドがはっきりと統計に表れてきたら、投機筋もばかではないので、このまま石油を買い続けることはないだろう。細かな排出量のやりくりをターゲットにするような議論にあくせくする必要もなくなる。それに、制限するばかりでなく、これからエネルギーが欲しい発展途上国にも、二酸化炭素を出さない「エネルギー」が提供できる、といいことずくめだ。現状の技術の中で、各国の総発電量の数十%といったレベルに「すぐに」持ち上げられるポテンシャルを持っている最右翼が太陽電池ではないか、と思うのだ。何せ半導体業界は、有名なムーアの法則のとおり「指数関数的」に生産量を上げるのが得意な産業である。また太陽光発電は、パネルの製造を除けばローカルでローテクな発電所で済むので、巨大な発電所や再処理施設に比べたら作るのは難しくない。「人類の」総力を結集して太陽電池へ向かえば十分に可能だろう、と楽観している。
IBMもIntelも太陽電池へ
 こんなことは筆者がいわずとも、偉大な業界の先達は皆さんお分かりのようだ。もちろん、政府が音頭を取らなくっても、である。さっさと「行動」に移している。「頭脳放談:第90回 捨てるウエハあれば拾う太陽電池あり?」でIBMの廃ウエハを太陽電池に再利用というニュースリリースを取り上げたが、今度はIntelが太陽電池のベンチャーをスピンオフして育成するというニュースリリースが出た(Intelのニュースリリース「Intel Spins off Solar EnergyTechnology; Intel Capital Invests in SpectraWatt」)。SpectraWatt(スペクトラワット)という社名はなかなかカッコよい。また、IBMは日本の東京応化工業という会社と組んで、シリコンを使わない新方式の太陽電池を開発する、というニュースリリースを出してきた(IBMのニュースリリース「IBM and Tokyo Ohka Kogyo Turn Up Watts on Solar EnergyProduction」)。先ごろはシリコン・ベースで、今度の材料はCIGS(Copper-Indium-Gallium-Selenide:非シリコン系の半導体材料を利用した太陽電池)なので、「節操がない」感じもするが、何でもやるというところだろう。ちなみに東京応化工業というのは、半導体そのものを作っている会社ではないが、半導体を作るための素材や装置を作っている会社なので、広い意味での半導体屋といえないこともない。ほかにも半導体関連の製造装置メーカーや、コネクタ・メーカーなどでも太陽電池関係への進出が活発化してきている。もちろん、老舗のシャープや三洋電機は「頑張る」つもりを表明しているし、将来を考えた石油メーカー、あるいはホンダといった自動車産業まで皆さん取り組んでおられることは心強い。太陽電池を作るのにもエネルギー(と二酸化炭素排出)が必要で、以前はそのエネルギー収支も問題にされたが、すでに使うエネルギーに対して取り出せるエネルギーのレシオはかなり向上し、反対に石油採掘に消費するエネルギーと取り出せるエネルギーのレシオは落ちているので、このまま開発が進めば太陽電池の方がよくなるのは必然であろう。すでに逆転したという話も聞いたことがある。また太陽電池で発電したエネルギーを持ち運ぶのに適した電池の技術も発展しているので、自動車などの輸送機関にも適用できる。単に発電の面だけでなく、既存の化石燃料インフラを置き換えられる可能性がある。あとの問題は、日照条件などによる変動を吸収して平準化するための技術とインフラ整備であるが、「技術的には」やる気になりさえすれば、十分にできると思う。最近、「頭うち」になっている「半導体業界」が世界を救うことになるかもしれない?しかし、こんなことを書きながら、だいぶ前に屋根に太陽電池を載せようかと思ったときは、結局、値段が高かったので見送っている。それに電力会社などによる電気の買い上げもいろいろ条件があるみたいだったし。でも太陽電池そのものが安くなり、いくらでも発電した電気を買い上げてもらえるとなったら、屋根だけといわず庭にも太陽電池を敷き詰めようかと思う。こんな場合は、田舎という立地が生かせることになる。
関連記事 
頭脳放談 第90回 捨てるウエハあれば拾う太陽電池あり?
http://www.atmarkit.co.jp/fsys/zunouhoudan/090zunou/solarwafer.html
関連リンク 
Intel Intel Spins off Solar Energy Technology;Intel Capital Invests in SpectraWatt
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/20080616corp.htm
IBM IBM and Tokyo Ohka Kogyo Turn Up Watts on Solar Energy Production
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/24464.wss

十市勉の『資源Wars』再生可能エネルギーと日本[前編]太陽光発電の拡大に不可欠な国家レベルの普及策



http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/toichi/31/index.shtml
2008年7月24日(木)公開「福田ビジョン」の要は太陽光発電の拡大 日本は2020年までに、二酸化炭素(CO2)排出量を現状に比べて14%削減できる──。今年6月9日、福田康夫首相は、日本記者クラブで行ったスピーチ「低炭素社会・日本をめざして」で、いわゆる「福田ビジョン」を打ち出した。現状比14%削減に向けた具体策は、省エネの推進と並んで、全発電量に占める「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上にするというもの。ゼロ・エミッション電源とは、原子力発電や再生可能エネルギーなど、CO2排出量がゼロの発電方法を指す。福田ビジョンでは、特に、太陽光や風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーに力を入れていく方針を明らかにした。福田首相が、なかでも期待を寄せているのが太陽光発電である。2020年には太陽光発電の発電量を現状の10倍に、2030年には40倍に増やす目標を掲げた。福田ビジョンでは具体的な数値を発表していないが、2005年の設備容量である約140万kWを基準に計算すると、10倍なら1400万kW、40倍だと5600万kWで、この数値を目標に、導入量を増やしていくことになる。福田ビジョンで、太陽光発電の発電量を増やすために提言された施策は二つある。一つは、電気事業者などによる世界最大級規模の「メガソーラー発電」を全国に展開すること。もう一つは、新築持ち家住宅の7割以上に太陽光発電を導入することだ。メガソーラー発電とは、発電量が1000~1万kW級のもので、家庭用の太陽光発電装置が平均3kW程度の出力であることを考えると、太陽光発電としては相当大規模なものであることがわかる。実は、CO2排出量を現状比14%削減というのは、今年5月に資源エネルギー庁から発表された「長期エネルギー需給見通し」の「最大導入ケース」で示された削減量とほぼ同じ数値である。最大導入ケースとは、実用段階にある最先端技術を最大限に普及させる場合で、劇的なCO2削減を実現することを前提とした試算だ。水力・地熱発電を含む再生可能エネルギーの導入目標は、全電力比で2005年度の5.9%から2030年度には11.1%に、水力・地熱発電を除いた場合の導入目標は、全電力比で、2005年度の2%から2030年度には6%に高めるとされている。
■2030年に現在の40倍規模をめざす太陽光発電
今年6月に発表された「福田ビジョン」のポイント
日本の中・長期目標
長期目標 2050年までにCO2排出量を現状に比べて60~80%削減
中期目標 今後10~20年で世界全体のCO2排出量をピークアウト(頭打ちに)させる必要があり、日本はここ1、2年のうちにピークアウトさせる
日本のセクター別積み上げ方式によってCO2削減量を分析し、2008年12月に行われる国連気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)で結果を報告するよう各国に働きかける
2009年中に日本の国別総量目標を発表
具体的な政策
革新技術の開発 革新的な太陽電池やCCS(炭素隔離・貯留)、次世代原子力発電などの技術開発ロードマップを世界で共有し、技術開発を進める
「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」を洞爺湖サミットで提案
既存先進技術の普及:再生可能エネルギー 2020年までに、再生可能エネルギーや原子力などの「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上に引き上げ、新車の2台に1台の割合で次世代自動車を導入
太陽光発電の導入量を2020年までに現状の10倍、2030年に40倍にするため、導入支援策や新料金体系を検討
既存先進技術の普及:省エネ 2012年までに白熱電球を省エネ電球に切り替え、省エネ住宅・ビルの義務化や200年住宅の普及を促進
国全体を低炭素化へ動かすしくみ:排出量取引 2008年秋に、排出量取引の国内統合市場の試行的実施を開始
「福田ビジョン」では、太陽光発電などの再生可能エネルギーを軸に低炭素社会の実現をめざしていく方針を打ち出した
「太陽光社会」実現に向けた施策 福田ビジョンの発表を受けて、資源エネルギー庁・総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会は、6月24日、新エネルギーの導入拡大に向けた緊急提言を発表。「新エネ・モデル国家」を構築し、新エネ文明を日本から世界に向けて発信していくことを提言するとともに、福田ビジョンを具体化する方法を示した。この提言によれば、2020年に太陽光発電の発電量を現状の10倍に、2030年に40倍に増やして「太陽光社会」を実現するには、2020年に新築持家の約7割、2030年には新築戸建住宅の約8割に、3kW級の太陽光発電パネルを設置する必要がある。また、工場やオフィスビルなどの産業用や学校・駅などの公共施設でも、全体の約8割に太陽光発電装置が設置されている状態が必要だ。福田ビジョンや新エネ部会の緊急提言が太陽光発電に注目するのは、素材から加工、組立まで、太陽光発電は裾野が非常に広い産業であり、雇用創出効果が期待されるという理由もある。もともと日本は、太陽電池産業で他国に先行しており、生産量では世界一を誇る。太陽光発電の累積導入量では、2005年度の補助金打ち切りをきっかけに、世界一の座をドイツに明け渡したが、産業の国際競争力そのものは依然として高く、日本にとっての強みとなっている。課題は、住宅用太陽光発電システムの導入コストだ。日本では、ドイツのように、電力事業者に対して通常の電力価格より大幅に高い値段で再生可能エネルギーの買い取りを義務付ける「固定価格買い取り制度」を導入していない。結果として、普及させるためには、量産などによりシステム自体のコストを下げる必要がある。そのためには需要増が不可欠だ。新エネ部会の緊急提言では、技術開発と需要創出で機器の高効率化と価格低減を図り、現在の1戸あたり約230万円という導入費用を、3~5年以内(2011年~2013年まで)に半額(約115万円)程度まで低減するという目標を掲げている。具体的な施策として、住宅用太陽光発電に対する国の支援措置を再開する。補助金を打ち切った結果、導入量の伸び率が停滞したことを重く見た福田首相からの指示で再開が決まった。一方、緊急提言では、公的支援に加え、太陽電池メーカーと住宅メーカー間の連携を強化する必要性を訴えている。住宅の設計段階から太陽光発電を組み込むことや、屋根や壁材と一体型の太陽電池パネルを普及させることに加え、各家庭での太陽光発電のCO2排出量削減効果を住宅メーカーなどが取りまとめ、グリーン電力証書化する事業も提言している。グリーン電力証書とは、グリーンエネルギーで発電された電力について、CO2排出量削減という付加価値を証書化する取り組みだ。さらに、電気事業者に新エネルギーなどの電気を一定割合以上利用することを義務付けた「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」では、2011年から、太陽光発電に特例措置が設けられる。電力会社が再生可能エネルギーの割り当て量を満たす際に、太陽光発電による発電量は、他の発電方式の2倍として扱われることになる。コストのハンディを克服するためのインセンティブの導入が進められているわけだ。
■再生可能エネルギー導入率11%をめざす日本

「長期エネルギー需給見通し」では、実用段階にある最先端技術を最大限普及させることで、再生可能エネルギー(水力・地熱を含む)の比率を2030年度に11.1%に高めることができると試算している(出所:資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会需給部会「長期エネルギー需給見通しのポイント」を基に作成)
日本でも始動する「メガソーラー計画」 産業・公共分野でも太陽光発電の導入が進められている。ビルの屋上や工場の屋根、ビルや高速道路の側壁、駅舎・ホームの屋根などが設置場所だ。例えば堺市(大阪府)と関西電力、シャープは、今年6月23日、堺市の臨海部2カ所でメガソーラー発電を行う「メガソーラー計画」を発表した。1カ所目は、産業廃棄物埋め立て処分場の跡地。出力1万kWの「太陽光発電所」を設置する。もう1カ所は臨海コンビナート。工場の屋根などに太陽光発電装置を設置する計画で、こちらは当初、9000kWの発電から始め、最終的には出力を1万8000kWまで増やし、コンビナート内の電力需要にあてる。2009年度に計画に着手し、2011年度に運転を開始する予定。太陽光発電装置を設置するうえでネックとなるコストについては、建設費の3分の1を国が助成し、強力に支援する。太陽光発電普及のもう一つの課題は、天候条件により発電量が変動することだ。発電量が少なければ既存の電力系統でも吸収できるが、発電量が多くなると系統に大きく影響を与えてしまい、周波数や電圧などを安定させることが難しくなる。そこで、安定化のために、太陽光発電による電気を蓄える「蓄電池」が必要となる。一方、太陽が出ていないときは発電しないため、火力発電所などのバックアップ電源が必要になることも悩みのタネ。大規模導入のためには、安定化技術や蓄電池システム、バックアップ電源などの計画的な整備が必要となるが、そのためにはコストがかかる。今後、メガソーラーを全国的に展開して発電量が増えてくると、コストもかさむようになる。こうした費用を電気事業者が負担するのか、電力料金に転嫁し消費者が負担するのかなど、費用負担のあり方も検討していかなければならない。系統との連携ルールやバックアップ、費用負担などの問題は、今後、国の審議会などで議論していくことになるだろう。
>>後編に続く
十市勉 氏 (といち つとむ)財団法人日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員
1973年東京大学理学系大学院地球物理コース博士過程終了、理学博士。同年日本エネルギー経済研究所に入所。米国のマサチューセッツ工科大学エネルギー研究所客員研究員を経て、日本エネルギー経済研究所第1研究室室長に就任。理事・総合研究部長、常務理事・首席研究員などを経て、2006年に専務理事(最高知識責任者)・首席研究員に就任。主な著書に『21世紀のエネルギー地政学』(産経新聞出版)、『エネルギーと国の役割─地球温暖化時代の税制を考える』(共著、コロナ社)、『石油─日本の選択』(日本能率協会マネージメントセンター)、『第3次石油ショックは起きるか』(日本経済新聞社)などがある。内閣府経済財政諮問会議・日本21世紀ビジョン・グローバルWG委員、総合資源エネルギー調査会臨時委員を務めるなど、エネルギー分野での論客として知られる。

2008年7月25日金曜日

VCマネーの流入先:太陽エネルギー利用の最前線、画像ギャラリー



http://wiredvision.jp/news/200807/2008072523.html
2008年7月25日Alexis Madrigal
サンフランシスコ発――米国では政府の支援にむらがあるが、太陽エネルギー利用は世界中で爆発的に広がっている。気候変動とエネルギー価格上昇に対する懸念から、太陽の力を利用する技術の効率を上げ、その種類を増やすことに、何十億ドルもの資金が投じられているのだ。ここで言っているのは、新しい太陽光発電パネルのことだけではない。素材から製造工程、太陽の追跡装置に至るまで、すべてが見直されている。15日(米国時間)から17日までサンフランシスコで開かれていた『Intersolar North America』で紹介された、太陽エネルギーを利用する取り組みの最前線をのぞいてみよう。

中国で大人気の太陽熱温水器
この奇妙なパイプは、中国のWesTech International Development社が製造する太陽熱温水器の一部だ。屋根に設置すれば、太陽の熱エネルギーを集めて内部の水を温め、魔法瓶のように保温してくれる。米国の住宅に設置されているのは、たいてい、もっと高価なシステムだ。しかし中国では、このように管内に閉じこめた水を温める単純なシステムが主流だ。価格の安さが中国国内での普及を後押しし、10軒に1軒ほどの割合で、こうした装置を設置していると見られている。そして現在、大きな生産能力を持つ中国企業は、この低コストの技術を米国にも紹介しようとしている。Photo: Emily Lang/Wired.com

回転して太陽を追跡
ソーラーパネルの配置とは、直射日光をできるだけ多く浴びるようにしたい日光浴のようなものであり、その目的にかなうのが、この回転するソーラーパネル台だ。太陽が空を横切っていくのに合わせて、円形のトラックに載った上部の構造が回転し、パネルがいつでも日光を正面から浴びるようにする。いずれもドイツのメーカーであるa+f社(写真)とRWenergy社はよく似たシステムを作っており、ソーラーパネルの効率が30%向上すると説明している。

ロボットによる製造
太陽光発電は長い間、もっぱら科学者や環境保護の理想主義者たちの領分とされていた。太陽エネルギーが世界で使われるエネルギーの1%に満たないのには、そうした理由もある。世界のエネルギー市場を少しでも変えるには、太陽エネルギーの業界が規模を拡大しなければならない。それも迅速に。ソーラーパネルのコネクターを製造するスイスMulti-Contact社のIan Chen氏によると、1つの有力な対処法は、産業の世界で常に実行されてきたこと――つまり、オートメーションだという。「ガレージでやっていた方法をそのまま踏襲するのではなく、規模を拡大しなければならない」とChen氏は言う。コストを減らすと同時に生産量を増やすには、オートメーションの工程をゼロから設計する必要がある。

太陽電池製造ロボット
米Adept Technology社が製造するこの機械は、マシンビジョンと真空を利用し、ベルトコンベアから太陽電池をつかみ取る。同社の法人向けマーケティング責任者Jay Sacharia氏によると、動きの素早いこのクモのようなロボット『Quattro』の価格は10万ドル以下だという。

9500万ドルを集めた「集中型のソーラーパネル」
今、見つめているのは、太陽エネルギーの未来かもしれない。米SolFocus社が製造する集中型のソーラーパネルは、高効率で太陽光発電を行なう小さな素材に、鏡を使って太陽光を集める。まず、後ろにある凹面の第1の鏡が、中心に後ろ向きについている小さな鏡へと光を集める。この第2の鏡が反射した光は、オプティカルロッドを通って発電セルに到達する。この装置を使えば、広範囲の光を集められると同時に、コストを抑えることができる。どの程度かというと、法人向け開発責任者Stephanie Southerland氏によると、「2010年までに化石燃料と同等のコスト」にすることが目標だという。こうした話に、投資家たちは想像力を膨らませている。SolFocus社は2度の資金集めを実施し、すでに9500万ドルもの資金が殺到している。

ソーラー・ステッカー
米Lumeta社が開発したソーラーパネルは、世界初の「ソーラー・ステッカー」だ。屋根作りや建設を専門とする同社が、設置のしやすさを考えて開発しただけあって、パネルの裏の紙をはがして平らな屋根に張るだけという単純さだ。台に乗せるタイプの従来型パネルより軽いという長所がある一方、屋根に密着させることから、最も効率の良い角度にできないという短所がある。最高業務責任者(COO)のStephen Torres氏は5月、ワイアードの取材(日本語版記事)に対し、この短所によって失われる発電量は5%ほどだと説明している。

柔軟な折り畳み式充電器
「ソーラーパネルのインテグレーション」とは長年のキャッチフレーズで、建物や製品に直接組み込めるソーラーパネルを意味する。今回のイベントでは、米Global Solar Energy社が、建物に組み込めるフィルム状の製品『PowerFlex Solar Strings』をアピールしていた。同社によると、細長い太陽電池1メートルで70〜90ワットの発電ができるという。Global Solar社は、[携帯型の]ソーラー充電器にも技術を応用している。写真のものは6.5ワットの発電ができるタイプで、価格は約100ドルだ。法人向け製品の責任者Charles Gambill氏によると、2、3時間で携帯電話を充電できるという。そして何より、映画『WALL・E/ウォーリー』に出てくる折り畳み式の充電器にそっくりだ。

Applied Materials社が業界を支配する? Intersolarが『SEMICON West』と同時に開催されたことを考えると、半導体業界の関係者がIntersolarの展示会場を歩き回っていたのも不思議ではない。驚いたのは、太陽光発電の市場に参入した米Applied Materials社に関する騒ぎだ[半導体製造装置メーカーである同社は2006年に、太陽電池事業への参入を開始。2007年11月にはイタリアの太陽電池製造メーカーのBaccini社を買収した]。Intersolarに参加していた米SolarFrameWorks社のNathan Singsen氏は、「Applied Materials社はおそらく、太陽光発電の業界全体を支配するだろう」とまで言った。Applied社で薄膜部門の責任者を務めるChris Beitel氏も、たぶん同意するだろう。半導体生産の規模拡大と最適化におけるApplied社の経験は、太陽光発電における同様の問題にそのまま応用できると、Beitel氏は主張する。「われわれなら新たな規模に到達できる」その証拠にApplied社は、写真の巨大なフィルム状のソーラーパネルを披露した。米Signet Solar社がApplied社の技術を使って製造したものだ。この技術を利用する企業は、ほかにも複数あるようだ。Beitel氏によると、Applied社はすでに計30億ドルの契約を結んでいるという。

新素材をナノスケールでテスト
太陽光発電業界へのベンチャー投資が増えているため、この業界の企業には、革新をもたらす可能性のある新素材に資金を投じる余裕が生まれている。新素材開発には、米Agilent Technologies社の『NANO Indenter』が役に立つ。非常に薄い素材の硬さや伸縮性といった力学特性を測定できる装置だ。ナノスケールで素材に圧力を加え、圧痕の形や性質を評価する。

シリコンをレーザーで切断
パソコンや電話のチップを作るには、シリコンウエハーを細かく切断しなければならない。太陽電池の製造にも同様の工程が必要だ。チップメーカーはかつてダイヤモンドの刃を使用していたが、ドイツのJenoptik社によって新たな方法が開発された。熱レーザーで切断する方法だ。Jenoptik社によると、レーザーはダイヤモンドより切れ味がよく、材料の無駄が少ないという。Photo: Emily Lang/Wired.com

太陽誘電,色素増感型太陽電池でソーラーカー・レースに初参戦


現地でテスト走行をする様子(写真提供:太陽誘電)


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080724/155376/?ref=ML
2008/07/25 08:00
太陽誘電は,2008年7月25~28日に秋田県大潟村で開催される国際ソーラーカー・レース「2008 World Solar-Car Rallye(WSR)」に同社として初めて参戦することを明らかにした(写真)。ソーラーカーでは一般的なミツバ製モーターを採用し,車体と太陽電池パネルを一から自作した。フレキシブルな色素増感型太陽電池の採用は,WSRへの参加車としては初めてという。25日は,予選を兼ねたタイム・トライアル。26~28日の3日間が本選で,1周25kmのレース・コースを計25時間走行する耐久レースとなる。WSRは,全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ(JISFC)との共催となる(大会の詳細)。WSRへのエントリーは,太陽誘電を含む20チーム,22車(表1)。今回,企業としての参加は,太陽誘電とエスペックの2社だけで,他は個人,学校,地元の有志グループなどである。
●曇天なら勝機も
 太陽誘電以外のほとんどの参加者は,色素増感型より変換効率が高いシャープや米SunPower Corp.などの単結晶Si太陽電池を採用する。単純な最大変換効率で,色素増感型太陽電池は太刀打ちできないため,不利は否めない。ただし,太陽誘電などによると,「色素増感型太陽電池は,曇天時の間接光でも一定の発電が可能で,しかも光の入射角の許容範囲が広いという特徴がある。レース時の天気が曇りであれば有利」という。ちなみに,現時点での7月26~28日の現地の天気予報は,晴れ時々曇り(26日),晴れ時々曇り(27日),曇り(28日),となっており,やや分が悪そうである。日経エレクトロニクスでは現地入りして,レースの模様や結果をお伝えする予定である。

WSRへの参加エントリーと利用する太陽電池パネル
野澤 哲生=日経エレクトロニクス

NEDO海外レポート(1026号)

西部を再生可能電力網でつなぐ計画(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-17.pdf?nem
2025年までに太陽エネルギーで米国の電力の10%を賄える可能性(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-18.pdf?nem
太陽エネルギーの多彩な集光器アプローチ(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-19.pdf?nem


2008年7月24日木曜日

【EU】太陽光発電でサハラ砂漠から電力調達へ


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000015-nna-int
 欧州連合(EU)でサハラ砂漠から電力を調達する構想が浮上している。23日付ガーディアンが欧州委員会のエネルギー研究所の話として伝えた。 総工費450億ユーロ(7兆6,200億円)の「欧州スーパーグリッド(送電網)」計画の中核をなすもの。日差しが強力な北アフリカに太陽光発電(PV)パネルを設置した場合、欧州北部の最大3倍に及ぶ電力を得られる。各ソーラーファームの発電容量は5万~20万キロワットを想定している。 「欧州スーパーグリッド」は英国やオランダの風力発電のほか、アイスランドとイタリアの地熱発電といった再生可能エネルギーを欧州全体で共有する壮大なプロジェクト。北アフリカとは、従来の交流方式より長距離送電中の電力ロスが少ない高電圧直流送電線で結ぶことになる。 計画はまだ初期段階だが、既にブラウン英首相やサルコジ仏大統領が支持を表明している。欧州全土に送電網を張り巡らせるには、2050年までに年間最大10億ユーロの費用が掛かる見通しだ。

箕輪ブライトプロジェクトが天竜川護岸に夜間照明設置


夜間照明(太陽光1号市販品)を設置する箕輪ブライトプロジェクトのメンバー


(2008/7/23)箕輪町の事業者有志でつくる「箕輪ブライトプロジェクト」(小池茂治会長)はこのほど、同町のみのわ天竜公園付近の天竜川護岸に太陽光発電による夜間照明2台を設置した。同プロジェクトは、3年前に発足。自然エネルギー活用の廉価な照明装置の開発に取り組んできた。試作を重ね完成した市販品にはすでに受注があり5日から組み立てを開始している。天竜川護岸に設置した太陽光発電照明は、試作機と市販品(太陽光1号機)を1台ずつ。いずれもポールの頂上部に10ワットの太陽光パネルを備え、暗くなると自動点灯。コントローラーで照射時間をプログラムできる。照明を設置するとメンバーからは「ようやくついた」「悲願達成」と喜ぶ声が上がった。同照明は日暮れから4~5時間点灯する。太陽光1号機は1台25万円(開発記念特別価格19万5千円)。問い合わせは、箕輪町商工会内事務局(TEL79・2117)へ。

太陽光発電の高効率化技術「SolarMagic」,ナショセミが実現技術を明らかに


SolarMagicモジュールの外観。外形寸法は10cm×12cm程度である。


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080724/155303/
2008/07/24 10:39
米National Semiconductor Corp.は,太陽光発電システムの発電性能を高める技術「SolarMagic」を開発し,米国カリフォルニア州において実地試験を開始した(Tech-On!関連記事)。この技術を適用すれば,既存の太陽光発電システムに比べて,発電量を最大で45%も高められるという。どのような手法で発電量を高めるのか。同社の日本法人で代表取締役社長を務めるJeff Waters氏に,SolarMagicの技術内容などを聞いた。
--SolarMagicでは,どのような手法で太陽光発電システムの発電量を高めているのか。その詳細を具体的に説明してほしい。
Waters氏 SolarMagicは,当社のアナログ半導体技術を駆使して実現していおり,形状はモジュールである。単体のICではない。モジュールの中に,インテリジェンスなアナログICなどを収めてある。このモジュールは,太陽電池モジュール(太陽電池セルを複数枚搭載したモジュール)に1個接続して使用する。従って,3直2並で太陽電池モジュールを接続したシステムであれば,SolarMagicモジュールが6個必要になるわけだ。SolarMagicモジュールの役割は,建築物や樹木などによって作られた日陰によって太陽光発電システムの発電量が低下してしまうことを防止する点にある。既存のシステムでは,日陰ができてしまった太陽電池モジュールを,ダイオードを使ってバイパスさせることで,システム全体の発電を可能にしていた。つまり,バイパスさせた太陽電池モジュールは,ほとんど発電に寄与していない。SolarMagicを使えば,こうした太陽電池モジュールも,発電に寄与させることが可能になる。このため発電量が高まるわけだ。さらに,太陽電池セルのミスマッチによる悪影響を最小限に抑える効果もある。ミスマッチとは,太陽電池セルの発電能力のばらつきである。太陽電池モジュールでは,セルを直列に接続して使うため,その中に発電能力が小さいセルがあれば,ほかのセルの発電性能が制限を受けてしまう。SolarMagicモジュールを接続すれば,太陽電池モジュールの発電能力を最大限に生かすことが可能になる。
--SolarMagicモジュールでは,どのような制御を実行しているのか。
Waters氏 太陽電池セルから得られる発電電力は常に一定ではない。セル電圧によって,発電電力は大きく変化する。すなわち,発電電力が最大となるセル電圧が存在する。その発電電力をMPP(Maximum Power Point)と呼ぶ。SoalrMagicモジュールは,太陽電池モジュールの単位で,常にMPPで動作するように制御している。ただし具体的な制御方法については,現時点では明らかにできない。量産出荷を予定している2009年第1四半期(1~3月)には,詳細を話せるようになるだろう。
●外形寸法は10cm×12cm
--SolarMagicを適用することで発電量はどの程度高まるのか。
Waters氏 現在,米国の太陽光発電システム施工会社であるREgrid Power, Inc.と共同で,実地試験に取り組んでいる。その試験によると,ダイオードによる対策のみの既存システムに比べて,発電量を最大で45%高められるという結果が得られている。
--SolarMagicモジュールの外形寸法はどのくらいか。価格はどの程度に設定する予定か。
Waters氏 外形寸法は10cm×12cm程度である。太陽光発電システムであれば,問題なく搭載できる大きさだろう。価格は,現時点では明らかにできない。しかし,SolarMagicモジュールを採用することで,太陽光発電システムの発電コスト(1kWh当たりの発電コスト)が下がる価格に設定する考えだ。
--太陽光発電システムは,20年や30年といった長期間使用される可能性が高い。こうした長期間の使用に耐えられるように,半導体チップを収めたモジュールの信頼性を確保することは可能なのか。
Waters氏 大きなチャレンジであることは間違いない。しかし,当社には,産業用電子機器用途に向けた半導体チップ開発でたくさんの経験がある。これらの経験を活用すれば,信頼性を確保することは可能だろう。ただし結論は,量産出荷を開始する予定の2009年第1四半期まで待ってほしい。
●ギガ・トレンドに乗る
--なぜ,太陽光発電システムに向けたアナログIC市場に参入したのか。
Waters氏 当社は確かに,扱う電力が比較的小さいアナログ/電源ICを得意としている。太陽光発電システム市場への参入は奇異に映るかもしれない。当社がこの市場への参入を決めたのは,2~3年前のことだ。その当時,今後世界全体で大きな問題になりそうなトピックスについて話し合った。その際に登場したのがエネルギー問題であり,代替エネルギーをいち早く実用化しなければならないという結論に至った。そこで当社の技術者が検討し,取り組んだのが太陽光発電システムの発電コストを低減する技術の開発である。エネルギー問題のほかには,ヘルスケアやセキュリティといったトピックスが登場した。当社ではこうしたトピックスを「ギガ・トレンド」と呼んでいる。これらの問題を解決する技術を開発すれば,大きな市場機会があるのは間違いない。
--SolarMogicモジュールの販売先はどのような企業になるのか。
Waters氏 太陽電池モジュール・メーカーが主な販売先となる。既に,日本のメーカーとも協議を始めている。SolarMagicは,日本市場に合った技術だと考えている。日本は住宅が密集して建っており,住宅の周囲に樹木が多いからだ。米国のカリフォルニア州では,太陽電池モジュールに日陰を建物や樹木は多くない。従って,米国市場では,太陽電池セルのミスマッチによる影響を最小限に収めることを理由に普及が進む可能性が高いと見ている。ただし,現在,日陰を作る樹木が多くないカリフォルニア州でも,太陽光発電システムの上にできた日陰を巡って論争が起きている。日陰を作る木を切るべきか,切らぬべきかという論争だ。太陽光発電システムの発電量は,高ければ高いほど環境に優しい。そのためには木をきらなければならないが,そもそも木を切る行為自体は環境に悪い。果たして,どちらの方が環境に優しいのだろうか。しかし,SolarMagicモジュールが実用化されれば,こうした論争に終止符が打たれるだろう。

SolarMagicモジュールの使用方法。太陽電池モジュールに対して,1個のSolarMagicモジュールを接続して使う。

SolarMagicモジュールを使うことで,発電量を最大で45%高められる。グラフの青い線が日陰が全くないときに得られる発電量。ピンクの線は,日陰がある状態でSolarMagicモジュールを使わなかった場合に得られる発電量。緑の線は,SolarMagicモジュールを使った場合の発電量である。
山下 勝巳=日経エレクトロニクス

注目の太陽光発電、政府の失策のツケが「補助金復活」でいいのか……国は緊急提言へのパブリックコメントを募集中:中川修治2008/07/24


筆者の関わる太陽光発電所 


http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807021022/1.php
日本で自然エネルギーの供給が増えないのは、固定価格買取の制度がないからだろう。政府は補助金で何とかしようとしているが、様々な既得権を守るための変な仕組みを改めることがまず必要なのではないか。
太陽光発電の設置量は、去年から1昨年の1年間に、世界的には拡大しています。しかし日本は、20%も国内での設置量が減ってしまいました。これは単に政府の失策以外の何物でもないといえるでしょう。ところが現在、3年前に「十分に価格が下がった」として廃止された、設置補助金の復活が言われている。今、日本により必要なのは設置補助金ではなく、FIT(長期に亘る固定価格買い取り制度)なのではないか。
【経済産業省の総合資源エネルギー調査会は、6月24日太陽光発電の普及策を柱とする緊急提言をまとめた。住宅での太陽光発電の利用拡大に向け「思い切った支援措置を講じる」として、国による設備費用の一部補助や減税の検討を政府に要請。メーカーのコストダウンを促し「3~5年以内に機器の価格を現在(約 230万円)から半減する」との目標も掲げた】共同通信
 「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会 中間とりまとめ(緊急提言)案」には、7月29日までの期間限定でパブリックコメントの募集が行われている。
 ・http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?&BID=620208010
 内容で問題となるポイントは
1.目標値が低い(2020年時点で太陽光は現行の140万kWの10倍と言っているが日本国内での生産能力と価格の低下傾向を見れば何もしなくても達成可能な数字)
2.環境価値に関してRPSとグリーン電力証書との整合性などが問題とされることなく、相乗効果を上げることを期待するとか不思議なことが書かれている点などでしょうか……。

 この案のスタンスは、基本的には政府があらたに資金を国民に出せという風にもなっている。しかし、既に、原子力に掛けていてその非効率が明らかな資金の流れはそのままにしておいて……という点も勿論、指摘すべきでしょう。実際には、自然エネルギーの普及促進には、FIT(長期に亘る固定価格買い取り制度)で、事業として取り組める仕組みが海外では成果を上げています。参考に若手の太陽光発電の研究者が書いたものがあります。下記のURLをご覧になるとわかります。
 ・http://ksakurai.nwr.jp/R/slides/WhyFIT/WhyFIT-Home.pdf
 制度はシンプルで公平で公正なものとしなければなりません。今の日本の自然エネルギーに関わる制度は、問題を先送りして様々な既得権を守るために、変な仕組みにされてしまったものです。「中間とりまとめ(緊急提言)案」へのパブリックコメント募集は、抜本的な制度改革を提案するいい機会です。未来の人たちに対して、恥ずかしくないものを自分なりに考えて提案して見られる良い機会です。期間は短いですが、この週末にでも、自分なりにこれを考えてみるのも良い勉強にもなるのではないかと思います。

大日本スクリーン、太陽電池関連業界に本格参入


http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=195069&lindID=4
太陽電池関連業界に本格参入~既存保有技術を応用展開し、新たな事業の構築へ~
http://www.screen.co.jp/press/NR080723-2.pdf

太陽光の「メガ発電所」 北陸電力 10月末までに計画策定


http://www.hokkoku.co.jp/_keizai/K20080724302.htm 
北陸電力は、大規模な太陽光発電所(メガソーラー発電所)の建設に向けた検討を始めた。温室効果ガスである二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギー導入促進策の一環。太陽光発電所の場所や規模、発電開始時期に加え、他の再生可能エネルギーも含めた具体的な行動計画を十月末までに策定する。北電によると、現在、風力など管内で発電される再生可能エネルギーは二・八万キロワットで、全発電の1%となっている。二〇一四(平成二十六)年度にはこれを二倍強に引き上げることが法令で義務化される見込みのため、北陸電力は、制限している風力発電量の上限引き上げや、メガソーラー発電所建設で達成する方向で検討を進める。他の電力会社では、関西電力とシャープ(大阪市)が二〇一一年に堺市で出力二・八万キロワットのメガソーラー発電所を稼働させる。出力は志賀原発2号機の2%だが、世界最大級の太陽光発電所となる。電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)は十八日の会見で、低炭素社会の実現に向け、北陸電力など電力会社十社すべてがメガソーラー発電の建設検討を行い「年内に具体的な計画をとりまとめ、公表したい」との方針を示した。
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北陸電力が「緊急経営対策本部」-「メガソーラー」導入計画など検討
http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20080724.html
 北陸電力は23日、化石燃料の著しい高騰など厳しい経営環境に対処するため、永原功社長を本部長とする「2008緊急経営対策本部」を設置したと発表した。燃料費高騰に向けた効率化や、再生可能エネルギーの導入促進に向け「メガソーラー発電」導入の具体的行動計画などを検討する。同日、第1回本部会議を開催。設置期間は18日から10月31日まで。審議した成果は10月末の中間決算発表時に公表する。
・「2008緊急経営対策本部」の設置について
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/08072302.pdf

2008年7月23日水曜日

Enable IPC to Develop Enhanced Clean Energy/Ultracapacitors for Leading European Research Institute


http://www.enableipc.com/PR20080722.html

New Contract from an Ambitious R&D Program Funded by Spain’s Administration to
Address Local and International Energy Solutions
VALENCIA, Calif. and MADRID, Spain – July 22, 2008 – Marking a major milestone with the first commercial
use of its breakthrough ultracapacitor nanotechnology, Enable IPC Corp. (OTC BB: EIPC.OB), a leading
company for turning technologies into products and successfully bringing them to market, today announced
that it has partnered with the Madrid, Spain-based IMDEA Energy Institute to jointly develop ultracapacitors
based on Enable IPC’s patent-pending energy technology. The initial project for this venture will be to
incorporate Enable IPC’s ultracapacitor into the SA2VE clean energy innovation program.
Enable IPC’s ultracapacitor technology combines nanoparticles with common carbon sheets for a low cost,
easy-to-implement technology that improves the performance of ultracapacitors so they can function as
clean energy storage devices. The enhanced ultracapacitors are simpler, cheaper and longer lasting than
some conventional batteries, but perform just as well in many applications.
“Our partnership with IMDEA Energy marks a major validation of Enable IPC’s ultracapacitor technology by a
renowned international organization,” said David Walker, CEO, Enable IPC. “Partnering with IMDEA Energy
solidifies our standing as a leading company with cutting-edge energy technologies. We are excited by this
unique opportunity to help develop clean energy devices that could be a part of the solution to the world’s
energy problems, and hope it marks the first of many collaborations with IMDEA Energy.”
The IMDEA Energy Institute develops energy-related Research and Development (R&D) with an emphasis
on renewable energy and clean energy technologies to achieve outstanding scientific and technological
contributions that create a sustainable energy system. Together with the SA2VE, a strategic national
research and development program in Spain focusing on electricity storage for applications in renewable
energy integration, transport sectors and households, the organizations seek innovative, state-of-the-art
technologies to address energy issues locally in Spain, as well as worldwide. In effect since 2006,
partnering with Enable IPC marks one of the first steps in SA2VE’s expansion to include ultracapacitors.
“After conducting an exhaustive search of ultracapacitor technologies, we chose Enable IPC due to the
numerous improvements that their process produced over today’s current market-ready ultracapacitors,”
said Manuel Romero, Deputy Director, IMDEA Energy Institute. “The Government of Spain is extremely
committed to developing environmentally friendly sources of energy, and this partnership is an excellent
example of how technology can be used to protect the environment, while also assisting the economy.”
Under the new partnership, IMDEA Energy will work directly with Spanish company Green Power and a
national lab in Spain known as CEDEX, while Enable IPC will provide enhanced ultracapacitor electrodes to
the organization for integration into a new power conditioning unit.

About Enable IPC
Enable IPC (OTC BB: EIPC.OB) provides efficient, streamlined strategies for turning technologies into
products and bringing them to market. Though not limited to nanotechnology or the energy industries,
Enable IPC’s growing portfolio currently includes the exclusive rights to two break-through energy
technologies. The company seeks to turn technologies into products and is a transparent, fair turnkey
partner for sub-licensing and other partner companies.

About IMDEA Energy Institute
The IMDEA Energy Institute has been created by the Regional Government of Madrid, Spain, in order to
develop cutting-edge R&D activities in energy, with main emphasis in those topics related to renewable
energy and clean energy technologies. The portfolio of expertise includes the following themes: Solar energy
systems and technologies, with special emphasis in concentrating solar power; production of sustainable
fuels for the transport sector: hydrogen, biofuels and waste-derived fuels; energy storage coupled to
renewable energies; smart management of electricity demand; development of energy use systems with
enhanced efficiency such as fuel cells and polygeneration and alternatives for CO2 confinement and
valorization. For more information, visit www.imdea.org

Forward-Looking Statements
This release contains forward-looking statements, such as "believes", "expected", “targeted” and similar
terminology, which are made pursuant to the safe harbor provisions of the Private Securities Litigation
Reform Act of 1995. These forward-looking statements involve risks and uncertainties which could cause
actual results that the Company achieves to differ materially from any of the forward-looking statements.
Such risks and uncertainties, include, but are not limited to, the following: the timely development and market
acceptance of products and technologies, the ability to secure additional sources of financing, the difficulties
in forecasting results from development efforts, difficulties in accurately estimating market growth, the impact
of changing economic conditions, business conditions in the microbattery industry and others identified in
our Annual Report on Form 10-KSB, as amended, and other Securities and Exchange Commission filings.
The company undertakes no obligations to revise or update any forward-looking statements in order to
reflect events or circumstances that may arise after the date of this release.

Investor relations for Enable IPC:
Rich Kaiser
(800) 631-8127
ir@enableipc.com

Press contacts for Enabel IPC:
Jason Wonacott / Jessica Busch
Wonacott Communications, LLC
(310) 477-2871
jwonacott@wonacottpr.com / jbusch@wonacottpr.com

太陽光ビジネス展開に昭和シェル石油が本腰


http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/8b9e0194c57ee4687699aaa61609d23e/
 昭和シェル石油が新エネルギー事業を強化する。同社は2011年に世界最大級の太陽光発電パネル工場を建設する方向で検討に入った。投資額は1000億円前後、年間に100万キロワット分のパネルを生産。これは原子力発電1基分に相当する。昭和シェルは1978年から太陽電池開発に着手し、93年から「CIS」系電池の研究を手掛けている。CISは原料の銅、インジウム、セレンの頭文字を取ったもので、現在主流の結晶型太陽電池とは異なりシリコンを使わないのが特徴だ。エネルギーの変換効率はシリコン系に比べて劣るが、シリコンの需給逼迫に伴う価格上昇で競争力は高まっているという。07年から宮崎県の工場でCIS系太陽電池のパネル生産を開始。09年に第2工場が稼働する予定だが、両工場でも生産規模は8万キロワットにとどまる。新エネ事業拡大に動く背景には、国内の石油製品需要の低迷がある。ガソリン販売は05年をピークに減少。若者の自動車離れなども響いて冷え込みが続く。原油高も重荷で、価格の急上昇は需要減退をもたらすだけではない。川下の給油所への転嫁が追いつかず、収益を圧迫している。石油元売り業者にとって、新たな収益源の確保は喫緊の課題。巨額投資で一気にパネル生産量を引き上げ、太陽光発電市場の拡大に向けて「プレゼンスを確保したい」(子会社の昭和シェルソーラー)。原油高を背景に“非石油事業”拡大に動く元売り業者の動きは活発化しそうだ。

「太陽熱発電」 2012年に14倍へ 米研究所が予測


http://sankei.jp.msn.com/world/america/080723/amr0807230938001-n1.htm 鏡で集めた太陽光の熱で蒸気を発生させて発電する「太陽熱発電」が、全世界で2012年に07年の14倍に当たる出力640万キロワットまで急拡大するとの予測を、米環境シンクタンクのアースポリシー研究所が22日、発表した。太陽熱発電は1980年代に右肩上がりで伸びたが92-06年は横ばい。しかし地球温暖化への懸念やエネルギー価格高騰の影響で07年に計10万キロワットが増設され、がぜん注目を集めている。
 同研究所によると、07年に米国で16年ぶりに大型発電所がネバダ州で建設されるなど、世界全体の太陽熱発電出力は約46万キロワットになった。今後もカリフォルニア州を中心に米国内で約10基、スペインで20基以上の建設が計画され、この両国だけで12年までに、原発5基に相当する計560万キロワットの新規稼働が見込まれるという。

2008年7月22日火曜日

「メガソーラー」「電気自動車」導入計画、電事連が年内策定へ-CCSへの取り組みも加速


http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20080722.html
 電気事業連合会は18日、大規模太陽光発電設備のメガソーラーについて、電力業界による導入規模や時期などを盛り込んだ計画を年内に取りまとめると発表した。次世代自動車として期待される電気自動車も同じく年内に業界全体の導入計画を策定する。低炭素社会の実現に不可欠な革新的技術の一つである二酸化炭素の回収・貯留(CCS)は、研究開発の推進とともに、今年5月に設立された日本CCS調査会社への参画を通じ、電力業界も積極的に取り組む。同日の定例会見で森詳介会長(関西電力社長)が明らかにした。 低炭素社会の実現に向け、福田康夫首相が提唱するビジョンでは、原子力、省エネ、再生可能エネルギーを3本柱に掲げ、着実な実践や革新的技術開発が不可欠との考え方が示されている。電力業界も、再生可能エネルギーや原子力をゼロ・エミッション電源に位置付け、2020年までに非化石エネルギーの比率を現状の約40%から50%まで高める目標を掲げている。 森会長は、電力業界が率先してメガソーラーを導入する方向性を打ち出し、「送電ネットワーク全体に与える影響の検証を行い、パネルの価格低下や国民の関心を高める起爆剤になってほしいと考え、積極的に取り組むことにした」と述べた。とくに「系統上の問題は、十分勉強しておく必要がある」としたほか、出力変動に伴う発電設備側の課題も含めて洗い出す考えを明らかにした。 これまでに関西電力がシャープと共同で、合計出力2万8千キロワットのメガソーラーの設置を発表するなど、個別の電力会社としての具体的な動きも出てきた。国や自治体の支援策、パネルの価格動向なども見通しながら、今後は電力業界として、メガソーラー発電の導入規模や時期などについて計画を策定する方針。 また、現在各社で走行試験などが進む電気自動車も業界全体の導入計画を取りまとめる。このほか、CCSに関しては、発電所から出るガスからの分離・回収をはじめ、地中への注入・固定化など、電力業界による研究開発の実績を踏まえ、日本CCS調査を通じた大規模実証試験などに乗り出す。

東芝が太陽光発電事業について,「事業の可能性を検討」


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080718/155037/?ref=ML2008/07/18 19:51
 東芝は,一部報道されている「東芝が米SunPower Corp.と提携して太陽光発電システムを日本国内で販売へ」という記事内容について,「現在,事業の可能性を検討している段階」とコメントした。2008年7月18日にシステムを販売開始するという報道については,「具体的な販売計画はまだ何も決まっていない」(同社)と否定した。一方のSunPower社は,同社CEOのThomas H. Werner氏がテレビに登場し,東芝との関係について「(東芝の)エレクトロニクス技術と我々の高い変換効率の太陽電池との組み合わせで,市場シェアを0%から10%に持っていける」と述べている。SunPower社は約22%と,商用の結晶Si系太陽電池では最も高いセル変換効率のモジュールを開発済み(Tech-On!の関連記事1,関連記事2)。また,2008年5月には12cm角と比較的大きな太陽電池セルで23.4%という変換効率も記録した。2008年7月17日に発表した決算報告では,2008年第2四半期(4月-6月)の売り上げが第1四半期の2億7370米ドルから,約40%増の3億8280米ドルと大幅に増えた。前年同期比では120%増と,太陽電池業界全体の年間約40%成長の勢いを大きく超えている。

環境技術へのベンチャー投資は記録的な増加


http://www.usfl.com/Daily/News/08/07/0721_026.asp?id=62399
更新2008年07月21日 18:55米国東部時間
経済の低迷にもかかわらず、環境保護技術関連の新興企業に対するベンチャー投資は2008年に過去最高を記録するとの見通しを、市場調査のクリーンテック・グループがこのほど発表した。USAトゥデイによると、バイオ燃料、太陽光発電、風力発電、浄水関連の新興企業が調達したベンチャー資金は第2四半期(4~6月)に約20億ドルと過去最高に達し、前年同期から58%も増加した。現在の米経済は、起業家やベンチャー投資家が投資資金の回収手段として通常考える株式公開(IPO)や、大手企業による合併・吸収(M&A)に最適な状況とは言えない。しかし、エネルギーやコモディティ(原材料)価格の高騰、石油供給の縮小、炭素排出規制の強化などを受けて、企業は環境技術への投資を大幅に増やしており、ベンチャー投資家も、欧米やイスラエル、中国、インドの資産を、ソフトウェア、医療機器、バイオテクといった伝統的な業界から環境技術分野に移している。投資家や起業家が重視する2つの分野は、石炭に代わる発電燃料と石油に代わる輸送燃料の開発。投資対象となった企業としては、タービンを動かすための大規模なソーラー・サーマル(太陽熱発電)技術を開発しているイーソーラー、スカイフューエル、ブライトソース・エナジー、藻やセルロース系エタノールなど食用穀物以外の植物材料を使った次世代バイオ燃料を開発するレンジ・フューエルズ、オーロラ・バイオフューエルズ、グリーンライン・インダストリーズなどがある。環境技術は、原料コストが高騰している自動車、輸送、石油化学業界などから注目されているが、開発した商品や技術が主要企業に導入され、経済や環境に大きな影響を与えるようになるのは5年から15年先と見られている。

産総研,フレキシブルなCIGS型太陽電池で効率17.7%


セラミック基板で作製したCIGS型太陽電池



帝人製の樹脂フィルムを基板にしたCIGS型太陽電池

今回の太陽電池の主な構造。裏面電極層は,アルミニウム(Al)の蒸着で形成した。
産業技術総合研究所は,フレキシブル基板を用いたCIGS型太陽電池で,セル変換効率17.7%を確認したと発表した。フレキシブルなCIGS型太陽電池としては世界最高クラスの効率とみられる。産総研によれば,従来フレキシブルなCIGS型太陽電池の作製には,p型半導体の形成に課題があったという。CIGS型太陽電池のp型半導体のキャリア密度は,ナトリウム(Na)などのアルカリ金属の添加で制御する。具体的には,セレン化ナトリウム(Na2Se)やフッ化ナトリウム(NaF)を半導体に添加していた。ところが,Na2SeやNaFは不安定で再現性が低かったという。今回,産総研は,まずケイ酸塩ガラス層を基板上に形成し,この層の成膜条件を制御することで,裏面電極層を通過して光吸収層に拡散するアルカリ金属の量を制御する技術「alkali-silicate glass thin layer(ASTL)法」を開発した。これによって簡便にアルカリ金属を添加できるようになり,再現性も向上したことで,太陽電池の変換効率も大幅に向上したという。利用した基板は,セラミック基板,帝人が提供した透明な樹脂フィルム,表面の粗いチタン(Ti)箔の3種類。セル変換効率17.7%はセラミック基板を用いた場合の値で,樹脂フィルムでは同14.7%,Ti箔では同17.4%だった。技術の詳細は2008年7月28~29日に日本科学未来館で開催される「第4回産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター成果報告会」で発表するという。野澤 哲生=日経エレクトロニクス

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080718/155027/
2008/07/18 17:19

太陽光発電は28年度に19年度比23%減・民間調査機関、国内エネルギー関連市場調査


http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080721/env0807211915003-n1.htm
 民間調査機関の富士経済(東京都中央区)は、省エネや地球環境保護を切り口に今後の普及が注目される国内エネルギー関連機器の市場動向についてまとめた。平成28年度には19年度比約1・5倍の7206億円に拡大するとの見込みを示した。ただ、太陽光発電は価格競争激化などで市場が縮小する一方、燃料電池分野の電力貯蔵システムなどは大幅な伸びが期待できるとの見込みを示した。調査対象は10分野71品目。それによると、21年度以降、本格的な商品化が始まる家庭用固体高分子形燃料電池(PEFC)の設置急増によ
って、燃料電池市場は28年度に19年度比36倍の2230億円になると予測。加えて、20年度以降、直接メタノールを燃料にして発電する携帯機器向けの燃料電池が成長し、28年度には300万台規模まで増加するなど、燃料電池の各機器での伸びが市場拡大に貢献する見通しだ。一方、普及が進んでいる太陽光発電は、価格競争の激化などで、同23・2%減の1143億円に減少するとの見込みを示した。これは、現在、国内市場向けは容量ベースで横ばい傾向だが、国内販売の8割を占める住宅向けで価格競争が激化するほか、量産効果によるシステム自体の価格が低下するなどの理由から金額ベースで販売は減少すると予測している。

ソーラー&人力 25艇が速さ競う


http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20080720-OYT8T00586.htm
 静岡市清水区の三保内浜海水浴場で20日、太陽電池や人力で動く自主制作のボートの速さを競う「ソーラー&人力ボートレース全日本選手権」が始まった。 今年で15回目で、同海水浴場での開催は3年連続。国内や韓国などの高校、大学、社会人チームの25艇が出場した。 中には水中翼で水面に浮き上がり、時速30キロ以上で水面を滑るように進むボートも。この日は100メートルと200メートルのレースが行われた。 主催者の日本ソーラー・人力ボート協会の堀内浩太郎会長(81)は「海外にも同様の大会があるが、参加者のレベルの高さから全日本選手権が実質的に世界一を決める大会」と話していた。 最終日の21日は1周1キロコースで、1時間耐久レースなどが行われる。

エコマシン疾走、大潟村 「ワールドソーラーカーラリー」開幕


個性あふれる自転車がスピードを競ったソーラーバイシクル・レース


http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080721b
 「2008ワールド・ソーラーカー・ラリー」(同組織委員会主催)が20日、大潟村のソーラースポーツラインで開幕、前半競技の「ソーラーバイシクル・レース」が行われた。直線100メートルの平均速度を競う「最高速度コンテスト」には48台が出場。雲の間から日が時折差すコンディションの中、スピードを競った。バイシクル・レースは21日まで。 レースはS(ソーラーエネルギーで走行)、A(市販自転車に国際ソーラーカー連盟公認の太陽電池か蓄電池を搭載)、B(規定に沿って製作・改造し、太陽電池か蓄電池を搭載)の3部門。 同コンテストは200メートルの助走の後、直線100メートルの測定区間で平均速度を競った。高校生や大学生、社会人チームが、自転車タイプから流線形まで多彩なマシンで記録に挑戦。スタートの合図とともに1台ずつ勢いよく飛び出し、コースを疾走した。21日は周回コース4周(100キロ)の所要時間を競うマラソン(A、B部門)、5時間以内の周回数を競う耐久ラリー(S部門)が行われる。後半競技の「ワールド・ソーラーカー・ラリー」と「全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ」は、26日から3日間開催される。
 最高速度コンテスト(時速)の結果は次の通り。
【S】
(1)Stream XV(埼玉)82・005キロ
(2)Γ14(神奈川)
(3)ミレニアム“T” Ver.8(埼玉)

【A】
(1)カミ「SUN」求(愛知)56・648キロ
(2)コットン1号(栃木)
(3)BOSCO TTX(東京)

【B】
(1)オレンジ号(群馬)62・241キロ
(2)Pegasus(東京)
(3)杉ッチ(秋田)

◎太陽ボール、エコの輝き・夜のいしかわ動物園、26、27日に


ソーラーボールを試験的に水に浮かべる職員=能美市のいしかわ動物園


能美市のいしかわ動物園は二十六、二十七日の「ナイトズー」で太陽光発電で発光する「ソーラーボール」二百個を園内中央池に浮かべる新たな演出を行う。動物園では全国的にも珍しい取り組みで「光のファンタジー」と銘打ち、環境に優しいエコ動物園をアピールする。中央池約二千五百平方メートルに架かるゆめつり橋中央から、長さ約八十五メートルの釣り糸十本を放射線状に垂らし、各糸に三メートル間隔で二十個のソーラーボールを付ける。ソーラーボールは直径十二センチで、縦横六センチのソーラーパネルが付いており、四 ―六時間、日光に当てると約四時間点灯する。周囲が暗くなるとセンサーが感知して点灯する仕組み。色は赤、青、黄、緑の四種類があり、三秒間隔で変化する。午後七時四十分ごろから見ごろとなる。同園ではこれまで、ゆめつり橋に巨大スクリーンを張り、動物紹介のDVDを上映していたが、大量に電力を消費することから新たな演出を模索していた。十日に二十個を試験的に池に浮かべた。ナイトズーは今年で五年目を迎える夏休みの人気企画。二十六、二十七日は通常営業終了時間の午後五時で閉園せず、同九時まで延長営業する。八月十三、十四、二十三、二十四日と十月十二日も行われる。

都:太陽熱利用した家庭の節約分、来年度から買い取り 全国初 /東京


http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080719ddlk13010266000c.html
 都は来年度から、太陽熱を利用した暖房・給湯機器を設置した家庭に対し、使用した太陽熱の量から環境への貢献度を評価し、買い取る「グリーン熱証書制度」を全国で初めて導入する。国内の太陽熱利用設備の設置件数は80年代から低迷しているが、都は地球温暖化対策として家庭での普及を進める方針だ。制度は、従来だと化石燃料によって生み出されていた熱を各家庭が太陽熱によってまかなったと想定。その環境貢献度(環境価値)を示した「グリーン熱証書」を発行し、都などが買い取るしくみとする。都は10年度から大規模事業所に二酸化炭素(CO2)の排出量削減を義務づけるが、事業所が削減目標を達成するために証書を買い取れるようにする案も検討している。対象となる機器や環境価値の表示方法などについては、専門家らで構成
する検討会が8月にも具体案をとりまとめる。都は16年までに100万キロワット相当の太陽エネルギーの導入を掲げていることから、制度の対象外の太陽熱利用機器についても何らの支援策を講じる姿勢を見せている。

電事連会長「太陽光発電所計画、年内にまとめる」


http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080718AT1D1805D18072008.html 
電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)は18日会見し、「電力業界全体の太陽光発電所導入計画を年内にまとめる」と述べた。6月に福田康夫首相が公表した地球温暖化対策(福田ビジョン)で太陽光発電の本格導入が打ち出されたのを受けた措置。2万?3万キロワットの大型の太陽光発電所の建設が相次ぐ見通しで、発電パネルなど関連産業の成長に弾みがつきそうだ。 電力では関電がシャープと共同で堺市に2万8000キロワットの太陽光発電所を2010年度に稼働させる計画で、各電力会社が同様の太陽光発電所を建設する見通し。 一方、政府が今秋に試行を目指す排出量取引には「参加するかどうかを含めて検討中」と慎重姿勢を示した。一律に削減枠を当てはめるキャップ・アンド・トレードは「公平な排出枠の割り当てが難しい」として引き続き反対する意向だ。

PVの長寿命化について




http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080718/155007/
問◎太陽電池が発明されて50年,まず歴史についてお聞かせ下さい。
答◎1950年代から1980年代半ばの「黎明期」,1990年から2000年代半ばにかけての「成長期」,グローバル展開が始まった現在の「拡大期」の三つに分けることができます。私は1960年代初めから半導体を研究していたのですが,1973年のオイルショックを契機に,アモルファスSiを使った太陽電池の研究を始めました。当時,エネルギー危機が叫ばれ,ローマクラブは「資源は有限だ」とする『成長の限界』を提言,米国や日本の企業を中心に代替エネルギーの研究が始まりました。しかし原油価格が下がるとともに,日本以外の企業は撤退。日本ではサンシャイン計画があり,変換効率が悪かった太陽電池を家電メーカーがソーラー電卓やソーラー時計に使うという活路を見いだすことで,研究開発を続けました。
問◎1980年代半ばになると,変換効率は10%を超えるようになりました。
答◎それによって,一般家庭の平均電力消費量3kWをまかなえるようになるとともに,オゾン破壊などの環境問題が注目されたこともあり,太陽光発電の出番だという話になりました。当時の太陽光発電システムは発電した電気を蓄電池に貯めて使うものでしたが,直接,電力会社の電力系統に接続し,電力をやり取りすれば,蓄電池は不要になります。しかし,当時,それができる社会的な仕組みがありませんでした。そこで,私たちは社会に訴え,法制度が整備され,1992年には住宅の屋根に装置を設置して家庭用電力をまかない,余れば電力会社に売ることができる「逆潮流ありシステム」が可能になりました。1992年7月,私は自宅に日本初の太陽光発電装置を設置。さらに助成金制度が設立され,1994年から2005年まで個人住宅に助成金が交付されました。その結果,設置戸数が増え,太陽電池の生産量も拡大して,価格も下がりました。
問◎この数年,温室効果ガス削減が人類共通の課題になっています。
答◎1990年代後半までは,日本が世界の太陽光発電のリーダーシップをとっていました。ところが,1997年に京都で開かれた気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)以降,EUがイニシアチブを取り始めました。ドイツでは,2000年に再生エネルギー法が制定され,フィードイン・タリフという制度ができました。これは電力料金を3%高くして,太陽光発電の電力を通常の3倍ほど高い価格で電力会社が購入するものです。これによってドイツでは太陽光発電が急速に普及し,制度はEU全体に広がり,韓国でも始まりました。逆潮流ありや助成金に換えて,高い買い取り価格の設定など,ドイツは日本の経験を踏まえて制度を作っています。
問◎日本の助成金もフィードイン・タリフも政府が資金を投入し,政策的に誘導するやり方です。競争の中で,他よりもコストが安いことで成長していくのが本来の姿のように思いますが。
答◎エネルギー分野は効率化され,成熟した古い競争相手が常に存在するという特徴があります。ですから,新しいエネルギーが出てきても,自然発生的には参入できません。新しいエネルギーが受け入れられるためには,社会政策で導入を促す過渡的な時期が必要です。誘導策が必要なくなる時期は確実に来るので,その段階になれば,助成策を止めればよいのです。
問◎太陽光発電が一気に広がる時代が本当にやってくるのでしょうか。
答◎既に予兆はあります。2020~30年ころには,石油,石炭など化石燃料が枯渇することは明らかです。BRICs諸国の経済発展によって化石燃料の消費は膨大な量になり,今後も増え続けるでしょう。それが原油価格高騰の最大の理由です。今,日本の電力料金は1kWhあたり23円程度で,60%ほどが化石燃料による発電です。今後,原油価格上昇と同レベルで値上がりする可能性が高く,倍近くになっても不思議ではありません。そうすると,1時間で世界中の1年分のエネルギーがまかなえる太陽光発電を使う以外に,社会は今の生活を維持できなくなってしまいます。
問◎今後の課題は何でしょう。
答◎技術面では,低コスト化と長寿命化です。太陽電池システムの寿命を20年として,日本の電力料金と発電コストを比較すると,太陽光発電が割高です。しかし寿命を100年まで延ばすことができれば,現在の火力発電所の発電単価とほぼ同じになります。
問◎寿命100年は現実離れしているのではないですか。
答◎太陽電池は半導体の量子効果を利用しているので,原理的には半永久的で,100年使うことは可能です。問題は電気取り出しのための部分です。例えば電線は金属なので劣化しにくいのですが,樹脂であるシールドが劣化します。ですから,劣化を防いで100年保つ材料を開発すればよいのです。太陽電池は何回も失敗する中で新しい樹脂が開発され,現在,寿命が20年になっているわけですから,できない話ではありません。このように長寿命化は変換効率アップによるコスト・ダウンと同等の価値があるのです。長寿命化という観点に立った技術体系にする。そのために新材料を開発し,質のよい素材を使い,徹底的に寿命を延ばすことを考える。さまざまな紆余曲折はありながら,ここまで発展してきた太陽電池の歴史を考えれば,やる気になれば技術的にできるはずです。
プロフィール
桑野 幸徳  1941年生まれ。1963年,熊本大学理学部卒業。同年,三洋電機入社,技術本部中央研究所配属。1993年取締役,1996年常務取締役,1999年セミコンダクターカンパニー社長,2000年代表取締役社長に就任。2005年から相談役。

2008年7月18日金曜日

三菱樹脂専務スティーブ・ユーリック氏に聞く 太陽光発電向け世界展開


【プロフィル】スティーブ・ユーリック
 1979年、米モンタナ州立大化学工学科修了。同年、米セラニーズケミカル入社。98年、三菱ポリエステルフィルム米国法人社長。2007年、三菱化学ポリエステルフィルム代表取締役CEO。三菱ケミカルホールディングス傘下の機能材料事業の統合により、08年4月より現職。


http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200807180068a.nwc
FujiSankei Business i. 2008/7/18
三菱ケミカルホールディングス(HD)傘下の機能材料部門4社1事業が4月に統合して発足した三菱樹脂。ポリエステルフィルム事業統括の担当に就任したスティーブ・ユーリック専務(53)は、グループ経営陣で唯一の外国人だ。海外に成長を求める同社の取り組みについて聞いた。(吉村英輝)
                   ◇
 --液晶テレビ向けなどの光学用ポリエステルフィルムは世界トップシェアだ
 「フラット・パネル・ディスプレー(FPD)は日本で独自に発達した。高度な技術を要求される。ただ、FPD事業は東欧などに広がるものの、基本的には日本市場が中心だ。今後のフィルム事業の世界展開を考えれば、成長が期待される太陽光発電パネル向けフィルムが有望だ」
 --太陽光発電の有力市場は
 「新規成長事業だけに、世界中といえる。日米欧に加え、中国やインドなどにも広がり、すでにソーラー事業者向けのフィルム出荷が始まっている。課題は太陽光発電パネルのコスト。技術革新で現在の半分に抑えられれば、風力発電などに対しても、価格競争力がでる」「1990年代の欧米企業買収によって、ポリエステルフィルム事業はすでに、従業員、研究開発、生産、顧客が米国、欧州、日本で3分の1ずつの等配分となっている。三菱樹脂内の他事業と大きく異なる点だ。世界規模での情報共有や共同作業により、迅速できめ細かい市場対応ができるのが当社の強みだ」
 --日本の樹脂市場は独特で、国際的な常識が通用しないとの指摘もある
 「その土地ごとに特色があるのは世界中に共通しており、プラスチック加工の事業はどの国でも難しい。どんな顧客企業もより良い商品をより安く欲しがる。世界中の素材企業は、彼らと手を携えて開発を進めている。だから商売はその土地の市場に合わせて行う。だが、事業に対する考えは、例えば原燃料の高騰への対応など、グローバルな視点が不可欠だ」
 --三菱樹脂はグローバル成長できるのか
 「会社はそのスタッフと同じレベルにしか育たない。鍵は人材だ。言葉が最も難しいがコミュニケーションのこつさえ押さえれば、あとはグローバルな考えを持った社員を探して組織し、会社を変えていけばいい。新社発足間もないが、若手にも役員にもそういう人材が多いことが分かった」「一番の問題は、リスクをとる気構えだろう。いちど国際展開の経験をすることが大切。多少の文化の違いや対応に違いはあるが、世界のどこにいても商売はチャレンジが重要。心配しすぎる必要はない」
 --実現するには  「旧三菱化学ポリエステルフィルムでは毎年、日米独からそれぞれ2人を研修に出しあったり、3~5年間の人材派遣も行ってきた。開発や製造ライン、マーケティングでは3カ国で横断的なチームをつくり事業を展開しており、ビジネスを通じた人材育成も有意義だ。三菱樹脂でも同様の人材育成をしていきたい」