2008年7月3日木曜日

住宅用太陽光発電 経産省『半額に』 買い控え拡大 業界困惑



http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008070302000156.html
経済産業省が地球温暖化対策として、住宅用の太陽光発電システムに補助金を出すなどして価格を今後三-五年で半額に引き下げる方針を打ち出した。この動きを受け、システムを販売する現場では早速買い控えが起きている。このため販売会社やメーカー側からは、政府方針を疑問視する声も出ている。
■混乱
 「半額になるまで買うのを待ちます」。経産省が半額方針を示した翌日の六月二十五日、中部地方にある発電システムの販売会社では、成約した約三百万円の注文が取り消された。同様の契約キャンセルは、他の会社でも相次いだという。 同省は、現在平均約二百三十万円する発電システムの価格を「三-五年以内に半額程度への低減を目指す」とした。福田康夫首相が「太陽光発電の導入を二〇二〇年までに十倍」と掲げたのを受けた措置だが、具体的な補助金の額や低減の方法は示されなかった。一方、発電システムの購入希望者の多くは数年後に「半額で買える」と判断した。販売会社の担当者は「これでは価格が下がるまで売れなくなる。根拠なく発表するのは無責任だ」と怒る。 発電システムへの補助金は一九九四年度にいったん導入されたものの、〇五年度に廃止。〇七年度の販売実績は廃止時と比べ32%減の約四万九千件に落ち込んだ。そうした中、今回の方針転換が事業者を再び混乱させる結果となった。
■課題
 政府の方針について大手メーカーは「もし補助金が復活するなら、冷え込む需要を喚起することになりありがたいのだが…」とやや困惑気味。政府はメーカーにもコスト削減努力を求めているが、「次世代技術を期待しなければ、数年での解決は難しい」(三洋電機)という。 価格引き下げには原材料価格の高騰も立ちはだかる。太陽光パネルの原料となるシリコンのほか、アルミフレームや強化ガラスなども値上げ圧力は強い。また、「少子化で住宅需要が減る中、どこまで導入件数を増やせるのか」(シャープ)といった課題もある。 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は「経産省の方針は手段なく、結果だけを示した。実現を担保するため、電力会社が適切な値段で太陽光エネルギーを買い取る固定価格制度を導入すべきだ」と提案している。

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