http://www.usfl.com/Daily/News/08/07/0724_035.asp?id=62504
インドとスウェーデンに拠点を置く新興企業のVNLは、消費電力が電球と同程度という低消費電力かつ低コストの携帯電話向け基地局を開発した。業界アナリストによると、携帯電話人口は向こう5年間に約20億人の純増が見込まれ、そのうち約80%は開発途上国市場の住民になると予想される。それを受けて携帯電話サービス事業者(キャリヤー)は、アジアやアフリカ、そして中東諸国の特に都市部以外の遠隔地でのサービス供給体制の確立を急いでいる。しかし、それらの地域では電力供給が不安定で通信機器への投資額も限られていることから、省電力かつ低コストの基地局の開発が求められていた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、VNLの基地局は、太陽光パネルを利用して発電し、わずかな電力で稼動する。今日、遠隔地に設置された基地局は、ディーゼル発電機と電池を使って稼動させる方法が一般的だ。しかし、典型的な基地局運営費の65%を燃料費が占めるため、実用性に乏しく、費用も高い点が問題視されている。そこで、テレフォンAB LMエリクソン(Telefon AB L.M. Ericsson)をはじめ、アルカテル・ルーセント、モトローラといった通信機器大手は、基地局用の既存の通信機器を改良し、省電力化や再生可能エネルギーの使用による問題解決に取り組んできた。 エリクソンとアルカテル・ルーセントは、セネガルやウガンダを含むアフリカ諸国に、太陽電池で稼動する基地局をそれぞれ約400局設置した。そのほかにもエリクソンは、インドにバイオディーゼルを利用する基地局約40局を構築済みだ。アルカテル・ルーセントの太陽電池基地局の消費電力は約750ワット。一方のエリクソンの太陽電池基地局は約600ワット。いずれも費用は非公開。両方とも、技術者が数週間かけて設置する必要がある。 それに対し、VNLの基地局の費用は3500ドルで、電球とほぼ同じ100ワットで稼動する。また、専門の訓練を受けていない人でも、比較的簡単に設置できる。対照的に、今日最も普及したGSM基地局の場合、費用は4万~10万ドル、消費電力は600ワットから数千ワットに達することもある。VNLは最近、インドの携帯電話基幹網運営会社であるクイッポ・インフラストラクチャー・イクイップメント(Quippo Infrastructure Equipment)と、インド北部でVNLの太陽電池基地局の試験を行うことで契約を締結した。本格的な利用が始まるのはこれからだが、もしVNLの技術が普及すれば、キャリヤーは遠隔地のサービス供給体制を、低コストかつ迅速に整備できるようになる。VNLは、車両と家電製品に一般的に使われる半導体を改良し、基地局向けに使用した。その半導体は、通信機器向けに比べて消費電力が小さい。基地局は、通信量の多いビレッジ・センター向けと、通信量の少ない地方向けに2種類がある。通信塔は省エネ対策として、使用者が誰もいない時はスリープ・モードに切り替わる。
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