http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080729/155644/
産業技術総合研究所(産総研)は,アモルファスSiと結晶Siのヘテロ接合による54μm厚の太陽電池セルを開発し,セル変換効率12.1%を確認したことを明らかにした。産総研が2008年7月28~29日に東京の日本未来科学館で開催した「第4回太陽光発電研究センター成果報告会」で発表したもの。結晶Si型太陽電池は,結晶Siウエハの品薄や高騰が大きな課題。薄型化は,コスト削減を進める決め手として研究開発が盛んになっている。アモルファスSiと結晶Siのヘテロ接合による太陽電池セルは,結晶Si層の片面,あるいは両面にアモルファスSiの薄膜を形成したセルである。これは,三洋電機が「HIT(heterojunction with intrinsic thin layer)」と呼ぶセルの構造とほぼ同じである(関連記事)。今回,産総研は結晶Si層の両面にアモルファスSiを形成する構造で,結晶Si層の厚みを大幅に薄くして,54μm厚を実現した。「両面へテロ構造型としては世界で最も薄い」(産総研)。このセルは手で容易に曲げられるという。ただし薄くすることでセル変換効率は低下している。厚みが300μmの場合は,同17.5%だったが,54μm厚では同12.1%。薄くすることで,約900μmより長い波長の赤外線の利用効率が下がるためだという。
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