http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080729/155641/
三洋電機は2008年7月29日,同社独自の「HIT(heterojunction with intrinsic thin layer)太陽電池」でセル変換効率22.3%を実現したことを明らかにした。まだ研究レベルでの値だが,セルの寸法は10cm角と大きい。同社は2007年6月に同22.0%を実現したと発表している(関連記事)が,今回の結果で「実用サイズの変換効率として,22%の壁を始めて突破した」(同社)という。今回の変換効率の値は,産業技術総合研究所が測定した公式なもの。セル面積は100.5cm2。短絡電流は3.909A,開放電圧は0.725V,形状因子(fill factor)は79.1%。セル1枚での最大電力は2.242Wである。三洋電機によれば今回の性能向上のポイントは,(1)結晶Si層をアモルファスSiの薄膜で挟み込んだ構造のHIT太陽電池において,結晶Si層の表面をアモルファスSi層の形成前に洗浄する技術を向上させた,(2)セル表面の反射防止用の凹凸の寸法や形状を最適化した,の二つである。同社は2010年度までに,セル変換効率を研究レベルで23%,量産技術で22%以上に高めることを目標に挙げている。同社 ソーラー事業部事業企画部 担当部長の脇坂健一郎氏は,その目標達成への戦略も上述の(1)と(2)をさらに追求すること,であると述べた。三洋電機はこれとは別に,HIT太陽電池の薄型化にも取り組んでおり,当初の300μm厚から今は200μm厚まで薄くしていることも明らかにした。「研究所レベルでは100μm厚以下を達成した」(脇坂氏)。これについて
は2008年7月30~8月1日に東京ビッグサイトで開催する太陽光発電技術の展示会「PV Japan 2008」の同社の講演で詳細を述べるという。
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