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昭和シェル石油が新エネルギー事業を強化する。同社は2011年に世界最大級の太陽光発電パネル工場を建設する方向で検討に入った。投資額は1000億円前後、年間に100万キロワット分のパネルを生産。これは原子力発電1基分に相当する。昭和シェルは1978年から太陽電池開発に着手し、93年から「CIS」系電池の研究を手掛けている。CISは原料の銅、インジウム、セレンの頭文字を取ったもので、現在主流の結晶型太陽電池とは異なりシリコンを使わないのが特徴だ。エネルギーの変換効率はシリコン系に比べて劣るが、シリコンの需給逼迫に伴う価格上昇で競争力は高まっているという。07年から宮崎県の工場でCIS系太陽電池のパネル生産を開始。09年に第2工場が稼働する予定だが、両工場でも生産規模は8万キロワットにとどまる。新エネ事業拡大に動く背景には、国内の石油製品需要の低迷がある。ガソリン販売は05年をピークに減少。若者の自動車離れなども響いて冷え込みが続く。原油高も重荷で、価格の急上昇は需要減退をもたらすだけではない。川下の給油所への転嫁が追いつかず、収益を圧迫している。石油元売り業者にとって、新たな収益源の確保は喫緊の課題。巨額投資で一気にパネル生産量を引き上げ、太陽光発電市場の拡大に向けて「プレゼンスを確保したい」(子会社の昭和シェルソーラー)。原油高を背景に“非石油事業”拡大に動く元売り業者の動きは活発化しそうだ。
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