2008年7月28日月曜日

南極の氷分析し太陽活動の歴史 弘大助教ら測定


http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/07/2920.html 
弘前大学大学院理工学研究科で古環境学を専門とする堀内一穂助教らは、南極大陸で最も高所にある基地「ドームふじ」から掘削した氷床コアを使い、宇宙線生成核種のベリリウム10を測定。これにより、太陽活動との関係から過去約千年間の太陽活動の変遷を明らかにした。堀内助教は「今後はより詳細に年代を把握する研究で、正確な地球環境の変遷を解明していきたい」と期待を込める。研究は、4年前から行われており、弘大大学院理工学研究科(地球環境学科)の堀内研究室と東京大学タンデム加速器研究施設(MALT)や国立極地研究所などとの共同研究の一部。研究は、地球年代学の国際誌「クォーターナリー・ジオクロノロジー」の8月号に掲載されている。同研究では、地球気候変動の解明に過去の太陽放射、太陽磁場強度などの太陽活動の変動が注目されていることから、宇宙線と大気との相互作用により生成するベリリウム10を分析。今回、堀内助教らは、700年から1900年までの氷床コア中から加速器質量分析によりベリリウム10の量を測定した。 その結果、太陽活動の極少期とされる4つの時期が、ベリリウム10の最大期として明瞭に検出された。 さらに、ベリリウム10と同じ宇宙線生成核種である炭素14の樹木年輪から復元された生成率がベリリウム10の変動とも一致し、期待された以上の結果を示した。 堀内助教は「研究結果は太陽活動の変動史を知る理想的な試料」とし、「掘削した氷床コアは深さ約3千メートルに達し、72万年前までさかのぼることができる」と可能性を述べた。また、「研究の一部をホームページで公開している。研究者だけでなく、大学の活動の一つとして、中高生にも見てほしい」と話した。

0 件のコメント: