2008年7月29日火曜日

太陽光発電で飲料水精製 いちごHD



http://www.kahoku.co.jp/news/2008/07/20080729t12014.htm
淡水化機器を搭載した車両。
上部の左右に太陽光パネル(格納式)と風力発電用のプロペラが設置されたピザ宅配のストロベリーコーンズなどの親会社、いちごホールディングス(仙台市)は、太陽光発電などで海水や泥水を飲料水に精製する機器を搭載した車両を開発し、販売に乗り出した。特許も申請した。水不足に悩む海外諸国をターゲットに売り込むが、「災害時にも活用できる」として国内の自治体などにも販売する考え。機器の製造は、横浜市の機械メーカーに委託した。太陽光発電をメーンに風力発電の装置も備え、システムの駆動を自力で行う。海水や泥水をホースで取水し、固形不純物をろ過。さらに小型の超高圧ポンプを使い、逆浸透膜と呼ばれる特殊フィルターでろ過する。この膜は水以外の不純物を取り除き、10億分の1のバクテリアも除去するという。機器は、トラックを改造した車両に搭載した。「太陽光発電を使った移動可能な淡水化システムはほかにない商品」(いちごホールディングス)という。ろ過した水を国内の水質基準に従い塩素で殺菌すると、飲料水や農業用水として使用可能になる。備長炭が入ったオプションの装置を通せば、ミネラル分やマイナスイオンが多い水になる。1日当たりの最大精製能力は10トンで、1人が1日当たり最低限必要な水分2リットルを5000人分用意できる計算。価格は1台4000万―1億円。機器を車両に搭載せず、コンテナに組み合わせる地上設置タイプもあり、海水による工業用水の精製などにも対応する。いちごホールディングスは、ピザの原材料を調達する中で、穀物高の背景に水不足があるととらえ、水事業にも参入することにした。宮下雅光社長は「砂漠の緑地化や農地化にも活用でき、地球温暖化の防止にもつながる。機動性を生かし、山間部でも活用できる」と話している。

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