2008年8月29日金曜日

太陽光発電、都が30万円補助 09年度から


出典:http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080829AT1G2900I29082008.html
 東京都は2009年度から、太陽光発電システム設置について、標準的な家庭で30万円規模の高額補助制度を導入する。都の補助額は都道府県で最高になる。10年度まで2年間に投じる補助総額も90億円と国内自治体で最大規模。都内の太陽光発電システム設置件数は年3000件台で頭打ち。制度導入で件数を年1万件以上に増やし地球温暖化対策につなげる。 システムの設置費用は約200万円。標準的な家庭向け太陽光発電システムの出力は3キロワット程度で、都は1キロワットあたり10万円を補助する。太陽熱を利用した温水器などに対しても、設備内容に応じ1件あたり3万―20万円を補助する。

環境技術、日・EUが初の政府間協議 まず太陽光発電


環境技術、日・EUが初の政府間協議 まず太陽光発電
出典:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080829AT2M2700F28082008.html
 【ブリュッセル=下田敏】温暖化対策で国際的な技術協力を進めるため、日本と欧州連合(EU)が初めての政府間協議を開催することが明らかになった。まず9月に太陽光発電に関する専門家会合を開き、蓄電技術や二酸化炭素(CO2)の地中貯留でも技術協力を探る。主要国首脳会議(洞爺湖サミット)の合意をふまえ、2050年に温暖化ガス排出を半減させるには環境技術が進んだ日本とEUが連携する必要があると判断。共同研究の枠組みなどを定めた包括協定を09年中に結ぶ方針だ。 欧州委員会は29日にも日・EUの政府間協議の設定を発表する。日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と欧州委が主体となってまずスペイン・バレンシアで専門家会合を開き、09年春までに具体的な共同研究の内容などを詰める。

2008年8月28日木曜日

日清紡が太陽電池・燃料電池の関連事業強化、繊維事業は海外に軸足


出典:http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2008-08-28T164346Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-334890-1.html
 【東京 28日 ロイター】 日清紡<3105.T>は28日、太陽電池製造装置と燃料電池セパレーターの各事業を拡大する方針を発表した。繊維事業は、国内の生産拠点を縮小し海外を拡大させる。当期業績への影響は軽微としている。 太陽電池製造設備では、受注の急拡大に対応するため、岡崎市の事業所内に現在建設中で09年3月完成予定の専用工場と同規模の専用工場を、2011年度までに建設し、年500億円の受注体制を整える。投資額は現在建設中の工場とあわせて65億円。 燃料電池セパレーターでは、千葉市に取得した工場用地に新工場を建設し、年2万台分に相当する生産体制を築く。2010年3月に完成する予定。将来
需要の高まりに備え、建屋は年30万台相当の生産に対応する規模とする。初期投資は35億円。 繊維事業は、国内で不採算の染色加工や老朽化した汎用糸用の紡績設備などの整理を進める。海外では、インドネシア子会社を拡充する。約10億円の自己資金を投じる。

新規事業の拡大計画と繊維事業再編についてのお知らせ
http://www.nisshinbo.co.jp/press/pdf/080828ir_newbusiness.pdf


誘導灯:夜の津波、安全避難 高知工高生徒、高知市御畳瀬に設置 /高知


出典:http://mainichi.jp/area/kochi/news/20080828ddlk39040490000c.html
 ◇太陽光発電式、高台まで急坂照明
 高知市御畳瀬(みませ)の津波緊急避難場所に、高知工業高校電気科の生徒らが27日、太陽光発電式の避難誘導灯を設置した。避難場所までは急坂で、辺りに照明もなかったため、安全に避難するための対策が求められていた。生徒らは「夜に地震が起こっても光を目指して落ち着いて逃げてほしい」と話している。【近藤諭】

 避難誘導灯は高さ約2メートルの位置に太陽光パネル(縦約55センチ、横約1・3メートル)と市販の蛍光灯を組み立てたもので、御畳瀬地区の一部住民約120人が緊急避難する高台(海抜約30メートル)に設置。避難経路にも足元を照らす発光ダイオード(LED)5個を取り付けた。完全に充電すれば、1週間以上は持つという。

 今年の4月から課題研究の授業の中で材料の準備などを進め、夏休みに入ってから本格的に誘導灯作りに取りかかった。クラブ活動や就職活動の準備でメンバー8人全員がそろわなかったり、骨組みのサイズが合わず、作り直すなど苦労を重ねたが、同科の山本稔講師(44)の指導を受けて何とか完成した。

 この日は、前日までに掘った深さ約1メートルの穴の中へ骨組みにパネルなどを取り付けた避難誘導灯を差し込み、セメントを流し込んだ後、土をかぶせて固定。避難経路のLEDへ電力を供給する配線作業などを行った。地域の人たちも荷物運びや草刈りなどで協力した。

 同科3年の尾崎一輝君(18)は「避難誘導灯があることで地震が起きても安心してもらえると思う。学校で勉強したことが人の役に立って良かった」と話していた。御畳瀬南地区の坂上寿雄会長(69)は「自分たちでは作れないので若い人たちに協力してもらって助かった」と喜んでいた。

毎日新聞 2008年8月28日 地方版



太陽電池に足場を築け! 投資を拡大する総合商社



出典:http://www.toyokeizai.net/business/industrial_info/detail/AC/56b6287e3ddec66d114b8bf532123571/
 欧州を中心に太陽電池の需要が急拡大する中で、太陽電池の製造には世界中から200社以上のメーカーが参入。さながら太陽電池バブルのような様相だ。その中にあって、熱くなっているのはメーカーだけではない。日本の総合商社が世界中で着々とビジネスの基盤を固めつつある。この夏、スペインで“一番乗り”をめぐるバトルが静かに繰り広げられた。5月、住友商事はスペイン領カナリア諸島で年間9メガワットのソーラーパークを建設すると発表。大手商社としては、太陽光発電ビジネス参入第1号になるはずだった。しかし、7月31日に三井物産が英国の電力事業者と組み、カタルーニャ地方で稼働中の太陽光発電事業会社の買収を発表したことで、第1号は三井物産に変わった。一番乗りを奪われた住友商事の福原豊樹・新エネルギー事業チーム長は「一番か二番かよりも、現行のタリフ(買い取り価格)の適用を受けられるかどうかが重要だ」と言う。スペインは9月末に買い取り価格を大幅に引き下げる予定。そのため住友商事のカナリアは9月中に稼働、現行価格での適用を目指している。引き下げ後の価格適用となれば、収支見通しが大きく狂ってしまうだ
けに、遅れは許されない。三井物産のプロジェクトも1・36メガワットの本格設備を9月中に操業させ現行価格での適用をもくろむ。両社ともライバル企業の動向を気にしつつも、政府の買い取り価格政策に神経を尖らす。住友商事、三井物産だけではない。伊藤忠商事はスペイン、イタリアでの太陽光発電事業を準備中で、三菱商事も出資交渉中の案件があることを認めている。各社とも固定価格買い取り制度のある欧州の太陽光発電事業で経験を積み、米国や新興国、日本への展開をにらんでいる。
●バリューチェーンの各段階で収入
 総合商社の太陽電池関連ビジネスは長い歴史を持っている。しかし、もともと手掛けていたのは、太陽電池メーカー向けの材料・資機材の仕入れ販売、日本メーカー製の太陽電池販売、製造装置販売など、川上、川中における仕入れ販売業務だった。が、ここに来て強化しているのは川下部分だ。欧米市場の拡大を受け、商取
引にとどまらず、最下流に当たる発電所の経営にまでウィングを広げた。川上から川下まで“バリューチェーン”を築き、各段階で収入を得ていくのが最近の総合商社の必勝パターンだが、太陽電池でもこの戦略を踏襲しているのだ。もっとも、総合商社の全売り上げに占める太陽電池ビジネスの比率は0・01%にも満たない。社運をかけて太陽電池ビジネスに挑むシャープとはこの点で事情が異なる。しかも、目先の急拡大を期待しているわけでもない。住友商事の福原氏は「太陽光発電事業が会社の収益柱になることはないだろう」と断言する。欧州でも大型となる住友商事のカナリア諸島の案件でさえ総事業費は85億円。約70億円をプロジェクトファイナンスで賄い、自己資金は約15億円。同じ発電事業でも中東で計画中の火力発電による造水・発電プロジェクトの総事業費は6000億円超。これと比べると、太陽光発電事業のスケールが小さいこと
は事実だ。
http://www.toyokeizai.net/business/industrial_info/detail/AC/56b6287e3ddec66d114b8bf532123571/page/2/
 ただし、原油・天然ガスといった化石燃料は枯渇やCO2排出などの環境問題がついて回るだけに、安泰とは言えない。遠い将来をにらめば、新エネルギー分野の投資を行わない理由はない。2007年に新エネルギー・環境事業本部を設立した三菱商事の小島信明執行役員新エネルギー・環境事業本部長は、新エネルギーには風力発電やバイオ燃料もあるとしたうえで「2030年以降の成長力を考えれば、太陽光が究極のエネルギー」と期待を語る。太陽電池事業でバリューチェーン構築に走る総合商社で、現状、トップを走っているのは住友商事だ。ノルウェーのリニューアブル・エナジー社(REC)と中国のギガ・エナジーへの出資を通じ、川上の材料分野では多結晶ウエハと単結晶ウエハの両方に足掛かりを構築。REC子会社の多結晶ウエハの販売代理権を取得、シャープに対する07年から5年間の原料供給契約も結んでいる。カナリア諸島の太陽光発電事業では自社で案件開発から地元政府との交渉まで手掛け、ソーラーパークの開発ノウハウも蓄積している。「オセロでいえば四隅は押さえている」と福原氏は自信を示すが、「その中をおカネをかけてやっていくかはまだ悩んでいる」とも。太陽光発電システムの企画や設計、販売を行うシステムインテグレーターやソーラーパークの開発販売を行うデベロッパーといった領域まで参入するか、決めかねているところだ。住商を猛追しているのが伊藤忠と三井物産だ。伊藤忠はもともと繊維関連の製造装置を扱っていた部署が太陽電池の製造装置の販売を、金属関連の部署が太陽電池のフレームや資材の取引を手掛けてきた。06年には太陽電池関連の部門横断組織を立ち上げ、積極的な投資を進めている。06年にはノルウェーのウエハ製造会社ノルサンに出資。今秋にはポリシリコン製造への投資を行う川上領域への投資も行う予定だ。製造装置の販売を通じて太陽電池メーカーとの関係強化も模索しており、薄膜太陽電池の米アセント・ソーラーとは一部出資も含めた事業提携を交渉している。さらにシステムインテグレーターでは07年に米国のソーラー・デポを買収。今年に入って、ドイツ、チェコ、ブルガリアでソーラーパークの開発を行うスカテック・ソーラーにも出資した。ちなみにスカテックとノルサンはRECの創業者ビオセット博士が作った会社だ。伊藤忠は太陽光発電事業もスペインを中心にイタリア、ブルガリアなど複数案件を進めている。「基本的にバリューチェーンを上から下までつなげていく」(金属資源・石炭部門非鉄・金属原料部四居利之部長)と明確な戦略を打ち出している。
http://www.toyokeizai.net/business/industrial_info/detail/AC/56b6287e3ddec66d114b8bf532123571/page/3/
 三井物産は、部材を扱っていた化学品、太陽電池の販売をしていた情報産業、発電所を開発・運営するプロジェクトの太陽電池関連事業を手掛けていた3部門から人材を集め、今年6月にソーラービジネス事業部を設立。このビジネスに本腰を入れ始めた。06年に買収したサンワイズ・テクノロジーズは、米国の住宅向けの太陽光発電システムの卸売りでトップ。07年度の売り上げは100億円を超えており、「サンワイズを米国での事業プラットフォームとして育成を図る。欧州でも同じような機能の会社を持つべく、複数の交渉を進めている」(ソーラービジネス事業部の綱島隆之次長)。手薄な川上領域も「ポリシリコン関連で信頼できるパートナーと組む計画だ」(綱島次長)。 太陽光発電事業では、欧州のみならず日本国内の計画を打ち出しているのも三井物産の特徴だ。 三井物産は同社が運営を受託する羽田空港の国際貨物ターミナルの屋上に薄膜太陽電池を敷き詰めた2メガワットの発電システムを設置、2010年の稼働を目指す。太陽電池設置を前提に建物の設計を行うことでコストを抑制、東京電力をパートナーに加えることで、事業者用価格に対し数円高いだけの料金が実現できる見込み。先行してノウハウをため込むことで、日本国内での太陽光発電の本格普及を見据える。まだ布右の段階 本格化はこれから三菱商事は現状、三菱電機や三菱重工の太陽電池の販売や資機材の調達など売り買い取引が中心。川上の材料から川下の発電事業まで投融資で具体化している案件はほとんどない。太陽電池パネルのJAソーラーへの出資はあるが、数億円、数%の出資でベンチャー投資的な意味合いが強い。 「やや出遅れている」と小島執行役員も認めている。しかし、本音は違うようだ。川上ではシリコン事業への投融資を検討、システムインテグレーションやソーラーパークの開発、発電事業への参入意欲も隠さない。「水面下に案件は多数ある。口で出遅れていると言っているほど出遅れているとは思っていない」(小島執行役員)と追撃に自信を見せる。 伊藤忠の四居部長は「今は仕込みを始めたところ。将来の絵を描きながら布石を打っている段階にすぎない」と現状を表現する。総合商社は、今日も世界中で、虎視眈々と新しい投資のチャンスを探している。(週刊東洋経済)週刊東洋経済 - 情報量と分析力で定評のある総合経済誌(週刊・月曜発売)

太陽光発電 補助金復活NO 固定価格買い取り制度に変更せよ(中川修治)


出典:http://www.news.janjan.jp/living/0808/0808265610/1.php
2008/08/28
 二酸化炭素(CO2)を排出しない身近なエネルギーの一つに太陽光発電がある。日本はかつて世界一の太陽光発電国だったが、3年前にドイツに抜かれてしまった。停滞気味の国内での普及に弾みをつけようと、政府が補助制度の復活を検討している。如何にも読売的な社説である。ここでいう使い勝手のいい補助金というのは設置時ばらまきだろうか……。使い勝手がいいとかではなく公平で公正で誰もが参加できるものでと言う事なら分かるが……。若干、認識に問題があるので、逐次、センテンスごと見ていきたい。

 太陽光発電 世界一の座をどう奪回する

 タイトルからして変だ。別に世界一にならなくても必要な量だけそれで出来れば良い訳で、すべてを太陽光でというものでもないのでその特性から現状ではピーク対応電源の位置づけをすればいい。

 生産量が増えても(一応、今でも1カ国では最大の生産量)それが国内に設置されないなら、生産時に出したCO2(太陽光発電の場合はこれが環境負荷の大部分)を回収することもできなくてCO2を出した成果のみが国内に残るので、エネルギー収支から見れば国内設置が最優先課題だろう。

 二酸化炭素(CO2)を排出しない身近なエネルギーの一つに太陽光発電がある。日本はかつて世界一の太陽光発電国だったが、3年前にドイツに抜かれてしまった。停滞気味の国内での普及に弾みをつけようと、政府が補助制度の復活を検討している。

 3年前に抜かれた理由は、十分に価格は下がったとして補助金を廃止した支援政策の無策にあることはちょっと詳しいものは誰もが知っている。

 福田首相は、地球温暖化対策として、太陽光発電を2030年に今の40倍にする方針を掲げた。

 これは、現在でも1.5Gw、150万Kwという最近、宮崎で稼働を始めた電気を貯めるだけの揚水式発電所と発電能力では同等で、環境特性からいえばはるかに優れた発電装置が作れる能力はある。この日本のメーカーの生産力からすれば2020年に達成可能だし、政策如何ではもっと早くもなる。

 この際、国民に使い勝手のいい補助制度を打ち出し、太陽光発電の普及を図るべきである。

 設置時補助金などという不公平で不公正で成果評価への実効性に乏しい制度をいつまでも続けているからこういう事になった。そもそもRPSなどという環境価値を買い叩く抑圧策をとるからこういう事になったのだということを指摘すべきだろう。実に乱暴な主張だ。実績のあるFITをわかりやすく紹介する記事を載せるぐらいの事があってもいいはずだ。折角、社説でも取り上げるぐらいに力を入れようと言うのならできないということはないだろう。

 発光部数では日本最大の影響力も取材力もある新聞なのだから……。太陽光発電装置の多くは、出力3Kw程度だ。一般家庭なら、年間電気使用量のほぼ半分を賄える。晴れた日中など発電量が多い時は、余った電気を電力会社に売ることも可能だ。

 大きなものは5Kwを超えるものもあるし、それは屋根面積と資金力によって決まったものだ。最近では、販売業者にとって都合の良いものということで2Kw程度のものにエコキュートとIHコンロのセットでオール電化で光熱費がお得という販売戦略に組み込まれたものが多い。「発電量が多いときは売ることも可能だ」ではなく、そうした仕組みに自動的になってる。むしろ売らないようにすることが機器の特性からして無理があるのが実態だ。

 それに、費用回収の面からみて、電力会社に余剰電力として売れるからやっと元が取れるように見えてるので、これを一切販売しない場合は、自家消費で全部使い切る以外に費用回収は無理だろう。

 日本では1990年代初頭から普及し始めたが、当時は装置が1000万円以上した。そこで、政府が94年度から1Kwあたり90万円の補助金をつけたことで、人気が一気に高まった。その後、装置の価格が5分の1程度まで値下がりし、補助金も引き下げられた。05年度は1Kwあたり2万円になり、それを最後に打ち切られた。これで急ブレーキがかかった。補助金打ち切りは時期尚早だったのではないか。

 94年にメーカーが補助金が出ると言うので製品として出してきたものは、1Kwあたり180~200万円、家庭用で3Kwシステムと言われたものが600万円だった。そして上限が1Kw90万円。でも個人負担は補助金なしでも現状60万円程度なのだから負担の公平性を考えるなら、すでに今は補助金を出す理由は一切ない。むしろ、ここで同じように出せば不公平を拡大するので、公金の使い方としては最悪だ。

 でも、産業政策としては止めるわけにいかない。で、1Kwが90万円を切った2000年ごろには廃止しても良かったものだ。ところが、政策市場であることが分かっていたので、設置業者や何よりもメーカーが補助金の存続を求めた。

 そして、この最後の年、平成5年の1Kwあたり2万円というのは3Kwシステムではたった6万円。これって、きちんと設置者が合い見積もりを取れば下がる価格で、実質的に何の役にも立たない申請書とかを書いたりとか、もちろん、受け取った国の方でも審査するための膨大な手間がかかることを考えればやらない方がましな補助金になっていたというのが事実だった。ただ、気持的にはあったほうが商売はしやすかったようだったので金魚のフンみたいに実はもらえる金額が少ないと積み残した予算消化で24億円がばらまかれて終わったのだった。

 一気にとはいえないものの、こうして何とか、年々、2倍ぐらいのペースというか補助金の枠で出来るマーケットで普及が進んできてはいた。

 で、設置者側には、意識としては、経済的には元を取るのは厳しいけど未来の世代のためとか、オール電化にしたら経済的でお得だという風な営業戦略に乗せられて、というのもあった。ところが、ドイツが実に適切な自然エネルギー支援策を導入した。それがFIT(フィードインタリフ)という仕組み。これは元々、ドイツのアーヘンという地方都市で実施された風力発電と太陽光発電に対しての発電原価を保証する買い取り制度(通称、アーヘンモデル)をお手本にしてすべての自然エネルギーに枠を広げて実施されたものだ。

 これが本格的に2002年ごろから導入されて一気に状況が変わりました。日本の優秀な太陽電池がドイツで使われるようになったのだ。一気に輸出が盛り上がった。

 すでに日本でもRPS法が導入される以前にこうした制度がいいのではないかとNPO・NGOからの強い要請があったものの、自然エネルギーが普及すると自分たちの利益が減るのだと考えた電力会社が強く抵抗、本来なら市場で取引して決めなければならない適正化電力価値を発電端での見せかけの価値として見せ、市場で取引されるべきではない環境価値を市場で取引して低負担で(つまり、自然エネルギー事業者には利益が出ない)導入をする(実質、導入を止める=リニューアブル・パワー・ストップ法)仕組みにしてしまっていら。

 これを反省し、今回、政府が打ち出すのが、補助金と税制上の優遇策の2本立ての支援策だ。補助金の額は未定だが、年間予算で総額100億円以上出していたこともある。少なくとも1Kwあたり10万円以上必要だ、とする声もある。確かに、あまり少額では効果も期待できまい。

 1Kwあたり10万円も出したら、たった2万円しか出してもらっていない人たちとの間に大きな不公平が生まれるし、それは初期の設置者のと間でも大きな格差が生まれてしまう。それと、設置時補助金に関しては、予算の範囲内でしかマーケットができないという問題が再度発生するだろう。

 これを反省するなら年度ごとの発電原価を計算してそれを現時点から期待耐用年である20年間を電力買い取り価格との差額補てんを行う事でそれぞれの設備投資者には一応は公平で公正な形の支援措置にもできるだろう。さらに、この制度へ転換することで発電量の全量が報告されるようになるのでCO2の削減量が明確にわかるようになる訳だ。

 合理的に考えれば、設置年度ごとの発電原価を出して、全量の買い取りに替えてその差額分を国が電源開発促進税というすでに電力料金にかけている税金をその費用に充てれば新たに国民負担を求める必要もないのだ。

 税制では、装置にかかった費用の一部を、所得税から差し引くことなどを検討している。所得のない人が自分の分の電気を作りたいと預金を取り崩したりお金を借りて発電所を作るとなると所得がないので こうした税金の控除は受けられないという事になるる、負担は不公平になる。一方、ドイツのように、電力会社に余った電気を売る場合の単価を、大幅に引き上げるべきだとの指摘もある。

 私はこちらをお勧めする。さらに、余った電気ではなく全量買い取りに変えるべきだと思う。そうでないと発電量の総量を計るメーターをもう1個、別に設置しなければならず無駄な費用がかかることになる。これは、グリーン電力証書取引がRPSとは別に普及策として有効だとしている場合も必要だとされているものだ。今ならちょっと配線を変えるだけで余分なメーターを1個減らすことができる。

 日本の売電単価は、電気使用料とほぼ同じ1Kw時あたり23円程度だが、ドイツでは04年から使用料の約3倍の90円程度に引き上げられた。これがドイツで太陽光発電が一気に普及した要因だ。日本よりも発電量が2割少なく、借入金利も高い国なので1Kwh90円としたのだろう。それにユーロ高の影響もある。日本なら1Kwhは45円が現在の発電原価。

  若しくは、ちょっと色を付けても現状なら50円で十分。KWhあたり90円も払ったらそれは払い過ぎ! で、もし売ろうとなればこの価格が支払われるべきなのは日本では2001年ごろ設置されたものとなるだろう。だが、この仕組みにも難点がある。電力会社にとっては、電気を高値で仕入れることになる。その分をドイツでは電気料金に反映させており、一般家庭で月500円程度の負担増になっている。

 高値で仕入れるというが、では今の電力が生産している電力の価格が妥当かどうかという問題も検討しておかねばならないし……。

 一般家庭は、自分で発電所を作れば決して損にならない。そもそも日本ではここで言われるように500円となる事はない。多分、200円以下だろう。となると一般家庭が、現状で原発のために支払っている年間1600円程度の電源開発促進税とそう変わらない支払いで済む。本当はこれを振り向ければ問題はないことになる訳だ。

 最近、電力会社がやると言うメガソーラーは家庭用よりもずっと設備費が高く。ここで高額の負担の心配をするなら電力会社が取り組まないでたくさん電気を使うところに積極的に取り組む責任があると言うべきだろうし、家庭用などのコスト面でも競争力のあるところに入れていって、パネルの価格などが安くなってから大規模なものを展開することを勧めるべきだろう。

 太陽光発電に関係ない家庭にとって、少ない額ではあるまい。こうした負担を受け入れるべきか。日本で売電単価を見直す場合、国民的な議論が必要になろう。原子力に金を掛けるか、自然エネルギーに金を掛けるか……。確かに国民的な議論が必要だ。

 原子力に関係ない訳ではないということなら太陽光発電にも関係ない訳ではない。個人の屋根にあってもそれは小さくてもちゃんとすべての電力を使う人の電力を生産しているのだという認識がなされるべきだろう。


巨大電力をソーラー(太陽熱・光電池)発電で賄う決定をしたカリフォルニア州の電力会社


出典:http://news.livedoor.com/article/detail/3795969/
http://mediasabor.jp/2008/08/post_467.html 
北カリフォルニアをカバーする電力会社のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)は、光電池で発電した800メガワットの電力を同地区の2つの会社から購入する計画を発表した。この全米初となる電力会社による光電池プロジェクトで、23万9000件の住宅に電力供給が行われることになる。PG&Eでは、550メガワットの電力をヘイワード市にあるオプティソーラーから購入する。オプティ社は、サンフランシスコとロサンゼルスの中間地帯にあるサンルイス・オビスポ郡内の9.5スクエアマイルに渡って、薄いソーラーパネルを敷き詰める計画。残りの250メガワットは、サンパワー・コープから購入する予定。サンパワー社はソーラーパワー産業をリードする企業でサンノゼ市に本社を置く。同じくサンルイス・オビスポ郡内の3.5スクエアマイルにソーラーパネルを設置する。電力の専門家は、この計画が再生可能なエネルギー産業のイメージを変える可能性があると指摘する。光電池が住宅やオフィスビルの屋根だけでなく、広く、集中型として手頃に電力を生産できることを示すことによってだ。カリフォルニア州立大学バークレー校にある再生可能なエネルギー研究所でディレクターを務めるダニエル・カムメン氏は、「この計画のスケールは、しばらく前に話されていたのと比べて10倍大きい」と話す。また、別の専門家は「恐らく今後、大規模な太陽光発電が増えていき、カリフォルニア州と米国西部での電力源の一部となるだろう」と予測する。カリフォルニア州の電力会社は、2010年までに電力の20%を再生可能なエネルギーにすることを州から命じられている。太陽光、風力、地熱発電などだ。しかし、現在のところゴールには程遠い。2007年にはPG&Eが11.4%、南カリフォルニア・エジゾンは15.7%、サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリックは5.2%にとどまっている
(解説)
 カリフォルニア州の電力会社で、再生可能なエネルギーの利用が急ピッチで進んでいる。PG&Eの全体の発電量に占める太陽光発電の割合は1%に満たなかった。それがここに来て供給契約が相次ぎ、今回の800メガワットに上るビッグプロジェクトを含めると、2013年までに24%が再生可能なエネルギーに取って代わるという。同社の資料によると、今回の2社以外に6社がすでに決定。光電池を使った太陽光発電では、クリーンテック・アメリカから5メガワット、グリーン・ボルツから2メガワットの供給を受ける契約が交わされている。そして、光電池よりも大きな規模で発電が予定されているのが「ソーラーサーマル」だ。太陽熱発電とも訳されるこの方式は、従来の光電池発電とは違う。広大な敷地に敷き詰めた鏡に太陽光を反射させ、一点に集める。その熱で高温に加熱した流体をパイプで循環させて水を沸騰、水蒸気でタービンを回して発電を行う。太陽光が必要なソーラーパネルと違い、流体が冷えない限り発電を続けられる利点がある。PG&Eでは4社とすでにソーラーサーマルによる電力契約を結び、2011年から供給が始まる予定。それぞれ規模が大きく、100メガワットから900メガワットの間で電力の供給を受け、全体では1500メガワットを超える。ソーラーサーマルはコストの点でも優れている。電力会社が大規模な光電池を使う場合、キロワット・アワーあたり40セントのコストが必要といわれる。天然ガスの10セント、風力の12セントと比べても割高だ。だが、ソーラーサー
マルでは18セントとかなり割安となる。 ちなみに今回の光電池発電のコストは明らかにされていないが、オプティ社とサンパワー社によると、スケールメリット、技術アドバンテージ、生産の効率化などによって従来のプロジェクトよりは低コストに抑えられるという。PG&Eでも、電力利用者にコストが跳ね返ることはないと話している。光電池の800メガワット供給プロジェクトは2010年から2013年にかけて動き出す計画。しかし、それまでにクリアすべき問題も残っている。例えば、巨大な発電施設が州政府などから認可を受ける際に環境保護の点で承認されるのか。また、巨額な資金手当ても課題だ。PG&Eでは再生可能なエネルギーに適用される税額控除を前提に契約を交わしているが、制度自体が今年一杯で期限切れとなる。議会のもつれなどで更新作業が進まないようだと、計画の実行自体が危うくなる可能性も残されている。

大日本印刷とグンゼ、フィルム太陽電池を商品化 10年メド


出典:http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080828AT1D190C427082008.html
 大日本印刷とグンゼは色素を使う低コストの新型太陽電池を2010年にも商品化する。光に反応する色素の薄膜をフィルムに塗布した簡素な構造で、大日本印刷は携帯電話やノートパソコンなど電子機器の補助電源向けに出荷する。グンゼは帽子などにつけて発電機能を持たせる用途を想定している。アイシン精機なども同様の技術による電池を開発中で、異業種が低価格タイプで太陽電池市場に参入することで用途開発が進みそうだ。大日本印刷は10年中にもプラスチックシートに色素薄膜を塗りつけた太陽電池を生産、販売する。太陽光を電力に替える能力は3.5%にとどまるが、通常の印刷機で製造できるため設備投資が最低限で済む。ノートパソコンのフタに付けて、補助電源にするなどの利用を想定している。

韓国、エネルギーに太陽光など拡大 初の長期計画


出典:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008082700118&genre=H1&area=Z10
 【ソウル27日共同】韓国の李明博大統領は27日、大統領府で国家エネルギー委員会を開き、2030年までのエネルギー基本計画をまとめた。地球温暖化や原油高騰に対応し、太陽光・風力など再生可能エネルギーや原子力の比率を大幅に高めるのが柱。大統領府によると、韓国が総合的な長期エネルギー計画を策定したのは初めて。社会や産業構造を省エネ・低炭素型に転換。環境技術産業の育成を経済成長の新たなけん引力にした「低炭素・グリーン成長」実現を目指す李政権の構想を具体化したものだ。同計画によると、すべての産業製品の標準・規格を省エネ型に設定。石油に依存しない新素材開発を支援したり、運輸業界にエネルギー使用量を申告する制度を設けるなどして、エネルギー効率の大幅改善を図る。石油を含む化石エネルギーの比率を現在の83%から30年には61%に縮小。再生可能エネルギーを2・4%から11%に、原子力も14・9%から27・8%に大幅拡大する。

2008年8月27日水曜日

Why electricity is the energy carrier of choice/The (renewable) electron economy, part 6


Our already substantial 120-year investment in an electric infrastructure in industrial countries, makes the transition to a electricity based energy economy less expensive.


http://gristmill.grist.org/story/2008/8/21/124135/768
Posted by Michael Hoexter (Guest Contributor) at 8:08 AM on 22 Aug 2008
There are sound physical reasons why the three main contenders for the energy supply for transport turn out to be the three electron economies: renewables, nuclear, and coal CCS. We have determined there that electric drive vehicles either attached to the grid or powered by some version of a battery can do most of the on-land transport tasks now dependent on oil supplies. There are other reasons why electricity is valuable for driving stationary machinery as well, which we will go into later.

Why then is electricity preferable to biofuels, hydrogen, and coal-to-liquids? In addition to zero emissions at end use, electricity has benefits in efficiency and availability in almost all stages of its production, transmission, and consumption. Electric generators can be built to use a wide variety of types of energy (heat, light, mechanical energy) to create the highly usable and flexible energy carrier, electric current. In other words, electricity is the ultimate in "flex-fuel." All renewable energies (wind, sun, geothermal heat, wave, tidal, biomass, natural chemical, and thermal gradients ) can be converted into electricity with existing technologies. In addition, while we must shift the way we generate electricity in most instances, this is not a full-scale rebuilding of our energy system, but a modification of existing infrastructure -- so in the end, less expensive.


Existing electrical generation technologies convert a fairly large amount of the primary energy they receive into electric energy. Current solar panels, for instance, can convert anywhere from 10 percent to 40 percent of the energy of the sun into electricity, depending on the technology; by contrast, plants convert at most 1 percent of the energy of the sun into biomass, an energy harvest that is further reduced if that biomass is converted into a liquid biofuel rather than burned in a biomass electric generation facility.


Electric motors are so compact that this electric sports car, has a 120kw (163 horsepower) electric motor in each of the hubs of its wheels, each of which weighs 55 lbs; an equivalent internal combustion engine would be several times larger and heavier as well as much more inefficient.

Additionally, electric motors, because of the physics of the electromagnetic force, are incredibly efficient at generating torque, the useful product of engines and motors. An electric motor of medium or larger size (90-95 percent efficient) requires somewhere between one-third and one-quarter the amount of energy to do the same work as an internal combustion engine (20-30 percent efficient). They therefore generate 3 to 4 times more torque per unit energy input than all but the largest and most efficient house-sized diesel ship engines (50 percent efficient).

Electricity can also be used for a huge variety of functions for the end user: generating mechanical movement, heat, light, and sound. So electricity is both flex-fuel and flex-use. It is no wonder that, even with no consideration of current energy and climate concerns, more and more devices have been designed with more electronic components to increase their functionality, including petroleum powered automobiles (electronic fuel injection, stability control, drive by wire, etc.).

Electricity's weakness has been that electrical energy storage is bulky and heavy in comparison to the portable liquid fuels to which it is often compared. Batteries and ultracapacitors are still relatively large and expensive compared to a liquid fuel tank and the hydrocarbons that are pumped into it. As the drawbacks of fossil fuels are starting to be more widely recognized, the positive attributes of alternatives are once again being recognized. Also, substantial investment is once again flowing into resolving this one final hitch in electricity's otherwise near-ideal attributes -- and the technological development curve promises rapid advances.

In the distant future, we may have other energy carriers with more favorable characteristics, but for the foreseeable future it makes the most sense to build on the advantages of electricity.

Next up: the best way to generate electricity.



忍び寄る温暖化の兆候/ナショナル ジオグラフィック・スペシャルシリーズ「21世紀の実像」


見てわかる地球の危機 2008年6月18日発行
(表紙写真=RETO STOCKLI AND DAVID HERRING, NASA GODDARD SPACE FLIGHT CENTER)


出典:http://premium.nikkeibp.co.jp/em/ngs/33/
http://nationalgeographic.jp/nng/index.shtml
文=ジョエル・K・ボーン Jr.
2008年8月25日(月)公開凍らなくなったタール川 祖父の武勇伝をよく聞かされた。私の祖父は信心深い弁護士で、慎重な人物だった。だが1920年代初めの冬、やっと手に入れた「T型フォード」に浮かれたのか、凍結したタール川を車で突っ切ったことがあるらしい。米国でも五大湖あたりの北部だったら驚くような話ではないが、そこはノースカロライナ州東部で、内陸気候の寒冷地というよりは温暖なフロリダ州中部に近かった。だからこの一件は、家族の間では今も語り草になっている。もしそのとき氷が割れていたら、うちの家系は途絶えていたわけだ。今なら祖父も、こんな無茶は、したくてもできないだろう。私が同じ土地で過ごした1970年代には、タール川が凍ったのはせいぜい一度か二度どまり。それも、子どもがそっと投げた石で割れてしまう程度の薄い氷だった。昨年冬の平均気温は、祖父の時代に比べて1℃ほど高かった。これは気候変動の証拠だろうか。「個別の出来事だけでは、なんとも言えません」と、地元の気象学者ライアン・ボイルズは言う。「地球規模の温暖化は、地域にそのまま反映されるとは限りません。それに局地的な気候は、地球全体の傾向よりも大きな変動を示しがちですから」気候変動のこうした性質がわざわいして、熱波や寒波、ハリケーンといった出来事は注目を集めても、長期的な変化は見過ごされてしまう。頭の固い政治家たちが、気候変動そのものの信憑性を疑ったり、ましてそれが人間のせいだと信じようとしたりしないのは、このためだ。しかし、気候変動の兆候はいたるところで見つかっている。蝶の羽ばたきのようにかすかなものもあれば、記録破りの洪水や干ばつのような大惨事もある。

温暖化で上昇した海面が沿岸の町や村に迫る。米フロリダ州南部のリゾート地では、今後、侵食を防ぐ護岸の設置や海岸の修復事業に多額の投資を余儀なくされるだろう。一方、世界各地の沿岸部に暮らす多くの住民にそんな経済的ゆとりはなく、迫りくる海に追われて内陸の高台に避難するしかない。 写真=ピーター・エシック (c)2008 National Geographic
地球上で影響の及ばないところはない 温暖化を真っ先に感じとるのは、動物や植物だ。春の訪れ、氷の張り始め、氷点下になる日数といった自然界の指標は、彼らの生存に欠かせない大切なシグナルとなっている。「この地球上で、影響の及ばないところなどありません」と、生物界への気候変動の影響を調べてきた生物学者のカミール・パーメザンは言う。「10年前の時点で最悪の影響が予想された極地や高山では、すでに生物種の減少や絶滅が起きています」生き残った種も、変化のまっただなかにある。パーメザンたちの分析では、動植物の40%は生息に適した環境を求めて、高緯度地帯や高地へ移動していた。また60%近い種で、繁殖や開花、渡りの時期に変化がみられた。たとえば北米西部に広く分布していた色鮮やかな蝶(ヒョウモンモドキの一種)は、過去100年の間に、平均気温の上昇と歩調を合わせるように北上し、あるいは高地へ移動した。かつての生息域メキシコでは現在はほとんど姿を見ないが、北限のカナダでは大いに繁栄している。蝶には飛んでいく先があっても、寒さに適応した生物たちには行き場がない。やせ細ったホッキョクグマの姿は、北極の気候変動を象徴する光景としてしばしば登場するし、南極では海氷の変化でペンギンの数が減っている。パーメザンは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第3次評価報告書を2001年に作成した主要メンバーの一人だが、当時より事態は深刻化しているという。「しかも、まだ温暖化はそれほど進んでもいないのです。今すぐに対策を徹底し、生態系の崩壊を食いとめなければなりません」温暖化で繁栄している生物もいるが、残念ながら、ホッキョクグマやペンギンのような人気者ではない。体長約3mmのくせに大食いのアメリカマツキクイムシにとって、今はわが世の春だ。夏の気温が上がって、1年に2世代が繁殖するようになったうえに、最近の北米は冬でもまずマイナス40℃以下にならず、親子ともども越冬してしまう。そのため、米西部からカナダでこの虫が爆発的に増殖し、数万km2の林を枯らした。この勢いでキクイムシが増え続けると、カナダのブリティッシュコロンビア州では、木材生産の主力であるロッジポールマツの成木の80%が5年以内にやられてしまうだろうと、カナダの森林管理官たちは予想する。二酸化炭素濃度の上昇に伴うもう一つの脅威 温暖化の影響が一番はっきり表れるのは海岸だ。海表面の平均温度の上昇は、平均気温の上昇よりもゆっくりとしたペースで進むが、海水は温まれば膨張する。この熱膨張と解けた氷河からの流入が、20世紀初頭から、じわじわと海面を上昇させてきた。今は10年間に3cmほどの上昇率だ。もう一つ、目に見えにくいが長期的には心配な、海洋の変化がある。大気中の二酸化炭素濃度は現在およそ385ppm。化石燃料の燃焼によって、過去数十万年間で最も高くなっている。この二酸化炭素が海水に溶けこむことで、海が酸性化しているのだ。二酸化炭素が水に溶けると炭酸になる。ソーダ水は歯を溶かすが、同じことが海で起きるかもしれない。「pH(水素イオン濃度を示す指数)でみると、ごくわずかな値の変化に思えるかもしれませんが、これはたいへんな事態です」と、世界のサンゴ礁を研究している米国のメーン大学教授ボブ・ステネックは言う。海洋の酸性化が、海の生命にとって脅威と考えられるようになったのは最近のことだ。サンゴ礁や海の生物の骨格や殻をつくるのに必要な炭酸イオンが、酸性化によって奪われてしまうのだという。「酸性化がこのまま進めば、サンゴはどうにも生き残れません」ステネックら17人のサンゴ礁研究者たちは、幅広い調査から、この差し迫った結論に達し、米科学誌「サイエンス」の2007年12月号に発表した。酸性化の影響がまだそれほどひどくないとしても、白化現象はすでに広がっている。海水温が高くなると、サンゴの体内に共生している藻類が失われる現象だ。1997年~1998年には世界のサンゴの16%が白化現象で死滅した。海洋汚染、爆薬や毒を使う破壊的漁法が原因の死滅も合わせると、世界のサンゴ礁の20%以上が回復不能な被害を受けたと推定されている。サンゴ礁は海洋生態系の要であり、サンゴ礁が崩壊すれば、アジアで10億人以上の食を支えている漁業も連鎖的に大打撃を受けることになる。サンゴ礁の経済価値は高く、なかでも食料、観光、沿岸の洪水防止効果の価値を見積もると300億ドルに達すると言われる。以上の記事は日経ナショナル ジオグラフィック社が発行する「見てわかる地球の危機」からの抜粋です。「見てわかる地球の危機」についての詳しい情報をお知りになりたい方はこちら

日本郵船と新日本石油、太陽光エネルギーの船舶推進動力化の開発に着手


システムイメージ

就航イメージ図


出典:http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=197930&lindID=5
太陽光エネルギーの船舶推進動力化の開発に着手/日本郵船、新日本石油共同プロジェクト~2008年12月19日竣工予定の自動車運搬船に搭載~
http://www.nykline.co.jp/news/2008/index.htm
http://www.eneos.co.jp/company2/press/2008_2009/20080826_01_0952366.html
 日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、社長:宮原 耕治)と新日本石油株式会社(本社:東京都港区、社長:西尾 進路)は共同で、海上輸送におけるCO2削減の一環として、船舶の推進動力用電力の一部を太陽光エネルギーにより賄うシステムの開発を進めることで合意しましたので、お知らせいたします。船舶推進動力への給電を視野に入れ、総発電量40キロワットとなる本格的な太陽光発電システムの開発は、大型船舶では世界初の試みとなります。 地球温暖化問題への取り組みが一層重要になる中、日本郵船株式会社では、海上輸送全般における再生可能エネルギーの利用も含めて、次世代省エネ船の研究開発が大きな課題となっております。 一方、新日本石油株式会社では、システムインテグレーターとして、再生可能エネルギーのひとつである太陽光発電システムの新たな市場開拓および製品開発が重要な課題となっております。こうした両社が持つ課題を背景に、2008年12月19日に竣工予定の自動車運搬船を対象として、共同プロジェクトを発足させることといたしました。船舶への太陽光発電システム設置は、塩害や振動など設置環境が過酷なことから、これまで乗組員の居住区での生活用途に限られていましたが、本プロジェクトでは、総発電量40キロワットの太陽光発電システムを搭載し、船内系統(440V)に連系させて、実証実験を開始いたします。なお、トヨタ自動車株式会社殿からは、自動車のライフサイクルにおける環境負荷の軽減の一環として、完成車輸送におけるCO2排出の削減を目的とした本プロジェクトに、荷主としてご支援頂く予定です。
  記
<共同プロジェクトの概要>
1.実験内容:
(1)海上を航行する船舶という塩害、風圧、振動にさらされる過酷な条件下での、太陽電池モジュールの耐久性検討、耐振動性能の検討
(2)太陽光発電、船内電力系統のデータ収集による大容量の太陽光発電搭載に向けた最適なシステムの検討
(3)CO2削減効果の実証
2.搭載船舶:2008年12月19日三菱重工業株式会社神戸造船所にて竣工予定の自動車運搬船
3.設備規模:40キロワット(モジュール枚数:328枚)
4.電力系統連系:将来的に推進動力系となることを視野に440V船内系統に連系
5.システムイメージ* 関連資料 参照
6.船舶への搭載イメージ* 関連資料 参照
以 上

太陽電池・世界大バトル!お家芸が一転窮地に、日本メーカー逆転のへ一手



出典:http://www.toyokeizai.net/business/industrial_info/detail/AC/2b82f43f7f699215f4b6e6c10d03d2cd/
 アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上に位置し、欧州の代表的なリゾート地として知られるスペイン領カナリア諸島。その一つであるテネリフェ島で、巨大な“ソーラーパーク”が誕生する。日本の住友商事が85億円の事業費を投じた太陽光発電施設だ。東京ドーム2・8個分に相当する広大な用地に設置された大量の太陽電池パネルが生み出す電力は、年間9メガワット。同社によると、現地の3500世帯分の電力需要を賄える規模に相当するという。 欧州では近年、こうした巨大なソーラーパークの建設が各地で相次いでいる。その背景にあるのが、「フィード・イン・タリフ」と呼ばれるクリーン再生可能エネルギーの普及促進策だ。フィード・イン・タリフを日本語に訳すと「固定価格買い取り制度」。国の法律によって、太陽光発電などによる電力を電力会社が長期間にわたって高い固定レートで買い取る制度だ。現在、欧州で20以上の国が同制度を採用し、韓国など他地域にも広がりつつある。 2000年に先鞭をつけたドイツでは、04年の買い取り価格引き上げを機に太陽光発電システムの国内導入量が急増。05年にはそれまで累計導入量でトップだった日本を抜き去り、太陽光発電の最大普及国へと躍り出た。06年に制度を充実させたスペインも導入量の伸びが著しく、単年度の導入量は07年に日本を逆転。「昨年の太陽光発電量は500メガワット以上。2010年に400メガワットとする目標を掲げていたが、3年前倒しで達成した」(スペイン大使館)。 導入が進むのも当然である。ドイツを例に取ると、電力会社による買い取り金額は電力料金の2~3倍に相当する。しかも、20年間にわたって同じ価格で買い取ってくれる。スペインに至っては、買い取り期間が25年で、その間は物価上昇率に連動して買い取り価格も引き上げる手厚い内容だ。現在のドイツやスペインでは、この制度を活用すると初期導入費用が10年程度で回収でき、その後の発電分はまるまる儲けになる。 こうした“うまみ”に着目した一般家庭や事業会社が、こぞって自宅の屋根や空き地などに太陽電池を設置。さらには世界的なカネ余りの中で投資ファンドなどの資金まで流れ込み、各地で広大な敷地を利用した大規模なソーラー発電施設の建設が相次いでいる。冒頭で紹介した住商のケースもその一つである。 つまり、欧州では太陽光発電が高い利回りを生む投資対象となり、「そうした投資マネーが太陽電池の急激な需要拡大をもたらした」(ゴールドマン・マックス証券アナリストの渡辺崇氏)のだ。同証券の調査によると、07年の世界需要は前年比1・5倍の約3ギガワットにまで拡大。ドイツ、スペインを中心とする欧州がその6割以上を占め、わずか2年で世界需要は倍にまで膨らんだ。
急激に勢力増した海外新興メーカー
 欧州の固定価格買い取り制度に端を発した太陽電池の需要急拡大。その中でメーカーの勢力図はガラリと変わった。一気に勢力を伸ばしたのが、ドイツのQセルズや中国のサンテック・パワー、米国のファーストソーラーなどをはじめとする海外勢。シャープや京セラ、三洋電機など日本を代表する太陽電池メーカーは軒並みシェアを落とし、一時5割あった日本企業の市場占有率は2年の間に2割台前半にまで落ち込んだ。シャープを抜いて生産量で世界首位になったQセルズは、会社設立から今年でわずか9年目。地元欧州での需要拡大を追い風に驚異的な成長を続け、04年に75メガワットにすぎなかった生産量は07年に389メガワットにまで拡大。売上高も円換算で1400億円を突破した。同様に急成長を続けるサンテックやファーストソーラーにしても、会社設立から10年に満たない新興専業メーカーだ。そもそも、太陽電池は日本で育ち、日本で開花した技術である。オイルショック後、国内では旧通産省の「サンシャイン計画」が始動し、官民協力の下で太陽電池の技術研究が進められてきた。1994年には一般家庭での太陽電池導入を対象とした国の補助金制度も始まり、世界に先駆けて国内の市場が立ち上がった。そうした経緯から、太陽電池は日本が世界をリードし続け、「日本のお家芸」とも称されてきたはずである。では、なぜ日本メーカーは、かくも短期間に海外の新興企業にシェアを奪われたのか。「短期間で市場環境が劇的に変わり、対応が後手に回ってしまった。甘かったと言われれば、それは認めざるをえない」。ある国内メーカー幹部はこう漏らす。欧州で太陽電池の需要が伸び始めると、千載一遇のチャンスと見たQセルズやサンテックなどは、株式市場で調達した多額の資金を投じて積極果敢に生産能力を増強。さらに、原材料の調達面でも、「海外の新興企業の動きは素早かった」(京セラの川村誠社長)。現在主流の結晶系太陽電池は大量のシリコンを使用するため、太陽電池の需要急増でシリコン需給が徐々に逼迫。海外勢は増産投資したラインを動かすために、有力なシリコン業者への出資や数年にわたる長期契約を結び、大量のシリコン確保に走ったのである。機動力で商機をとらえた海外勢に対し、増産投資と原料争奪戦に出遅れた国内メーカーは短期間で大幅なシェア低下を余儀なくされた。中でもシャープはシリコン調達で大失敗し、07年の生産量が389メガワットと前年実績(434メガワット)を割り込む事態に直面。7年連続で守り続けてきた世界シェア首位の座をQセルズに明け渡したのみならず、工場の稼働率低下で太陽電池事業が赤字に陥った。作りさえすれば欧州で高く飛ぶように売れるため、高値で仕入れたシリコンを使っても軽く10%の儲けが出るのが最近の太陽電池業界。業界大手シャープの赤字転落は、異例ともいえる出来事だった。 長かった日本メーカー優位の時代を太陽電池産業の「第1幕」とするならば、今は欧米やアジアの新興専業メーカーが機動力などを武器に勢力を拡大する「第2幕」といえる。こうした中、日本勢は巻き返しに必死だ。昨年夏に大阪・堺市での巨大新工場建設を発表したシャープをはじめ、国内大手各社は相次いで能力増強に向けた投資計画を表明。三洋は経営再建中にもかかわらず、今年度から3カ年で700億円を太陽電池事業に投じ、生産能力を現在の260メガワットから600メガワットに引き上げる。今年4月には次世代技術の戦略開発拠点を設立し、3年間で研究開発に75億円の予算を組んだ。同社は現在の結晶系で業界トップの発電性能を誇り、設置面積が限られる住宅の屋根用途などで優位性を持つ。「住宅用分野で今の強みを維持しながら、より低コストで作れる次世代太陽電池の研究開発を進め、3年以内の事業化を目指す」(前田哲宏・三洋電機執行役員ソーラー事業部長)。京セラも3年間で能力を500メガワット(現在は240メガワット)に増やす計画で、「日本企業の武器である製品の長期信頼性をきちんとアピールしつつ、生産能力増強とコストダウンを着実に進めていく」と同社の太陽電池事業を率いる前田辰巳・取締役執行役員は語る。シェア低下に危機感を募らせ、能力増強に動き始めた国内勢。しかし、日本の太陽電池メーカーが直面する問題は、何も足元のシェア低下だけにとどまらない。実は、国内勢のみならず、Qセルズなど第2幕の主役たちをも脅かすような、新たな異変が起きつつあるのだ。
液晶装置メーカーが製造ラインを丸ごと販売
 「本当にモノが出てくるのか」――。インドの首都デリーから南東へ車でおよそ1時間。海外企業の工場も数多く集まるノイダに作られた太陽電池の新工場が、日本をはじめとする世界の業界関係者から熱い視線を集めている。工場の主はモーザーベアPV。インドに本社を置く光ディスク製造の世界最大手、モーザーベアが05年に設立した太陽電池の製造会社である。太陽電池の新規参入企業が相次ぐ中で、同社が注目を集めるのには理由がある。 まず第一に、新工場で製造するのが、薄膜と呼ばれる新タイプの太陽電池である点だ。シリコンの塊をスライスして作る従来の結晶系太陽電池とは違い、薄膜はガス状のシリコン(モノシランガス)をガラス基板に積層して作る。製造原理自体は液晶と同じである。高価なシリコンの使用量が現在の100分の1で済むうえ、生産工程数も非常に少ない。このため、薄膜太陽電池は量産が成功すると大幅なコストダウンにつながる可能性があり、今後の太陽電池市場の中心になると言われている。もう一つの理由が、新工場立ち上げを後ろで支える巨大企業の存在だ。半導体・液晶用製造装置の世界最大手、米アプライド・マテリアルズ(AMAT)である。AMATは昨年から太陽電池の製造装置ビジネスに本格参戦し、「サンファブ」と称する薄膜太陽電池用の一貫製造ラインの販売に乗り出した。最新の大型液晶製造装置を応用したもので、畳3・5枚分相当の巨大なガラス基板を使って生産する。モーザーベアPVはその最先端製造ラインを導入した最初の企業の一つであり、それゆえに新ライン立ち上げの成否が注目を集めているのだ。モーザーベアPVが導入したラインの生産能力は年40メガワットで、装置一式の値段は推計で100億円。新工場は6月から実際にラインを動かして試作を開始しており、AMATは100人近くもの技術者を派遣してライン立ち上げを技術面で全面的にサポートしている。「歩留まりや変換効率等の課題点を完全に解消し、9月以降には実際の商品を出したい」とモーザーベアPVの技術部門トップ、G・ラジスワラン氏。同社では早くも2番目の薄膜太陽電池工場の建設に取りかかっており、再びAMATの一貫製造ラインを導入するという。AMATはこの1年間で、米シグネットソーラーやスペインのTソーラー、独サンフィルムなど10社前後の企業と契約を締結。その大半が新興の太陽電池メーカーで、モーザーベアPVをはじめとする4社が量産開始を目前に控えている。AMATのソーラー関連事業のマーケティング担当幹部、ジョン・アントン氏によれば、「サンファブの昨年からの累計受注額は、すでに30億ドルに達した」。半導体・液晶の装置メーカーにとって、液晶技術が応用しやすく、高い成長率が期待できる薄膜太陽電池の製造装置はうまみのある商売だ。国内大手のアルバックも昨年から太陽電池事業を本格化。薄膜用の製造装置を組み合わせたライン丸ごと販売する点はAMATと同様で、昨年6月設立の台湾企業などに納入した。「去年は必死に売り込む立場だったが、今年に入って状況は一変した」(アルバックの砂賀芳雄・専務取締役FPD事業本部長)。現在、同社には中国、台湾などのアジア企業を中心に、海外からの相談や問い合わせが殺到しているという。「こんなに早く、薄膜(太陽電池)で市販の製造装置が出てくるとは……」。ある国内の業界関係者は驚きを隠さない。
 現在の主流である結晶系の太陽電池は、すでに参入企業が世界で200社を超えた。「結晶系の太陽電池に関して言えば、設備の投資負担が比較的に軽いうえ、ずいぶん前から専用の製造装置も市販されている。単に作るという意味では、もはや結晶系太陽電池の参入障壁は消えたに等しい」(野村証券金融経済研究所アナリストの和田木哲哉氏)。日本勢が薄膜など次世代太陽電池の技術開発を急ぐのも、そうした切実な事情があるからだ。ところが、AMATやアルバックをはじめとする半導体・液晶装置メーカーの本格参入により、その薄膜太陽電池の一貫製造ラインが、早くも世の中に出回り始めたのである。次世代の薄膜まで市販の装置で簡単に作れてしまうなら、日本の太陽電池メーカーにとって、今後の差異化による反撃のチャンスは狭まる。太陽電池業界に起きつつある新たな異変。それはAMATをはじめとする大手製造装置メーカーが主役を演じる、第3幕の幕開けでもある。実は、「第2幕」のきっかけとなった、欧州の固定価格買い取り制度にも異
変が起きつつある。ドイツはこれまで太陽光発電の新規買い取りレートを毎年数%ずつ引き下げてきたが、今年6月には、その下げ幅を10年から1割程度に拡大することを決定した。スペインも9月から買い取りレートを下げる方針で、実に3割以上の引き下げを検討中。いずれも太陽光発電の国内導入量が増え、消費者や国が負担する制度維持コストが増加したことが背景にある。買い取り価格引き下げの動きが広がれば、今の「高くても作れば売れる」状況が一変し、本格的な価格競争が始まるのも時間の問題だ。勢力を増す海外の新興専業メーカー、大手装置メーカーの本格参戦、そして目の前に迫りつつある壮絶なコスト競争――。冷静に眺めれば眺めるほど、日本の太陽電池産業を取り巻く環境は厳しい。はたして、日本勢はこの強烈な逆風を乗り越え、勝ち残ることができるのか。 そのカギを握るのが日本のトップメーカー、シャープだ。来年秋稼働を目指し大阪・堺市で建設を進める薄膜太陽電池の新工場が反撃の舞台になる。堺の新工場は、09年後半にまず160メガワットのラインを稼働。10年春までに総額720億円を投じて480メガワットの生産体制を整え、最終的には世界最大級となる1ギガワットへと生産能力を引き上げる。「堺には当社の技術を総動員し、どこにも負けない最先端工場にする。堺の稼働でコストを今の半分にまで下げたい」とソーラー事業担当の濱野稔重副社長は言う。その自信の根拠は二つの仕掛けだ。一つは、同じ敷地内に建設するテレビ用大型液晶工場との相乗効果。堺のコンビナートには液晶の部材業者の進出も決まっており、薄膜太陽電池と液晶の共通原材料であるモノシランガスのインフラ設備が共有できる。そして、同社が新工場の最大の切り札と位置づけるのが、独自に開発した製造装置である。薄膜太陽電池は製造装置、中でも実際に膜を形成する「プラズマCVD」と呼ばれる装置がコストや変換効率などの性能を規定する。シャープはそのプラズマCVD装置を独自に開発した。関係者らによると、一つのCVD装置で同時に複数のガラス基板を処理できる画期的なものだという。ラインに流すガラスサイズ自体はAMATより小さいが、独自技術による複数枚処理により、ラインの生産効率はAMATに勝るというわけだ。堺では性能を示す変換(発電)効率でも、薄膜太陽電池で業界トップとなる10%を実現する計画だ。「まずは今秋に葛城工場(奈良)で立ち上げる薄膜の新ラインで装置の精度を高め、改良版を堺に持ち込む。堺が当社の薄膜太陽電池のモデル工場になり、それを今度は海外などに横展開する」(濱野副社長)。そこから浮かび上がるのは、これまでのような「日本企業」対「海外の新興メーカー」という単純な構図ではない。次世代の薄膜太陽電池を舞台にした、AMATをはじめとする世界的な大手製造装置メーカーとシャープの全面対決である。


エネ高騰で意外な脚光 「第2の原付」/ソーラーシステム


出典:http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200808260029a.nwc 
ガソリンや電気・ガスなどエネルギー価格の高騰に対する生活防衛で、“意外な”ものが脚光を浴びている。二輪車市場では、郵便や新聞配達など業務用が中心だった排気量51~125ccの「原動機付き自転車(原付)2種」が、通勤や通学の足として人気だ。家庭の屋根の上では、太陽光発電に場所を奪われていた太陽熱でお湯を沸かすソーラーシステムが復活の兆しをみせている。                   
 ■「第2の原付」出荷1・5倍 1-6月 通勤の足で需要増
 「第2の原付」と呼ばれる2種の今年1~6月の出荷台数は、前年同期比56%増の約5万7000台と大きく伸びた。二輪車全体は21%減で、全体の6割を占める排気量50ccの原付1種は36%減と落ち込んでおり、2種の好調が際立っている。2種を運転するには、比較的簡単に取得できる原付免許ではなく、普通二輪免許が必要。ただ、1種に比べると、2人乗り禁止や時速30キロ以下などの規制がない。さらに126cc以上のバイクに比べると、車体価格は安いうえ、税金が低く燃費に優れ、維持費もかからない。中、大型バイクよりも駐車スペースを確保しやすいのも魅力だ。このため、「126cc以上のバイクからの乗り換えのほか、通勤などにクルマを使っていた人が、新たに免許を取得し購入するケースが増えている」(業界関係者)という。 メーカー各社も販売に力を入れており、2種の1~6月の出荷台数はホンダが約2万5000台、スズキが約2万1000台といずれも約6割増えたほか、ヤマハ発動機も18%増の8900台と好調だ。国内の二輪車市場はピークの1980年代には、300万台で推移していたが、ここ数年は70万台まで減少。2006年から二輪車の駐車違反の取り締まりも厳しくなったほか、排ガス規制の強化に伴う仕様変更で実質的な値上げを余儀なくされるなど逆風が続いており、今年の出荷台数は、「60万台を切る可能性もある」(大手メーカー幹部)との声も出ている。業界にとっては、原付1種と普通二輪車の間で埋もれていた二種は“救世主”ともいえる存在だ。海外市場でも、大型二輪が大半を占める米国で、4月以降、ガソリン高騰の影響で125ccクラスが、「それまでの倍以上の売れ行き」(業界関係者)をみせているという。原油価格は一時に比べると値下がりしているものの、旺盛な新興国の需要を背景に高止まりが続くのは必至で、四輪車に加え、二輪車でも世界的に“小型志向”が加速しそうだ。                   ◇
 ■ソーラーシステム復活 低コスト、自治体補助も
 太陽光発電のほか、電気でお湯も沸かすオール電化住宅の普及に押されて、販売が縮小してきたソーラーシステムだが、ここにきて販売が伸びている。光熱費が値上がりするなか、太陽光発電に比べ格段に設置費用が安いことが見直されているためで、補助金を支給する自治体が増えていることも追い風になっている。矢崎総業は、屋根に集熱板を設置し地上のタンクでお湯を沸かす強制循環式と、屋根に設置したタンクで直接お湯を沸かす自然循環式の2タイプを展開。今年7月の販売台数は、前年同月比約1・5倍の1059台に伸びた。ノーリツも7月販売台数が2倍の570台に増え、「一時は欠品状態にもなった」(広報・IR室)という好調ぶりだ。商品を紹介するウェブサイトのページビューも7月には、4倍に急増し、消費者の関心の高さをうかがわせている。 ソーラーシステムは太陽光を直接利用してお湯を沸かし、お風呂や炊事、床暖房などに活用するもので、第1次、第2次オイルショックによる光熱費の高騰を機に普及し、1970年のピークには販売台数が約83万台に達した。しかし、訪問販売によるトラブルに加え、太陽光発電などの新しいシステムが登場し、07年の販売台数は約5万台にまで落ち込んだ。最大の魅力は初期費用の安さだ。太陽光発電は3キロワット級で約200万円かかるのに対し、ソーラーシステムは強制循環式でも約90万円で済む。より手軽に省エネ化が図れることから、広島市が今年度から設置に対し5万円の補助を始めるほか、横浜市も今秋からモニターによる補助制度を導入する予定で、自治体による後押しも活発化している。一般家庭の環境意識の高まりも追い風だ。業界団体のソーラーシステム振興協会は、今年6月から設置家庭に「CO2削減効果計算証書」を発行するサービスを始め、光熱費の節約だけでなく、地球温暖化防止に貢献できるメリットも強調し、普及促進に取り組んでいる。

太陽光発電 世界一奪還を 09年度環境省 戦略費1億円要求へ


出典:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008082602000161.html
 環境省の二〇〇九年度予算の概算要求案が二十五日、分かった。総額は前年度当初比17%増の二千六百二十一億円で、地球温暖化対策として太陽光発電の普及策や、資源の有効利用に向けた希少金属(レアメタル)の回収推進策などが新規事業の柱。二十八日に発表する。 太陽光発電では、ドイツに奪われた発電量世界一の座を取り戻すための戦略策定費として一億円を計上。携帯電話など希少金属を含む小型廃家電の効率的な回収方法を検討するモデル事業費に一億円を盛り込んだ。 このほか、温暖化防止などの環境対策と経済成長が両立する社会を目指し、環境対策のコストや効果などを分析する費用として六億円。製紙会社による古紙配合率偽装問題を受け、政府が調達する文房具などについて偽装の有無を調べるサンプル調査費に八億円を計上。アスベスト(石綿)対策では、健康被害救済法の対象に、中皮腫と肺がん以外の疾病も追加するかどうかを検討する症例調査事業費三千万円も求める。

経産省、「DCエコハウス」推進-メーカー公募し開発に補助金


出典:http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720080826aaaa.html
 経済産業省は、太陽光で発電された電気のロスを防ぐ住宅の開発支援に乗り出す。直流(DC)のまま家電製品を利用できる「DCエコハウス」構想を推進する。09年度をめどに、開発に参画するパネル、蓄電、情報家電、住宅など各メーカーを公募、研究開発費用を補助金として交付する。家庭を含む民生部門の環境対策が不可欠で、政府は太陽光発電の導入拡大を目指している。今後、国が旗振り役となり太陽光発電の効率的な給電システムが実現すれば、普及をより後押しする可能性が高い。 一般的に太陽光で電気機器を稼働させる場合、電力会社の設備が交流電流向けであるため、発電された直流電流を交流に変換し、再び直流に切り替える3段階の手順を踏む必要がある。この際、数%の電力ロスが発生するといわれており、シャープなど民間の一部では、直流のまま家電製品を動かすことができる「DCエコハウス」を目指す動きが出始めている。

家庭用太陽発電補助、4年ぶり復活 経産省方針


出典:http://www.asahi.com/housing/news/TKY200808250306.html
 経済産業省は、09年度予算の概算要求で、家庭用太陽光発電設備の導入補助金を4年ぶりに復活させる方針を決めた。ピーク時を上回る238億円を求める。概算要求全体を通じて「資源高・景気減速」への対応を前面に打ち出す。 家庭用太陽光発電は05年度に補助金を打ち切り、この年から累計導入量の世界一の座をドイツに奪われた。福田首相は6月の「福田ビジョン」で、世界一の奪還を宣言。20年までに現状の10倍、30年には40倍の導入目標を掲げていた。要求する238億円は、05年度の9倍。メーカー間の価格競争を促す補助の仕組みを新しく検討するという。 このほか、燃料電池の導入支援に昨年度比7割増の304億円、次世代自動車の導入促進に同2.6倍の49億円を要求。「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートの実用化費も同8割増やす。二酸化炭素(CO2)を地中貯留する技術(CCS)など、温室効果ガスの大幅削減を目指す革新的技術の開発にも、7割増の1047億円を求める。 また、原油や希少金属(レアメタル)の急騰に対応し、独立行政法人を通じた民間の新規探鉱への出資に昨年度の2.7倍の271億円を要求。資源価格の安定に向けた予算要求は7割増にした。 地域・中小企業の活性化に向けた予算では、ものづくりへの研究開発の支援に新しく131億円を求め、新規事業を後押しする新しい補助金も60億円計上する。 経産省全体では、一般会計(特別会計繰り入れ分を除く)の概算要求は昨年度比11.5%増の4753億円、特別会計は同9.7%増の1兆1595億円を要求する見通し。08年度に手がけた489事業のうち、約90事業を「廃止・統合」。レクリエーション経費の全廃も盛る。

太陽電池、市場拡大に2つの壁-補助政策と知財を味方にできるか




出典:http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080825/168768/
2008年8月27日 水曜日 大西 孝弘
住宅用太陽電池の買い控えが始まっている。

 きっかけは、皮肉にも太陽電池の普及を掲げた政府の地球温暖化対策(福田ビジョン)だった。福田康夫首相は主要国首脳会議(洞爺湖サミット)直前の6月に福田ビジョンを発表。温暖化対策として太陽電池の導入規模を2020年までに現状の10倍、2030年に40倍に引き上げる目標を盛り込んだ。

 7月に閣議決定された「低炭素社会づくり行動計画」では、太陽電池のシステム価格を3~5年後に半額にできるよう、技術開発と導入支援策を強化することを明記した。

 これを受けて来年以降、2006年度に打ち切られた太陽電池の導入補助が復活する見通し。詳細は今後明らかになるが、太陽電池を導入する個人に対して、一定の補助金を給付する制度が有力だ。現状で250万円程度の住宅用太陽電池の購入価格が下がるのは確実視されている。

日本の住宅用太陽電池の導入件数は、2005年度の7万2825件をピークに急減し、2007年度は4万9425件にとどまった。福田ビジョンはそのテコ入れを狙ったものである。

 だが、いずれ安くなるならその時を待つのが庶民感覚というもの。ホンダの太陽電池子会社であるホンダソルテックの数佐明男社長は、「前年度よりも設置件数は減るだろう」と指摘する。太陽電池の販売を手がける日本エコシステムの金子秀純社長も、「2008年度の上期は前年度を上回ったが、購入のキャンセルが入り始めた。下期は買い控えが広がるだろう」と予想する。景況感の悪化による新築着工件数の落ち込みも、太陽電池導入のマイナス要因となりそうだ。

政策が市場拡大の起爆剤に
 国外に目を向けると状況は一変する。海外では需要が活発化しており、2007年は世界全体の市場規模が前年比150%の1兆円に達した。

 日本と海外の状況が異なるのは、政策の違いに起因している。欧州各国では「フィード・イン・タリフ」という制度を導入し、事業所や家庭で発電した電力を、電力会社が市場より割高な価格で買い取ることを義務づけている。

 ドイツの場合、1キロワット時当たりの電力料金が0.18ユーロ(約28円)であるのに対し、太陽光発電の買い取り価格は0.38~0.54ユーロ(約 60~84円)。買い取り価格は毎年5%ずつ引き下げられるものの、20年間にわたって買い取りが保証される。今の買い取り価格なら約10年で初期コストを回収し、それ以降は利益を見込めるため、個人や企業がこぞって太陽電池を導入した。

 その流れを的確に捉えたのが、ドイツの太陽電池メーカー、Qセルズだ。欧州各国でフィード・イン・タリフが導入されると、大胆な経営判断で原料確保と増産に成功し、市場参入後のわずか6年でシャープを抜いて世界首位に駆け上がった。

 これに対して、日本ではフィード・イン・タリフのような政策に対して、買い取り義務を負う電力会社が「消費者が支払う電力料金が高くなる」ことなどを理由に強く反対している。

 最終的には、8月末の各省庁の概算要求で補助制度の詳細が明らかになるが、太陽電池システムの購入費を補助する従来型の制度にとどまる公算が大きい。この方式では将来、補助額が増えることも予想されるため、ユーザーは購入のタイミングを見計らうのが難しい。補助額に応じた需要変動が大きいため、メーカーにとっても投資しづらい。日本エコシステムの金子社長は、「先の事業展望を描ける思い切った政策を導入してほしい」と訴える。

コストダウンに特許の壁
 国の政策とともに、太陽電池メーカーを悩ませているのが、原材料価格の高騰である。各社はコスト削減を進めているが、道のりは険しい。

 現在主流の結晶シリコン型においては、主原料であるシリコンの需給が逼迫し、価格が高騰している。そこで、各社はシリコンを使わない「色素増感型」の研究開発を強化している。色素が太陽光を浴びて出す電子を利用して、植物の光合成に近い形で発電を行うものだ。太陽エネルギーを電気に変換する効率は結晶シリコン型より低いが、低コストで生産できる特長がある。だが、ここにきて、色素増感型のコスト競争力にも疑問符がつき始めた。

コストダウンの1つの壁になっているのが特許だ。色素増感型の主原料である色素の特許をオーストラリアのダイソルが保有している。様々なタイプの色素があるが、同社の色素は量産化に向いているという。国内では特許の制約があって特定の販売代理店からしか購入できない。色素増感型の量産を目指すペクセル・テクノロジーズの瓦家正英・主任研究員は、「調達先が限られていることが、コストダウンを難しくしている」と指摘する。

 太陽電池関連の特許については、興味深いデータがある。特許情報サービス会社のアイ・ピー・ビーが「IPB特許・技術調査レポート(太陽電池セル技術)」と題する調査結果をまとめた。日本で出願された太陽電池関連の特許の競争力を分析したものだ。「類似特許があるか」「他社が関心を寄せているか」などの観点から個別の特許を点数化し、その得点によって企業を位置づけたのが上のグラフである。

 その結果、“陰の実力企業”が浮かび上がる。キヤノンと松下グループだ。両社は現在、太陽電池事業を手がけていないが、早くから研究開発を進め、技術開発や特許の出願で先行していた。

 この調査で、シャープに次いで2番目に総合得点が高かったのがキヤノン。同社は結晶シリコン型とは違うタイプの太陽電池の研究開発で先行していたが、市場が急拡大する前の2004年に採算の見通しが立たないと判断して、同事業から撤退した。キヤノンの元技術者は、「あと少し我慢すれば、大きな収益源になっていた」と悔やむ。

 松下グループの存在感も際立つ。松下電器産業と松下電池工業を合わせると、総合順位は6位となる。それぞれ化合物型と呼ばれるタイプの太陽電池を開発していた。

 松下電器との連携を強化する松下電工は、太陽電池で発電した電力を家庭内で使いやすくする装置を開発。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から補助金を得て、太陽電池の研究を進めている。10月に「パナソニック」に社名変更する松下電器は、グループ会社とエコ商品の開発に注力しており、太陽電池事業に参入する条件が整いつつある。

キヤノンと松下の動向に注目
 過当競争に陥っている国内市場だが、販売事業者の中にはキヤノンや松下グループの市場参入に期待する声もある。両社は電力業界に匹敵するほど、政財界に強い影響力があるからだ。両社の参入で太陽電池メーカーの声が強まれば、フィード・イン・タリフ導入についても、議論が進むかもしれない。

 政策と知財。この2つを味方にできるかどうかが日本の太陽電池メーカーの将来を決める。その突破口は、意外にも松下やキヤノンのような陰の実力企業の参入かもしれない。






2008年8月25日月曜日

「太陽光無人偵察機」2年以内に実戦配備へ=BBC:イギリスの「ゼファー6」、82時間の連続飛行に成功



出典:http://www.chosunonline.com/article/20080825000013
 昼の間に太陽光発電でバッテリーを充電しておき、その電力で夜間も飛行を続ける、という手法で数カ月間連続して作戦行動可能な無人偵察機が、2年以内に実戦配備される。イギリスBBC放送が23日に報じたところによると、イギリスの防衛企業キネティック社が開発した太陽エネルギー無人偵察機「ゼファー6」(写真)が、米国アリゾナ州ユマにある米陸軍の実験場で、先月28日から31日まで82時間37分飛び続け、無人飛行機の連続飛行で最長記録を達成した。この次世代偵察機は、米国国防省が開発資金を支援した。ゼファー6は、一般の旅客機の運航高度より2倍も高い高度1万8000メートル以上という高空で遠隔操縦により活動する。BBCが伝えたところによると、翼の長さは18メートルに達するが、重さは30キロに過ぎないという。しかし、この無人機は最先端技術の結晶だ。胴体は最先端の炭素繊維を材料に用いることで重量を画期的に減らし、45度の高温から零下70度の超低音まで耐えられる。また、両翼には紙より薄い「非結晶シリコン薄膜」太陽光発電パネルが装着され、バッテリーにも既存の製品より2倍以上効率がよい新技術が用いられている。キネティック社は現在、米国ボーイング社と共同で、重さ約450キロの偵察・通信装備を積んで飛行可能な超大型太陽エネルギー偵察機を作る「ハゲワシ(Vulture)」計画に参加している。同社のポール・デイビー開発局長は、「3カ月間連続飛行できるようシステムを改善し、2年以内に実用化する計画だ」と語った。


ヒーロー・エレクトリック社が5年以内に電気自動車に進出


出典:http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080822/22284.html
http://www.voiceofindia.co.jp/content/view/1623/74/ 
【ニューデリー】二輪車メーカー、ヒーロー・エレクトリックが2013年までにインドに電気自動車を導入する計画であることが分かった。電気自動車以外にも電池で動く三輪自動車の導入も計画しているという。ヒーロー・エレクトリックは、2008年度中に太陽エネルギー電池型の高速電気二輪車2モデルを導入し、製品ラインアップの強化を計画中だ。ヒーロー社のギルCEOはPTIの取材に対して「ヒーロー社は毎日環境問題について考えている。電気自動車・二輪車でトップ企業になるという目標のため、今まで研究に投資してきた。今後5年で電気3輪車・4輪車を開始していく」と答えた。ヒーローエレクトロニック社は2008年度に研究開発などに8億ルピー(約20億1600億円)投資している。ギルCEOは「ヒーロー社は研究を積み重ね、現在すでにモデルの原型を作り上げている」とアピールした。ギルCEOはさらに「今までの電池式乗用車は走行コストが高かった。現在我々は、すぐに充電できかつ長時間走行可能な電池を開発している」、「三輪自動車は、限られた積載量での限定版になるだろう。三輪自動車も四輪自動車も現在の工場で生産される」と語った。ヒーローエレクトロニック社は、電気自動車の技術を得るのに海外企業の買収を検討している。また同社は、英ウルトラ・モータズ社との提携を終わらせ、2008年度中の電気自動車の製品開発を計画中だという。

苫小牧の3灯台をLEDに/ 太陽光を灯台内のバッテリーに蓄え、夜間点灯させる


出典:http://www.tomamin.co.jp/2008/tp080823.htm
 第1管区海上保安本部は、苫小牧西港にある灯台3基を太陽光発電にし、LED(発光ダイオード)に変える。1管本部は「自然エネルギーを使うことで二酸化炭素(CO2)を削減でき、自家発電なので災害にも強くなる」と話している。太陽光発電とLEDを活用するのは、苫小牧港漁港区南防波堤灯台と西防波堤灯台、東外防波堤灯台。太陽光を灯台内のバッテリーに蓄え、夜間点灯させる。台風や大雪などの悪天候で送電線が切れたり伸びたりするなど、送電に異常があった場合、これまでは予備バッテリーで対応。その間、職員らが復旧作業を行っていたが、自家発電にすることで送電線トラブルの影響を受けずに済むようになり、「災害に強くなる」という。自然エネルギーを使うことで、「CO2の削減にもつながり、環境にやさしい」とし、地球温暖化防止に貢献できる、とも。さらに、省電力でも点灯可能なLEDを光源にすることで、エネルギー消費量が少なくて済むようにした。工事は2008年中に行う予定。1管本部によると、年度内に道内約40灯台を太陽光発電に変えるという。


東京都、家庭での太陽熱給湯など節約分買い上げ 排出量取引で


出典:http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080822AT3B2200122082008.html
 東京都は太陽熱給湯器などの利用で一般家庭がエネルギー使用を節約すれば、その節約分に応じた金額を家庭に支払う制度を2009年度に創設する。買い取った都は二酸化炭素(CO2)排出量に換算して、排出量取引制度の中で企業に売却する。家庭と企業双方の環境対策促進を狙った制度で、地方自治体では初の試みという。都の計画では、住宅やマンションに設置した太陽熱利用の暖房・給湯機器などが対象となる。化石燃料との比較で節約できたエネルギー量について都が「グリーン熱証書」を発行。証書は都が買い上げる。買い上げる金額などについては今後検討を進める。

2008年8月22日金曜日

平成20年度「風力発電系統連系対策助成事業」に係る公募について


出典:https://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/koubo/FF/nedokouboplace.2008-04-04.6171450844/nedokoubo.2008-08-14.2632374367/
平成20年8月20日
公募概要公募概要 締切日 平成20年9月30日
状況 公募
事業内容 研究(委託、共同研究、助成)
対象者 企業(団体等を含む)
地方公共団体
NPO等非営利団体
技術分野 エネルギー・環境技術分野(新エネルギー技術開発)
プロジェクトコード P07016
担当部 新エネルギー技術開発部

公募内容独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO技術開発機構という。)では、下記事業の公募を平成20年8月20日より開始します。

1.件名「風力発電系統連系対策助成事業」

2.事業の概要事業内容 
周波数変動による風力発電の導入制約が発生している電力会社の管内において、新たに設置する風力発電機に起因する出力変動を電力貯蔵設備の出力制御によって緩和するため、風力発電所に蓄電池等電力貯蔵設備をする事業者に対し、事業費の一部に対する助成を行うとともに、そこから得られる風力発電出力、風況データ、気象データ等の各種実測データを設置後2年間取得し、分析・検討を行って蓄電システムの研究開発に活かします。
対象事業
新たに設置する風力発電機に起因する出力変動を緩和するために必要となる蓄電池等電力貯蔵設備を導入する事業が助成の対象となります。
対象事業者
以下の[1]、[2]を満たす事業者が対象となります。

[1]周波数変動対策による風力発電の導入制約が発生している管内において、新たに2000kW以上の風力発電機を設置する事業者(地方公共団体を含む)であって、蓄電池等電力貯蔵設備の導入事業を行う者。
[2]蓄電池等電力貯蔵設備を設置後2年間、風力発電出力の実測データ等NEDO技術開発機構が求めるデータを報告できる者。
その他
原則として、申請を行う時点で系統連系や売電に係る電力会社との協議等、関係者との協議が終了している必要があります。

3.助成率1/3以内

4.公募期間及び提出先《公募期間》
平成20年8月20日(水)~平成20年9月30日(火)

《提出期限》
平成20年9月30日(火)17時必着(郵便含む)

《提出先》
〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310
ミューザ川崎セントラルタワー18階
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
新エネルギー技術開発部 風力発電G 宛

《留意事項》
研究活動の不正行為(ねつ造、改ざん、盗用)については「研究活動の不正行為への対応に関する指針」(※)(平成19年12月26日経済産業省策定)(以下「指針」という。)に基づき、NEDOは資金配分機関として、研究活動に係る研究論文等において、研究活動の不正行為があると認められた場合、以下の措置を講じます。

指針については以下のホームページをご参照ください
経済産業省ホームページ


本事業において不正行為があると認められた場合
当該研究費について、不正行為の重大性などを考慮しつつ、全部又は一部を返還していただくことがあります。
不正行為に関与した者に対し、本事業への翌年度以降の応募を制限します。
(応募制限期間:不正行為の程度などにより、原則、不正があったと認定された年度の翌年度以降2~10年間)
不正行為に関与したとまでは認定されなかったものの、当該論文等の責任者としての注意義務を怠ったことなどにより、一定の責任があるとされた者に対し、本事業への翌年度以降の応募を制限します。
(応募制限期間:責任の程度等により、原則、不正行為があったと認定された年度の翌年度以降1~3年間)
国及び他の独立行政法人等の資金配分機関に当該不正行為に関する措置及び措置の対象者等について情報提供します。このことにより、不正行為に関与した者及び上記3.により一定の責任があるとされた者に対し、国の研究資金による事業への応募が制限される場合があります。また、国及び他の独立行政法人等の資金配分機関からNEDOに情報提供があった場合も同様の措置を講じることがあります。
NEDOは不正行為に対する措置を決定したときは、原則として、措置の対象となった者の氏名・所属、措置の内容、不正行為が行われた研究資金の名称、当該研究費の金額、研究内容、不正行為の内容及び不正の認定に係る調査結果報告書などについて公表します。
過去に国の研究資金において不正行為があったと認められた場合
  国の研究資金において、研究活動における不正行為があったと認定された者(当該不正行為があったと認定された研究の論文等の内容について責任を負う者として認定された場合を含む。)については、指針に基づき、本事業への参加が制限されることがあります。
  なお、本事業の委託先事業者は指針に基づき研究機関として規定の整備や受付窓口の設置に努めてください。
  NEDOにおける研究活動の不正行為に関する告発・相談及び通知先の窓口は以下のとおりです。
〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町 1310 ミューザ川崎セントラルタワー 18階
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構  検査・業務管理部
TEL:044-520-5131 FAX:044-520-5133
E-mail: helpdesk-2@nedo.go.jp

5.公募説明会の実施下記のとおり説明会を開催し、当該助成交付申請に係る手続き、提案書類等について説明します。
また、応募にあたり公募説明会への出席は必須ではありません。
日時:平成20年9月1日(月) 13時30分~15時30分
場所:〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310
ミューザ川崎セントラルタワー16階 A会議室

6.問い合わせ本件に関するお問い合わせは、下記までE-mailまたはFAXでお願いします。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
新エネルギー技術開発部  風力発電グループ
FAX: 044-520-5276
E-mail: WindPower_G@nedo.go.jp


2008年8月21日木曜日

【台湾】新日光、独社と提携し変換効率20%目指す


出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080821-00000010-nna-int
 力晶半導体(パワーチップ・セミコンダクター)系の太陽光電池メーカー、新日光能源科技(ネオソーラパワー)がドイツの太陽光発電設備大手のセントロサームと技術提携する。太陽光電池のエネルギー変換効率を現在の17%から3年内に20%以上に引き上げる。原料不足に対応するとともに、生産コストダウンも狙う。新日光は19日、半導体や太陽光電池関連のプロセス装置の大手である独セントロサームと技術提携覚書を取り交わした。両社は太陽光電池のエネルギー変換効率向上技術を共同開発していく。新日光は提携によって、3年内に単結晶シリコン型のエネルギー変換効率を20%以上にまで引き上げたいとしている。同社は計画に1億台湾元を投じる。新日光の洪伝献総経理によると、実験段階においては最高24%の変換効率を記録しているものの、量産には至っていないという。同社の多結晶シリコン型太陽光電池のエネルギー変換効率は現在15.8%。来年から年間1ポイントずつ効率を向上させて2011年に18.5%とする。一方、単結晶シリコン型太陽光電池の変換効率は現在17%であり、11年には20%以上とする計画だ。新日光の林坤禧董事長は、現在、原材料が不足していることが太陽光電池産業の最大の問題と指摘。エネルギー変換効率が20%を超えれば生産コストは現在より約2割削減でき、太陽光発電による電力価格も引き下げることも可能と期待を示した。 
 ■投資を強化、来年510MWへ
 太陽光発電産業が急成長していることを受け、新日光は投資を強化している。13日には新竹科学工業園区(竹科)で新工場が落成し、10月に量産を始める予定。当初の生産能力は120メガワット(MW)に上る。これにより生産能力は計210MWに達することになる。さらに来年も300MW分を拡張して計510MWとしていく方針を固めている。また早ければ来年下半期には薄膜太陽光電池も生産する。当初の規模は30~60MW、投資額は数十億元となりそうだ。
 ■原料長期契約や資本提携進む
 今月4日には欧州のポリシリコン大手と7年間のウエハー調達(130億元相当)契約を交わしたと発表した。新日光は1月にも、中国大手の江西賽維LDK太陽能高科技(LDKソーラー)と10年間(09~18年)で500MW分を調達する契約を交わしている。また、ポリシリコンメーカーで、台湾聚合化学品(台聚)傘下の環球半導体(USC)に最大2,000万米ドルを出資することも今年4月に発表している。いずれも太陽光産業が急成長し、原料となるポリシリコンが不足しているとの認識に基づくもの。昨年から原料確保に注力しており、今年と来年分については問題ないとしている。ほか、6月には太陽光発電モジュールを手がけるカナディアンソーラ(CSI)から150億元分の太陽光電池を受注、今年から13年まで供給していくことも明らかにした。20日付経済日報、工商時報、電子時報などが伝えた。

太陽光発電普及へ新技術 オムロン開発 シェア倍増目指す


出典:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008082100037&genre=B1&area=K00
停電時の単独運転を防ぐ技術を導入したオムロンの太陽光発電用パワーコンディショナー
 オムロンは20日、地域の複数世帯に太陽光発電システムを導入するうえで普及を妨げている停電時の単独運転を防ぐ技術を業界で初めて開発したと発表した。停電の復旧にあたる作業員が感電しないよう、異常を正確に把握して発電システムの運転を止める画期的技術といい、この技術を用いたパワーコンディショナーを12月に発売。国内シェアを現在の20%から5年後に倍増させることを目指す。太陽光発電のパワーコンディショナーは、停電などの電力系統の異常を電気信号で検出し、システムの運転を止める機能がある。停電復旧の作業員が機器に触れて感電したり、機器が故障しないようにするためだが、1つの地域に太陽光発電が多数あると、信号を互いに打ち消すなどして異常を検出できず、単独運転を続けるおそれがある。オムロンは、検出信号をパワーコンディショナー同士が打ち消し合わない方式に変更。検出の時間も従来より大幅に早め、誤動作を起こさない処理手順も開発するなど、太陽光発電を1つの地域に集中して設置しても単独運転を防げる技術を確立し、パワーコンディショナーに導入した。 電力会社でつくる電気事業連合会は、太陽光発電は国内で1000万キロワットが限界としているが、オムロンは「この技術で太陽光発電の集中的な設置が可能になり、2020年度に1400万キロワットにまで引き上げられる」(パワーエレクトロニクス事業推進部)としている。

業界初 太陽光発電システムの普及に必要不可欠な複数台連系時の単独運転防止技術を開発
~同技術を搭載したパワーコンディショナを順次発売~
http://www.omron.co.jp/press/2008/08/i0820.html


経産省、家庭用太陽光発電に補助金 地球温暖化対策で


出典:http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082001001103.html
 経済産業省が2009年度予算の概算要求に盛り込む地球温暖化対策の概要が20日、固まった。家庭用太陽光発電システムの普及支援や、事業者が省エネルギー機器を導入する際に補助金を出すなど、新エネルギー、省エネルギーの普及促進策が柱。予算規模は08年度の4160億円を上回る見通しだ。二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に抑制した「低炭素社会」の実現に向けて積極的に取り組む姿勢を示すとともに、日本が先行する省エネルギー、新エネルギーの技術開発力をさらに強化し、産業の国際競争力を高めるのが狙い。既存の技術関連では、家庭用太陽光発電の設備費用の一部について補助する。また、電気自動車など次世代のクリーンエネルギー自動車の普及促進に向け、購入時と充電器の設置に助成する。CO2の排出量が少ない原子力発電も推進する。 地球温暖化防止に対する企業の意識を高める施策では、政府が今秋から試行的に実施するCO2の排出量取引への中小企業の参加を支援する。

Google.org,地熱発電の新技術開発に1000万ドル強を投資


地熱発電のイメージ(AltaRock Energyの資料より引用)


出典:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080820/313037/
米Googleの社会貢献部門Google.orgは,石炭より安価な再生可能エネルギーを開発するプロジェクトの一環として,地熱発電の新技術「Enhanced Geothermal Systems(EGS)」に取り組む企業と大学研究機関に,約1025万ドルを投資する。Googleが米国時間8月19日に明らかにした。

 従来の地熱発電技術は,地下に眠る高温の天然蒸気を利用する。EGS技術では地下数キロメートルの深さまで掘削し,高温岩体に水を注入し,循環させることで高温の水蒸気を発生させ,それをもとにタービンを回転させて発電する。同社が引用したマサチューセッツ工科大学の報告によると,米国の地下3~10kmにある高温岩体の2%を利用するだけで,米国が必要とする年間エネルギー利用量の2500倍以上の発電が行えるという。

 同社が今回資金提供を行うのは,EGS技術に取り組む米AltaRock Energy(625万ドル)と米Potter Drilling(400万ドル),そして北米における地熱エネルギー資源のマッピングなどに取り組むサザン・メソジスト大学の地熱研究所(48万9521ドル)。

 Google.org,Climate and Energy Initiatives担当ディレクタのDan Reicher氏は,「EGSはエネルギー分野の“キラー・アプリ”になる可能性がある。また,恒常的なエネルギー供給が困難な太陽光発電や風力発電を補完できる最適なエネルギー資源」と述べている。

 なおGoogle.orgは今年1月,気象変動,世界的貧困,伝染病などに,今後5~10年かけて取り組む計画を明らかにしている(関連記事:Googleの慈善事業Google.org,今後の取り組みに2500万ドル以上を投資)。

[発表資料へ] (ITpro) [2008/08/20]

DOE to Invest up to $24 Million for Breakthrough Solar Energy Products


出典:http://www.energy.gov/news/6477.htmAugust 12, 2008
Twelve Industry Teams Partner with DOE to Advance Integration of Solar Energy Systems into Electrical Grid
WASHINGTON – U.S. Department of Energy (DOE) Principal Deputy Assistant Secretary for Energy Efficiency and Renewable Energy John Mizroch announced today that DOE will invest up to $24 million in Fiscal Year 2008 and beyond—subject to the availability of funds—to develop solar energy products to significantly accelerate penetration of solar photovoltaic (PV) systems in the United States. The Solar Energy Grid Integration Systems (SEGIS) projects will provide critical research and development (R&D) funding to develop less expensive, higher performing products to enhance the value of solar PV systems to homeowners and business owners. These projects are integral to President Bush’s Solar America Initiative, which aims to make solar energy cost-competitive with conventional forms of electricity by 2015. Increasing the use of alternative and clean energy technologies such as solar energy is critical to diversifying the Nation’s energy sources to reduce greenhouse gas emissions and dependence on foreign oil.

“Harnessing the natural and abundant power of the sun and cost-effectively converting it into energy is an important component of our comprehensive strategy to commercialize and deploy advanced, clean, alternative technologies to enhance our energy security and reduce greenhouse gas emissions,” DOE Principal Deputy Assistant Secretary Mizroch said. “Our investment in these grid integration projects will lay the groundwork for high levels of solar photovoltaic market penetration to help meet the President’s goal of making solar power cost-competitive with conventional sources of electricity.”

The SEGIS funding opportunity was announced on November 15, 2007. The projects selected for negotiation of awards focus on collaborative research and development by U.S. industry teams to develop products that will allow PV to become a more integral part of household and commercial smart energy systems. For example, research teams will work to develop intelligent system controls that integrate traditional building energy management systems with solar systems. The developments will allow building energy managers to better respond to time-of-use pricing and weather conditions to minimize building energy costs and stabilize the effect on the electricity grid. The applicant teams will also develop products that facilitate interaction between solar energy systems and plug in hybrid vehicles, to provide a secure back-up power sources during outages. The intelligent controls and energy management efforts are a critical step towards developing net-zero-energy homes, buildings, and communities.

DOE has selected 12 industry teams to participate in cost-shared cooperative agreements focusing on conceptual design of hardware components, and market analysis. For these 12 winning projects, $2.9 million total in DOE funding is leveraging $1.7 million in industry cost-share. The plan is to award additional contracts in Fiscal Year 2009 and in the out years—subject to the availability of funds— for projects demonstrating the most promising technology advancements exhibiting a high likelihood of commercial success. When the below projects are combined with the overall industry cost share of up to $16 million, more than $40 million in total could be invested in these SEGIS projects, with future federal funding subject to appropriations from Congress. The Department’s Sandia National Laboratories in Albuquerque, NM will provide project management support to these projects.

These projects will help develop products that maximize the value of PV systems and offer consumers greater control of their electric consumption and costs:

Apollo Solar (Bethel, Conn.): To develop advanced modular components for power conversion, energy storage, energy management, and a communications portal for residential-size solar electric systems. The inverters, charge controllers, and energy management systems will be able to communicate with utility energy portals to implement the seamless two-way power flows of the future.

EMTEC (Dayton, Ohio) Emerson Network Power, Liebert Corporation, Hull and Associates, and Ohio State University: To develop large, three-phase, highly efficient, small footprint, advanced and innovative power conversion, energy storage and energy management components for commercial- and utility-scale PV systems. The new products will include an integrated grid interface controller that works in conjunction with a customer smart meter to respond to time of day pricing signals. The total system provides improved economics for power distribution and minimizes wide fluctuations in supply and demand of electricity.

Enphase Energy Inc. (Petaluma, Calif.): To develop a complete module-integrated solar electric solution controlled by an energy management system, to interface with utilities and allow advanced control for modular utility-interactive applications.

General Electric (Niskayuna, N.Y.) and Sentech, Inc. in collaboration with candidate utilities including American Electric Power, Duke, and Hawaii Electric Company: To develop product concepts for integrating solar PV generation with the electrical grid for commercial and residential use. The residential improvements will integrate energy storage, responsive loads, and utility demand side management and are expected to reduce homeowner energy bills and support utility needs to reduce peak loads. New and enhanced inverter and distribution system control concepts for both commercial- and utility-scale installations will be developed.

Nextek Power Systems (Detroit, Mich. and Hauppauge, N.Y.) with Houston Advanced Research Center: To modify an existing power gateway design to incorporate bi-directional current flow capability, higher voltage operation, and added functionalities that include integrated communications and an energy management system for value-added PV utility interconnections.

Petra Solar (Somerset, N.J.) with Florida Power Electronics Center, and Florida Solar Energy Center: To focus on multi-layer control and communication with PV systems to achieve grid interconnectivity, cost reduction, system reliability, and safety - resulting in a cost competitive, easy to install, modular and scalable system.

Premium Power (North Reading, Mass.): To develop an inverter system that makes PV economically viable in terms of initial investment, operating costs, and system lifetime. An intelligent PV system that optimizes the value of PV generation will be developed for commercial- and utility-scale applications with an advanced inverter having energy management.

Princeton Power Systems (Princeton, N.J.) with TDI Power and World Water and Solar Technologies Corp.: To develop a complete design for a 100-kW demand response inverter based on Princeton Power Systems’ proprietary inverter technology. The design will be optimized for low-cost, high-quality manufacture, and will integrate control capabilities including dynamic energy storage and demand response through load control.

PV Powered (Bend, Ore.) with Portland General Electric Team, South Dakota State University, and Northern Plains Power Technologies: To develop a suite of maximum power point tracking algorithms to optimize energy production from the full range of available and emerging PV module technologies with communications integration, facility energy management systems and utlity management networks.

SmartSpark Energy Systems, Inc. (Champaign, Ill.) with Evergreen Solar and Innovolt, Inc: To design, construct, test, and commercialize an alternating-current PV module with smart building systems interfaces that provide system diagnostics, data logging, and advanced utility interconnection.

The Florida Solar Energy Center of the University of Central Florida (Orlando, Fla.) with SatCon, Sentech, Inc., EnFlex, SunEdison, Northern Plains Power Technologies, Lakeland Electric Utilities and additional utilities: To develop new grid integration concepts for PV that incorporate optional battery storage, utility control, communication and monitoring functions, and building energy management systems. The Florida Solar Energy Center of the University of Central Florida will validate an anti-islanding strategy for PV inverters to allow PV generation to remain connected to the grid during some grid disturbances, while still meeting safety operation requirements. New inverter architectures with advanced controls will be introduced, bringing even more stability and security to the home.

VPT Inc. (Blacksburg, Va.) with Center for Power Electronics, Plug-in Conversions, Moonlight Solar, Breakell Inc., and Delta Electronics: To develop component circuits and an overall system design for an integrated energy system. The R&D will include inverter controllers that can be used with existing inverters to add sophisticated home interoperability, active anti-islanding and intentional islanding control, and a bidirectional power converter designed for plug-connected vehicles. The bidirectional power converter will also be useable for stationary DC/AC grid-interactive applications.

Lean more from the Office of Energy Efficiency and Renewable Energy.

More information about the Solar Energy Grid Integration Systems program and the solicitation is available on the Solar Energy Technologies Program website.

Media contact(s):
Jennifer Scoggins, (202) 586-4940


Flexible Nanoantenna Arrays Capture Solar Energy


Photo Credit: Idaho National Laboratory


出典:http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/story?id=53300
2008/08/12
by Roberta Kwok, Idaho National Laboratory
Florida, United States [RenewableEnergyWorld.com]
Researchers have devised an inexpensive way to produce plastic sheets containing billions of nanoantennas that collect heat energy generated by the sun and other sources. The researchers say that the technology, developed at the U.S. Department of Energy's Idaho National Laboratory (INL), is the first step toward a solar energy collector that could be mass-produced on flexible materials.

While methods to convert the energy into usable electricity still need to be developed, it is envisioned that the sheets could one day be manufactured as lightweight "skins" that power products such as hybrid cars or iPods with potentially higher efficiency than traditional solar cells. The nanoantennas also have the potential to act as cooling devices that draw waste heat from buildings or electronics without using electricity.

The nanoantennas target mid-infrared rays, which the Earth continuously radiates as heat after absorbing energy from the sun during the day. In contrast, traditional solar cells can only use visible light, rendering them idle after dark. Infrared radiation is an especially rich energy source because it also is generated by industrial processes such as coal-fired plants.

"Every process in our industrial world creates waste heat," says INL physicist Steven Novack. "It's energy that we just throw away." Novack led the research team, which included INL engineer Dale Kotter, W. Dennis Slafer of MicroContinuum Inc. and Patrick Pinhero, now at the University of Missouri.

The nanoantennas are tiny gold squares or spirals set in a specially treated form of polyethylene, a material used in plastic bags. While others have successfully invented antennas that collect energy from lower-frequency regions of the electromagnetic spectrum, such as microwaves, infrared rays have proven more elusive. Part of the reason is that materials' properties change drastically at high-frequency wavelengths, Kotter says.


The researchers studied the behavior of various materials — including gold, manganese and copper — under infrared rays and used the resulting data to build computer models of nanoantennas. They found that with the right materials, shape and size, the simulated nanoantennas could harvest up to 92 percent of the energy at infrared wavelengths.

The team then created real-life prototypes to test their computer models. First, they used conventional production methods to etch a silicon wafer with the nanoantenna pattern. The silicon-based nanoantennas matched the computer simulations, absorbing more than 80 percent of the energy over the intended wavelength range. Next, they used a stamp-and-repeat process to emboss the nanoantennas on thin sheets of plastic. While the plastic prototype is still being tested, initial experiments suggest that it also captures energy at the expected infrared wavelengths.

The nanoantennas' ability to absorb infrared radiation makes them promising cooling devices. Since objects give off heat as infrared rays, the nanoantennas could collect those rays and re-emit the energy at harmless wavelengths. Such a system could cool down buildings and computers without the external power source required by air-conditioners and fans.

More technological advances are needed before the nanoantennas can funnel their energy into usable electricity. The infrared rays create alternating currents in the nanoantennas that oscillate trillions of times per second, requiring a component called a rectifier to convert the alternating current to direct current. Today's rectifiers can't handle such high frequencies.

"We need to design nanorectifiers that go with our nanoantennas," says Kotter, noting that a nanoscale rectifier would need to be about 1,000 times smaller than current commercial devices and will require new manufacturing methods. Another possibility is to develop electrical circuitry that might slow down the current to usable frequencies.

If these technical hurdles can be overcome, nanoantennas have the potential to be efficient harvesters of solar energy. Because they can be tweaked to pick up specific wavelengths depending on their shape and size, it may be possible to create double-sided nanoantenna sheets that harvest energy from different parts of the sun's spectrum, Novack says.

The team's stamp-and-repeat process could also be extended to large-scale roll-to-roll manufacturing techniques that could print the arrays at a rate of several yards per minute.

The researchers will be reporting their findings on August 13 at the American Society of Mechanical Engineers 2008 2nd International Conference on Energy Sustainability in Jacksonville, Florida.

Roberta Kwok is a Research Communications Fellow at Idaho National Laboratory.



NREL Solar Cell Sets Efficiency Record of 40.8%


出典:http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/story?id=53334
2008/08/14 Colorado, United States [RenewableEnergyWorld.com]
Scientists at the U.S. Department of Energy's National Renewable Energy Laboratory (NREL) have set a world record in solar cell efficiency with a photovoltaic device that converts 40.8 percent of the light that hits it into electricity. This is the highest confirmed efficiency of any photovoltaic device to date.

The 40.8 percent efficiency was measured under concentrated light of 326 suns. One sun is about the amount of light that typically hits Earth on a sunny day.

The inverted metamorphic triple-junction solar cell was designed, fabricated and independently measured at NREL. The 40.8 percent efficiency was measured under concentrated light of 326 suns. One sun is about the amount of light that typically hits Earth on a sunny day. The new cell is a natural candidate for the space satellite market and for terrestrial concentrated photovoltaic arrays, which use lenses or mirrors to focus sunlight onto the solar cells.

The new solar cell differs significantly from the previous record holder – also based on a NREL design. Instead of using a germanium wafer as the bottom junction of the device, the new design uses compositions of gallium indium phosphide and gallium indium arsenide to split the solar spectrum into three equal parts that are absorbed by each of the cell's three junctions for higher potential efficiencies.

This is accomplished by growing the solar cell on a gallium arsenide wafer, flipping it over, then removing the wafer. The resulting device is extremely thin and light and represents a new class of solar cells with advantages in performance, design, operation and cost.


古河機械金属、熱エネルギーを電気に変換する高性能熱電変換材料を開発



出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080820/156636/
2008/08/20 17:53
古河機械金属は、熱エネルギーを電気に変換する材料で、中温領域(室温~600℃)で高い性能を実現した。開発したのはFe(鉄)、Co(コバルト)、Sb(アンチモン)、希土類元素などからなるスクッテルダイト系の熱電変換材料。スクッテルダイト系はCoSb3に代表される化合物の結晶の構造をいい、p型、n型ともに良好な特性を得られる。熱電変換材料は電気的特性が良く、材料の熱伝導率の低いことが高い性能を得るポイントになる。電気的特性が良いというのは具体的には材料に温度差を加えたとき大きな起電力が発生することと、材料そのものの導電率が高いことをいう。スクッテルダイト系材料は電気的特性が優れている反面、熱伝導率が高い傾向にあることが課題だった。スクッテルダイト系材料の電気的特性に影響を与えずに熱伝導率を減少させるため、La(ランタン)、Ba(バリウム)、Yb(イッテルビウム)、Ca(カルシウム)などの元素を中心に、さらにこれ以外の元素を同時に充填した。充填したのは?族元素のAl(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)ならびに?族元素のTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)など。同時に3種類以上の元素を充填し、熱伝導率を大幅に低下させた。充填することによって結晶格子の振動が不規則となり、熱の伝導が妨げられると考えている。通常、熱電変換材料の性能は無次元性能指数(ZT)によって表わされる。p型、n型材料ともに実用化レベルはZT=1を指標としている。熱伝導率を下げた結果、(La, Ba, Ga, Ti)0.9(Fe, Co)4Sb12のp型材料では、ZTは従来の0.5から1.1に上昇した。(Yb, Ca, Al, Ga, In)0.9(Co, Fe)4Sb12のn型材料では、ZTは従来の0.7から1.3に上昇した。p型、n型とも350℃~550℃の広い範囲でZT=1を超えており、実用上の観点からも応用範囲が広がることが期待される。この熱電変換材料を用いて50mm角×高さ8mmの熱電変換モジュールを試作し、上面(高温側)を720℃、下面(低温側)を50℃の条件で試験したところ、熱電変換効率7%、出力33W(出力密度1.3W/cm2)という熱電変換性能を得た。 浜田 基彦=日経Automotive Technology


2008年8月20日水曜日

グリーン・ポスト社運営のブログ「ソフトエネルギー」記事:ナノ・アンテナで、夜も太陽のエネルギーからエネルギーを作る!


グリーン・ポスト社運営のブログ「ソフトエネルギー」にすばらしい記事がありました。
ご一読をお勧めします。
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2008/08/post_3f27.html
Flexible nanoantenna arrays capture abundant solar energy
https://inlportal.inl.gov/portal/server.pt?open=514&objID=1555&mode=2&featurestory=DA_144483

ホンダが09年末から太陽電池を輸出へ


http://www.stockstation.jp/stocknews/12765
本田技研工業(ホンダ・7267)は09年末に太陽電池の輸出を始める、と報じられた。まずドイツなど欧州を中心に、主に個人住宅用に販売する。07年10月から新規事業の一環として太陽電池を生産し、国内で販売している。国内需要が伸び悩んでいるのに対し、欧州などでは導入を支援する制度が広がり、太陽電池市場が急拡大している。海外市場を開拓し、早期に事業を軌道に乗せるという。ホンダの株価は14時14分現在3580円(▼60円)。

web-tab記事・クールビズを超えたエコ? 太陽光発電ができるネクタイ「Solar tie」



http://www.web-tab.jp/article/3874
 これまでさまざまなガジェットを紹介してきた米国のブログ「ForeverGeek」の筆者―今回紹介するのは、太陽光発電が可能なネクタイ「Solar tie」だ。この情報を見た筆者は、「普段から使えるこんな商品がほしかった!」と大絶賛。「遠目に見たらスタイリッシュなただのネクタイだけど、近くで見たら驚くこと間違いなし。(裏側のポケットに)携帯電話などを入れておけば、充電だってできちゃうし」と大喜びの様子だ。
 筆者によると、米アイオワ州立大学の研究員らの手によるこのSolar tieは、まだコンセプト段階にあるという。「商品化したら、大ヒット間違いなし。iPod shuffleのアクセサリーにするなんてどうかな。商品名は…“iTie”なんてどう?」と盛り上がっている様子だが…。
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http://gizmodo.com/5038015/solar-powered-neck-tie-holds-powers-your-gadgets
A team of researchers at North Carolina State University have devised an ingenious way to charge your gadgets on the move: With solar powered clothing. The designs use a process called digital textile printing to leverage the blocky solar panels into neck ties and jackets. In the case of the tie there's even a hidden pocket to hold your device as it charges. Convenient. A five-day test found the clothing posed no significant health risk, including electric shock, although the neck tie design did have one major flaw. See if you can guess what it was.

Seems that solar panels, clothing-infused or not, are tough to tie in knots:

Application of the solar panels to the tie made it difficult to tie the knot. In typical tie knots, a small loop is created through which the large end of the tie is passed. At this step in the process, the physical width of the solar panel forces the user to enlarge their tie loop to allow the solar panel to pass through. The solar panels are limited to bending around a three inch diameter and should not be creased. Usage of narrower solar panels was considered, but there would be sacrifices in power generation. Applying solar panels to clip-on ties would eliminate this problem.

2008年8月19日火曜日

シャープ、太陽電池から直流のまま家電製品へ


http://www.ecology.or.jp/w-topics/wtp23-0808.html シャープが、太陽電池などで発電した直流電流(DC)でそのまま家庭内の電気機器を動かし、電力ロスを防ぐ「DCエコハウス構想」を進めている。社内で昨年4月以降、研究を本格化させており、技術的な課題やリスクなどを検証。太田賢司専務執行役員は「社会全体の取り組みとして普及すれば、エネルギー危機と温暖化問題の解決に役立つ」と話しており、構想の具体化を目指している。家電製品の多くは内部の回路が直流電気で稼働しているが、現在の電力会社の設備は交流電力向けのため、電気機器のアダプターや機器内部の回路で交流から直流に変換して使用している。直流と交流を変換する間に数%といわれる電力損失が生じるが、太陽電池などで発電した直流電気はパワーコンディショナーで一度、系統電力の交流電気にして家庭内に流し、電気機器では直流に再び変換して使用しているのが実情。太陽電池や燃料電池で発電した直流電気でそのまま電気機器を動かせば、電力ロスがなくエネルギーを消費できるという発想だ。同社は昨春以降、奈良県天理市の先端エネルギー研究所や基盤技術研究所などで、本格的な検討に着手。直流電気に対応する家電づくりを進めると同時に、発電効率が高い太陽電池の開発や燃料電池のシステム化などを手がけている。また、今年4月には、太陽電池で発電した電気を蓄えるリチウムイオン電池を開発したベンチャー企業、エリーパワー(東京都千代田区)に資本参加。太陽光などで発電した電力を蓄える住宅用蓄電池の共同開発に乗り出した。昼間に発電した電力を蓄えておくことで夜間や悪天候時に発電できない太陽光発電を補う。同社によると、「直流対応の家電の生産は技術的にはそれほど困難ではないが、家庭用のコンセントで交流と直流の双方の電気を取り入れる仕組みが必要になるなど、幅広い業種の協力が不可欠。電設部品メーカーやハウスメーカー、電力会社などとの協業を模索しながら、構想の具体化を目指す」としている。資料:8/6 日刊工業新聞

発電マンの太陽光発電塾 第6回 環境で変わる!太陽電池の発電効率(後編)


「エアマス(Air Mass)」とは太陽の光が地上に入射するまでに通過する大気の量


http://www.nikkeibp.co.jp/style/eco/column/iwahori/080819_kouritsu02/index.html
2008年8月19日株式会社 発電マン 代表取締役・岩堀 良弘 氏
●太陽電池に罪はない?日射環境で変化する発電量
さて、前回は温度や天候、屋根の形状や向きなどの条件によって、月々の発電量が変わってくるという実例を見ていただきました。このほか地形、傾斜、緯度など様々な条件で発電量も変わるといいます。そして最後には、月々どころか瞬間瞬間で発電量がめまぐるしく変わる様子も見てもらいました。太陽電池そのものは半導体であり味も素っ気もないものなのです。しかしこの太陽電池、これまでの話を聞いていると、「何と気難しいヤツなんだ」と思ってしまいますよね。とらえどころがなくて、何やら不思議なモノに思えるのですが、実際は太陽電池の本来の性格はとても「律儀」です。ある一定の条件の下に置いてあげれば彼は黙々と電気を作り続け、しかもその量もほぼ確実に決められた量であり続けます。では、なぜ発電量はあれだけ細かく変化するのでしょう? 実はその最も大きな原因は、太陽電池そのものよりも、そこに入ってくる日射量の変化にあるのです。雲や大気中の物質など様々な影響を受け、空の明るさは刻一刻と変化しています。そのように、モジュール表面に届く日射量も、大変不安定です。その結果、それが発電量の目まぐるしい変化となって表れているのです。
●定格発電量を測定する時に基準となる環境とは
自然環境の中では目まぐるしく変化する日射量のため、太陽電池の性能を比較することができません。そこで太陽電池を測定・比較し、性能評価としての「発電量」を測定するための基準は次のように定められています。「モジュール表面温度25℃、分光分布AM(エアマス)1.5、放射照度1000W/平方メートル」の状態での発電量。(JIS規格JIS C 8914)
ではこの基準について、一つずつ見ていきましょう。まず、太陽電池は原料となるシリコンの特質が原因で、温度によって性能が変わります。“温度が高くなると発電効率が低下し、反対に温度が下がると効率が上昇する”ということは、前回にも書きました。そのような事情のため、発電量の正しい評価測定のためにモジュールの表面温度を標準状態(25℃)と定めています。次に聞きなれない言葉が出てきました。
「エアマス(Air Mass)」とは太陽の光が地上に入射するまでに通過する大気の量を表します。太陽を真上から受けた時の日射は「AM1」。大気圏外では「AM0」朝日や夕日などのように入射角が低くなると、AMの数値が大きくなります。またAMの数値が大きくなるほど、赤い光が多くなるのが特徴です。これは短い波長の光が大気に吸収されてしまうからです。逆にAMが小さくなると青い光が強くなります。太陽電池にはそれぞれ個性があって、種類によって光の波長に対する感度が違います。発電量を正しく評価測定するためにはこのAMを一定にする必要があるのです。ここで基準になっている「AM1.5」という値は、光の通過距離が1.5倍になる、太陽高度42度に相当します。日本ではこの「AM1.5」という値が標準で使われています。そして最後の「放射照度」というのが、まさに問題の日射量のことです。簡単に言えば「光のエネルギーの強さ」で、「1000W/平方メートル」だと、“1平方メートルあたり1000Wの光エネルギーが入ってくる状態”を指しています。つまり“温度25℃で「AM-1.5」の状態で1000Wの光エネルギーから取り出せる電気エネルギーの量”が太陽電池の定格出力と決められています。そしてこの基準値に準じた状態で150Wの電気がもし取り出せる太陽電池なら、その太陽電池の光エネルギーから電力への変換効率は150W/1000W=15%ということになる訳です。
●「発電量」そのままには発電しないもの
この基準の状態は、極めて理想的な状態であり、自然界でこのような環境を作り出すのはまず不可能です。先にも申し上げた通り、「放射照度」すなわち日射量は雲や大気の状態で大きく変わります。時間帯や屋根の状態により「AM」も変わってきます。気温だって常に25℃である訳がありません。そこで、このような測定を行うにはソーラーシミュレータという特殊な測定器を使います。このソーラーシミュレータで基準となる状態を作り、その中で対象となる太陽電池の性能を調べるのです。各メーカーの太陽電池のカタログには、この基準に基づいて測定された数値が掲載されています。つまり、太陽電池のカタログに「発電量」として記載されている数字は、ある特殊な環境の下で測定された数値に過ぎず、実際の数値は設置の条件によって様々だということです。規定の「発電量」より多く発電する場合も少なく発電する場合もあり、常にカタログに記された「発電量」を発電し続ける訳ではないのです。少し難しい話をしてきましたが、ここまでの話は太陽電池と長く付き合っていくのに大切な話です。長く付き合うには相手の性格を良く知っておかなければいけないのは人間でもモノでも同じです。例えば自宅のメーターで発電量が目まぐるしく変化していても、それは日射量がそれだけ変化しているということですから、基本的には心配はいりません。また、時折こんな相談をしてくる方もいらっしゃいます。「近所のお宅にも太陽光発電システムがついているのですが、わが家のシステムよりもよく発電しているようなんですよ。うちのは不良品なんでしょうか?」こんな時も太陽電池の性が分かっていれば冷静に判断ができますね。まず“近所”ということは、大気や気温の状態についてはそれほど大きな差はないと考えてよいかもしれません。そうなると、その方のお宅と近所のお宅との屋根の形状の違いや、勾配の具合などが原因と考えられます。その結果、「AM」や「放射照度」が違ってきて、それが発電量の違いに結びついてきているのだと想像できるのです。太陽電池と長く付き合ううちに、「あれ? この発電量はおかしいぞ」とか「これは正常なのか? 故障なのか?」など判断に迷うこともあります。そんな時にこそ、太陽電池と温度の関係や、日射量の関係、そもそもカタログに記載してある発電量はどのような基準で測定されているのか…などといった知識があれば、色々と役に立つのではないでしょうか。

政府助成金を求めてエコエネルギーに走るスイス市民。エコエネルギー助成金に熱いまなざし


http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=9552925&cKey=1219127842000&ty=st
再生可能エネルギープロジェクトに政府助成金が支払われることになり、5月1日から7月末までスイス全国から5000件の応募があった。このうち認められたのは2049件だった。
認められたプロジェクトの82%が太陽電池の設置で、風力発電、水力発電 ( 10メガワットまで ) がそれぞれ7%、バイオマス4%と続く。地熱発電の申請はなかった。
個人のプロジェクトは後回し
 助成金の申請を受け付けている連邦エネルギー局 ( BFE/OFEN ) によると、2006年1月から4月末までに発電を開始したプロジェクトとエコエネルギー施設建設要請をしたプロジェクトはすべて認可したという。特に太陽電池プロジェクトは申請開始日にすでに1000件もの申請があったという。しかし、太陽電池設置プロジェクトについては、今年の援助予算を上回る申請があり、大きな計画が優先され、小型のプロジェクトは許可待ちの状態にある。認可されるまで、生産されたエネルギーは、エコエネルギー市場などで売買することが認められている。太陽エネルギー協会スイスソーラー ( Swisssolar ) は2859件が現在認可待ちでいることに対し「農家や家の屋根にソーラーパネルを設置し、個人的に政府の省エネ政策に協力しようとしている人たちもいる」 と遺憾の念を文書で表明した。
関連記事
持続可能な経済が地球を救うには
http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=8632815&cKey=1200848698000&ty=st
安い太陽電池
http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=8008938&cKey=1184068880000&ty=st
ソーラー車のチャレンジ
http://www.swissinfo.ch/jpn/front.html?siteSect=105&sid=7990169&cKey=1183527824000&ty=st

2008年8月18日月曜日

【韓国】李大統領の建国記念演説、「新60年は環境産業」


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080818-00000011-nna-int
---中略---
 ■省エネ住宅普及へ
 政府はまた、太陽光発電装置や風力、燃料電池などを備えた省エネ住宅を20年までに100万戸を供給する計画だ。太陽光発電住宅が41万3,000戸、風力および地熱利用住宅が各29万2,000戸の普及を目指す。韓国土地公社が11年の完成を目指し、平澤(京畿道)に国内最大規模の太陽光団地(1万6,000世帯)を建設中だが、国内の省エネ住宅市場はまだ活性化していない。住宅建設業界は同市場の活性化のためには政府支援が必須として歓迎している。国土海洋部や知識経済部など関連部処(省庁に相当)は10月中に「3次新・再生エネルギー基本計画」を発表する予定だ。各紙が伝えた。

NEDO海外レポート1027号


海外レポート1027号目次  
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/index.html?nem
海外レポート1027号一括ファイル pdf(1340kB):
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027.pdf?nem

I. テーマ特集:電子・情報通信技術特集
1. 「まだまだ続く半導体の微細化」-世界のリソグラフィ技術の最新動向-(NEDO電子・情報技術開発部)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-01.pdf?nem
2. 情報通信技術(ICT)の活用による地球温暖化対策(EU)(NEDOパリ事務所)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-02.pdf?nem
3. 欧州情報社会の新しい「i2010」行動 2008?2009 (EU)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-03.pdf?nem
4. ドイツの有機半導体R&Dプログラム
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-04.pdf?nem
5. 工学・物理・科学研究会議のICT分野への研究開発支援(英国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-05.pdf?nem
6. スタンフォード大学がナノチューブ回路の大量作成を明らかに(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-06.pdf?nem
7. 驚くべきグラフェンの電子特性(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-07.pdf?nem
8. ナノインプリント・リソグラフィーをテスト(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-08.pdf?nem
9. GoogleとIBM、クラウドコンピューティング分野で協力(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-09.pdf?nem
10. スウェーデンのICT業界の動向
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-10.pdf?nem
11. 有機LED照明応用(OLLA)プロジェクトは欧州で最も効率的なOLED照明素子を実証
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-11.pdf?nem
12 省エネルギーLED照明の標準を設定(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-12.pdf?nem
13. 欧州はレーザーダイオード技術で明るい将来を見込む(EU)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-13.pdf?nem

II.個別特集
14. 太陽光発電・バロメータ2008年(EU) -EUの太陽光発電の累積設備容量は4,689.5 MWpに-
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-14.pdf?nem

III.一般記事
エネルギー
15. 小規模バイオリファイナリーにDOEが最大4,000万ドル助成(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-15.pdf?nem
16. 病院をエネルギースマートに(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-16.pdf?nem
産業技術
17. カラーのMRI撮像を可能にする微小磁石の「スマートタグ」(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1027/1027-17.pdf?nem

「地球温暖化の原因は太陽の活動」説を否定する新論文(1)


http://wiredvision.jp/news/200707/2007070922.html

 地球温暖化の原因は人間の排出する二酸化炭素ではなく、太陽の周期的な活動だ
 とする『Physics Review Letters』誌に掲載された論文について

イオン、国内最大級のエコ・ショッピングセンターを開業へ


太陽光発電導入の家庭に証書、普及後押しで来月から実験


http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080817-OYT1T00086.htm
 経済産業省は、太陽光発電システムの一般家庭への普及を後押しするため、
導入した家庭向けの「グリーン電力証書」の発行実験を9月中にも始める。
 証書は環境問題に関心のある企業などに販売できるため、導入費用の一部を
補てんできる。実験を踏まえ、2009年度には発行体制を整備したい考えだ。
 グリーン電力証書は、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用して発電し
た電気が、通常の発電に比べてどの程度二酸化炭素(CO2)を削減できたか
を証明する文書だ。すでに風力発電やバイオマス発電では発行が進んでいるが、
家庭に多く設置されている太陽光発電では活用が遅れている。家庭の太陽光発
電は規模が小さく、1件当たりの証書発行にかかる費用が割高になってしまう
ためだ。
 実験では、住宅メーカーと太陽光発電機のメーカーが参加し、メーカーが家
庭からまとめてCO2削減分の価値を買い取って証書を発行できるようにする。
家庭に発電量を測るメーターを取り付けてネットを通じてデータを集約し、メ
ーカーなどが新設する証書発行会社が証書を発行する。
 グリーン電力証書代金は1家庭あたり年2万~2万5000円程度となる見
込みで、そこから認証費用などを差し引いた金額が家庭に支払われる。

太陽光発電・日経エコロジー記事に、経産省の施策の問題点を見る・中川修治2008/08/16


http://www.news.janjan.jp/government/0808/0808124437/1.php

地球温暖化対策で大事なのは、太陽電池の設置量ではなく発電量なのです。日本で太陽光発電の普及がすすまないのは、固定価格買取制度(FIT)という積極的な支援策がなく、設置時の補助金という従来型の発想に囚われているからなのです。

 先日、「マスコミでは太陽光発電が取り上げられない日は無いのに、地方では太陽光発電の設置業者が倒産している」という表題で、日本政府の支援策の失敗で日本の太陽電池の市場が縮小しているとお伝しました。

 これに関して日経エコロジーの取材に、その失敗した政府の担当部署である資源エネルギー庁新エネルギー対策課の課長さんが取材に答えている。日経エコロジーの記事(※)を逐次参照しつつ、何が問題なのかを明らかにしていきたい。(※ 【自然エネルギー】 太陽光発電が税制優遇対象に「5年で半額」目指しコスト削減 (2008年8月12日火曜日)日経エコロジー)

【政府は太陽光発電の普及率を飛躍的に高める強化策を打ち出す。価格を3~5年後に半額にすることを目指し、税制優遇などの施策を講じるほか、企業のコスト削減努力を今まで以上に求めていく構えだ。(文/山根小雪=日経エコロジー)】

 何だかずれています。目的は、環境に負荷を与えない電力の生産です。太陽光発電の普及率というスタティックな数字ではなく、実際に日々、使われる電力の中で、どれだけそうした自然エネルギーが役立ってくれるかなのです。そして、それによって何よりも国民の「安心安全な暮らし」が支えられる筈なのです。

 【福田首相が洞爺湖サミット直前に発表した「福田ビジョン」をはじめ、政府の太陽光発電の普及強化策が一斉に明らかになってきた。資源エネルギー庁の緊急提言には、「3~5年以内に価格を半額にしたい」という野心的な目標も盛り込んである。この目標は、7月29日に行動計画として閣議決定された】

 この緊急提言は、7月の29日にパブリックコメントが締め切られたもので、その纏めも終わっていない段階で、この目標を勝手に閣議決定したというのは、あまりに拙速な対応である。というか、この緊急提言自体が、既得権益を守る為に、これまで自然エネエルギーの普及を阻んでしまったRPS法などの手直しとPPP原則(汚染者負担の原則)を無視したグリーン電力制度などのボランタリーな形で、不公平不公正を見逃す仕組みで問題の先送りをしようとするものでした。

 【緊急提言の発表後、太陽電池の買い控えが起きた。2005年度に終了した補助金が復活し、半額で購入できるようになると踏んだ消費者が多かったのだろう。だが実際には、「いったん終了した補助金を同じ枠組みのまま復活させるのは不可能だ」(資源エネルギー庁新エネルギー対策課の渡邊昇治課長)】

 そもそも、設置時補助金制度自体が、設置年度毎に負担の不公平を生み不正受給の温床になるなどの、不公正を生む問題を抱えていたものでした。そして、最後の年は1kWあたり2万円、6~10万円程度の補助金は実に非効率で、こんな額なら値引きしたほうが面倒が無くていいと良いと、その分だけ値引きした業者すら居ました。それに、太陽光発電装置が150~250万円もするものですから、これは合い見積もりをとれば下がる価格でした。マーケットメカニズムというのは本来、こうした場面で働く仕組みです。

 【政府の補助制度としては、国土交通省が実施している住宅ローン減税の対象に太陽電池を加えるといった税制優遇措置になる公算が高い。例えば、300万円の太陽光発電システムに住宅ローン減税の枠組みを適用すると、合計で数十万円の優遇になる。「税率と上限額によって優遇の度合いは変わる」(渡邊課長)】

 既に設置したものにはこの制度の恩恵はありませんね。安くなってからの人たちが優遇される。如何にも、太陽光発電市場を作る為の施策です。

 【政府の狙いは、普及率の向上とともに、企業にコスト削減努力を求めることにある。この2年で太陽光発電の世界市場は2倍以上の成長を遂げたが、価格はそれほど下がっていない。渡邊課長は、「市場が成長して価格の下がらない商品は珍しい。欧州の普及推進策のせいで、価格が高いままでも売れるから一向に安くならない」と憤る。政府の設置補助制度は、コストが下がるまでの買い控え対策との位置づけだ】

 普及率の向上って何なんでしょう? 大事なのは○○kW設置されましたという数字ではありません。◇◇◇◇kWh発電しましたという成果です。それがそのままCO2を排出しない事になるのです。地球温暖化対策で大事なのは太陽電池の設置量ではなく発電量なのです。

 しかし、今の日本の支援制度では、余剰電力として電力会社が買った分しか分らないRPS法にしろ、最近持て囃されている自家消費分の環境価値を売ってしまうグリーン証書取り引きにしろ、何れも正しい発電量はカウントできないのです。それはFIT(固定価格買取制度)によって全量がその評価の対象になるという形にしないと、誰もそんな報告を上げてくれる訳がありません。

 そもそも、社会全体の環境を良くする為に、一部の人たちに過分なコスト負担をお願いする仕組みでは上手く行く訳がありません。社会にとって有用な価値を生み出すというのなら、それ相応のお礼をするのが当然です。

 赤字の事業にだって公的な資金を出す場合は国債や公債を発行するのです。ならば、新たな価値を社会に導入する事業を「赤字でおやりなさい」という事自体がおかしな事だと気が付かねばなりません。これは、命をささえるお米を作ったら赤字になる、今の農業と同じ構造的問題があるのです。

【太陽光に政府の支援が集中
 関西電力は大阪府堺市の産業廃棄物処分場跡地に1万kWの太陽光発電所の建設を決めた。
 一連の政府方針で、日本の自然エネルギー支援策は、太陽光に集中する方向性が明確になってきた。東京工業大学の柏木孝夫教授は、「立地の制約が少なく、日本企業が高い技術力を持っている。さらに、太陽光の普及で各地の土木業者に金が回るため、地域振興策にもなる」と説明する。公共事業の新しい形が、太陽光発電の普及で開けるわけだ】

 多分、これは海外でのFITによる支援で進むメガクラスのソーラーパークを見て慌てて、メガソーラーを国内でもという(お馬鹿な)事を言った前経産大臣甘利くんの発言に過剰反応した、関電とシャープさんのことですが、柏木さんも単にこれを土建屋発想での公共事業として見てる訳で、資金効率を考えれば、如何に馬鹿なプロジェクトであるかは述べていません。

 半額補助でやると、1kWあたり100万円程度という費用が掛かるNEDO事業では10000kWでは100億円掛かるわけで、半分を補助金で出すとなると50億円も公金を支出せねばならないのです。

 これを家庭用でやるなら、それこそ問題の多い設置時補助金でも1kW2万円で済むのですから50億円で10倍の設備が設置されるでしょう。税金の使いかたとしてはどちらが資金効率が良いでしょう?

 さらに、これを一過性のものではなく1kWhにつき20円を支援する成果評価での原資とするなら、2億5000万kWh設備容量では25万Kwつまり、25倍の発電設備容量を一気に導入させられるのです。勿論、これは柏木氏が言うように各地の設置業者に金が廻る地域振興にもなるし、さらに設置した人たちへもお金が戻りますから、それが地域経済に及ぼす経済効果はもっと大きいでしょう。

大きな土木業者に金が行くよりは,もっと小規模な事業者にお金が廻るほうが余程、地域経済には効果があります。

実に不安定な電源(と電力会社は言う)を一気にこうして集中して設置するほうが余程、電力の系統には不安定要因になる筈なんですが……。

 【こうした状況のなか、これまで電力送電網への影響を理由に自然エネルギーの普及に消極的だった電力業界にも動きが出てきた。関西電力はシャープと大阪府堺市と共同で、20haの産業廃棄物処分場跡地に、自ら1万kWの太陽光発電所を建設すると発表。2010年にも発電を開始する。関西電力グループ経営推進本部の竹中秀夫マネジャーは、「原子力が基軸なのに変わりはないが、自然エネルギーをやらないでは済まない雰囲気が出てきた」と漏らす。政府が強力に推進し電力会社が前向きになれば、太陽光発電の普及に弾みがつく可能性もある】

 小さいものも集めれば大きくなります。それに、分散してそうしたものが導入されれば、いざという時にも安全です。一気に壊れる事もありません。原子力は柏崎刈羽のように巨大地震一発で丸一年以上も全く電力を供給する事が出来ておらず、安定供給が聞いて呆れる状態です。

 それに、ピークがどんどん高くなる日本の電力需要には、そうした夏の昼間の需要期に電力を作ってくれる設備のほうが余程、社会的な価値があります。こうした場合に供給される電力の価値は1kWh30円以上、場合によっては100円を超えてしまっているのです。ならば、そうした時にも役立つ電力を生み出す太陽光発電こそが、この日本には最適でしょう。

 わざわざ遠くに作らなくても空いている屋根があるならそこで作ったほうが効率も良いでしょうし、その分、影になるなら屋上が焼けることも無く、無駄なエアコンの消費電力も下げられます。

 それに、産業廃棄物処分場には燃料作物を栽培しても良いのではないかと思います。植物が光合成をするとその分太陽エネルギーを蓄積できるのですから、そうした使い方をする方が全体としてみても合理的でしょう。他にも用途はあるのす。わざわざ、そこに太陽電池を敷き詰める事は資金効率からもあまりよいとは思えません。

 一刻も早く、効率的で正しい支援方式へとの政策変更が行われる様に私達も運動を進めていかねばならないでしょう。





ペンキのように塗れる太陽電池?


http://www.gizmodo.jp/2008/08/post_4144.html
これができれば、エネルギー不足の早い解決になるのかもしれません。
まだまだコストの壁を超えられないソーラーパネルですが、この度イギリスの
スウォンジに所在する、デイブ・ワースレイ博士の研究チームより、新しい発
表がありました。
目的はソーラーパネルを塗料として作ること。彼らの研究プロダクトは、鋼表
面へのペイントによる太陽光発電への分解です。
先日お伝えした光合成で蓄電できる件も合わせて、このソーラーペイントプロ
ジェクトが成功したら、エネルギー需要の2つの大きな問題はクリアされるの
かもしれませんね。
しかし製造メーカーひとつが使うエネルギーをこのプロジェクトで総生産した
場合、50基分の風力発電に相当するエネルギーが必要なんだそうですよ。これ
を考えるとまだまだ遠い未来の話ですが、ペイントなのでローコストなうえ、
廃棄物もでない、非常にエコなアイデアだと思います。
実現したら、既存のでっかいビルやお家、飛行機や車などに塗りたくりたいで
すね。
[Inhabitat]
http://72.14.235.104/translate_c?hl=ja&u=http://www.inhabitat.com/2008/03/24/solar-power-without-a-solar-panel/&usg=ALkJrhgEil5wQoMP7Wv4k1kX4NFxMBaHeQ
Kit Eaton(原文/yuka)
http://gizmodo.com/372820/scientists-new-solar-panel-tech-paint-your-home-for-power

再生可能エネルギー分野で提携=米シリコン・ジェネシスと欧REC


http://www.businesswire.com/portal/site/google/?ndmViewId=news_view&newsId=20080812005450&newsLang=ja
【ビジネスワイヤ】半導体基板製造技術大手の米シリコン・ジェネシス(サイ
ジェン)は、ノルウェーの太陽エネルギー利用技術開発企業リニューアブル・
エナジー・コーポレーション(REC)と、技術協力と装置供給の契約を締結
した。RECは、サイジェンの開発した最新のカーフ・フリー・ウエハー(切
断面・加工面がなく切断ロスの少ないウエハー)製造技術「ポリマックス」を
薄膜PV(光起電力)基板のサンプル評価に使用するとともに、量産(HVM)
装置の開発と最適化及びシリコン・インゴット成形装置の開発でサイジェンに
協力する。この契約は、サイジェンがRECに供給するHVM装置の供給に関
する取引条件も含まれている。サイジェンは、すでに歩留まりと機械的・電気
的性能に優れた50ミクロン厚125mmウエハーのサンプルをRECに提供
するという同契約の第1段階を完了しており、150-50ミクロン厚の薄膜
シリコンウエハー量産装置の開発・設計段階に入っている。サイジェンの「ポ
リマックス」の詳細は、第23回欧州太陽光発電国際会議(9月1-5日、ス
ペイン・バレンシア)で発表される。

世界初“ ソーラー充電ケータイストラップ ”「ソーラーチャージeco ストラップ」のテレビCM放送開始


太陽光発電:5年後にグリッド電力と競合へ



http://www.sijapan.com/issue/2008/05/lo86kc0000001bh8.html
図 太陽光発電の電気料金とグリッドパリティ・ポイントの予想
(出典:米Deutsche Bank Securities社)
 太陽光発電業界は(インセンティブを伴わずとも自立した経済として)、5年
以内にグリッドパリティ(発電コストと電力売上が同等になること)を達成す
るだろう。この予想は、米カリフォルニア州ハーフムーンベイで開かれたSEMI
主催のISS(Industry Strategy Symposium)2008で、半導体の資本設備と材料
を分析している米Deutsche Bank Securities社のシニアアナリストStephen
O'Rourke氏が発表した。
 「今度こそ太陽光発電業界は過去のように日の目を見ない時代に逆戻りはし
ないだろう」とO'Rourke氏は予想する。「今日、太陽光で発電する技術は、結
晶Siや薄膜アプローチなどいくつか存在する」。同氏のプレゼンテーションの
中心を占めたのは、異なる太陽光発電技術を表したグラフだった。この曲線は
2006年に始まって2020年の推定値までを表している。「この業界の競争力を明
確に示しているのは、1キロワット時あたりのコストが下がっていることだ」と
同氏は述べた。「エネルギーを売ることが全てであって、セルやモジュール、
システムは問題ではない」。
 O'Rourke氏は、過去7年間の総伸び率が約4.5%ということを考えれば、米国
の2006年のグリッド電力コストの平均は8.6セント/kWh(混合平均)と考察した。
その後、将来の伸び率を推定した。「これにより、いつ太陽光発電がグリッド
電力に対抗できるようになるか、つまり価格が同程度になるかの時間的枠組み
が見えてくる。それは太陽光発電がグリッド電力の平均小売コストを下回ると
きである」と同氏は述べ、これらは慎重な見方だ、と付け加えた。
 同氏によると、需要と供給が太陽光発電業界の要である。「精製Siの供給が
不十分で供給上の制約があるため、生産能力を大幅に拡大すべく、設備の建設
が進められている。現在は生産能力が不足しているので、展望はとても明るく、
販売利益も大きく、企業は儲かっている。しかし、おそらく2009年から供給過
剰に陥り、ポリSiの供給が過剰になるだろう」。これは同氏が定義するところ
の「永続的な」供給過剰ではなく、需要の弾力性によって決定されるものだろ
う、と同氏は言う。「メモリー業界と同じだ。価格が下がり、利ざやが圧迫さ
れ、株価も下がる。バランスシートに問題が生じ、業界から淘汰されるものが
出てくる」と同氏は述べた。「私はこれが2〜3年続くと予想している」。
 O'Rourke氏は、特に新しい技術の登場は要素に入れられないので、控えめな
予想になったと強調した。「新技術が業界に登場すれば、全体の原動力を変え、
コスト削減曲線を変化させる可能性がある」と同氏は述べた。「私はこれが今
後5年以内に起きるとは思わない。しかし、そのような大変化が起きれば、すべ
てのコスト曲線は全体的に下がり、太陽光発電とグリッド電力のコストが一致
する時期がもっと早まるだろう」。しかし、同氏は、太陽光発電がグリッドパ
リティに到達するときでも、同技術はベース負荷発電の補完ではなくピーク電
力を補完するものとして使われているだろう、と慎重に指摘した。「太陽光発
電は今ではれっきとした産業であり、グリッド電力コストと一致する地点に達
すれば爆発的な伸びをみせるだろう」。同氏は、太陽光発電は約半世紀も存在
している最も古い新産業だ、と表現する。「今が最初の成長局面にある。我々
は、新たな生産力向上のための巨額の投資、新たな企業や新たな問題が市場に
やってくるのを見てきた。そして、供給過剰の状況を予想し始めれば、我々は
下降局面にいることになると思う。これは結晶Siと薄膜技術のどちらに対して
も起こった」と同氏は述べた。