2008年8月28日木曜日

巨大電力をソーラー(太陽熱・光電池)発電で賄う決定をしたカリフォルニア州の電力会社


出典:http://news.livedoor.com/article/detail/3795969/
http://mediasabor.jp/2008/08/post_467.html 
北カリフォルニアをカバーする電力会社のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)は、光電池で発電した800メガワットの電力を同地区の2つの会社から購入する計画を発表した。この全米初となる電力会社による光電池プロジェクトで、23万9000件の住宅に電力供給が行われることになる。PG&Eでは、550メガワットの電力をヘイワード市にあるオプティソーラーから購入する。オプティ社は、サンフランシスコとロサンゼルスの中間地帯にあるサンルイス・オビスポ郡内の9.5スクエアマイルに渡って、薄いソーラーパネルを敷き詰める計画。残りの250メガワットは、サンパワー・コープから購入する予定。サンパワー社はソーラーパワー産業をリードする企業でサンノゼ市に本社を置く。同じくサンルイス・オビスポ郡内の3.5スクエアマイルにソーラーパネルを設置する。電力の専門家は、この計画が再生可能なエネルギー産業のイメージを変える可能性があると指摘する。光電池が住宅やオフィスビルの屋根だけでなく、広く、集中型として手頃に電力を生産できることを示すことによってだ。カリフォルニア州立大学バークレー校にある再生可能なエネルギー研究所でディレクターを務めるダニエル・カムメン氏は、「この計画のスケールは、しばらく前に話されていたのと比べて10倍大きい」と話す。また、別の専門家は「恐らく今後、大規模な太陽光発電が増えていき、カリフォルニア州と米国西部での電力源の一部となるだろう」と予測する。カリフォルニア州の電力会社は、2010年までに電力の20%を再生可能なエネルギーにすることを州から命じられている。太陽光、風力、地熱発電などだ。しかし、現在のところゴールには程遠い。2007年にはPG&Eが11.4%、南カリフォルニア・エジゾンは15.7%、サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリックは5.2%にとどまっている
(解説)
 カリフォルニア州の電力会社で、再生可能なエネルギーの利用が急ピッチで進んでいる。PG&Eの全体の発電量に占める太陽光発電の割合は1%に満たなかった。それがここに来て供給契約が相次ぎ、今回の800メガワットに上るビッグプロジェクトを含めると、2013年までに24%が再生可能なエネルギーに取って代わるという。同社の資料によると、今回の2社以外に6社がすでに決定。光電池を使った太陽光発電では、クリーンテック・アメリカから5メガワット、グリーン・ボルツから2メガワットの供給を受ける契約が交わされている。そして、光電池よりも大きな規模で発電が予定されているのが「ソーラーサーマル」だ。太陽熱発電とも訳されるこの方式は、従来の光電池発電とは違う。広大な敷地に敷き詰めた鏡に太陽光を反射させ、一点に集める。その熱で高温に加熱した流体をパイプで循環させて水を沸騰、水蒸気でタービンを回して発電を行う。太陽光が必要なソーラーパネルと違い、流体が冷えない限り発電を続けられる利点がある。PG&Eでは4社とすでにソーラーサーマルによる電力契約を結び、2011年から供給が始まる予定。それぞれ規模が大きく、100メガワットから900メガワットの間で電力の供給を受け、全体では1500メガワットを超える。ソーラーサーマルはコストの点でも優れている。電力会社が大規模な光電池を使う場合、キロワット・アワーあたり40セントのコストが必要といわれる。天然ガスの10セント、風力の12セントと比べても割高だ。だが、ソーラーサー
マルでは18セントとかなり割安となる。 ちなみに今回の光電池発電のコストは明らかにされていないが、オプティ社とサンパワー社によると、スケールメリット、技術アドバンテージ、生産の効率化などによって従来のプロジェクトよりは低コストに抑えられるという。PG&Eでも、電力利用者にコストが跳ね返ることはないと話している。光電池の800メガワット供給プロジェクトは2010年から2013年にかけて動き出す計画。しかし、それまでにクリアすべき問題も残っている。例えば、巨大な発電施設が州政府などから認可を受ける際に環境保護の点で承認されるのか。また、巨額な資金手当ても課題だ。PG&Eでは再生可能なエネルギーに適用される税額控除を前提に契約を交わしているが、制度自体が今年一杯で期限切れとなる。議会のもつれなどで更新作業が進まないようだと、計画の実行自体が危うくなる可能性も残されている。

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