2008年8月4日月曜日

マスコミでは太陽光発電が取り上げられない日は無いのに、地方では太陽光発電の設置業者が倒産している。


http://www.news.janjan.jp/living/0808/0808023548/1.php
私達の経済が、環境と資源を消費している事実は認識せねばならない。その負債分は、現状の経済スキームではカウントされていない。何もしないで居る事自体が負債を日々作り出している。ところが地方では、太陽光発電の関連業者が次々と倒産している。

 江藤産業:破産申し立てへ 都城 /宮崎(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20080729ddlk45020564000c.html
【都城市都北町の江藤産業(江藤正晴社長)は28日、事業を停止し、破産手続き開始申し立ての準備に入った。民間調査機関、東京商工リサーチ宮崎支店によると、負債総額は約15億4000万円。 建材販売からスタートし、注文住宅建築工事など商品を多様化する中、主力部門の発電用ソーラーシステムの販売不振が響いたとみられる。(木元六男)】

 他のサイトを探してみたら……。

 ソーラーシステム他(宮崎)/江藤産業(株)[企業倒産情報]
【2008年07月29日 18:10 更新
 破産手続申請準備 負債総額約17億円
 代 表:江藤正晴
 所在地:都城市都北町5772番地
 設 立:1988年6月(組織変更)
 資本金:4,000万円
 年 商:(07/5)22億1,459万円
同社は7月28日に破産手続きの申請準備に入り、事後処理を谷口悟弁護士(谷口法律事務所、宮崎県都城市栄町19?12、電話:0986-22-****)に一任した。負債総額は約17億円】
 江藤産業(株)関連のHPを見ると九州全域で8000件ほどの設置実績があるとしてる。 また、「2004?2006年度 京セラ全国トップフランチャイジャー賞受賞」ともある。
 鹿児島の太陽館と言う支店のHPがあった。
 ・http://taiyoukan.net/index.htm

 環境トピックスという欄には、支店長が
【■2008/06/10 「福田ビジョン」が発表された。排出量取引制度の今秋試行。日本は2050年までの温室効果ガス削減長期目標を60?80%とするした。2020年までに14%の削減が可能との試算を発表した。この試算は太陽光発電の普及が現在の10倍に拡大し、原子力発電の割合を現在の1.5倍・45%になることが前提であります。 長期目標達成の為には2020年までに20%程度の削減が必要とされています。産官民の必死の努力が必要です。】

 と書いている。ここでは触れていないその福田ビジョンでは、「3~5年待てば半額にする」といった結果、これは潜在的ユーザーの買い控えを招来、この会社の息の根を止めた訳だ。従業員数は企業全体で85名、再就職などの経済環境が厳しい地方で全員が失業する。 さて、この会社のある都城盆地に隣接する高原町に造成以来9年間も企業進出のない広大な工業団地がある。一体、何時、こんな馬鹿な工業団地開発計画を決めたのか。私が議員か何かなら多分、議会で追求するだろう。
 ・http://www.town.takaharu.miyazaki.jp/web/sangyou/index.htm
 ここに今、注目が集まっている。宮崎県のトップセールスマン東国原知事がここに「メガソーラー発電所を誘致する」と発表したからだ(私はそう聞いた)。まあ確かに、宮崎県には売れ残っている未利用の造成済み工業団地は県内そこら中あって、用地に困る事はない。 しかし、メガソーラーは実に資金効率が悪い。大型案件が中心のNEDO事業の案件の設備価格は平均60万円前後の家庭用よりも実は1Kwあたり10万円は高い。勿論、ここでの電力の競合価格は1Kwhが15円程度の産業用電力である。ならば、公的に支援すると言うのなら、むしろ、家庭用に普及を図るほうが余程、コスト面から見ても合理的だし、地域経済への経済効果も大きい。 さらに、このメガソーラーをあろうことか県外企業で宮崎県域を営業エリアにして県内から年間1300億?1600億円にほどのお金を電気料金という名目でこの地域から持って出て行っている九州電力に作ってくれと頼んだらしいのだ。 これでは、よしんば、九電が作っても、何ら県民にとってメリットがある話ではない。その費用も含んで、九電は地域社会から電力料金を利益を上乗せして掻っ攫って行くだけの話にしかならない。 今でも、県が持っている=県民の共同所有の企業局の発電所で作られた電力を10円程度で買って行って、その電気を15円から25円程度で県民や県内企業へ売って利ざやをとっている。むしろ、地域社会に住む住民が主体となって発電所は作られるべきだろう。そうすれば、初期投資費用は掛かるが、その後のお金の流れは地域外へと流れ出さないできちんと地域内をお金が廻る経済へと変えていけるだ
ろう。これは勿論、地域内に雇用を生み、地域住民の生活を支える事にもなる。 そして、掛かったその費用を金利負担分も含めて回収できるドイツやスペイン、韓国でも取り入れられた仕組みで支える事にするなら(出来ないわけではない、やっていないだけ……)確実に、それは地域での生活の安心安全に結びつく仕組みは作り得るのだ。
※ 補助金ではこの価値が毀損する。本来支払われるべき社会的費用が低く見積もられてしまう。
 → 未来の人たちの権利を毀損することとなる。
 そうした視点から見ると、東国原構想は少し発想を変えるだけで、地域にとって本来持っている宮崎の自然のもつ経済的な価値を、今までのグローバル経済システムの中へ売り急いでしまって買い叩かれないで済ませる、未来を拓く仕組みへと育てられるように見える。 自分達が持っている経済的な価値についてきちんとした議論をするべきなのだ。自然と資源と環境の持つ価値を正しく評価していない、現在の経済システムで評価した価値で取り引きする事自体が価値の毀損を招くだろう。それは、未来に人たちの持っている権利をも安く買い叩く事に繋がる事に、気がつかねばならない。 さらに、これはCO2を出さない環境に負荷をかけない、つまり、未来世代に負担をかけない仕組み=未来の経済システムのたたき台ともなるだろう。今の経済システムで計算することは、その負担を先送りする事でCO2と放射性廃棄物という負債を未来に残す事になる。 一方、私達がいま、この仕組みを作って見かけ上負担があるが正しく社会の資金が再生可能な自然エネルギー生産の仕組みへ固定化されるようにすれば、それは全体としては新たな価値を人間の社会に導入している事は確かであり、その分だけ人間の社会の富は増やすことになる。 実体経済としての負債が増えないことが実は大切なのである。つまり、地域の生産力を上げて行く事が大事で、それを担保として私達は次世代に
引き継げる持続可能な経済システムを構築せねばならないのだろう。 つまり、ここで新たに生産される、人類社会へ導入されるエネルギーの価値をどう位置付けるのかという事が問われている訳なのだ。 私達の経済が、環境と資源を消費している事実は認識せねばならない。その負債分は、現状の経済スキームではカウントされていない。つまり、何もしないで居る事自体が負債を日々作り出していることなのだ。 この事実を自覚する事はかなり辛い事だが、そこからしか私達は始められないのだと思う。

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