2008年7月15日火曜日

Lotus社、ブリティッシュモーターショーにエコカー「Eco Elise」を出展


図2◎ルーフにソーラーパネルを搭載


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080711/154730/
2008/07/11 22:27
英Lotus社は、ブリティッシュモーターショー(British International Motor Show、一般公開日:2008年7月23日~8月3日)に、環境に配慮したコンセプトカー「Eco Elise」を出展すると発表した。単に走行時のCO2排出量を減らすだけでなく、車両の生産から廃棄するまでのトータルで環境性能を向上することを目指し、環境に優しい素材の採用、製造工程での有害物質の削減、再生可能エネルギの利用、物流でのCO2削減、燃費効率の良い運転方法の支援、軽量化を図った。

 素材面では、麻や羊毛といった天然素材を用いた。強度が優れている麻の繊維とポリエステル樹脂の複合材をボディパネルとスポイラーに採用している。天然素材を使った複合材の開発は、将来、完全にリサイクルできる材料にすることも期待できるという。シート表皮や内装材には生分解可能な羊毛繊維を使う。自然の風合いを残し、羊の種類を変えることで色を変え、染色や加工による有害物質の排出をなくした。さらに丈夫な耐摩耗材料のサイザル麻をフロアマットに使用した。

 麻を使った複合材で作られたルーフには、二つのソーラーパネルを取り付け、車載電子機器に電力を供給する。今回、湾曲した面にソーラーパネルを設置できたため、今後はもっと多くのパネルを他の部分に搭載できるとしている。

 Eco Eliseは、従来品より1500g軽いアルパイン製ステレオおよびスピーカシステムを採用した。さらに、市販している「Elise」の軽量ホイールよりさらに軽量化したホイールを備え、4輪合計で15.8kgを削減した。これらにより「Elise S」と比べて32kg軽くなっている。軽量化による燃費向上に加え、効率の良い運転を支援するため、燃料消費が少なく、排ガス中の有害物質を低減できる最適な変速ポイントを、インパネのディスプレイに示すソフトウエアを開発した。

 製造面では、水性塗料の塗装システムを米Du Pont社と共同開発した。下塗り、カラーコート、ラッカーの工程を経た塗装は、“Aクラス”の仕上がりになるという。溶剤を使わないため、VOC(揮発性有機化合物)排出量を削減でき、塗装工程で焼き付けをしない分、消費電力の低減にもつながる。この技術は、近い将来、同社の量産車に使用するという。

 ボディパネルに用いた麻はグレートブリテン島の東南地方で栽培されたもので、成長過程でCO2を吸収している。塗装工場や組み立て工場の位置を近くしたほか、効率を重視してカンバン方式を採用した物流システムを構築することで、物流面でのCO2の排出を削減した。

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