2009年4月20日月曜日

【中国】ソーラーセル最大手の Suntech Power、4,000人のリストラへ


出典:http://japan.internet.com/finanews/20090116/2.html
金融危機による影響の下、中国のソーラーセル最大手 Suntech Power (无錫尚
徳) が過去最大規模の人員削減を進めている。同社の元従業員が「中国経営
報」に語った内容によると、「今回のリストラで4,000人近くを削減、一部の
生産ラインはすでに稼働停止に陥っている」と語った。

今回の危機は早くからその兆候が現れていた。Suntech Power の2008年年初の
株価と株式時価総額はそれぞれ90ドルと109億ドルであったが、2008年12月29
日の米国 NYSE 市場での株価は10.69ドル、株式時価総価額は約16億ドルに落
ち込んでいる。同社の業績も金融危機発生後に急降下を示し、株式時価総価額
は昨年一年間で約100億ドル(80%)減少した。

しかしこうした状況は Suntech Power だけに限られたことではなく、ソーラ
ーセル産業全体が瀕している問題である。受注量の激減、人員削減、一部製品
の生産停止など、秋風が落ち葉を吹き払うように業界全体に吹き荒れている。

「解雇対象の人員は Suntech Power 全体の30%前後に及ぶ。すでに50%程度
の生産ラインが稼働停止状態だ」と、上述の元従業員は述べている。人員削減
の手法も様々で、例えば契約満期をもって再雇用契約を行わない、あるいは試
採用期間終了後に正社員としての契約を結ばない、能力試験を通じ不合格であ
れば再雇用しない、などの方策が採られているという。

情報によれば今回の人員削減は昨年10月から開始され、毎月の対象者数は数百
人単位に上っている。こうしたリストラ策は計画に則って行われており、総数
は今月中にも4,000人前後に達すると見られている。

中国経営報が Suntech Power に直接問い合わせたところ、同社広報部責任者
の鮑俊氏は「これは人員削減ではなく、“季節的”な調整である。主因は不況
に入って以来、当社の主な販売先であるヨーロッパ顧客の太陽エネルギー関連
製品販売が低迷し、需要が大幅に減少した。よって、当社も稼働率を上げるこ
とが出来ず、現在は以前の50%程度にとどまっている。同様に2006年、2007年
の年末時期にも相応の生産調整をしており、中国の大部分の企業が同じように
対応している」と述べている。

また同氏は、「数千人の従業員が解雇されたと言うが、“人員削減”という言
い方は適切ではない。正確に言えば“淘汰”である。毎年一部の従業員の入れ
替えを行っており、これは企業運営上、正常な方策だ。当社は優秀な人員を求
めている」と語っている。

ソーラーセル市場は雨後の竹の子のごとく増えた新進企業と金融危機、それと
材料であるシリコンの供給が潤沢になるにつれ、大幅な値崩れが始まっている。
しかし、各国政府がグリーンエネルギーを標榜し始めたことで、中長期的には
大きな飛躍が期待されている。金融危機の中、多くの小規模企業が淘汰の荒波
に消えると予想されるが、将来的な大市場となるのは間違いないだろう。



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