2008年7月11日金曜日

ニッポン太陽電池産業が地球を救う?



http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/12/siliconeswatch12a.html
豊崎 禎久 ジェイスター株式会社 代表取締役 2008/6/30
半導体やエレクトロニクスに関係したトピックは、その背後に企業や国家の世界的な駆け引き、覇権争い、長期戦略が複雑に絡み合っており、国際的な視野なくして理解できない。ハイテク産業で第一人者のアナリストを筆者に迎え、最新ニュースの裏を読むコラムを毎月お届けする。(編集部)
今回の半導体ウォッチは、地球温暖化と密接に関係している食糧危機の問題をニッポンのハイテク技術によって、これらをいかに克服するかという壮大なテーマを、これから2回にわたって読者の皆さんと真剣に考えてみたい。
●地球規模で発生している気候変動
 この数年、巨大台風や竜巻などのニュースをよく目にするようになった。地球温暖化による環境の変化が、これらの大きな気候変動を引き起こしているともいわれる。2004年に製作された「デイ・アフター・トゥモロー」やノーベル平和賞を受賞した元アメリカ副大統領アル・ゴア氏の「不都合な真実」などは、地球温暖化問題に対する警鐘である。これらの映画で描かれた世界を、単なる「映画の中の話」として見るか、それとも地球の未来像の一つとしてとらえるのとでは大きな差がある。事実を事実としてとらえて将来を見通す力が、いまわれわれには必要だ。2005年、米国南東部を大型ハリケーン「カトリーナ」が襲った。このハリケーンでは多くの被災者を出した。2007年6月、欧州で異常気象が発生したことも記憶に新しい。また、2008年5月には、ミャンマーに大型サイクロンが上陸。災害による死者・行方不明者は13万3000人に上るという。2008年6月には、アメリカ各地に連続的なトルネードが発生し、世界各国でさまざまな気象変動の現象が表れ始めている。
●関連情報
ハリケーン「カトリーナ」被災者、仮設住宅閉鎖でホームレス化の恐れも(AFPBB Newsより)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2368663/2768206
欧州各地で異常気象、英国では洪水で死者(AFPBB Newsより)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2244836/1722788
ミャンマーのサイクロン被害、死者・行方不明者13万3000人超(AFPBB Newsより)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2392036/2933928
暴風雨に竜巻、熱波、降雪 米国各地で異常気象(CNNより)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200806120017.html
人類存亡の危機を救うのは日本のテクノロジー
 地球温暖化の問題は、エネルギーだけでなく、食糧問題にまで飛び火している。食糧と水に関する問題は、人類が生存するうえで避けては通れない。当社(ジェイスター)の世界半導体予測シナリオどおり、穀物価格の急騰を受け、パンや米を買えなくなった市民たちの抗議デモや暴動がアフリカやフィリピンなど、世界各地に広がっている。現在の穀物価格の高騰は、世界食糧計画(WFP)が行う食糧支援にも、大きな影響を与えている。食糧自給率が39%(エネルギー自給率は4%)である日本も無関係ではいられない。食糧問題は、国家安全保障に直接かかわる問題である。仮に、第三国に海上封鎖をされた場合は、どうなるのか? 現在の日本は強いリーダーシップがあるとはいえないし、強い外交力があるともいえない。同じ小国でありながら、クラスター爆弾全面禁止の交渉に臨んだフィンランドは対照的に外交能力が非常に高いことが分かる。日本国の未来は果たしてあるのか? 結論を先に述べてしまうが、これらの地球的規模での人類存亡に問題を克服するには、日本の技術者とテクノロジーであるとジェイスターでは考えている。
●関連情報
食糧危機:きしむ世界/1(その1) 暴動で政権倒れたハイチ(毎日jpより)
http://mainichi.jp/select/world/news/20080602ddm001030082000c.html
クラスター爆弾「全面禁止」 日本も条約案容認へ(asahi.comより)
http://www.asahi.com/international/update/0529/TKY200805290033.html(現在は閲覧不可)
目指すべきは「偉大なる小国ニッポン」(本連載6回目より)
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/06/siliconeswatch06a.html
低炭素社会作り実現こそが日本産業復活につながる2007年5月日本政府は、「クールアース50」において、世界全体の温室効果ガス(CO2)排出量を現状に比較して、2050年までに半減させるという長期目標を掲げた。
●その基本理念は、次の3つである。
1.カーボン・ミニマムの実現
2.豊さを実感できる簡素な暮らしへの志向
3.自然との共生
 この社会実現をするためには、イノベーションの促進や産官学の協力体制の確立が必要になる。ビジネスを絡めたテクノロジー開発は政府政策であり、産官のスキーム作りは必須である。低炭素社会を実現するために、産業分野では、環境負荷の少ない商品の提供、環境負荷を削減するための新サービスの提供など、日本企業が果たす役割は大きい。このようなスキームを促進するためには、個別の企業(業界)でのCO2削減の対策だけでなく、産業セグメント(事業ごと)規模でも、社会全体のCO2削減に寄与する側面について正しく評価し、産業界を支援する仕組みを構築していく必要がある。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、気温上昇による生態系の変化や、農業や林業、水資源に与える影響などが指摘されている。日本政府の地球温暖化問題に関する懇談会が2008年6月16日にまとめた提言では、低炭素社会の実現を目指して、「技術、エネルギー、資金、社会(制度)それぞれにおけるイノベーションが不可欠である」としている。2050年の温室効果ガス半減に向けて、低炭素社会転換の必要に迫られている。その一端を担うのが太陽光発電だ。経済産業省は2030年までに発電効率40%超を目標に、産学連携で太陽光発電の研究開発拠点を新設するという。また、太陽光発電の普及に向け、補助金制度や優遇税制の検討など新エネルギー政策をまとめた(ドイツの太陽光発電市場拡大の理由は、フィード・イン・タリフ(FIT)政策による)。福田康夫首相が2008年6月9日に発表した地球温暖化の総合対策(福田ビジョン)を受け、2008年6月24日に総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会で提言が発表された。太陽光発電の導入量を2020年までに、現状の10倍、2030年までに現状の40倍に引き上げるべく、太陽光発電の導入を促す補助金を検討している。これは、われわれを含めたロビー活動の成果が表れているのかもしれない。この政策は、日本の太陽光発電産業を強力に後押しするものである。しかし、この政策に甘えてはいけない。日本のエレクトロニクス企業の習性は、「引きこもり型」であるので国内のビジネス基盤を固め、テクノロジーを磨きつつ、グローバル市場に進出しないと、日本の携帯電話のようにガラパゴス携帯電話(太陽電池)になってしまう。この政策はあくまでも、国際競争力強化の秘策ということを産業界と企業、消費者は理解しておくべきである。
●太陽電池産業はバブルの最中、今後は競争が激化する
 すでに世界の太陽光発電産業は、バブルの中にある。このバブルは弾けないが、新規参入による企業競争が激化する。日本の太陽光発電産業の急成長の抑制要因と考えられるのが電気安全環境研究所(JET)の存在である。JETは日本国内向けの電化製品などを認証する機関である。試験、検査を行うがそこで出現した不具合などの問題を製造元にフィードバックできていない。製品開発のスピードを向上させるには、このフィードバックが不可欠である。ジェイスターの提案としては、同研究所は太陽光発電など商品(半導体デバイス含む)の評価を迅速に行い、仮に認定試験の評価に問題が発生した場合は、企業側に不具合モードの情報開示と改善アドバイスを行い産業を強化する立場に立っていただきたい。図1は、ジェイスターの世界電力/太陽光発電の予測である。太陽電池による発電量を世界電力生産量の1%、10%、100%という3つのシナリオを軸にしている。太陽電池による発電量は2040年まで、右肩上がりで成長する。2040年には、世界全体の発電量のうち約20%を太陽電池が占める見込みである。30年間リセッションがなく、経営リスクの少ない魅力的な市場である。しかし、革新的な技術を生み出せない戦略なき企業はコスト競争力という面で淘汰されていくことになる。

図1.世界電力生産量/太陽光発電生産量の予測(出典:ジェイスター)
「太陽光発電業界は、5年以内にグリッドパリティ(発電と送電に掛かるコストと電力売上が同等)を達成するだろう」との予想を米Deutsche Bank Securities社のシニアアナリストStephen O'Rourke氏が発表したという。加えて同氏は、「太陽光発電はいまでは自立した産業であり、グリッド電力コストと一致する地点に達すれば爆発的な伸びを見せるだろう。太陽光発電は約半世紀も存在している最も古い新産業だ」と話したという。太陽光発電に採用される技術は、半導体・液晶技術の応用であり、微細化を必要としない。微細化こそハイテクという日本の技術者が信じている常識を覆すものである。これはローテクこそ、成長するハイテク産業であることを証明している。
関連情報:IPCC 第4次評価報告書(気象庁Webサイトより)
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/index.html
「低炭素社会実現」提言受け 首相が行動計画策定を指示(北海道新聞より)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/99170.html
太陽光発電:5年後にグリッド電力と競合へ(Semiconductor International Japanより)
http://www.sijapan.com/issue/2008/05/lo86kc0000001bh8.html
「太陽光発電のコストを半分に」(EE Timesより)
http://www.eetimes.jp/contents/200803/32365_1_20080319194926.cfm
太陽光発電の研究開発拠点、6月にも新設――経産省(NIKKEI NETより)
http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=MMECn1984629042008
太陽光発電、3―5年で価格半減へ 経産省が新政策発表(NIKKEI NETより)
http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=AS3S2302K%2024062008
電気安全環境研究所
http://www.jet.or.jp/disclose/index.html
●大きく様変わりしようとしている、太陽電池市場の動向
 2004年までは、セル生産量も太陽光発電の導入量も世界一であった日本だったが、ここ数年はドイツのQ-Cellsを筆頭に海外メーカーに圧倒され、日本メーカーのシェアは急速に低下している。2006年の世界太陽電池生産量は、2520MWであった。図2は、太陽電池シェアデータで最も精度の高いPV Newsの2007年の太陽電池生産シェア(速報値)である。シャープは2007年累計値でついに世界第1位のポジションをQ-Cellsに追い抜かれ、中国Suntech、台湾MOTECHにも太陽電池ビジネスをキャッチアップされ、京セラや三洋電機など日本勢は総崩れの状況である。これは、半導体や液晶産業と同じ負け組の構図である。

図2 2007年太陽電池生産シェア(出典:PV News公のデータを基にジェイスター作成)
太陽電池市場におけるドイツの成長要因は、2004年に導入した固定買取制度(FIT)である。事業所や家庭が太陽電池で発電した電力を、電力会社が決まった期間(長期)固定料金で買い取るよう義務付けた制度だ。通常この制度で買い取られる電力は、市場価格より高く値付けられている。このモデルは「太陽光発電」が投資となっている。海外メーカーの強さとして、資材調達が優れていることが挙げられる。これは携帯端末のNokia社と同じ負け構図がこの市場でも日本企業に顕著に表れている。筆者が何をいいたいのか? 本連載でも取り上げているが、戦略的資材調達が重要なのである。資材調達には、取引先に関して戦略パートナーとしてのポジショニングを明確にすること、相手側にも適切な利益を渡すことが必要であるということである。日本メーカーは原材料である多結晶シリコンの調達でつまずいた。シリコンの需要が増えたため、シリコンメーカーへ前払い金支払いや長期契約が行われるようになったが、日本メーカーはこのスキームについていかなかった。そして、シリコンの価格が高騰、十分な量を確保することができなかった。現段階では、発電効率競争の技術で負けたわけではないのである。よって、巻き返すチャンスはある。しかしながら、日本の技術者は良いもの作りたいという技術志向が強く、グローバル視点の戦略マーケッターの視点が完全に欠如している。日本市場は、設置面積の制限があり、特に狭小住宅の場合、発電効率は重要であるが、欧州や中東など地域は、多少の品質低下分はシリコンの面積で発電量を増やせばよいのである。日本メーカーは発電効率をあまりにも重視してしまった。ここに、日本勢がシェアダウンした理由が隠されている。品質重視というよき日本企業の常識的考えが、世界では通用しない非常識となっている。ジェイスターでは、グローバル市場でのビジネス獲得のためには、非常識の中にこそ、企業成長の材料があると考えており、読者の皆さんも一度時間を取って考えてみてほしい。しかし、日本太陽電池メーカーのシェアダウンは、企業のみの問題ではない。そこには国の失策がある。2003年、住宅向け設置補助金の打ち切りを決めた。これによって国内の需要が落ち込んでしまった。ここにも原因の一端がある。先に述べたようにようやく日本も再度補助金を導入する方向で調整している。電力グリッドは、社会インフラの基幹電源であり、国の政策と産業活動が連動しなければ、グローバル市場の中で国際競争力を維持しつつ企業存続はすることは難しい。後編では、拡大する太陽電池市場で日本が進むべき道を解説する。
●関連情報
日本の太陽電池メーカー自滅の原因はエネルギー政策の失敗(diamond.co..jpより)
http://diamond.jp/series/industry/10015/
松下と三洋が提携案、将来の経営統合も(YOMIURI ONLINEより)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080427-OYT1T00715.htm(4月26日の記事、現在は閲覧不可)
混沌とする2008年世界半導体市場その先行きは?(本連載11回より)
http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/11/siliconeswatch11a.html
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http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/articles/siliconeswatch/13/siliconeswatch13a.html
●急速に進む太陽電池市場の拡大
 前回述べたように、太陽電池市場を巡る状況は大きく様変わりし、日本内外でめまぐるしく市場動向は変化している。主だった動きを見てみよう。Q-CellsがシリコンメーカーのノルウェーREC Scanwaferに出資。そして、REC Scanwaferは2006年に住友商事と長期大型売買契約を締結した。ここで調達された多結晶シリコンはシャープに販売される。また、三洋電機は、太陽電池事業が他社に買収される可能性が出てきたとの声もある。松下電器と三洋電機の経営統合の噂話もこれが背景にある。筆者が皆さんに知っていただきたいのは、いま、太陽電池ビジネスは「資金さえあれば、太陽電池を大量生産できる」状況であり、それゆえに市場に次々と新たなプレーヤーが参入してきているということである。米Applied Materialsやアルバックなどの製造装置メーカーによる手厚いサポートもある。太陽電池(薄膜系)製造装置一式を納入するだけでなく、製造技術のコンサルテーションのサポートもある。新興企業が大躍進している理由はここにある。資本と安い労働力があれば、世界のどこでも高品位な太陽電池が作れるのである。2011年まで半導体市場は、ダイナミックな成長がなく低迷する。半導体・液晶と太陽電池の製造工程は共通点が多く、技術を転用しやすいため、リソースも共通化できる。従って、製造装置メーカーは激戦区の液晶に次ぐ高い収益源として、環境ビジネスに大きくシフトをするだろう。
●関連情報
REC Scanwaferとの太陽電池用シリコンウエハーの長期大型売買契約締結について(住友商事Webサイトより)
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/2006/20060919_124518.html
●知的財産の分析から見る太陽電池
 IPB社は、太陽電池市場に参入する日本企業の技術競争力を特許の質と量の両面から総合的に評価した「出願人スコアランキング」を発表している。図1のバブルチャートは、この分析結果である。この報告書は、「IPB特許・技術調査レポート -特許の質と量から見る競合企業分析:太陽電池-」内に分析されており、この出願人スコアは、各出願人が出願した特許の総合力を測るための指標で、同社が独自開発した特許自動評価システム「IPBパテントスコア」により算出し、出願人ごとに抽出/合算したものである。同社の分析によれば、出願人スコアランキングでは、1位はシャープ、2位はキヤノン、3位は三洋電機となった。IPB社によれば、シャープは結晶シリコン型太陽電池や化合物型太陽電池、有機型太陽電池など幅広い分野での技術競争力が高く、中でも結晶シリコン型と有機型の出願人スコアがトップであった。また、キヤノンはすでに太陽電池事業から撤退しているものの、アモルファスシリコン型太陽電池における出願人スコアが高く、三洋電機はアモルファス型および結晶シリコン型において高い技術競争力を示しているという。グラフを見ると分かるように、材料メーカー3社、特に信越化学工業/信越半導体の出願人最高スコアの高さは顕著であり、同社がこの市場参入を狙っていることが分析できる。ジェイスターでは、企業の知的財産の価値を正しく評価し(または、特許情報から将来の競合企業の事業戦略を読み解く)、特許を経営戦略の一部として組み込む必要があると考えている。そして、海外太陽電池メーカーを戦略的特許で、先制攻撃することが日本の太陽電池産業を守ることになるだろう。

図1 出願人スコアマップ:全体(出典:IPB社)
●関連情報:IPCC 第4次評価報告書(気象庁Webサイトより)
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/index.html
「低炭素社会実現」提言受け 首相が行動計画策定を指示(北海道新聞より)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/99170.html(現在リンク切れにより閲覧不可)
太陽光発電:5年後にグリッド電力と競合へ(Semiconductor International Japanより)
http://www.sijapan.com/issue/2008/05/lo86kc0000001bh8.html
「太陽光発電のコストを半分に」(EE Timesより)
http://www.eetimes.jp/contents/200803/32365_1_20080319194926.cfm
太陽光発電の研究開発拠点、6月にも新設――経産省(NIKKEI NETより)
http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=MMECn1984629042008
太陽光発電、3―5年で価格半減へ 経産省が新政策発表(NIKKEI NETより)
http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=AS3S2302K%2024062008
電気安全環境研究所
http://www.jet.or.jp/disclose/index.html
●太陽電池市場に参入しない日本半導体企業
 2008年6月に東京応化と米IBMが非シリコン系のCIGS(銅(Cu)・インジウム(In)・ガリウム(Ga)・セレン(Se))太陽電池モジュールの製造プロセス技術、材料および装置の共同開発を行うことを発表した。米Intelも社内の新規事業部門を分社化し、太陽電池開発ベンチャーの設立を発表し、この分野への事業拡大を狙っている。独Qimondaは独Centresolarと合弁企業を設立。多結晶シリコンの太陽電池事業へ乗り出した。米CypressはSunPowerを子会社化、米National SemiconductorはSolar Magic技術で太陽電池市場に参入する。また、米Nanosolarが太陽電池モジュールを年間1GWの規模で製造する装置を開発したと明らかにするなど、米国の環境市場の拡大と技術開発は急速に進んでいる。それだけではない。アジアでも動きが見られる。NexPower Technologyは台湾United Micro-electronics Corp社(UMC)ファンドリー企業の子会社である。20億台湾ドルを投じて、薄膜シリコン型太陽電池の製造ラインを台湾の新竹市に構築した。

多くの企業が、太陽電池産業に参入しているが、日本の半導体メーカーは残念のことに1社も参入をしていない。ソニーが製造コストの安い色素増感太陽電池を開発したと発表している程度である。ソニーは、いまのところは太陽電池の事業化は未定である。太陽電池には、いま非常に強い需要があり、なおかつ高い利益が確保できる。このリセッションの無い市場に参入しない。これが日本の常識論なのであろう。課題となっている多結晶シリコンなど材料メーカー各社が増産計画を打ち出している。チッソ、新日鉱ホールディングス、東邦チタニウムの3社が設立した合弁会社は、2010年度から太陽光パネルの主要原料の1つである多結晶シリコンを年間400トン製造することを発表した。2012年度には3000トン体制、将来は1万トン体制を目指す。シリコンウェハメーカーのSUMCOも佐賀に新工場を設立し、太陽電池向けウェハの大幅増産を行う。エム・セテックやJFEスチールも増産する。半導体向けで世界最大手の信越半導体は、太陽電池向けを手掛けていないが、将来の有望市場として調査・研究しているとしており、参入してくる可能性もある。

表2は、各社シリコン増産発表をまとめたものである。ジェイスターの最新多結晶シリコンの予測では、多結晶シリコンの世界は、各社増産体制により供給と需給のバランスは取れるものと見ている。ジェイスターの最新の調査では、2010年の多結晶シリコンの市場勢力図は、下記のようになると予測する。
米国 4万2900トン/年
欧州 3万6000トン/年
中国 12万5800トン/年
韓国 5万8000トン/年
日本 1万9100トン/年
出典:ジェイスター(2008年3月)
2006年生産実績は3万3300トンで、2010年以降の稼働中・工場着工済みの生産量は15万4700トン、計画中ものを含むと28万1800トンとなる。半導体用途は2010年以降の需要も30000トン/年である。日本のトクヤマなど有力企業も2010年以降には、トップ10外となり、結果的に、日本の予測シェアは、5.8%程度となるだろう。この供給量に対して、安易に薄膜系太陽電池に技術をシフトさせることは日本太陽電池メーカーが世界と差別化ができなくなることになる。経営陣には、慎重に判断し欲しい。
●関連情報
SUMCO、太陽電池ウェハ4倍に増産――佐賀に新工場(NIKKEI NETより)
http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=MMECn1039910092007
“イケイケ”の太陽電池業界、洞爺湖サミットが追い風となるか(diamond.co.jpより)
http://diamond.jp/series/inside/06_14_005/
キマンダとCentroSolar Group、太陽電池の製造で合弁会社設立(キマンダWebサイトより)
http://www.qimonda.jp/about/press/releases/CentroSolar_J.html
サイプレスCEO:「エネルギー問題の解決には戦略の転換が必要」(CNET Japanより)
http://japan.cnet.com/interview/biz/story/0,2000055955,20200328,00.htm
ナショナル セミコンダクター 太陽光発電の性能を最大限に高める新技術により 太陽光発電システム市場に参入(ナショナル セミコンダクターWebサイトより)
http://www.national.com/JPN/news/item/0,4140,719,00.html
コマツ、多結晶Si事業の米国子会社ASiMIを売却へ(Semiconductor Internationalより)
http://www.sijapan.com/breaking/0506/30bu_komatsuseisakusho050629.html
●日本の行くべき道とは
 今後、日本にとって、戦略上重要なのは、資源外交である。シリコン系・化合物系太陽電池(半導体、液晶、自動車など全産業で必要となる)の原材料となるレアアースやレアメタルは海外からほぼすべてを輸入に依存しており、特に多結晶シリコンの原材料のケイ石は中国から約80%輸入している。中国はすでに戦略物資であるレアアースなどの輸出制限を始めており、自国産業育成の名のもとに、日本のエレクトロニクス産業を一掃することも可能であるということは十分理解しておく必要がある。よって、日本の取るべき道は、中国をアジア圏経済産業戦略パートナーとポジショニングし、中国国家元首(胡錦濤国家主席)が来日した際のメッセージである日中「戦略的互恵関係」を早期に拡大をすべきである。中国は、資源大国であり、資源調達の大国でもある。隣国との無益な争いは極力避け、アジアの発展とともに日本の成長を見い出す必要があるだろう。
●ハイテク王国ニッポン復権のシナリオ
 日本は、2008年7月に開催された主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の議長国である。世界の温室効果ガスの排出量を2050年までに半減させるには、先進国は60~80%の大幅削減が求められている。最新の国際エネルギー機関(IEA)のエネルギー技術予測の報告書によれば、世界各国の政府が現行の経済・産業政策を維持した場合、2050年までに世界のCO2排出量は130%、原油需要は70%増加する可能性があるという驚くべき見通しを示した。この報告書には2050年までに、CO2排出量を半減させるためには総額45兆米ドルの投資が必要とある。CO2排出量を減らすため各国政府は、地球温暖化に対する取り組みの協調と地球規模のエネルギー技術革命を実現しなければならない。地球温暖化という地球規模のピンチは、環境ハイテクの先進国である日本には、大きなビジネスチャンスとなろう。日本が世界に貢献できる事は何か? これは、日本のハイテク産業界にも問われている命題でもある。地球温暖化を改善するためには、当然ながら、太陽電池を採用した次世代自動車、次世代統合型ポータブルデバイス(iPhoneを超えるような)、環境半導体(SiC・GaNパワーデバイス)など環境テクノロジーに期待が高まることになる。北海道洞爺湖サミットは、地球環境サミットと銘打っている。サミット開催に合わせ、前もって噂されていた税制や電力買い取りといった、太陽光発電への優遇策「福田ビジョン」が打ち出された。これは日本国、産業界には必ずプラスに働くことになる。しかし、われわれは肝に銘じなければならないことがある。過去の歴史が物語るように巨大文明は必ず滅んだということである。テクノロジーが万能でなく、テクノロジーにおぼれるものはテクノロジーに滅ぼされるということである。 自然への崇拝や恐れの喪失、自然を軽視すると、必ずしっぺ返しを受けることになる。これがいま、地球規模で現れている気候変動なのかもしれない。エネルギーや食糧の消費もある。ジェイスターが予測する「未来は暗い」。これが冷徹な現状分析なのである。しかし、多くの困難を乗り越えてきた日本国(人)は、自国の経験した公害や環境問題、省エネなど技術により、世界に尊敬され貢献できるだろう。日本の環境テクノロジーを世界に配信しつつも、企業としてきちんと収益を上げるモデルを日本企業は確立しなければならい。そのためには、日本政府に対する産業界の正しきロビー活動も必要となる。
●関連情報
世界のCO2排出量、現行政策継続なら2050年までに倍増=IEA(ロイターより)
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-32138920080606

筆者紹介:ジェイスター株式会社 代表取締役豊崎 禎久(とよさき よしひさ)
米フェアチャイルド社、ソニー セミコンダクター社、米シグネティックス社、蘭フィリップス・セミコンダクタ社などを経て、米LSIロジック社では開発戦略を立案するストラテジック・マーケティングとして活躍。米ガートナー社の日本半導体市場およびロジック、マイクロコンポーネント、IP市場とマルチメディア機器の主席アナリストに着任。米調査会社で日本法人代表を務め、2006年4月エレクトロニクス・半導体・エネルギー分野における調査・研究・戦略コンサルティング事業を行うジェイスター株式会社を設立し、代表取締役就任。現在、産業アナリスト、エコノミストとしてブルームバーグTVや日経CNBCなどに定期的に出演、講演多数。元NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)技術委員、元東京工業大学精密工学研究所パテント評価委員、福岡先端ハイテクLSI開発クラスター外部評価委員会委員、神奈川県知事のプライベート・アドバイザー、自由民主党本部にて参議院議員 岸信夫氏と共に「これからの日本産業を考える会」を発足。座長を務める。

政投銀・山家氏:太陽光発電パネルで日本勢の将来「心配していない」


http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003006&sid=aHNd3jUxXpII&refer=jp_energy
7月9日(ブルームバーグ):日本政策投資銀行の山家公雄審議役は9日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、太陽光発電パネルをめぐる国際競争などについて語った。主なコメントは次の通り。
ドイツや中国の企業が伸びている:
「ドイツは世界を引っ張った震源地であり、政府もかなり支援をした。中国企業は米国のマーケットに上場して大量のお金を割と簡単に集めて大胆に設備投資やシリコンの購入契約を結んでいる。経営の迅速性、大胆性がドイツも中国も功を奏している」
具体的企業は:
「ドイツでは、昨年シャープを抜いてナンバーワンになったキューセルが代表的な会社。比較的王道を行っている会社で強敵」「中国のサンテックは会長がかなり技術を知っている」「米国のベンチャー、ファーストソーラーは薄膜の新技術を積極的に導入して技術力がある。この3社が注目」
日本は競争力を再び取り戻すことができるか:
「日本は技術力、コスト力はある。今の需要爆発は政策支援型で、作れば売れる状況。大胆に設備投資したり、原料を確保したりしたところが先行している。必ずしも日本がコスト競争力に負けているというわけではない。いつまでも補助金で対応するのは難しい局面になったとき、つまり本当にコスト競争になったときに日本は強いはずだ、と考えている」「ただ、需要が爆発しているときに需要を取ったものが結局強くなってしまうのではないかという見方もある。日本企業はそこを随分意識しており、目先の爆発の需要も取り込む設備投資をしながら技術開発を進めていく向きが出てきている。シャープは堺市に100万キロワット級の大規模な工場をつくる。日経新聞によると、昭和シェルもやはり100万キロワット級の設備投資を世界中でやる。日本も現状を見据えつつ、テクノロジーを伸ばしていくことをやり始めたと思うので、心配していない」

環境問題の新たな指標「グリーンデックス」日本人の環境意識は14カ国中11位



『見てわかる地球の危機~温暖化を生きる~』特別付録DVD「地球環境レポート2008」付き 価格1890円(税込)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080709/164924/
2008年7月11日 金曜日 藤田 宏之
先週は、温暖化と宅地開発の影響で加速度的に広がりつつある米国西部山火事の実態をお伝えしたが、こうした自然現象や気候の異常は、地球規模で起きている。 ナショナル ジオグラフィックでは、これまで急速に進む温暖化の実態を迫力のある写真とともにお伝えしてきたが、7月には、それらを集大成したムック「地球の危機」を発行したので、本誌と合わせてご覧になっていただけるとありがたい。また、今年5月に、米国ナショナル ジオグラフィック協会と調査機関のグローブスキャンが、消費者の環境に関する行動を評価、比較した「グリーンデックス(Greendex)」という新しい指数を発表したがご存知だろうか?この指数を使って、世界14カ国の消費者それぞれ1000人、合計1万4000人を対象に、日常生活での環境意識と消費行動を調査した結果、発展途上国が上位を占め、先進国は軒並み下位に沈むことがわかった。調査結果によると、環境と調和した持続可能な消費を評価する「グリーンデックス得点」は、ブラジルとインドの消費者が共に60点で最高だった。次いで中国(56.1点)、メキシコ(54.3点)、ハンガリー(53.2点)、ロシア(52.4点)。豊かな国では、英国、ドイツ、オーストラリアの得点が50.2点、スペインが50点、日本が49.1点となる。最も得点が低かったのは米国の消費者で、44.9点。次に得点が低かったのは、カナダ(48.5点)とフランス(48.7点)だった。
■調査対象14カ国のグリーンデックス得点
ブラジル  60
インド   60
中国    56.1
メキシコ  54.3
ハンガリー 53.2
ロシア   52.4
英国    50.2
ドイツ   50.2
オーストラリア 50.2
日本    49.1
フランス  48.7
カナダ   48.5
米国    44.9
途上国の人々が経済的に豊かになり、さまざまな消費行動をとるようになった場合、ランキングは変動する。調査結果から、経済が発展しつつある国では消費者が物質的に豊かな生活に強いあこがれを持っており、すべての国の人々が、先進国と同水準の生活を送るべきだと考えていることが分かった。

もうもうと煙を吐く米国の石炭火力発電所。二酸化炭素増加の元凶の1つといわれている。
調査では、すべての国の消費者が環境問題に関心を持ち、日常生活において消費や廃棄物を減らすために何らかの行動をとっている、といういい傾向も浮かび上がった。また、発展途上国の消費者は環境問題について強い懸念を抱いており、先進国の消費者よりも環境にやさしい行動を選択をしている。
発展途上国の消費者は、先進国の消費者よりも環境問題に関して責任を強く感じているようだ。発展途上国では、10人中6人が環境問題は自分の健康に悪影響を及ぼしていると回答している。これは、先進国の2倍の数字。さらに発展途上国の消費者は「地球温暖化は自分が生きているうちに暮らしを悪化させる」という意識が強いという結果がでた。環境問題に積極的に関わり、自分が環境に与える影響に責任を感じ、その影響を最小限に抑えようとしていることが推察される。こうした結果から、エコロジカル・フットプリント(人間による自然資源の消費を測る指標)において、消費者の選択が非常に大きな意味をもつことが分かる。政府や企業は、すべての消費者に対して環境にやさしい選択肢を入手しやすい価格で提供する必要がある。特に発展途上国の消費者は経済が発展して消費パターンが変化するにつれ、グリーンデックスのランキングが落ちる可能性があり、こうした選択肢を増やすことが重要だ。

衣類を手で洗い、太陽の下で乾かすボツワナの主婦。洗濯による温室効果ガスの排出量はゼロだ。
今回、刊行した「地球の危機」では、アフリカのボツワナ、インド、米国で、それぞれの土地で、平均的な市民がどのような消費生活を送っているかをレポートしている。二酸化炭素の排出率でみると、いううまでもなく米国が圧倒的に多い。米国ほどではないとしても、日本人も似たりよったりの生活を送っている。ナショナル ジオグラフィック日本版のサイト内の特設ページで質問に答えれば、自分のグリーンデックスの得点を調べられる。みなさんも是非ご自身の“エコ度”を国際比較してみてください!

温暖化を考える10の法則 ~ ロンボルグの「地球と一緒に頭を冷やせ!」をクールに考える【前編】


http://wiredvision.jp/blog/ishii/200807/200807100800.html
2008年7月10日
(これまでの 石井孝明の「温暖化とケイザイをめぐって」はこちら)
■世界のベストセラーを読み解く
今回は『地球と一緒に頭を冷やせ! ~ 温暖化問題を問いなおす』(ビョルン・ロンボルグ著 ソフトバンククリエイティブ)という本を軸に、温暖化問題を考えます。『COOL IT』(冷やせ/かっこよく/落ち着け、という複数の意味があります)というこの本の英語タイトルをグーグルで検索すると、6160万件もありました。同じ名前のヒット曲があるため数が増えたのでしょうが、反響の大きさに驚きます。同時にこの本がそれほど話題にならない日本の現実を考えると、環境問題をめぐって私たちは「取り残された」との感慨を抱きます。ロンボルグ氏はデンマークの統計学者です。『環境危機をあおってはいけない ~ 地球環境の本当の話』(文芸春秋)で知られるようになった環境問題の世界的なオピニオンリーダーです。『地球と一緒に・・・』の中で彼は、温暖化問題で「効果を見て冷静に考えよう」と正論を主張します。その考えに私は賛成です。世界の先進国でも、そして日本でも、「温暖化は絶望的な状況になっている」とメディアがあおり、「何かをしなければならない」という恐怖感が社会に広がっています。そうした議論にロンボルグ氏は「冷静になれ」と実際の統計を使って検証します。そして、それほど事態は悪化していないという楽観的な見通しを示します。
■温暖化を考える10の質問
この本の主張は、本の末尾に書かれた温暖化問題を考えるための「10の質問」に凝縮できるでしょう。それを紹介しましょう
【メディア関係者――そしてぼくたちみんな――のための10の質問】
1)問題の規模はどれくらい?
温暖化による暑さで人が死ぬというがそれは何人か、など。ちなみに本書によれば、暑さで死ぬ人の増加は2050年に36万5000人という推計です。
2)その問題によい側面はないの?
一つ前の死者の問題では、2050年には温暖化で170万人が救われる可能性があるそうです。寒さより暑さの方が身体には優しいですから。
3)それであなたの解決策は何?
「京都議定書」なんてバカなことは言わないようにと、ロンボルグ氏は強調します(筆者コメント:議定書の問題点は同意しますが、その長所も認めなければなりません。後述します)。
4)それをやると、問題のどのくらいが解決できるの?
京都議定書による温室効果ガスの削減は、アメリカが抜けなくても、温暖化を6年遅らせるにすぎないそうです。
5)それにはいくらかかるの?
京都議定書を「まじめに実行する」=「エネルギー源の転換」をすると、1800億ドルかかるという試算があります(筆者コメント:ちなみに日本の温暖化関連予算は2008年度で年間1兆2000億円です)。
6)ほかの専門家はどんな解決策を提案しているの?
打ち水、植物を植える、白い建物など、気温を下げる工夫で、たいていの場所の温度は人為的に下げられるそうです(筆者コメント:そう単純なものではないけれど・・・)。
7)ほかの専門家はその策でどれくらい解決できると言っている?
例えば気温を3度くらい下げられる都市もあるそうです(筆者コメント:6)に同じです)。
8)ほかの専門家はいくらかかると言っているの?
アメリカのロサンゼルス(注:ウィキペディアによれば、ロサンゼルス郡は人口976万人、面積は東京都の約5倍に相当する1万2308万平方キロメートル)の例を、ロンボルグ氏は示します。1100万本の植樹をして、500万世帯のほとんどの屋根を改修、道路の4分の1を補修すると、その費用は1回だけで10億ドルです。それはエアコン代を毎年1.7億ドルずつ引き下げ、スモッグ削減効果で3.6億ドルの便益をもたらし、市街地が緑化できるメリットがあります(筆者コメント:ロンボルグ氏の話は、国の政策と都市政策が整理されていないように思えます)。
9)経済学者に費用と効果の分析をしてもらってください
ロサンゼルスのこの改造による投資1ドル当たりの効果は2ドル程度。京都議定書の効果は同33セントだそうです。
10)それを世界のほかの問題の解決策と比べてください
1ドルで40ドル分の効果があるエイズ予防、30ドルの栄養失調、20ドルの自由貿易、10ドルのマラリア予防と比べると、33セントの京都議定書は効果が小さすぎるとのこと。温暖化で起こっている問題と対策はこれらの質問によって問い直すべきだと、ロンボルグ氏は主張します。引用したのは、「10の質問」が、温暖化問題を考える中で、とても有効な「物差し」になるためです。これらの質問は社会問題を考えることにも応用でき、「ライフハック」(仕事術)にも使えそうです。「コスト」と効果をめぐって何も考えられず、情緒的な議論が進んでいるのが日本の現状ではないでしょうか。世界でもその事情は同じようです。洞爺湖で先進国首脳会議が開催され、「温暖化」が議論の中心になりました。特に熱心だった英独日の首相に、「そのコストに、あなたの国の市民は耐えられるのですか」と、この質問票を使いながら聞いてみたいと思います。とはいえ、ロンボルグ氏の議論の方法には、「危うさ」もあるのです。
※後編へ続く:次回は洞爺湖サミットの宣言をテーマにする予定です。後編はその次を予定しています。

2008年7月10日木曜日

logitec、太陽光で充電可能!最大12時間の連続通話に対応!クリアな音質で通話を楽しめるBluetooth 2.0対応ハンズフリーキットを新発売



本体背面にソーラーパネルを装備
長時間通話が可能なソーラー充電対応Bluetoothハンズフリーキット
http://www.rbbtoday.com/news/20080709/52634.html
http://www.logitec.co.jp/press/2008/0709_01.html

インド首相、ソーラ籠灯ミッションお披露目


http://www.asiax.biz/news/2008/07/09-143110.php
インド政府は近く化石燃料への依存を軽減するとともに、気候変動問題に対処することを目指す『ソーラ籠灯ミッション(solar lantern mission)』に着手、先ずは政府補助を受けた灯油ランプを太陽光ランプに転換する。インディアン・エクスプレスが7月4日報じたところによると、Manmohan Singh首相は最近催されたエネルギー調整委員会(Energy Coordination Committee)の会議の席上、以上の消息を明らかにするとともに、新/再生可能エネルギー省に対し、再生エネルギー部門を振興し成長を加速するための本部を立ち上げ、また各州の電力事業体に最低限の再生エネルギーの利用を義務づけるスキームを立案するよう指示した。
インド政府は最近、気候変動問題に対する全国行動計画を発表した。全国行動計画は太陽エネルギーの重要性に特に言及、新技術の採用により太陽光電池のコストは下降したと指摘している。新/再生可能エネルギー省が、未電化の僻地農村に基礎照明施設を提供するために設けた『僻地農村電化計画(remotevillage electrification programme)』の下、これまでに3368ヶ村(village)、830部落(hamlet)にソーラ照明器具が提供され、目下1,861ヶ村、660部落で関係工事が進められている。今日、インドは農業廃棄物/風力/小規模水力発電/太陽エネルギー/バガス・廃棄物複合発電等を通じて1万1272MW(メガワット)の電力を得ている。この種の再生可能エネルギーの潜在能力は8万7,776MWにのぼる。第10次五カ年計画期間に設けられた送電網に接続した再生可能エネルギー発電のキャパシティーは6,770MWと、目標とした3,075MWの倍以上に達した。しかし太陽エネルギーを用いた発電キャパシティーは2.12MWに過ぎない。一方、全国製造業競争力委員会(NMCC:National Manufacturing CompetitivenessCouncil)のV. Krishnamurthy委員長はこのほど、ソーラ委員会(solar mission)を設け、太陽光発電を振興するよう提案した。それによると、太陽光発電設備製造業者に対する税制優遇措置や研究開発(R&D)補助等、可能なあらゆる措置を講じて太陽エネルギーの利用を促進せねばならず、そのためには総合的な政策を立案するとともに、ミッション方式を採用する必要があると言う。

バッファローコクヨ、ソーラーパネルで電池レス動作可能なワイヤレスキーボード発売


◇太陽光スクーターで環境教育を--村山力さん(50)


http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20080709ddlk19070051000c.html 
省エネに興味を抱いたきっかけは 
◆もともとの専門が自然科学なので、自然環境の保護にも携わってきました。県の地球温暖化対策条例作りを進めるなど、仕事でのつながりもあります。県内の温室効果ガスの総排出量のうち、40%は自動車などの運輸部門です。全国平均が20%ですから、大きなウエートを占めているのが分かります。どのような対策を取るかが重要ですが、使用されている自動車の平均走行距離をみると、半分は1日平均10キロ以下なんです。人間1人を動かすのに1トンもの自動車に使うエネルギーはぜいたくで非効率なんです。
特別賞を受賞した「ゼロエミッション・ソーラースクーター」とは 
◆手軽さと購入費などを考え、約2年半前に購入した米国製の原付きスクーターに補助発電としてモーターボート用のソーラーパネル(4・5ワット)を4枚装着しました。当初は家庭で充電していましたが、電力会社が供給する電気は自然エネルギーでないため、十分なエコ対策にならない。そこで、充電用に175ワットの
ソーラーパネル1枚を自宅の屋根に設置しました。朝はエネルギーを蓄えたバッテリーからスクーターにフル充電して出勤し、県庁では日当たりの良い場所に駐車して本体のパネルで充電して帰りに備えます。通勤は往復約10キロですが、フル充電で約30キロ走れるので、天候が悪くても2日くらいは平気ですね。交差点で待っていると、知らない人から「これは太陽光だけで走るんですか」などと、どんどん声を掛けられますよ。
受賞の感想は
◆最初は、仕事で省エネコンテストのチラシを配っているだけでしたが、県内の応募者が少ないとさみしいと思って応募しました。僕のはどちらかというと新エネルギーなので受賞は意外でした。
今後の研究は
◆スクーターの製作費は、自宅のパネルを入れても20万円。ベンチャー企業などから問い合わせがありますが、ビジネスチャンスととらえてもらえればありがたい。今後も、二酸化炭素の排出削減につながる乗り物を考えたり、スクーターを使った環境教育ができればと思います。
==============
■人物略歴 ◇むらやま・ちから
甲府市在住。県環境創造課の課長補佐で、地球温暖化・エネルギー対策を担当。エネルギー需要の伸びが著しい家庭分野の省エネルギー実践に取り組む意欲を高めようと、経済産業省などが主催した「07年度省エネコンテスト」で審査員特別賞を受賞した。

“巨人たちの独断場”に変貌した風力発電~ニッポン・ベンチャーの活路は?


2008年7月9日水曜日

インド・新・再生可能エネルギー省、村落部でのソーラー式ランプを広める


http://indonews.jp/2008/07/post-746.html
インド政府の新・再生可能エネルギー省のビラス・ムッテムワール大臣は、「新・再生可能エネルギー省は、村落部の人々が通常使用している灯油ランプに代わるものとして段階的にソーラー式ランプを約3,000万個取得する」と公表した。

HP が超高効率の太陽光発電システム開発に向けXtreme Energetics 社に技術ライセンスを供与



http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-140.html
HP と米国カリフォルニア州リバモアに開発拠点を置く、エネルギーシステム開発業者の Xtreme Energetics (XE) 社は2008年6月4日、従来のソーラーパネルの 2 倍の効率と半分のコストでエネルギーを生成できる、太陽光発電システムの開発契約を締結したことを発表しました。この技術提携とライセンス契約において、HP は XE 社に透明トランジスタ技術のライセンスを供与し、ライセンス使用料を受け取ります。XE 社のソーラーエネルギーデバイスに使用する透明トランジスタ技術は、HPとオレゴン州立大学が共同開発しました。この技術には、低価格で簡単に入手可能な亜鉛や錫といった原料から作られる、薄膜透明トランジスタが含まれています。これらの原料は環境面の問題がなく、移動性、化学的安定性、製造の容易性に優れています。このトランジスタ技術を活用すれば、透明電子メカニズムで光を最大限収集できるようになるため、XE 社の集中/追跡システムを制御できます。XE 社のシステムにこの技術を導入すると、従来の不透明な電子機器でブロックされていた光がブロックされず、最大限に収集されるため、エネルギー変換の効率が向
上します。Xtreme Energetics 社の CEO (最高経営責任者) であるコリン P. ウィリアムズは次のように述べています。「芸術と科学が融合した弊社の超高効率の太陽光発電システムは、低価格で環境に調和する素晴らしいデザインを備えており、大型の設備だけでなく、一般家庭からの需要も見込めます。弊社は HP との契約により、他社の製品より優れた、高度な太陽エネルギーソリューションを市場に展開することができました。」XE 社のシステムはデザインがフラットなため、太陽光を追跡するシステムを使用してパネルを動かす必要がありません。また、このシステムは、HP の透明電子技術によって建物の材質や地形に調和させることができるため、美観を損なうことがありません。またこの薄型のデザインにより、太陽光追跡システムの拭い切れないジレンマであった、システム自体の影や高額な保守費用、強風に弱いため屋根への設置が不向きという問題も解消されます。HP の知的財産権担当バイスプレジデントのジョー・ベイヤーズは次のように述べています。「今日のように目まぐるしく変化し、常に革新が求められる市場では、共同研究を推進するために、新しいアイデアや技術をオープンにすることが非常に重要なのです。HP は、商業向けの再生可能なエネルギーソリューションに自社の技術をいち早く適用できるようにすべく、共同研究やコアとなる電子分野の知的財産のライセンス供与を通じて、技術の移転を加速しています。」透明トランジスタ技術は、HP がライセンス供与できる技術ポートフォリオのほんの一例にすぎません。HP のライセンスには、燃料電池、プロジェクタ、デジタルペン、デジタルペーパーに関連する知的財産もあります。HP の知的財産ライセンスプログラムで提供する技術の一覧については、サイトを参照してください。

2008年7月8日火曜日

アルプスツール、太陽光・蓄電池の電力システム出力を4倍強に拡大


http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK200807080020.html
2008年7月8日
【長野】アルプスツール(長野県坂城町、綱島武寛社長、0268・82・2511)は、自社で実用化に向けて試行利用している太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電力システムの出力を現行の15キロワットから4倍強の65キロワットに引き上げる。新たに出力50キロワットの太陽光発電システムの導入を目指し、このほど新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の08年度研究助成事業に応募した。正式に選ばれた上で実用化試験を始める。将来は中小規模事業所向け電力システムとして実用化につなげたい考え。この電力システムは家庭用で実績を持つ正興電機製作所が開発、製造した。太陽光発電と安価な深夜電力を貯蔵する蓄電池を併用する仕組みで、昼間の電力使用量のピーク時や太陽光発電の弱点である雨や曇りなど晴天以外の天気でも、電力を安定供給できる。出力50キロワットの太陽光発電システムは本社工場に設置する予定で、年間発電量5万2560キロワット時を見込む。試算では二酸化炭素(CO2)を年間15・2トン削減できるなど環境負荷の低減につながる。アルプスツールは工作機械ツーリングが主体のメーカー。すでにテクノさかき事業所(長野県坂城町)では、3月から07年度のNEDOの研究助成事業に選ばれた出力15キロワットのシステムの試行を開始したばかり。50キロワットの新システムを利用することで、「エネルギー消費量を抑えたモノづくり」(綱島社長)を目指す。また自社での試行実績を基に、今後は太陽光発電関連の事業参入も検討していく。

2008年7月7日月曜日

デジタル家電 直流電流そのまま使用…松下電工開発へ CO2排出20%減


http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20080706ke01.htm 
松下電工は5日、家庭用の太陽電池や燃料電池でつくった直流電流と、電力会社から供給される交流電流の両方を使える住宅用の配電・制御システムを2010年にも発売する方針を明らかにした。直流電流をパソコンやテレビといったデジタル家電などの電源として直接使えるようにすることで、変換に伴う損失を防ぎ、家庭内の電気エネルギーの利用効率を高めた省エネ住宅が実現しそうだ。直流配電と太陽光発電システムの導入、家電製品ごとの電力消費量を確認できる装置などの組み合わせで、従来の家庭より二酸化炭素(CO2)の排出量を20%程度減らすことを目指す。システムの導入費用は「1戸当たり50万円以下にしたい」としている。 冷蔵庫や照明器具は、電力会社から送られる交流電流をそのまま使っているが、パソコンなどは、付属アダプターで交流電流を直流に変換している。家庭用の太陽電池で発電した直流の電気も交流に変換しており、パソコンなどに使う際には再び直流に変換するため、変換の度に数%ずつエネルギーの損失が生じている。直流電流を家庭内の電力線に流すと、電力会社の送電設備に悪影響を及ぼす恐れがあり、コンセントや電気製品の仕様を変える必要もある。松下電工はこうした課題も克服できるとみて、直流と交流の双方を制御できる分電盤を開発する。太陽光発電や燃料電池を普及させる上で、直流電流に対応したシステム整備は急務となっている。松下電工は今後、グループの松下電器産業やパナホーム、電力会社、関係業界団体などと協議を進める。

太陽光発電を搭載へ・ハイブリッド車「プリウス」、 トヨタ



http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=AS1D0600F%2006072008 トヨタ自動車はエンジンとモーターを併用するハイブリッド車「プリウス」に太陽光発電システムを搭載する方針を固めた。来春にも全面改良し発売する新型車の一部に採用。カーエアコン駆動用電源として活用する。自動車大手が普及車に太陽光システムを搭載するのは初めて。地球温暖化への関心が高まるなか、多様な環境技術を搭載した次世代型自動車として注目を集めそうだ。 新型プリウスの高価格タイプに太陽光システムを搭載する。屋根部分に発電パネルを設置。エアコン駆動に必要な2―5キロワットの電気の一部を太陽光でまかなう計画だ。現在はデザインに配慮したパネルの設置方法などを検討している。搭載車の生産台数や価格などの詳細も今後詰める。パネルは戸建て住宅事業や工場向けで取引実績のある京セラなどから調達する方針だ。

太陽光は増やせるか?新エネルギー部会『緊急提言』を読む(08/07/04)



飯田哲也のエネルギー・フロネシスを求めて
飯田哲也(いいだ・てつなり):自然エネルギーや原子力などの環境エネルギー政策専門家。温暖化ファンドやグリーン電力のマーケティングなど脱温暖化ビジネスを推進。中央環境審議会、東京都環境審議会などを務め、今年から中田宏横浜市長の環境政策アドバイザーも。なお、「フロネシス」は経営学者・野中郁次郎氏によるとアリストテレスが提唱した言葉で、賢慮、倫理、実践的知恵といった意味を持つ。エネルギー政策にはフロネシスを伴うリーダーシップがあってこそ、知の総合力が発揮できる、という思いを込めたhttp://eco.nikkei.co.jp/column/iida/article.aspx?id=MMECcm000004072008
 このところ、自然エネルギーや太陽光発電を巡って、関係する政策コミュニティがかまびすしい。もちろん最大の震源地は「福田ビジョン」だ。近年の首相メッセージでは、「禁句」となっていた自然エネルギー促進に、初めて言及したものだ。とくに、太陽光発電に関しては、2020年までに10倍増するという、一見、意欲的な内容だが、これは前回指摘したとおり、経済産業省が3月に発表した「長期エネルギー需給見通し」の内容と同じだ。ゴーストライターの影が透けて見えるとはいえ、首相スピーチに「自然エネルギー促進」が入ったことの意義は大きい。その前にも、電気事業連合会長の定例会見(5月23日)には、「太陽光を1000kW、風力を500万kW受け入れ可能」という、自然エネルギー促進のメッセージが入った。目標水準の適切さは横に置いておくとしても、これも風向きの違うメッセージだ。6月11日には、自民党地球温暖化対策推進本部の中間報告「最先端の低炭素社会構築に向けて」が発表され、後述する「固定価格制」が言及され、関係者を驚かせた。そして、メディアで大きく取り上げられたのは、6月24日の「新エネルギー部会『緊急提言』」だ。日経が先行報道し、各紙が後を追ったかたちだが、期待が先行した報道内容と比べると、実際の「緊急提言」には大きな落差がある。これは、経産省から事前レクを受けた記者の受け止め方が間違っていたのか、それとも、経産省内部でも、『緊急提言』のウラ側で新しい事態が刻々と展開しているからか。いずれにせよ、自然エネルギー政策が大きく動き始めた状況は、見て取れる。まずは、「新エネルギー部会緊急提言」の内容から見てみよう。
■ 市場を急冷した『緊急提言』
 新聞報道が注目している『緊急提言』の目玉は、「太陽光発電を今後3~5年で半額にする」というものだ。経産省としての意気込みを示したものなのだろうが、皮肉にも、ただでさえ冷え込み気味の国内の太陽光発電市場に、追い打ちの急ブレーキを掛けたようだ。すでに各紙で報道されているように、「数年で半額になるのなら・・」と顧客からキャンセルが相次いでいると聞く。業界も、支援してもらっているのだか、足を引っ張られているのだか、困り顔だという。経産省は素知らぬ顔でほとぼりが冷めるのを待つだろうが、ここに問題の本質のひとつがある。なぜ経産省は「コスト半額」を訴えたのだろうか。経産省の2つの根強い「思い込み」(イデオロギー)が背景にある。ひとつは「市場の自立化」という考えだ。補助金は、「市場」で自立化するまでの過渡的な措置で、やがては不要になるという発想だ。「補助金」が暗黙の前提となっており、「市場」も与件として想定している。いずれも、もう一つの「思い込み」である、典型的な「供給・技術プッシュ」パラダイムにどっぷりと浸かっているものだ。「供給・技術プッシュ」とは、技術普及の入口側に焦点を当てた考え方で、技術開発や補助金、コスト低下といった要素を重視する。これらは、近年の自然エネルギー普及で成功を収めている「需要・市場プル」パラダイムとは対照的な考えだ。「需要・市場プル」パラダイムとは、政策によって市場を形づくるという視点から、市場側・需要側の政策のあり方を重視するもので、日本が導入したRPS法も実はもともとはこの考えのもとで考案されたものであるし、最大の成功例は、後述する「固定価格制度」(Feed’in Tariff, FIT)という制度だ。
■『緊急提言』のあべこべ
 他にも、目標値に関する、まるであべこべの記述もある。日本のRPS法の目標値(2014年に160億kW時・1.63%)は、国際的な水準と比較すれば、明らかに一桁小さい目標値だ。それを『緊急提言』では、『単なるポーズではない意欲的な「高いレベルの目標設定」を確実に達成する』と言っているのだが、ほとんど黒を白と言いくるめようとしているかのようだ。『単なるポーズ』とか、「ともすると、他国よりも高い目標を掲げることを競い合う」とわざわざ批判的に書いているところを見ると、どうも「仮想敵」がありそうに感じられる。推察するに、2020年までに一次エネルギーの20%を自然エネルギーとする目標を掲げている欧州(EU)や、電力比で2030年に45%を目標値とするドイツ、あるいは、国内でEU並の20%を掲げる東京都あたりだろうか。どの国や地域をとっても、固定価格制などその目標を達成すべく、新しい自然エネルギー政策を次々に導入しているのであり、『単なるポーズ』で目標を掲げているところは、少なくとも筆者の知る限り見あたらない。あえて言えば、日本自身の「長期エネルギー需給見通し」の数字くらいだ。図表も、どうにか日本が劣っていないように見せるために、わざわざわかりにくい比較の化粧が施してある。あたかも他の国や地域が『単なるポーズ』であるかのように書き、明らかに小さい目標を「高いレベルの目標」と呼ぶなど、政府の資料としては公正性や客観性を欠いているのではないか。そもそも、国民に誤った認識に導く恐れがあり、信頼性に欠けている。なお、はるかに客観的な世界の現状については、環境エネルギー政策研究所のウェブサイトに「自然エネルギー・グローバルステータスレポート」の和訳が掲載してあるので、そちらをご覧いただきたい。

欧州連合と日本の自然エネルギー導入目標値の比較(一次エネルギー比)

主要国・地域の自然エネルギー導入目標値の比較(電力比)
「新エネルギー部会緊急提言」には、他にも問題の多い記述を含んでいる。たとえば、水力、地熱、風力、バイオマス等を「適地や資源の量に限界がある」という理由で切り捨て、太陽電池、蓄電池、燃料電池等を「我が国の強み」として絞り込んでいる。後段では、太陽熱など自然エネルギーの熱利用も、ほとんどおざなりな記述しかない。さまざまな自然エネルギー技術の現状や日本の中での地域ごとの多様性を少しでも考えるならば、あまりに単純かつバランスを欠いた「割り切り」ではないか。また、「他国の模範(先進事例)」となるとして、「世界に先駆けて太陽光社会を実現し、水素社会の構築を目指す」としているが、これこそ現実離れした考えで、「単なるポーズ」の好例だ。わざわざゴチックで「新エネ生活(新エネライフ)」とか、「新エネ・モデル国家」と書いているが、世界的に自然エネルギー市場が急成長する中で、日本だけが太陽光も風力も市場が落ち込んでいる現状と対比すると、ほとんどブラックジョークだ。
■ 経産省が金科玉条とする「IEAレポート」とは?
 最近、経産省が「固定価格制」を批判する際に、鬼の首を取ったように必ず引用する「IEAレポート」があり、『緊急提言』のなかでも、ご丁寧にそれを引用している。これにだまされているメディアや「専門家」、政治家も少なくないようなので、ここできちんと解説しておきたい。『緊急提言』(P10)では、以下のようにIEAレポートを引用しつつ、本文で書いている。(本文)「近年、ドイツの固定価格買取制度による太陽光発電の急激な導入拡大により、固定価格制度が注目されている。しかしながら、固定価格買取制度は、発電事業者間のコスト削減インセンティブが働きにくい。高価格での買取りを電気料金に転嫁するために電気料金の恒常的な値上げにつながるといった問題点が指摘されている。」(注記)「太陽光発電導入促進のための非常に高い固定価格買取制度は見直すべき。より市場ベースの政策への移行を検討すべき。」(国際エネルギー機関 国別調査報告書 ドイツ2007年度版)ここで書かれていることは、全体として明らかな間違いである。まず、引用しているIEAレポートの国別調査報告書ドイツ2007年度版に、そのように書かれていることは事実だが、このレポートは、FITを評価しならが見直す指摘をするなど自己矛盾をしている、RPSの問題点に触れていない、自然エネルギー政策や太陽光の専門家がレビューチームに一人もいない、などの問題点を含んでおり、自然エネルギー政策コミュニティでほとんど無視されている。むしろ最近、同じIEAが出した「エネルギー技術見通し2008」(2008年6月)には、「TGC(クオータ、RPSを指す)よりもFITが優れている」と明快に指摘している。なお、IEAレポート自体の問題点は、産業技術総合研究所太陽光発電研究センターの櫻井啓一郎氏が詳細に指摘しているので、そちらを参照されたい。また、欧州委員会が2020年に向けた新しい「自然エネルギー指令」の参考資料として、本年1月に公表した自然エネルギー支援制度に関するレビューでは、明快に「十分に適用された固定価格制度が一般的にもっとも効率的で効果的である」と結論している。にも関わらず、『緊急提言』は、そうした最新かつ包括的なレポートには触れず、自然エネルギー政策専門家からは無視されている「IEAレポート」だけを引用するのは、あまりに不勉強かつバランスを欠いている。さらに、『緊急提言』の本文は、間違いに輪を掛けている。「固定価格買取制度は、発電事業者間のコスト削減インセンティブが働きにくい」というのは明らかな間違いで、欧州委員会レビューでも「もっとも効率的」と評価されているとおり、固定価格制度は、自然エネルギー装置市場の確実な成長を促すことで、技術学習曲線に沿ったコスト低下を生み出してきている。逆に、RPS制度は、リスクプレミアムや取引コストがかさみ、より高価かつ非効率と結論されている。また、「高価格での買取りを電気料金に転嫁するために電気料金の恒常的な値上げ」とあるが、初期の固定価格だけを捉えた近視眼的な批判である。むしろ、ドイツを始め多くの国が採用しているステップダウン型の固定価格買取制度(予め翌年以降の買取価格の低下を予告しておく制度)であれば、技術学習曲線に沿ったコスト低下によって、ドイツ政府の見通しでは、現状(2005年)の1.7ユーロ(約280円)/月・世帯の負担は2014年に2.8ユーロ(約460円)/月・世帯まで増大するものの、その後の負担は低下をすると見通しているのだ。逆に、原油や石炭などの輸入燃料の高騰による電気料金の値上げをそのまま消費者に転嫁している日本の電力市場の問題点を、棚に上げているのではないか。
■ なぜ、事実と論理と現実に背を向けるのか
 他にも問題点は多いのだが、ここまで来ると、なぜ『緊急提言』や経済産業省は、これほどまでに事実と論理と現実に背を向けるのかという、背景の方が気になる。いくつかの説明が考えられる。RPS制度の方が市場メカニズム的で、固定価格制度は社会主義的だという、かつてのナンセンスな議論を未だに盲信しているのかもしれない。そうだとすると、あまりに硬直的かつ不勉強だ。ちなみに、RPS制度は「固定枠」制度と呼ばれるとおり、枠を決めるところが政治的で、その中での取引きは、一応、自由市場的だ。他方、固定価格制度は、価格を決めるところが政治的で、機器市場は自由市場なのである。また、以前に述べたとおり、RPS制度を変えようとすると、ふたたび国会や業界を巻き込んだ一大論争になり、収拾が付かなくなる懸念があるため、その政治リスクや「政治的コスト」が高すぎると経済産業省が判断しているために、どのような事実と論理と現実があったとしても、ひたすら「RPS制度を変えない」ことが目的と化しているのかもしれない。つまり、政策の論理性よりも、経済合理性よりも、(内向きの)政治合理性が優先されているということだ。さらに、それが高じて、固定価格制度と聞いただけで、政府批判・経産省批判と考える、思考停止の「記号化」が経産省の内部で広がっているのかもしれない。しかし、最新の国連環境計画「持続可能なエネルギーファイナンス」の調査では、世界の自然エネルギー市場は、2007年にほとんど倍増して、15兆円に達したという。10年後には自動車産業に匹敵する巨大市場に成長しようとしているとさえ言われている、確実な新興市場で、日本はずるずると後退しているのである。もはや、こうした政府部内にある盲信や(内向きの)政治合理性、思考停止に、足を取られている余裕はないのではないか。

世界の自然エネルギー投融資の推移
■ 「日本型」の出口を求めて
 『緊急提言』や経済産業省を見る限り、福田ビジョンの目玉でもある「太陽光発電10倍増計画」は、このままでは、実現は危うい。まして、他の自然エネルギーに関しては、このまま冷え込んだままの恐れがある。自然エネルギー政策の改革は待ったなしだ。現状の滞りは、自然エネルギー政策があまりに「政治化」したために、経産省や電力会社の内部で「凍結」されていることに、最大の原因がある。たとえば、自然エネルギーの拡大には、確かに費用が掛かる。それを原油価格などの高騰分と同じように、電気料金に上乗せすれば、電力会社にとっても持ち出しはなくなるのではないか。原油価格などの高騰を電気料金で負担するくらいなら、自然エネルギー拡大による負担の用意は、国民にはあると考える。その国民的な議論をしてみてはどうだろうか。また、RPS制度のもとでも、太陽光発電の証書価値を2011年からは2倍にするという特例が昨年のRPS法改正で決定された。それができるなら、一定の価格を設定することも、ほとんど変わらないのではないか。しかも、ドイツ型のステップダウン方式にすれば、かつての米価のような「固定価格が既得権益を生む」ことも避けられるだろう。気候変動もエネルギー危機も、そして自然エネルギー産業競争も、いずれも時間との競争である。今こそ、自然エネルギーを覆っている「政治的な色眼鏡」を取り外し、関係するセクターそれぞれが相乗りできる出口を真剣に探す時ではないか。

音と振動による究極のエコ発電で、街を丸ごと発電所にする



【上左】デモ用に作られた振動力発電装置。踏み板の周辺部にLEDライトが埋め込まれ、足で踏むと点灯する。【上右】音力発電装置。口に当て、話すとLEDが点灯する。音声のエネルギーは微弱で、トランシーバーのように口元に近づけてしゃべらないとエネルギーが拡散してしまう。したがって、音は発電装置よりもセンサー類などのエネルギー源として使われる可能性が高い。
http://www.blwisdom.com/AdvancedPeople/02/
速水 浩平さん 株式会社音力発電 代表取締役
(2008年7月7日公開)
騒音や会話、振動など日常生活で発生するエネルギーから発電する、画期的な発電装置が注目されている。開発したのは音力発電の速水(はやみず)浩平さん、27歳。大学発ベンチャーとして在学中に起業し、現在、多くの企業と共同研究を進めている。東京駅での利用客の歩行を利用した発電や、首都高速道路での自動車の通行を利用した橋のイルミネーション点灯など、実用化に向けた実証実験も進んでいる。生活しながら電気を生む究極のエコ発電がいよいよ始まる。
■首都高が原発1基分の発電所になる
首都高速道路中央環状線の荒川にかかる五色桜大橋は、夕暮れになると美しいイルミネーションで彩られる。地球温暖化の時代にムダなエネルギーを使うな、と怒ることなかれ。このイルミネーションを光らせるエネルギー源の一部は首都高を走る車の振動なのだ。路面のアスファルト下に敷き詰められた振動力発電装置によって車が通るたびに電気を起こす世界初の仕掛けだ。この装置を開発したのが弱冠27歳、音力発電代表取締役の速水浩平である。速水は音や振動を電気に変えられないかという小学校以来の夢を実現し、大学在学中にベンチャー企業を興し、究極のエコ発電社会づくりを目指している。速水は現在、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)政策・メディア研究科の博士課程1年に在学しながら、SFCが運営するITベンチャーのためのインキュベーション施設(慶應藤沢イノベーションビレッジ)の中に音力発電のオフィスを置き、多くの企業と共同研究を行っている。「これまで道路というと、自動車の発する音や振動によって、あまりいいイメージはありませんでしたが、振動力発電機を使えば、道路や橋が発電所になり、これをビルや一般家庭に広げれば、街全体が大きな発電所になるのです。街がエネルギーを消費するだけでなく、生み出す場になります。エネルギー問題を解決するには、こうした“地産地消”の発想が必要です」さらには、首都高の他の路面にも装置を設置することが検討されており、首都高全体に敷設されると、火力発電2~3基分に相当する発電能力を持つことになるという。「設置した頃に比べて装置の発電効率も上がりましたから、今ではもっと大きな発電量になるはずです。できれば原発1基分ぐらいの発電を目指したい。首都高では定期的にアスファルトを交換していますから、その時に装置を埋め込めば、特別な工事はいりません」総合資源エネルギー調査会によれば、原発1基分の発電量は年間70億kWhに達する。もし、100万kW級原発1基を太陽光発電によってまかなおうとすれば住宅用で190万台、そのための敷地は山手線内側ほどの面積が必要になる。太陽光や風力などと共に代替エネルギーとしても、振動力発電は有望だ。高速道路の振動だけでなく、騒音から発電することも可能だ。音力発電という社名のとおり、速水は音による発電の研究から始めた。人間の声や騒音で発電する技術もすでに確立している。首都高とは別の高速道路で現在、防音しながら発電する実験を行っている。振動力発電機は揺れを吸収するため、振動も騒音も減らしながら発電するという一石二鳥の効果がある。

首都高速道路中央環状線の荒川にかかる五色桜大橋には、現在、10機の振動力発電機が設置され、橋のイルミネーションの一部をまかなっているが、この冬にはさらに増設し、光のすべてを振動力発電によってカバーする。
■誰もが相手にしなかった音による発電
振動を電気に変えるためには「圧電素子」という特殊な素子を使っている。圧電素子とは振動や圧力などが加わると電圧を発生し、逆に電圧を加えると伸縮する素子で、ピエゾ素子とも呼ばれる。インクジェットプリンターやセンサー、スピーカーなど多分野で使われているが、発電装置として利用しようと考えたのは速水の独創だ。速水は2003年、慶應義塾大学2年生のときから研究を始めた。会話など音という微弱なエネルギーを電気に変えるのは難しく、当初、周囲の人々は誰も相手にしなかった。SFCでは大学主導で企業や官公庁と共同研究を行う産学連携のSFC研究所を持っているが、速水がその研究会で「音力発電」を発表したとき、企業関係者は皆「やめた方がいい」と忠告した。「音は発電に向かないという定説があったらしいのですが、僕はそれを知らなかったんです。やめろといわれて悔しくて、逆にやってやろうと思いました」そこから、発電効率を上げる研究が始まった。素子や回路、デバイスの材料や形状など工夫を凝らし、少しずつ改善していった。同時に、音が振動なら、どんな振動でも発電できるはずだと考え、振動力発電の開発にも着手した。話題としては音力の方が面白いが、振動力はより実用的だとすぐ気づいた。問題となるのが耐久性だ。人や自動車の下に敷くものだけに、圧力や衝撃力に強くなければならない。だが、一般的な圧電素子はセラミック製で割れやすい。材料や構造などを改良して割れにくくした。その次に、より効率的な充電回路の改良を施した。こうして、現在では発電効率は当初の10倍程度に上がり、耐久性は試算で20年間と、実用に耐えるレベルになった。引き続き改良は続いており、少なくともさらに10倍の効率アップを目指し、将来的には100倍が目標だという。

現在はまだ社長の速水氏ひとりと社員ひとりの会社だが、将来的には「会社を大きくしたい」という。「開発がある程度の規模になると資金も会社の体力も必要になる。今後は技術者をもっと採用したい」と速水氏は語る。
■小学校時代のアイデアを大学で実現
 速水は1981年、栃木県に生まれた。小さい頃から理科や算数が好きで、小学校高学年のときに「モーターの発電の仕組み」を授業で習い、あるアイデアがひらめいた。「モーターは電気で回転するが、同時にモーターが回転すると電気が起きる。電気で音を出すスピーカーでも同じことができないか。つまり、電気から音が出るなら、音から電気が作れないかと思ったのです。その考えがずっと頭にあって、小中高でも資料や本で調べていました。そして、大学2年生のときにいよいよ本気で取り組もうと決意しました」当初無視していた企業人たちも改良を加えた音力と振動力発電機のデモを見て驚いた。途端に、「すごい、これは面白い」ということになり、速水の生活が一変していく。一緒に研究したいという企業が現れ、2006年には東京駅で乗降客が踏むと発電する「発電床」の実証実験が行われた。当時はまだ発電効率が低く、1日で100ワット電球が10分点灯するほどの電力量だったが、今年1月に行われた再実験ではその8倍の性能になった。耐久性も認められ、今後、導入に向けてさらに開発が進む予定だ。当初、個人で開発していた速水も企業との共同研究が増えて、2006年に音力発電を設立。常勤スタッフ1人を採用し、いろいろな企業と開発プロジェクトを動かしている。例えば、NECエレクトロニクスと共同でボタンを押すと発電するリモコンの開発を行っている。実用化すれば乾電池が不要で、外部電源のいらないリモコンが生まれる。「これから僕が一番やりたいことは、ユビキタスデバイス用のエコ発電。携帯電話や情報端末などを使ったユビキタスサービスが増えると、消費電力がますます増える。そのような負の連鎖はやめて、自分で使う電気は自分で発電するべきです。しかし、ハンドルを回して発電するなど余計なアクションが必要だと普及しません。押す、しゃべる、歩くという日常的な動作から発生しているのにそのまま捨てているエネルギーを再利用するのです」通話したり、ボタンを押すだけで充電する携帯、歩くと発電する靴など、アイデア次第で応用範囲はいくらでもある。ゆくゆくは人が活動しているだけで、必要な電力を作り出せるようになるかもしれない。速水が思いついた子供時代のアイデアはエネルギーの世界を変える可能性がある。

■エネルギーリテラシー■速水が開発した製品の一つに「発電下駄」がある。歩くと発電し、下駄の裏側に埋め込まれたLEDが光る仕掛けだ。速水は「下駄という日本古来の和のイメージがエコにふさわしい」という。江戸時代はゴミや中古品のリサイクルが徹底し、世界的に進んだエコ社会だった。日本は昔から省エネ・エコ生活の得意な民族といえる。下駄はその象徴なのだという。
 「暗いところで見ていると、下駄が地面を照らす様子が蛍のイメージなんですよ。蛍の光は優しいエコ発電です。エコには人や自然に対する優しさが必要だと思います」速水はエネルギーを上手に使い分け、活用する能力として「エネルギーリテラシー」という言葉を提唱しているが、日本人は本来、エネルギーリテラシーの高かった民族なのかもしれない。「エネルギー問題は簡単に解決しません。音や振動によるエコ発電は原子力や火力に比べて発電コストが割高になるのは仕方ありません。しかし、小さな発電でもちりも積もれば山になるわけで、総合的に考えてほしい。これまでは発電量が大きいことに価値があったが、これからは少ないことに価値がある社会になってもらいたいです。例えば、『音力発電でも動く』製品が尊重されるようになるといいですね」と速水。電気はハードを動かす「パワー」から、ソフトを動かす「知恵」になったのかもしれない。文/吉村克己 写真/柚木裕司)

竹の電気自動車が、京の街をはんなり走る



座席の下には、リチウムイオンバッテリーとキャパシタが格納されている。

Kyoto-Carの屋根には、補助電源として太陽電池パネルが張られている。
2008年7月 4日:木や竹のおもちゃのような車、色鮮やかな友禅や漆で彩られた工芸品のような車…。京都大学がベンチャー企業と共同で開発している電気自動車「Kyoto-Car」は、工業製品なのに不思議なぬくもり感じさせる。プロジェクト代表の京都大学 松重和美副学長に、Kyoto-Carが目指すビジョンをうかがった。
■ハイテクの中に「文化」を入れる
──木や竹でできた電気自動車は、かなりインパクトがありますね。そもそも、Kyoto-Carはどういうところから生まれてきたのですか?
100年前から作られている電気自動車ですが、リチウムイオンバッテリーの登場でパワーや稼働時間がずいぶん改善されました。都市部なら1回の充電で50kmも走れれば実用的になるでしょう。ガソリン価格の高騰や環境問題への関心が高まっていることもあり、今度こそ多くの人や企業が電気自動車に対して本気になってきたように思います。とはいっても、京都でやるからには京都の特性を活かしたい。ハイテクの中に「心」や「文化」を入れて、「これなら買いたい」と思われるような車を作ろうと考えました。そのために、漆塗りや京友禅のデザイン、木や竹といった自然素材を取り入れています。1200年に及ぶ京都の歴史の中では、さまざまな技術や人の出入りがありました。では、1200年続いているのは何かと考えてみると、それは一種の持続型社会であるということなのではないかと思います。小型の電気自動車なら路地にも入っていけますし、排気ガスも出ません。
──6月18日に公開された小型の木製電気自動車は、暖かみのあるデザインになっていますね。
そういうレトロな雰囲気をデザイナーに出してもらいました。このモデルは、ベースになる市販車に木製の外装をかぶせています。市販車の方ではバッテリーとして鉛電池を使っていますが、こちらはリチウムイオンとキャパシタ(電気二重層コンデンサ)を組み合わせています。キャパシタは急速な電気の出し入れができるため、ブレーキをかけた際に生じた電気を効率よく利用することが可能です。10分間充電すれば10kmは走り、速度は時速50kmまで出ます。外装部分には竹の集積材を多く使っています。天井にはすだれのような内張がしてあり、暑い京都でも多少涼しい気分を味わえるようにしてみました。また、屋根の太陽光パネルで発電も可能です。伝統文化の中に、最先端の技術を入れて性能を上げるというのがコンセプトですね。制作実費は約100万円です。
■狭い路地でも横移動ですいすい進める
──6月12日には、漆塗りや京友禅などのデザインを施したコンセプトカーの1/10モデルを清水寺で発表されました。あちらは、横移動しているようでしたが。
漆塗りコンセプトカーでは、モーターをホイール内部に配置した、インホイールモーターを採用しています。4つのホイールには動力用、方向制御用にそれぞれ2つのモーターが入っており、横移動が可能です。清水寺でのデモンストレーションでは、自動制御で「京」という字の一筆書きを披露しました。実機でも、同様の構造になる予定です。京町屋といっしょに電気自動車を盛り上げていこうという話があるのですが、町屋は狭い道にあるので横移動できる車なら共生しやすいでしょう。ちなみに、コンセプトモデルをデザインしたのは、ロボットクリエイターで京大発ベンチャーの高橋智隆氏と、アテネ五輪シンクロ日本代表の水着をデザインしたジャパンスタイルシステムの川邊祐之亮氏です。デザインも含めて実機がどういう形になるかはまだ完全には固まっていませんが、ベース車はできる限り安いものを使い、漆塗りなどの部分で付加価値を出したいと考えています。ハイブリッドでない純粋な電気自動車(ピュアEV)は仕組みが簡単ですから、基本的な仕様であれば200万円くらいに抑えることもできるでしょう。
──漆塗りの外装は、傷つきやすくないのですか?
漆の強度は高く、水にも強いのですが、なぜこれまで自動車の外装に使われなかったかというと光劣化してしまうからです。Kyoto-Carの外装にはMR漆という特殊な製法で作った漆を使います。MR漆は京都市産業技術研究所工業技術センターが開発したもので、耐光性が格段に向上しています。
■ベンチャー企業の心意気がKyoto-Carを走らせる

竹・木製Kyoto-Carと松重和美副学長。公園の遊具のような手作り感が楽しい。
──Kyoto-Carの開発体制はどうなっているのでしょう?
京都を中心にさまざまなベンチャー企業に参加していただいています。デザイン関係以外でも、例えば電気自動車の1/10サイズ試作モデルの場合、光造形はクロスエフェクト、1/1の実車サイズの車体はキャプテックス、リチウムイオンバッテリーは米国のQuallionが開発したものです。面白いところでは、アウラというメーカーが竹と茶葉を使った素材を開発しました。この素材は木材以上の固さがあり釘を打つこともできるというもので、これから実際の車体に使えるか検証を行っていくところです。竹は成長が早いため、5年も放っておくと里山をダメにしてしまいます。また、ペットボトルのお茶の生産が伸びているため、出がらしの茶葉が産業廃棄物として急増しています。こうした厄介者を材料として利用できるメリットは大きいですし、人・自然に優しいKyoto-Car のコンセプトにもあっています。Kyoto-Carのプロジェクトは、国からの補助金を受けていないこともあり、予算は約1000万円と非常に小規模です。現在のところ、各ベンチャー企業にはボランティア的に協力していただいています。
──大手自動車メーカーとの共同研究は行わないのですか? 来年から再来年にかけて、大手自動車メーカーも電気自動車の発売に乗り出すそうですが。
大手自動車メーカーと組むのは拒否しませんが、組んでしまうと大学やベンチャー企業が持っている技術がクローズドなものになってしまうかもしれません。また、1つの自動車メーカーと組むと、ほかの自動車メーカーは参加しにくくなりますし、我々も動きにくくなるというデメリットがあります。
──販路や市場展開についてはどのように考えていますか?
このプロジェクトは世界展開を念頭に置いています。特に自動車が急増して大気汚染が問題になっているところ、具体的には中国やインドですね。中国では、清華大学などと共同研究の話も進めているところです。電気自動車の普及は、中国やインドの方が意外と日本より速いかもしれません。携帯電話や自動車の普及を見てわかるように、中国はすぐに最先端へと行きますから。北京オリンピックを契機に、環境問題がクローズアップされ、電気自動車にも注目が集まっています。つい先日は、シンガポールから視察に訪れた方もいらっしゃいましたし、竹が多いインドネシアの方も興味を示していました。G8サミットの京都外相会合時には情報センターでKyoto-Carを展示したところ、海外メディアも強い関心を示し、Times社などからも取材希望が来ています。今秋には米国に出かけ、ニューヨークやボストン等でもお披露目する計画も進めています。私たち自身が電気自動車を作って売って儲けることを先行させるのではなく、それぞれの地域や国で、環境に優しい技術を生活に取り入れる、そういう思想を広めることが目的の1つでもあります。例えば、Kyoto-Carは竹を材料として使っていますが、それは京都に竹が多いからです。別の地域では、その土地の素材を使えばいいのです。車体のフレームは共通化して炭素繊維などを使うことになるでしょうが、外装はプラスチックや金属を一様に使うのではなく、各地域の素材で置き換えられます。
■大転換期にある自動車産業
──これからの10年で、電気自動車を取り巻く環境はどう変わると思いますか?
10年後なら今とはだいぶ状況が変わっているでしょうね。内閣府の環境モデル都市構想に京都市も応募しているところですが、テーマとして「歩く街」や「電気自動車」を盛り込んでいます。嵐山や東山・祇園などの特定地域に乗り入れられるのは、電気自動車だけにするとか、そういう展開もありえるでしょう。これまでの自動車は便利さと弊害が隣り合わせでした。もっと公共機関を増やして、個人利用は1~2人乗りの小型車にすれば街との調和が進み、弊害を減らせるでしょう。我々も電気自動車のバスを提案しています。実はバスならば停留所間の1~2kmさえバッテリー電源で走れればいいんですよ。今は急速充電の技術も発達しており、停留所に着いたら接触あるいは非接触方式で次の停留所までに必要な充電を行えます。こうした停留所でのインフラを整える必要はありますが、レールや架線を構築するよりはずっと手軽でしょう。現に、上海では電気自動車のバスも運行され始めています。また、自動運転の技術は日進月歩で進化していますが、電気自動車であればガソリン車よりも運転を制御しやすいと思います。
──ガソリン車では、大企業が巨大な工場を建設して大量生産を行っていました。一方、電気自動車では、生産や開発がもっと小規模化、分散化しそうですね。
産業構造は根本的に変わるでしょう。ガソリン車は、エンジン、ラジエータ、吸排気系などからなる複雑な構造をしており、膨大な数の企業群に支えられています。電気自動車の構造ははるかに単純なため、そうした企業群が不要になります。大手自動車メーカーも電気自動車を推進しようとしていますが、同時に内部的な抵抗が激しいのも事実でしょう。しかし、現在はCO2削減の流れも加速しており、対応できないところは不利になっていきます。いつの時代の何の産業にも抵抗勢力はありますが、世界の情勢は待ってくれません。それならば、先を見越して、社会のあり方を見直し、その中で自動車はどうあるべきかを考えるべきです。そうすれば、新しい産業も生まれてくるでしょう。
※研究者プロフィール:松重和美(まつしげかずみ):米国Case Western Reserve大学院修了、Ph.D., 工学博士。1993年より京都大学工学研究科教授、VBL施設長、国際融合創造センター長、国際イノベーション機構長等を歴任、現在副学長(国際産学連携担当)。専門分野は分子ナノエレクトロニクス。京都Neo西山文化創成(先端科学・伝統文化・芸術の融合による新文化創成)やKyoto-Carプロジェクトを代表世話人として推進中。

2008年7月4日金曜日

東工大、太陽光使い処理コスト1割にする淡水化技術を開発


http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0620080704001aaab.html
 東京工業大学理工学研究科の矢部孝教授らの研究室は、太陽光を使い処理コストを現状の1割にする淡水化技術を開発した。独自開発した太陽光集熱器で温めた水を水車で細かい水滴にして蒸発させ、蒸留水にする。濾過不要でメンテナンスが容易。現在主流の逆浸透膜方式などと比べ集熱面積あたりの生産水量が約9倍、設備投資は9分の1以下になると試算している。今夏中に1日1トンの水を処理する装置の試作モデルを完成させる。開発した技術は「ペガサス浄水化システム」と名付けた。独自構造の水車に70―80度Cの温水をぶつけ、半径0・1ミリメートルの水滴にして蒸発を早め、それを冷やして淡水化する。平面状のフレネルレンズで太陽光を集めて穴を通過される、反射による熱損失が少ない独自の装置を使い温水をつくる。実験では「海水や汚水の混じり物が1000分の1になった」(矢部教授)という。

A solar-powered economy: How solar thermal can replace coal, gas and oil



http://www.renewableenergyworld.com/rea/news/reworld/story?id=52693
2008/07/03 by David R. Mills and Robert G. Morgan
We all know that concentrating solar thermal technology in California has been delivering 'no fuel' electricity for two decades. Now advanced solar thermal electric options are dropping in price and some companies are introducing thermal storage to match power demand. Here, David R. Mills and Robert G. Morgan explain how this technology can deliver very much more. Their modeling shows that solar thermal power could not only replace most fossil-fueled electricity generation in the US, but could replace petroleum-based transportation. They argue it's not only technically, but economically feasible - and not just for the US but for China and India as well.

The sun is a much larger practical energy resource than any non-direct solar resource. Consequently, solar electricity is the most likely means to nearly eliminate contributions to global warming from electricity generation by mid-century. Furthermore, with thermal storage much cheaper than electrical, mechanical or hydrogen storage, solar electricity will probably be predominantly in the form of solar thermal electricity (STE) with thermal storage, rather than photovoltaic solar electricity with electrical or mechanical storage.
STE (often referred to as CSP, or concentrating solar power – though this, strictly speaking, includes concentrating photovoltaics) uses a field of solar reflectors to create a hot fluid to run a heat engine such as a Rankine or Brayton cycle. This is a proven concept using Rankine cycle turbines. It has, for instance, been successfully demonstrated in the Californian desert for two decades using commercial parabolic trough technology and steam turbines, achieving an annual field availability of 99%.

The US National Renewable Energy Laboratory (NREL) uses a conservative future total plant availability of 94%, due primarily to operations and maintenance (O&M) requirements of the conventional steam turbine used. Central receiver (CR) technology, in which a small receiver on a high tower is illuminated by a field of mirrors below, has also been developed using two-axis tracking heliostat reflectors and a commercial plant, PS10, has begun operation in Spain. A third option recently developed is the linear Fresnel reflector (LFR) system in which long steam pipe receivers on towers are illuminated by long heliostats (see REW March–April 2008, page 65–67). A CLFR (compact LFR) system is the basis of a recently announced 177 MW project by the PG&E utility in California. Both CRs and LFRs currently generate steam directly with low parasitic pumping losses and could be used in gigawatt-scale fields.

STE can also use low-cost energy storage in artificial thermal reservoirs. Oil storage was successfully demonstrated commercially in the mid-1980s and molten salt is being commercialized in parabolic trough plants in Spain. In addition, very low cost water-based thermal storage is expected to be commercialized within two years using technology that is currently under development. Thermal storage can actually lower the cost per kWh because it reduces the turbine size required for a given thermal output. In STE designs using storage and no fuel, there is also immunity from fuel cost rises over the long term.

Currently, the cost per kWh of STE is reaching the cost of natural gas generation in California and is expected to be near US new plant coal-fired generation cost when plants get to the 500–1000 MW scale in a few years. Any technology that can displace coal and gas generation could also potentially eliminate vehicle emissions using plug-in electric vehicles.

Modelling and analysis

A technical examination of both electrical supply markets and automotive applications, without detailed reference to economics, has been undertaken using 2006 data to reveal correlations between solar output and grid load requirements in California and Texas.

The data on grid usage is based on hour-by-hour grid load data from the California Independent System Operator (CAISO) and the Electric Reliability Council of Texas (ERCOT). Meanwhile, a simple vehicle usage model was developed from energy use data from the same sources together with national load figures for the US.

The model for the solar thermal aspects is part of the project model developed commercially for the CLFR system. However, any solar system with the same number of hours of storage will exhibit broadly similar correlations. The model uses ray trace results to form a map of optical performance against sun position in the sky. Two models were used, an internally developed one and, for reference, SolTrace from NREL. The maps were incorporated into a TRNSYS model – a transient systems simulation program with a modular structure – of the collector and power system, which can incorporate storage modules.

A simpler project model with project financial modules was also examined with a collector and storage performance modules that are cross-correlated with the TRNSYS model to ensure accuracy. The project model was run for every hour of the year and, where possible, load data was entered on an hourly time step. Both the TRNSYS and the project models develop a value for collected solar radiation from archived solar radiation data, as available from NREL.

The individual power block peak thermal efficiency was assumed to be 33%, although this does not affect the basic conclusions that would apply for any turbine size and efficiency. The plant fleet size was arbitrarily made to equal the peak load requirem ent of the state or country being modelled. In this case, based on 2006 data, this implies 50 GW for California, 63 GW for Texas, and 1067 GW installed and 789 GW non-coincident peak load for the US overall.

The solar multiple (SM) is the ratio of actual solar array size to the minimum size required to run a turbine at full capacity at solar noon in midsummer. Solar multiples greater than one are required when delivering power outside daylight hours using storage. The storage used is only enough to carry load for one or two days, and is used to match hourly output fluctuations in solar input with hourly load. These storage levels do not provide seasonal or even weekly storage, so are subject to local weather events, especially sustained cloudy periods.

However, with the CLFR, solar multiples of up to two are possible, even when not using storage. This causes overproduction of thermal energy at peak solar periods in summer, which is discarded by turning some of the reflector field off-focus, but also allows better utilization of the turbine at other times, increasing plant capacity factor. Because our models currently show improved economics using a solar multiple of two in fields without storage, we use this figure as the non-storage configuration with the best correlation with grid-load.

Replacing fossil generation

The capacity factor is the ratio of actual energy supplied to the maximum possible supply by the installed turbines over that period. In Figure 1, modelled monthly capacity factor (CF) is given for a 50 GW installation using the 2006 the Californian ISO grid load. The collector model uses an array with a solar multiple of two, with the array being assumed to have storage only in the thermal mass of the array pipes, fluid, and steam drums. It can be seen that, partially due to the SM2 strategy, the CF is reasonable and the array covers about 40% of the annual California load. This is excellent for a non-storage technology, but not enough to allow the technology to generate the majority of power on the grid.

In Figure 2, the same turbine fleet is now provided with arrays in the SM2, SM3 and SM4 sizes, all with 16 hours of storage. The chart shows the SM3 case to exceed the grid load requirement at all times except in winter, using a peak turbine capacity equal to the peak load of 50 GW. The 16-hour figure was chosen because it was financially optimal for the SM3 case; many other storage levels were attempted. The correlation with annual load is 92%, without the application of any peaking plant, with only 3% of energy having to be dumped by turning excess collector capacity off-focus. At SM2, the monthly load is never carried, but zero energy is dumped. At SM4, the entire grid load is carried, but 22% of energy is dumped. The lowest kWh cost case is therefore near SM3, because the turbine operates at close to the capacity factor required by the grid, while little energy is dumped.

In Figure 3, the model results for the Texas ERCOT grid are given for SM2, SM3, and SM4. Again, 16 hours of storage was assumed. The chart shows the least cost SM3 case to fall short in summer, using a peak turbine capacity equal to the peak load hours of the year. This was 63 GW, recorded in May 2006. Again, SM3 is the best factor, with a 91% correlation, without needing peaking plant.

Supplying the entire US?

While the high supply fractions are compelling from a regional viewpoint, a more ambitious thought experiment addresses the supply of the entire national grid from the modelled Texas and California solar arrays.

Of course, supply of the US would take place from many southern and western states, but using two distant states like California and Texas is illustrative.

In Figure 4, the dashed line indicates the 2005 national grid profile scaled to the 108 GW coincident peak of both the CAISO and ERCOT. The result – surprisingly – is even closer to the two-state blended solar generation correlation, with 96% of the national annual grid supply accessible to least-cost SM3 STE. However, this chart was prepared by using monthly national data, not the hourly data available through CAISO and ERCOT. Nevertheless, there is a close match between the forms of load patterns of Texas, California, and the national grid, suggesting that similar amounts of storage could be used to the same effect.

Furthermore, there would be a tendency for extreme local weather events to be averaged out, and there would be hundreds of solar plants available with flexible storage and considerable geographic diversity. For this reason, a result close to or better than that in the California case is not unreasonable.

This close correlation in a country having a severe winter in the northern regions might seem not to be intuitively correct, but the excellent seasonal match at the national level can be better understood if one realizes that winter home heating loads are largely carried out by non-electrical energy, typically gas and oil, and that air-conditioning is mostly electrical. This produces a close national load correlation with solar seasonal availability similar to that previously calculated for the warmer states. In 2005–2006, the US national grid had a generating capacity of 1067 GW and non-coincident peak load of 789 GW. Based on the current technology, a CLFR with SM3 and storage would require 3.9 km2 for 177 MW, translating a national land requirement equal to 23,418 km2 or a square with 153 km sides.

Transportation – replacing oil

Recent developments in lithium ion batteries and supercapacitor technologies may provide the possibility of rapidly recharging electric vehicles which would use zero fossil fuel. The electricity for such vehicles would come from the national and state grids, and therefore can potentially be supplied by grid-connected renewable energy with low climate impact.

The annual US figure for 2006 vehicle emissions has been calculated by the Department of Energy at 2 billion tonnes of CO2 equivalent (CO2e). This is close to the annual US electricity generation emissions of 2.3 billion tonnes CO2e.

A Socolow Wedge – a concept that illustrates the scale of emissions cuts needed in the future, and provides a common unit for comparing the carbon mitigating capacities of various energy and storage technologies – is a saving of 1 billion tonnes of carbon emissions per year reduction. Converted to tonnes of CO2e, a single wedge is 3.7 billion tonnes of CO2e per year. Seven wedges are required to stabilize the atmosphere at 550 ppm of CO2 over 50 years, so the potential of removing emissions from the US generation and vehicle fleets is 17% of the entire global reductions required. The potential in other markets such as China, Europe and India is also large.

The US national vehicle fleet travelled 10 trillion miles in 2005–2006. Battery electric vehicles typically use between 0.17 and 0.37 kWhe per mile, so for 1 x 1013 miles of vehicular travel the US would need 1.7–3.7 x 106 GWh to eliminate fully vehicle emissions from fuel use. National solar generation would consequently have to climb by 42%–91% to accommodate an entirely electrified transport sector. The land area requirement for the supporting CLFR generation plant would thus climb to 182–211 km on a side, about 1509–2029 GW.

Superimposed on our electricity load, this would have some implications. Although fast charging will be available, it is likely that much of charging will take place in the home garage, leading to a stronger night load.

Because we do not have hourly data for the entire US grid, nor a typical charging pattern, we can look at a simple model using the more extreme effect of placing 91% more generation into one state, California, spreading the charging period over the period between 9 pm and 9 am. It is likely that technical improvements would drive vehicle efficiency toward the lower end of the range after a decade of manufacture, although this is not considered in this model. Nor does this model benefit from time zone displacement, as would occur in a national model. For both reasons, it can be regarded as a worst-case scenario.

Figure 5 shows a calculation for California, such that peak generation is now 95.5 GW rather than the existing 50 GW. It can be seen that the effect on the model correlation is marginal, with the SM3 configuration continuing to be preferred and the correlation slightly improved over the 50 GW California model shown in Figure 2 at 93%. This suggests that, on a national basis, the correlation will also remain high with a grid load that totally includes the vehicle sector. For more efficient vehicles, the added grid load would be smaller, but the correlation similar.

Discounting future commodity inflation, the authors believe that, without additional improvements in end use efficiency, future systems with storage will require $4.5–6 trillion in capital investment at today’s prices to provide generation capacity which supplies the great majority of both static and transport usage. The current cost of imported oil to the USA at $100 per barrel at an import rate of 13.2 million barrels a day – in 2005–2006 – is $482 billion per year.

The simple payback time in balance of payments of petroleum savings alone is approximately 9–12 years even without any consideration of substantial coal and gas fuel savings for the non-transportation sector. This very simple economic argument neglects very large additional benefits to the local environment, that, in addition to global environmental benefits, would include a much cleaner atmosphere in urban areas and the avoidance of associated health costs.

The net benefit to the economy over 40 years is thus clearly very positive, and far from the net cost that emissions reduction is commnly portrayed to be. Of course, should significant energy efficienty be implemented in the period before 2050, the additional generation required would be substantially reduced.

Solar thermal as a future energy source

Although it is often said that ‘solar cannot produce baseload electricity,’ STE is probably the only currently available technology that can be considered for a globally dominant role in the electricity sector over the next 40 years.

Humankind evolved to be most active when the sun was up, and this is why human activity and energy usage correlate significantly with the energy delivery from direct solar systems. Additional seasonal correlations detected result from the influence of the US national building air-conditioning load, which is greater toward summer months when the sun delivers more direct solar energy to the earth’s surface. We have up to now largely neglected these advantageous correlations when designing power systems technology. Such hourly and seasonal natural correlations with energy output from a solar system are substantially enhanced using storage. An immediate advantage is that load-following solar plant does not need expensive peaking plant back-up and it is clear that natural correlations can be used to economic advantage in solar power system design.

The relevance of baseload generation as a technical strategy needs to be carefully re-examined. Human activity does not correlate well with baseload coal or nuclear output and it should be recognized that baseload is what coal and nuclear technologies produce, not what is required by society and the environment.

Solar power with storage can take up as much of the grid generation load or vehicle energy load as is desired, and can host other clean energy options by treating them as a negative grid load. A mixture of storage and non-storage renewable options thus appears to be fully self-consistent as an alternative to the present generation mix, with the main co-contributors to STE probably being hydro and wind.

Not only is STE an energy option of great significance, but with only 16 hours of storage it has sufficient diurnal and seasonal natural correlation with electricity load to supply the great majority of the US national grid (and by logical extension, those of China and India) over the year, with the hourly solar radiation data including typical cloudy weather patterns. Furthermore, STE can supply much of an electrified transportation market without destroying these natural correlations.

An almost complete elimination of both fossil-fuelled generation and oil usage for transportation in the US appears to be technically feasible and will cost less than continuing to import oil.

Zero emissions technology is required to replace most of current generation by mid-century to meet stringent climate goals. What is now needed to facilitate such a vision is a rethink of the function and form of electricity grid networks, and the inclusion of high capacity factor solar electricity technology in the design of continental electricity systems.

David R. Mills is the chairman and chief R&D officer of California-based Ausra Inc. of California and Robert G. Morgan is the chief development officer.
e-mail: david.mills@ausra.com

Figure 1. Solar contribution to grid load in California assuming no storage and a solar multiple SM2. the annual contribution if 40%

Figure 2. Solar contribution to CAISO annual loads (16 hours storage)

Figure 3. Solar contribution to ERCOT annual loads (16 hours storage)

Figure 4. The effect of blending the grids from Texas and California and using SM3 arrays

Figure 5. Solar contribution to CAISO annual load with oil use onverted to electric load

2008年7月3日木曜日

カーテンで太陽光発電を:「必要電力の約半分が発電可能な家」


http://wiredvision.jp/news/200807/2008070323.html
 マサチューセッツ工科大学の研究者が、太陽光で発電する新開発の布地でカーテ ンを作成した。このカーテンを活用した「ソフトハウス」は、1時間あたり最大 1万6000ワットの電力を発電し、家庭で1日に必要とされる電力の約半分をまかなえるという。

住宅用太陽光発電 経産省『半額に』 買い控え拡大 業界困惑



http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008070302000156.html
経済産業省が地球温暖化対策として、住宅用の太陽光発電システムに補助金を出すなどして価格を今後三-五年で半額に引き下げる方針を打ち出した。この動きを受け、システムを販売する現場では早速買い控えが起きている。このため販売会社やメーカー側からは、政府方針を疑問視する声も出ている。
■混乱
 「半額になるまで買うのを待ちます」。経産省が半額方針を示した翌日の六月二十五日、中部地方にある発電システムの販売会社では、成約した約三百万円の注文が取り消された。同様の契約キャンセルは、他の会社でも相次いだという。 同省は、現在平均約二百三十万円する発電システムの価格を「三-五年以内に半額程度への低減を目指す」とした。福田康夫首相が「太陽光発電の導入を二〇二〇年までに十倍」と掲げたのを受けた措置だが、具体的な補助金の額や低減の方法は示されなかった。一方、発電システムの購入希望者の多くは数年後に「半額で買える」と判断した。販売会社の担当者は「これでは価格が下がるまで売れなくなる。根拠なく発表するのは無責任だ」と怒る。 発電システムへの補助金は一九九四年度にいったん導入されたものの、〇五年度に廃止。〇七年度の販売実績は廃止時と比べ32%減の約四万九千件に落ち込んだ。そうした中、今回の方針転換が事業者を再び混乱させる結果となった。
■課題
 政府の方針について大手メーカーは「もし補助金が復活するなら、冷え込む需要を喚起することになりありがたいのだが…」とやや困惑気味。政府はメーカーにもコスト削減努力を求めているが、「次世代技術を期待しなければ、数年での解決は難しい」(三洋電機)という。 価格引き下げには原材料価格の高騰も立ちはだかる。太陽光パネルの原料となるシリコンのほか、アルミフレームや強化ガラスなども値上げ圧力は強い。また、「少子化で住宅需要が減る中、どこまで導入件数を増やせるのか」(シャープ)といった課題もある。 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は「経産省の方針は手段なく、結果だけを示した。実現を担保するため、電力会社が適切な値段で太陽光エネルギーを買い取る固定価格制度を導入すべきだ」と提案している。

急増する「太陽光発電ベンチャー」~黒い電池パネルをイメージするようでは遅れてます



ニッポンでも注目の新技術&「クリーンテック・ベンチャー」
2008年7月3日 木曜日 飯野将人,堤 孝志
NEXT BIG THING! ベンチャーキャピタリストはIT(情報技術)、バイオの“次に来る巨大潮流”を追い求めている。本稿ではNEXT BIG THING「クリーンテック分野」の投資で先行する海外(主に米国)事例を拙訳書『クリーンテック革命』(ファーストプレス)に触れながら紹介する。さらに、この分野はわが国にも先進的な事例がある。ニッポンの事例とニッポンの投資実務家の思いも語ろう。太陽電池と聞くと、小さな太陽電池パネルで駆動する電卓や腕時計や戸建て住宅の屋根に据え付けられた太陽電池パネルなど「ああ、あれね」という身近さがある。だが、こうした身近に昔からある太陽電池のイメージを引きずると最近の太陽光発電産業の技術やダイナミズムを理解することはできない。

米国内で撮影された太陽光発電用のソーラーパネル(撮影日不明)。(c)AFP/SOLAR SYSTEMS

スペイン・セビリア(Sevilla)の工場の敷地に並ぶ太陽光パネル(2008年2月13日撮影)。(c)AFP/CRISTINA QUICLER
□3兆円産業とは音楽、ゲーム、映像などデジタルコンテンツ市場と同じ
この市場の規模感をつかむためにマクロ数字をおさらいしておこう。
●2003年の世界市場の規模(発電容量ベース)は620メガワット(メガは100万)だったが、2007年は2821メガワット、2017年予測は2万2760メガワットに達する。
●2007年の太陽光発電産業の売り上げ規模は部品、システム、設置サービスを含めて200億ドル(約2兆円。調査によっては3兆円という見方もある)。これが2017年には740億ドル(約8兆円)に成長する見込み。(Clean Energy Trends 2008 by Cleanedge, Inc.)

 いささか乱暴に比べると「3兆円」といえば、日本国内でスポーツ用品の購入やスポーツ施設の利用、スタジアムにおけるスポーツ観戦を含むスポーツ参加市場(3兆3000億円)、日本国内の音楽、ゲーム、映像などのデジタルコンテンツ市場(3兆700億円)に匹敵する。引用している太陽電池市場は世界市場だから一概に比べられないが、まあ大体の大きさとその成長の激しさは感じられる。太陽光発電は世界中でもてはやされているが、実は牽引役は今や日本ではなく環境立国として主導権を握ろうとするドイツだ。累積導入量は2005年に日本を抜いて世界首位。2006年の国内市場規模は日本の2倍に迫る勢いで拡大した。

太陽電池セルの生産で2006年まで7年間世界リーダーだったシャープは2007年ついにドイツのQセルズに抜かれた。2007年に原料の多結晶シリコンの調達が不調となった結果、太陽電池部門の売り上げは前年比4.2%減となり、遂にシェア1位の座をドイツのQセルズに明け渡したのだ。1999年設立のQセルズがシャープから首位を奪取したほか、サンテックパワー(中国)やモーテック(台湾)もシェアを拡大しており、三洋電機や京セラといった日本メーカーも苦戦を強いられている。
□ドイツにおける国策としての新エネルギー普及支援がFIT
 ドイツの太陽光発電が劇的に成長した主因は2004年に導入したフィード・イン・タリフ(FIT)という制度だ。太陽光発電した電力を電力会社が通常電力の価格より2~3倍も高く買い上げるよう義務づける仕組みで、買い上げ価格は段階的に引き下げられるものの、設備導入後20年間は決められた価格での電力買い上げが保証される。発電者から見ると初期費用は前半10年で回収され、後半の10年はまるまる利益を生む仕組みだ。このように「儲けが政府によって保証された仕組み」ができたせいで、投資対象として太陽発電設備を導入する法人や個人が爆発的に増え、大量の資金が太陽光発電の業界に流れ込み、新興メーカーが続々と登場した。世界首位に立ったQセルズも1999年設立、2005年に上場したばかりの新興企業。同様の買い上げ制度を導入したスペインやイタリアもこの分野で台頭している。2007年末に2007年包括エネルギー法案が可決された米国も新エネルギーの普及に躍起だ。もちろんFITは良い面ばかりではない。ドイツではFITによる電力会社の買い上げコストがユーザーに転嫁された結果、電気料金は1割増しとなった。これは国民経済全体として次世代エネルギー技術の開発のために、ユーザーがコスト負担したということだ。「脱・原発」を掲げた政治が新エネルギーへの転換を強引に主導し、新エネルギーへの転換を促したのだ。
□日本は政府レベルの支援策が乏しい
 国内向け太陽電池モジュールの価格はFITで底上げされた欧州向けにくらべて3~4割低く、利の薄い商売だ。国内メーカーの輸出比率は6~7割を超え、国内市場は縮小している。わが国の新エネルギー普及政策には欧州のような戦略性が不足しており太陽光発電ビジネスは「行き当たりばったり」の政策支援の中で生き延びてきた歴史がある。ドイツ方式のFIT導入に電力会社が猛反発した結果、妥協の産物として2003年にRPS法(電力会社に販売電力量に応じて一定の新エネルギー利用を義務づける法律)が施行されたものの、これには制度上の問題も多く太陽光発電の普及促進策としてはFITに劣る。1994年から続いていた住宅向け設置補助金制度も小泉内閣(当時)が特別会計予算の削減のため2003年打ち切りが決まった(打ち切り実施は2005年)。2007年にRPS法が改正され、太陽光発電に関して2011年から利用量を2倍換算し普及を促す手直しもされたが、後手に回った。住宅向け設置補助金が打ち切られた2005年以降日本国内向けの導入は頭打ちが続いている。シャープは2009年生産能力2ギガワット(ギガは10億)を目指す。また2010年度までには京セラが500メガワット、三洋も600メガワット以上に増強する。だがこの3社はいずれも太陽電池専業ではないため、太陽電池事業に振り向けられる経営資源は限られている。ベンチャーキャピタルや株式市場などから調達した潤沢な資金を投入する海外の新興勢力に対抗して国内メーカーが優位を保つには、パネルサイズや施工手順などで複数社が連携して生産工程を標準化し効率化を進めるのというのも一案だ。海外勢のベンチマーキングを怠り気がついた時には競争力が逆転していた半導体産業の失敗を、二度と繰り返してはならない。つい先日、「福田ビジョン(太陽光発電導入量を2020年までに現状の10倍、2030年には40倍に引き上げる)」という地球温暖化対策が発表された。2005年の補助金打ち切りで停滞中の国内市場の活性化が期待される。
□技術革新の方向性
 欧州でもFITのゲタを抜いてしまえば、キロワット当たり発電コストは40円台。従来電力のコストがキロワット当たり20円を下回るのと比べて2倍近い。コストダウンは必須だ。太陽光発電システムは一般的な住宅向けの3キロワットの場合約200万円。この7割がモジュールコスト、残り3割が工事費とされ、モジュールコストの6割をシリコンウエハーが占める(結晶系の場合)。単純計算で200万円×70%×60%=80万円以上が原料シリコンのコストということになる。原料シリコンは重量で価格が決まり、製品化した太陽電池モジュールは発電容量で価格決定されるから、メーカーが付加価値を高めるには、原料シリコンのコストを削るか、太陽電池の変換効率を高めるかしかない。

(NEDO「2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)より筆者作成」

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2004年に作成した「PV2030」という技術開発計画によれば、2007年時点のキロワット当たり発電コスト46円を、シリコンの使用量やウエハー化のコスト、セルのモジュール化コストの削減を通じて2010年に23円、2020年に14円、2030年には7円まで削減するのが目標だ。住宅向けの太陽発電設備が現状の半値の100万円となり、この投資がFITのような支援によって10年間で元が取れるようになれば需要も増えるはずだ。

(Solariaウェブサイトから転載)
□シリコン使用量の削減事例
 米国Solariaのシリコン削減方法はコロンブスの卵の「シリコン間引き」と言える方法だ。シリコンをすだれ状に間引き、その上に集光レンズを置くことで集光効率を上げる。シリコン使用量を半分に削りつつ発電効率90%を維持する。
非シリコン素材モジュールの事例

非シリコンの「Cu-In-Ga-Se(銅-インジウム-ガリウム-セレン)=CIGS」系素材を使った太陽電池で光の吸収率がシリコンに較べて格段に高く、蒸着やスパッタリングといった積層法で発電層を形成できるので発電層厚を数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)に抑え、材料コストを削減できる。また理論的な発電効率も25~30%と単結晶シリコンを上回ることが期待される。光や放射線による劣化に強く製品寿命が長い。


巨額の資金調達を背景としたダイナミックな業界再編が花盛り

 米国の太陽光発電関連ベンチャーへの投資額は2006年に3.2億ドル(約350億円)だったのが、2007年は公表分だけでも10億ドル(約1000億円)を突破した。太陽電池関連のベンチャーは全米に少なくとも50社以上あり、うち22社がシリコンバレーに本社を置いている。(Photon International, 2007年12月号)

 ベンチャーキャピタルのApax Partnersは前述のQセルズに14億円投資し、同社が2005年に上場した際390億円に上る上場益を得た。太陽電池の構造自体は単純なのでこうして集めた巨額の資金で製造設備やシリコン原料を確保しさえすれば、誰でも(と言うと言いすぎだが)比較的簡単に製造に参入できる。2002年設立のナノソーラー(米国)はベンチャーでありながら2006年に1億ドルを調達し、シャープ並みの製造設備を建設している。またサンテックパワー(中国)は2005年に中国企業として初めてニューヨーク証券取引所に上場し4億ドルを調達、日本のモジュールメーカーMSKのほか原料シリコンメーカーなどを積極的に買収している。

 このように資本力を背景とする業界内の合従連衡が盛んだ。Qセルズが原料シリコンメーカーのRECに出資したほか、シャープは薄膜製造装置の強化で東京エレクトロンと、シリコン精錬分野で新日本製鉄とそれぞれ提携した。結晶系と薄膜系のハイブリッド技術を持つ三洋は太陽電池部門の責任者が大和証券出身者に代わったことで買収のターゲットとしての動向が注目されている。
□わが国ベンチャー企業はどうか? VCでは何が起きているのか
 さてニッポンでベンチャーキャピタルをやっている我々の周りでは何が起こっているのだろうか。世界市場における日本メーカー各社の地盤沈下は明白とはいえ、日本の製品には依然として高い技術競争力がある。セルの変換効率は10%台後半と欧州勢の製品より数ポイント高く、投資目的で太陽光発電施設を導入する客ほど変換効率や耐久性などを重視するため、欧州でも日本製品から売れていくのだ。現在市場シェアが大きい多結晶シリコン型、薄膜型、CIGS型、有機型とも、セルの市場にはベンチャー企業が少なく、シャープ、京セラ、三洋といった大手メーカーが主役で、我々ベンチャーキャピタリスト泣かせだ。一方、セルの製造プロセスで薄膜型やCIGS型の製造に欠かせない製膜には「真空」「CVD」「スパッタリング」「スクライブ」など、半導体やFPD(薄型パネルディスプレー)分野のプロセスと重複するキーワードが多く実績のあるベンチャー企業の裾野が広い。プラズマCVDを強みとするアルバックは薄膜型向けの製造ターンキーシステムで受注を伸ばしている。半導体ウエハー洗浄装置のエス・イー・エスも洗浄装置、テクスチャリング装置を軸としてフルターンキーでの受注を目指している。フェローテック、ニューロング精密工業なども、太陽電池製造装置の市場に参入している。ベンチャー企業でも、真空包装機の技術を基に太陽電池製造装置に参入したエヌ・ピー・シーが2007年度に上場し躍進している。1990年代にFPD市場が急成長したときにブイ・テクノロジー、クボテックなど、有力ベンチャーが続々生まれ株式上場も相次いだが、太陽電池でも同じことが起こるだろう。エバテック、テオスなど、半導体・液晶製造装置から参入している企業もある。
□新方式によるセルベンチャーの米国、製造装置ベンチャーの日本
 太陽電池ではコスト削減を巡って様々な方法で試行錯誤が繰り広げられており、製造装置ベンチャーに可能性がある。さしずめ「新方式によるセルベンチャーの米国、製造装置ベンチャーの日本」とでも表現できるチャンスがある。新方式の太陽電池ということでは、球状シリコン方式のクリーンベンチャー21や京セミ、色素増感方式の桐蔭横浜大学発のベンチャー企業、ペクセル・テクノロジーズなどが健闘している。色素増感型は量産化までにはまだまだ時間がかかる技術だが、印刷式で安価に量産できることやデザインが優れているため、企業だけでなく大学や研究機関での研究も盛んで、我々ベンチャーキャピタルの投資ターゲットとしてもエキサイティングだ。太陽電池モジュールの要素技術である特殊レンズ製造の五鈴(いすず)精工硝子は集光レンズのコストを半分以下に抑える技術を開発し、集光型太陽電池用に営業している。太陽電池の製造技術だけでなく、発電設備の設置サービス、設備購入に関わる金融サービスなどの周辺ビジネスにもチャンスがある。商業用太陽光設備設置サービスで急成長した米国のパワーライトのように、日本には日本エコシステムといった企業がある。こうしたベンチャーに必要なのは島国根性に縛られないグロバールなマーケティングの視点だ。前述のエヌ・ピー・シーは、国内と違ってプロセス技術を内製しない新興メーカーが主である海外市場で常時50人の営業マンが案件開拓している(6月12日付け 日経新聞本紙)。ベンチャー企業はそこまで大規模な海外営業軍団を持つのは難しいだろうが、自社技術の受容環境が海外市場に揃っているのなら、迷わず海外市場を攻略してほしい。太陽電池分野に限らず国内の技術ベンチャー企業は腰の重い国内大企業からの受注にこだわって初回の受注に時間を要したり、多少実績ができても国内市場自体の伸びが頭打ちだったりというもったいない戦略上の失敗が多い。及ばずながら我々ニッポンのベンチャーキャピタルもお手伝いしたい。
□太陽光発電には政策的モチベーションづけが
 筆者は総論として規制緩和論者であり小さな政府を歓迎するのだが、こと太陽光発電を含む新エネルギーの分野では、相対的に割安な従来エネルギーからの転換を促すため政策的なモチベーションづけが不可欠だ。もっとも国際エネルギー機関の下部組織で、太陽光エネルギーの効率利用の促進を図る12カ国(と欧州委員会)の国際機関であるSolarPACESなどから太陽熱発電の方が太陽光発電よりも効率が高いとする主張も出始めており、太陽光発電も本質的なコスト削減を進めなければならないのは言うまでもない。次回は太陽光発電に比べても、格段に規模が大きく、身近な風力発電の産業と今の投資環境を考えてみたい。

Two PV Pumped Closed Loop Solar Water Heating Systems



10年後にエネルギー経済は一変する/エコロジスト、レスター・ブラウン氏に聞く



米国アースポリシー研究所所長のレスター・ブラウン氏(写真:山田 愼二)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080702/164217/
2008年7月3日 木曜日岡崎秀
米国アースポリシー(地球政策)研究所所長でエコロジストのレスター・ブラウン氏が、最新著書『プランB 3.0』の日本語訳出版に合わせて6月に来日。環境的に持続可能な経済についてお聞きした。
―― 地球の現状と、問題点について教えてください。
人類は今、食料不足という大きな課題を抱えています。ここ8年のうち7年は世界の穀物生産量が消費量を下回り、不足分を埋めるため穀物在庫を取り崩してきました。その結果、現在の在庫は1974年以来最低レベルにあります。一方小麦、米、トウモロコシなど主要穀物の価格は、史上最高値を記録しています。この状態を放置すれば食料不足がいっそう深刻化し、人類文明が「もはやそれまで」という危機におちいるリスクがあります。
―― 20世紀後半にも農作物不作で食料価格が急騰しましたが、現在の状況との違いは何でしょうか。
 米国のコーンベルトでの猛暑による減産、旧ソビエトでの凶作、インドのモンスーン期の水不足による減産などで食料価格が高騰しましたが、これらは一時的な気象状況がもたらしたもので、次の収穫時には正常な生産レベルに戻れました。しかし現在の問題は、長期的な傾向なのです。原因の1つは、気候変動です。近年の熱波により穀物生産量が減少しています。1970年以降、世界の気温は0.7度上昇しました。主要穀物は成長期に気温が1度上昇すると収穫が10%低下する、と作物生態学者の意見はおおむね一致しています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、今世紀中に1.1~6.4度の間で気温が上昇すると予測しています。
―― 地球温暖化の結果氷が溶けていることも、農業に影響を及ぼしますか。
 南極やグリーンランドの氷床やヒマラヤ山脈などの氷河の溶解が、急激に進んでいます。グリーンランドの氷床が完全に溶けると、海面が7メートル上昇すると言われます。バングラデシュでは海面が1メートル上昇すると、水田の40%が水没してしまいます。山岳地帯の氷河は河川の水源で、「天空の貯水池」と言われています。ヒマラヤの氷河は徐々に溶けることによって、乾期にもガンジス、黄河、長江などアジアの河川に水が注がれます。しかし気温上昇と共に氷河が溶けると乾期に川に注ぐ水が減り、雨期のみに水が流れる、季節河川になってしまう可能性があります。完全に水がなくなってしまう危険性すらある。ヒマラヤ山脈を水源とする河川は、世界の大穀物生産国であるインドや中国の穀倉地帯を潤しています。十分な水が流れなければ、世界の小麦と米の生産量が大幅に減る危険性があります。
―― 地下水を汲み上げて、農業水に利用している地域もありますね。
 多くの国では地下水層を汲み上げ灌漑していますが、降った雨が地下水になるという自然システムで補充される量を超える水を汲み上げた結果、地下水位の低下という問題が起きています。世界の3大穀物生産国であるインド、中国、米国がこうした状況にあり、世界の人口の半分がこのような地域に暮らしていることになります。インド、中国では穀物の大半が灌漑農地で生産されているので、地下水位低下は深刻な問題となるでしょう。サウジアラビアは現在、地下1000メートルほどから地下水を汲み上げ、国内で消費する小麦のすべてを生産しています。しかし2016年には地下水が枯渇し、穀物を生産できなくなる可能性があります。また、モンゴル、ハイチなど土壌浸食が農業に深刻な影響を与えている国もあります。また、増産をもたらす農業技術が開発される見込みがないことも、将来の食料増産に暗い影を落としています。さらに人口増加も食料不足の一因です。世界の人口は、年間約7000万人増加しています。生産量が減っているのに人口は増え続け、供給が需要に追いついていません。また、豊かな国では、数十億の人が肉や乳製品など穀物消費量が高い食生活に移行しています。穀物をそのまま消費するより、肉や鶏を育てるほうが多量の穀物を必要とします。
―― 穀物がバイオ燃料の資源に使われていることについては、どうお考えですか。
 様々な環境的要因によって穀物を増産するのが困難な時期に、人の命を支える食料がバイオ燃料の原材料に取られてしまうことは、食料倫理という観点から深刻な問題です。1990年から2005年まで世界の穀物需要は、年間平均2000万トン増加していました。ところが2005年から2007年まで世界の需要は一気に4000万トン増加しました。これは米国で穀物がエタノールを生産するために使われたからです。これまで、食料経済とエネルギー経済は別のものでした。しかし穀物から燃料を生産することになると、穀物価格と原油価格は連動するようになり、世界の穀物価格が石油価格と同じ勢いで上昇していきます。人間の命を支えるためにあるはずの穀物が、自動車の燃料になっているのです。
―― 食料の輸入国と輸出国の関係はどうでしょうか。
 自国の食料価格を安定させるため、ロシア、アルゼンチン、ベトナムなどは輸出を規制したり、完全に制限しています。輸入国にとっては深刻な状況です。多数の食料輸入国が競って食料を確保しようとする中、貧しい国は食料を輸入できなくなる恐れがあります。食料不足が不安定な政治状況を生み、貧富の差はかつてないほどに広がっています。貧しい人は最低の生活水準から抜け出せず、豊かな人はさらに豊かになる傾向があります。経済的格差は栄養状態、教育水準、健康状態に現れています。人口増加、病気、政局不安などのストレスを抱え、「破綻した」、または「破綻しつつある」国家が増えています。世界の状況がどれだけ深刻であるのか表す指針でもあります。過去にもシュメール文明、マヤ文明など食料不足が原因で滅んでしまった例があります。私たちも食料供給が安定した世界を築かなければ、人類が滅んでしまう恐れがあります。また、20世紀は石油の世紀でした。多くの国が石油に依存して経済成長を遂げ、必要な石油はいつでも確保できると思ってきました。しかし石油は永遠に続く資源ではありません。地質学者の中には、昨年がピークオイル(世界の原油生産が減少に転じる時点)だったと考える人もいます。そうでなくとも、ピークオイルは数年の間にやってくるでしょう。その後私たちは、全く「新しい現実」と向かい合うことになります。石油だけでなく、水など全ての資源は有限であることを認識しなければなりません。
―― そこでブラウンさんは、持続可能な世界である「プランB」へ移行することを提唱されているのですね。
 そうです。従来の「プランA」では、地球の資源を奪うことによって急激な発展しました。しかし、資源はまさに、なくなりつつあるのです。持続可能な世界を築いていかなければなりません。最も新しい「プランB 3.0」では以下の目標を設定しています。2020年までに二酸化炭素の排出量を80%削減すること。これは気候を安定させるために必要な条件です。世界の人口を安定させ、貧困を解消すること。そして生態系を修復することです。「80%削減」というのは無理な目標であると思われるかもしれませんが、世界のエネルギー経済を再構築し、気候を安定させるための技術は既にあります。まず炭素を固定化するため植林を進め、同時に森林伐採に歯止めをかけることです。そして全世界でエネルギー効率を上げる技術を採用しなければなりません。例えば白熱電球を小型蛍光電球に替えることです。そうすれば電力使用量は4分の1になり、これを地球規模で行うと、世界の電力使用量を12%削減できます。まずエネルギー効率を高め、さらに再生可能エネルギーへのシフトをただちに実現していくことです。
―― 風力、太陽エネルギーについてはどうでしょうか。日本で開発できるエネルギーについてもお聞かせください。
 アルジェリアは、600万キロワットの太陽熱発電エネルギープラントを建設すると発表しました。これは、標準的な石炭火力発電所6基に相当する発電量です。アルジェリアは石油輸出国ですが、石油が枯渇することがを見通して、太陽エネルギーの開発と輸出に乗り出したのです。太陽エネルギーを、水中ケーブルで欧州に輸出する構想です。テキサス州もカリフォルニア州を追い越して、風力発電でトップになりました。現在、2300万キロワットの風力発電容量開発が進行しています。これはテキサスの人口の半分以上の家庭電力を賄える発電量です。テキサス州の石油王ブーン・ピケンズ氏が、400万キロワットのウィンドファームに100億ドルを出資しました。その理由は「右肩下がりの産油量にうんざりしたからだ」と語ったそうです。全ての国は自国の再生可能なエネルギーを基礎に、エネルギー政策を打ち出す時代になりました。今後エネルギーは貿易の対象ではなく、自給することがベターな選択となります。また、日本は世界で最も地熱エネルギーに恵まれた地域の1つです。最新技術を採用すれば、日本は電力需要の半分を地熱エネルギーで賄えるのではないでしょうか。アイスランドでは、家庭用暖房の90%を地熱で賄っています。
―― 原子力発電についてはどうお考えですか。
 世界各地で原子力発電所が新設されても、老朽化で閉鎖される発電所の分を補うだけで、総発電容量は増加しないと予測しています。核廃棄物の処理、老朽化した発電所の解体、事故やテロ攻撃の可能性に備えた原子炉の保険など、フルコスト原理に基づいた価格設定をすれば、経済的に見合うエネルギーではないでしょう。 今後著しい経済発展が予想される中国でも、標高の高い山脈地帯や海岸線では、十分な風力がコンスタントに得られるので、原子力に頼らなくても風力で現在の発電量を倍増できると思います。
―― 環境問題に関して一般市民ができること、また女性が貢献できることはありますか。
「世界を経済衰退に向かう道」から「経済発展を持続させる道」へ移すために、自分が何をしたいのか、計画と予定表をつくることができます。そして自分の地域で協力できそうな人を探し、草の根運動や選挙を通して政治に積極的に参加することです。また女性は自然との調和を大切にしますし、男性と比べてそのバランスの取り方を知っています。自然を破壊することを好まない。その根底には子供を産む本能があるからかもしれません。しかし、変化を起こすためにも、自ら白熱電球を禁止する運動などに積極的に参加して行動する必要があります。世界は、早いスピードで変化していくと思います。太陽電池の販売量は、2年ごとに倍増しています。これは15年ほど前にパソコンが普及したのと同じ率です。今後10年間で、エネルギー経済も一変するでしょう。
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レスター・ブラウン 略歴
エコロジスト、思想家。1934年、米国ニュージャージー州生まれ。ラトガーズ大学、ハーバード大学で農学、行政学を修めた後、米農務省にて国際農業開発局長を務める。1974年、地球環境問題に取り組むワールドウォッチ研究所を創設。2001年、アースポリシー研究所を創設。『フード・セキュリティー』『エコ・エコノミー』『プランB』など多数の著書がある。2006年、一橋大学より名誉博士称号を授与される。ワシントンポスト誌の「世界で最も影響力のある思想家100人」に選ばれた。

米National Semiconductor社,太陽電池システムの電力効率を最大化する技術を開発



Solar Magicを採用しない従来システムと比較した場合の電力効率
米National Semiconductor Corp.は,太陽電池事業に参入し,太陽電池システムの出力全体を向上させる技術「SolarMagic」を開発したと発表した(発表資料)。この技術は,複数枚並んだ太陽電池パネルに汚れやパネル間のズレが存在する場合でも,各太陽電池パネルの電力効率を最大化するという。米国カリフォルニア州の太陽電池システムの設置会社であるREgrid Power, Inc.は,既にSolar Magicを採用したシステムの試用を開始している。REgrid Power社によると,Solar Magicを採用しない場合のシステムと比較して,日陰での電力効率が44%改善し,全体で12%改善しているという。そのほかの太陽電池設置会社も数ヶ月後にはこの太陽電池システムの試用を開始する予定という。National社は,米国以外の太陽電池の普及率が高い国などに向けてシステム運用の拡大を図るとする。National社は,SolarMagic製品について2008年中に商用化する計画である。吉澤 恵=日経エレクトロニクス

2008年7月1日火曜日

Google,PCをメディア・サーバーにする「Google Media Server」を無償公開


月光でも発電する新PV?


研究課題名 低照度条件下においても有効に発電することができる太陽電池の開発
研究代表者 石井 孝定(産学官連携機構 特別教授)
共同研究企業 株式会社アイテック(本社:堺市)
(「産学官連携共同研究開発事業」等の平成20年度新規採択案件)
http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_koho/pub0806/02_02.pdf

新型太陽電池、相次ぎ実用化 昭和電工など、価格5分の1


http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080630AT2G2500K30062008.html 
低価格の新型太陽電池が相次いで実用化される。原材料に現在主流のシリコンを使わないタイプで、昭和電工などは家庭やオフィスなど光が弱い屋内でも発電する太陽電池を11月から量産する。紙のように薄く価格はシリコン系に比べて5分の1という。産業技術総合研究所も発電効率が世界最高水準の太陽電池を開発、実用化に乗り出す。太陽電池は民生用の温暖化ガス削減技術として今後市場拡大が見込まれ、新型の相次ぐ実用化で普及に弾みがつきそうだ。昭和電工は藤森工業、桐蔭横浜大学発ベンチャーのペクセル・テクノロジーズ(横浜市)と共同でフィルム状の新型太陽電池を開発した。「色素増感型」と呼ばれるタイプで、光が当たると電気をつくる化合物を薄いプラスチックで挟んであり、紙のように軟らかい。

ソーラー業界、”陰”との戦いで救い主現れる


http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCFZ5444.html ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)太陽光発電業界において”陰”は永遠の問題として付きまとう。しかし、あるシリコンバレーの半導体メーカーは、この問題解決に貢献できると考えている。米半導体大手ナショナル・セミコンダクター(NYSE:NSM)は、太陽電池パネルが部分的に陰った際の影響を大幅に抑えるよう設計した技術を30日に発表する予定だ。太陽電池パネルは、太陽光から電力を生み出す。太陽電池パネルの設置を手掛けるREグリッド・パワー(カリフォルニア州キャンベル)が、この新技術「ソラーマジック」を試験している。REグリッドのトム・マクカルモント最高経営責任者(CEO)の推定では、ソラーマジックは部分的な陰りによって失われる電力の最大40%を取り戻すことができるという。「劇的に大きな差異を確認した」とのこと。樹木や近隣の建物、あるいはそれ以外の障害物による部分的な陰りは、太陽電池パネルの配置方法に起因して顕著な影響を及ぼす。メリーランド州ベルツビルに本拠を置く太陽エネルギーのサービス提供業者のサンエジソンで、企業ソリューション部門の副社長を務めるマーク・カルペッパー氏によると、一連のパネルは通常、変換器に接続されており、これがパネルの生み出す直流電流を交流電流に変換する。家電では交流電流が利用されており、送電網に電力を戻す際にも交流電流に変換されていなければならない。変換器が稼働するには、通常は最低水準の電圧量を超えなければならない。たった1枚のパネルの部分的な陰りが原因で、エネルギーの合計生産量が最低ラインに満たなくなる可能性も出てくる。「一部分の陰りが全パネルの効果を事実上無力化してしまうこともあり得る」とのこと。ナショナル・セミコンダクターは、各太陽電池パネルに取り付ける小型モジュールを開発した。陰や汚れによって光がパネルに達することができない場合、このモジュールが電圧量のばらつきをならすというが、この技術のメカニズムについては詳細を公開していない。同社はカリフォルニア州サンタクララに本拠を置き、携帯電話機やその他製品の電源を管理する半導体を製造している。ブライアン・ハーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は、このモジュールの価格が太陽電池パネルの価格の10%程度となるとみている。試験を通り、ほかの電気製品との併用が安全であるとの確認ができた後、来年初めの発売を見込んでいるとのこと。

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折りたたみ式ソーラーパネル!パワーポケット高電力12W!新品、楽天で人気上 昇中! あちらでは売り切れで再入荷まで一生かかりますが、ぽるんオークションでは 在庫あり! !。6.5wと12wタイプの2タイプがあり、このオークションは大電圧12W!です 。(ちなみに6.5wも19999円で出品中で楽天よりお値打ち。)
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