2008年5月7日水曜日

<環境 キャンペーン>「将来は太陽電池でバッテリーチャージ」


(1)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=99512&servcode=400§code=400
「戦場の兵士がテントの上に折りたたみ式の太陽電池板を広げ、衛星通信機器の電源を供給してもらい、アフリカの奥地でも携帯電話をチャージできるようになる日が遠くない。ぐるぐると巻いたり畳んだりして持ち歩きできるプラスチックの太陽電池がそのような世の中を作るだろう」--。 2000年のノーベル化学賞受賞者、米カリフォルニア大サンタバーバラ校のアラン・ヒーガー教授(70)は最近、光州(クァンジュ)科学技術院との共同研究のために来韓し、太陽電池の未来についてこのように述べた。その未来は、同氏が開発したプラスチック太陽電池で開きたいと話している。 ヒーガー教授は、ぐるぐると巻ける巻き物タイプのプラスチック太陽電池の実験向け試作品を常に持ち歩いている。そのために同氏を「太陽電池の伝導師」とも呼ぶ。同氏に会い、太陽電池の展望と韓国が次世代成長動力の産業として太陽電池を育成するためにはどのような方向へ進むべきかについて尋ねてみた。
--代替エネルギーとしての太陽電池の見通しは。
「太陽電池の世界市場は2000年以降、年平均38%ずつ急成長している。ほかの代替エネルギーの風力やバイオマスより急激な上昇傾向にある。市場の規模が06年107億ドル(約1100億円)だったが、2010年には361億ドルに拡大されるものとみられる。これは、現在のメモリー半導体市場に匹敵す」。
--太陽電池が開発されて以降のおよそ50年間設置された太陽電池を全部集めても、原子力発電所2、3基が生産する電力量にしかならないほど、普及されずにいるが…。
「これまで太陽電池の主流を成しているシリコン太陽電池の価格が高すぎて、広く普及されなかった。現在も高いが、その価格をさらに引き下げるのもほぼ限界に至っているという点が問題が。しかし、新しい太陽電池が続々と開発されており、そうした諸問題をまもなく克服できるものとみられる」。
--新しい太陽電池とは何か。
「ガラスに薄くシリコンをコーティングする薄膜型太陽電池と、プラスチック太陽電池、半透明の染料感応太陽電池が、今後の太陽電池の代表走者候補に選ばれる。薄膜型太陽電池はすでに実用化済みだ。プラスチックと染料感応太陽電池は次世代で、これらの生産費は従来のシリコン太陽電池の10分の1から20分の1にすぎない。先進諸国もこれらの3分野に大規模な投資を行っている」。

(2)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=99513&servcode=400§code=400
--韓国は、どこに研究と投資を集中すれば、世界的な競争力を確保できるだろうか。
「先立って話した3種類にまんべんなく投資するのが良いと思う。どの分野で画期的な技術が開発され、太陽電池の代表走者になるかは分からないからだ。もちろん、私が開発したものだから愛着があるものの、プラスチック太陽電池も非常に有望だ。先進諸国が数十年間続けてきたシリコン太陽電池に投資しても勝算は低い」。
--韓国に強みがあるとしたら。
「韓国の化学工業は非常に進んでいる。プラスチック太陽電池や染料感応太陽電池も、やはり化学工業を必要とする。そうした基盤を活用し、機能性プラスチックと材料を開発するならば、世界的な競争力を確保することができるだろう」。
--次世代太陽電池の商用化において難しい点は何か。
「寿命を増やすことだ。わずか数年前は、プラスチック太陽電池と染料感応太陽電池などを野外に設置しておくと、数日後に寿命が尽きてしまった。今は私と光州(クァンジュ)科学技術院の李光煕(イ・クァンヒ)教授チームが共同で開発したプラスチック太陽電池を設置してから1年半が過ぎたのに平気だ。効率も商用化が可能なレベルの6~7%にのぼる。年末や来年初めに私が設立したベンチャー企業が、携帯電話充電器と、小型電子製品の電源供給向けに使える、常用化向け試作品を初めて公開する予定だ。数年以内に寿命や効率問題は十分解決できると考えている」。
--太陽電池が家電製品のように簡単に普及する時代が来る、と見ているのか。
「そう思っている。個人の場合、服やカバンに太陽電池を付着して持ち歩きしながら、電子製品の電源を供給してもらい、ビルの外壁と窓ガラスに設置し必要とされる電力の相当量を供給してもらえるようになる。こうした次世代太陽電池時代が数年以内に開くだろう。安価で、公害がなく、枯渇の懸念もなく、どんな場所でも設置できるようになるはずだからだ」。
◇アラン・ヒーガー博士=米アイオワ州出身で、ネブラスカ大学リンカーン校を卒業した後、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)で博士号を取得した。カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)で物理学部教授に在職している。77年に電気が通るプラスチックを発見した功労を認められ、2000年、白川英樹、アラン・マクダイアミッド博士らとともに、ノーベル化学賞を受賞した。05年に光州科学技術院が同氏の名前から取って名付けた「ヒーガー新素材研究センター」の所長でもある。


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