2009年2月4日水曜日

【本格利用へ始動 自然エネルギー】太陽光


出典:http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200901050003a.nwc
 地球環境問題を背景にして、風力や太陽光など自然エネルギーに対する関心
が高まっている。温暖化効果ガスの排出抑制には、石油や石炭など化石燃料に
依存した従来のエネルギー構造の見直しが求められており、国内では大規模な
風力や太陽光の発電所建設が進んでいる。また、小型水力のマイクロ水力、生
ゴミなどからガスを回収し再活用するバイオマス(生物資源)エネルギーの本
格的な普及も間近に迫っている。2009年は自然エネルギー活用に向けて官
民をあげた取り組みが本格化する節目の年となりそうだ。
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 ■普及急ピッチ、相次ぐ設備建設
 ここに来て太陽光発電の普及が急ピッチで進んでいる。電力業界は2020
年度までに全国30地点で合計出力14万キロワットの太陽光発電所を建設す
るほか、住宅メーカーも一般住宅向けの普及拡大に乗り出した。政府も補助制
度の拡充を進めるなど取り組みを強化している。太陽光発電の導入が広がれば、
国内エネルギー需要の9割を支えてきた石油や石炭など化石燃料に依存したエ
ネルギー構造が大きく塗り替えられることになり、温室効果ガスの大幅な削減
が見込まれる。
 国内の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、約3割を出す電力10社が導入
を予定する出力14万キロワットの太陽光発電所が完成すれば、一般家庭4万
戸の1年分の電力を賄える。また、約1万3500世帯が年間に排出するCO
2を削減できる計算になる。
 具体的な計画としては、関西電力がシャープと共同で、大阪府に発電出力1
万8000キロワットの発電設備を建設しているほか、単独でも11年度に1
万キロワットの設備建設を予定している。九州電力では福岡県大牟田市に出力
3000キロワットの設備を10年度に稼働させるほか、北海道電力でも20
年度までに道内に出力5000キロワットの発電所を建設する。また、東京電
力は、三井物産と共同で10年10月開業予定の羽田空港国際線地区貨物ター
ミナル(東京都大田区)に出力2000キロワットの設備を建設する。また、
川崎市と共同で川崎市川崎区の浮島・扇島地区に合計約2万キロワットの発電
施設を建設する計画だ。これは一般向けに電力を供給する太陽光発電施設とし
ては国内最大となる見通しで、09年度に着工して11年度の稼働を目指して
いる。
 一方、一般住宅や商業施設における太陽光パネル導入の動きも広がっている。
住友林業は昨年4月、太陽熱給湯と太陽光発電を組み合わせ太陽エネルギーを
活用する新システムを開発。このシステムの活用でCO2排出量を約60%削
減するという。パナホームは気密性や断熱性が高く、太陽光発電やオール電化
の採用を採用した「エコライフ住宅」の販売に取り組んでいる。
 政府は、CO2排出抑制のために太陽光発電の国内導入量を05年度の約1
42万キロワットから30年度には40倍にまで引き上げる目標を掲げている。
計画実現に向けて、政府や地方自治体も補助制度などを通じて普及拡大を後押
しする。東京都は今年4月にも住宅向けの太陽光利用設備の助成制度を開始。
約90億円を拠出して太陽電池だけでなく太陽熱設備の導入を補助する。経済
産業省も家庭用の太陽光パネルの導入に1キロワット当たり7万円の補助金を
導入しており、太陽光発電の普及はますます進みそうだ。



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