2008年6月9日月曜日

植物工場には有機太陽電池が最適,三菱化学


電力と光源種類の違いによる10年間の費用の比較(光源部分)。日産1万株クラスの植物工場で,光源に必要な電力をすべて発電した場合。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080606/152956/
三菱化学は,フェアリーエンジェルと共同で,太陽電池を用いた植物工場の検証を進める計画を発表した(関連記事)。太陽電池と蓄電池,LEDを活用することで,植物工場での電力コストとCO2排出量の削減を目指す。太陽電池を使えば,植物工場でのCO2排出量の削減が可能である。ただし,導入コストの高い結晶Si型太陽電池をLEDと組み合わせて使う場合,商用電源と蛍光灯の組み合わせよりも,稼働から10年間に必要な費用が増えてしまう。これに対して三菱化学は,結晶Si型太陽電池の代わりに有機太陽電池を使えば,この問題を解決できるとする。三菱化学は,2010年までにモジュール変換効率が7%の有機太陽電池を試作するとともに,2015年に同15%の有機太陽電池の実用化を目指している(関連記事)。有機太陽電池の植物工場への導入が進めば,有機太陽電池の販路の早期構築が可能になる。同社は,2015年に植物工場関連で100億円の売り上げを見込んでいる。
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フェアリーエンジェルが建設中の福井工場
三菱化学,植物工場に向ける照明システムを2009年末ごろ発売へ,LEDと太陽電池を組み合わせて照明コスト低減
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080605/152890/
三菱化学は,2009年末ごろにも植物工場に向けて,LEDと太陽電池を組み合わせた照明システムを発売する。蛍光灯よりも寿命が長いLEDと太陽光によって電気代をまかなう太陽電池を組み合わせた照明システムを用いることで,照明に要するコストを現状に比べて30%程度減らせるという。野菜などを効率的に栽培できるとして,蛍光灯などの照明光を活用する植物工場の設置件数は増えているが,照明に掛かる電気代や光源の交換費用などによって栽培コストを引き下げにくいという課題があった。事業参入に先立ち三菱化学は,野菜栽培ベンチャーであるフェアリーエンジェルの新工場に,LEDと太陽電池による照明システムを試験的に導入する。植物工場のノウハウを持つフェアリーエンジェルや照明器具メーカーのシーシーエスと協力しながら,照明システムの最適化に向けた共同実験を始める。フェアリーエンジェルの新工場は福井県美浜町に建設中であり,間もなく稼働する。この工場の一部に,LEDと太陽電池による照明システムを導入する。フェアリーエンジェルは将来的に植物工場のプラント販売を視野に入れており,今回共同開発する照明システムを今後のプラント販売に生かす考えである。なお,同工場の栽培ラインの多くは,蛍光灯と通常の電源を用いたシステムを使う。三菱化学はフェアリーエンジェルに約16%を出資している。
●三菱化学のLEDチップや蛍光体を活用,将来は有機太陽電池も
利用するLEDは,三菱化学が手掛けるLEDチップと蛍光体材料を用いたものという。当初は,他社がLEDチップと蛍光体材料を組み合わせてLEDに仕立てる工程を手掛ける。使用するLEDの詳細は「最適化する過程で決めていく」(フェアリーエンジェル)。白色LEDや青色LED,赤色LEDなどを試すとみられる。共同実験で用いるLEDは三菱化学の製品のほか,発光色によっては他社から調達する場合もあるもよう。照明システムに使う太陽電池は,まずはSi系の製品を調達する予定。三菱化学は2015年の市場参入を目標に有機太陽電池の開発を進めており,将来は植物工場向け照明システムにも有機太陽電池を展開したい考えである。


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