2008年12月14日日曜日

エアロゾル印刷で太陽電池の効率を改善、ドイツの研究機関が発表


出典:http://eetimes.jp/article/22613/
ドイツの研究機関であるFraunhofer Institute Solar Energy Systems(ISE)
に設置された光誘起めっき(LIP:Light-Induced Plating)設備である。
出典:ドイツFraunhofer ISE

 ドイツの研究機関であるFraunhofer Instituteは、シリコン(Si)材料を使
う太陽電池の製造方法を、従来のスクリーン印刷方式から非接触でエアロゾル
を吹き付ける「エアロゾルジェット印刷」方式に変えることで、発電効率を
2%改善したと発表した。エアロゾルとは、気体中に浮遊している状態の液体
や固体の微粒子である。
 Fraunhofer InstituteのSolar Energy Systems部門(Fraunhofer ISE)は、
米Optomec社のエアロゾル・プリンタを使って、太陽電池の製造コストを低減
する従来に比べて薄いシリコン・ウエハーを処理した。同研究機関によれば、
Optomec社のエアロゾル・プリンタを使うことで、従来は16~18%だった太陽
電池の発電効率を20.3%まで高められたという。
 Optomec社のエアロゾル・プリンタは、インクとして米Applied Nanotech社
などが供給するナノ微粒子インクを使うという違いはあるものの、機能的には
一般的なインクジェット・プリンタと同じである。このエアロゾル・プリンタ
は、太陽電池に使われたシリコン・ウエハーの上に、金属インクや半導体イン
ク、絶縁体インクを転写することで、電子回路を作製できる。このほか、RFID
タグなどの用途に向けて、安価で柔軟性のあるポリマー膜を処理する際にも使
える。
 Fraunhofer Instituteは今回、このエアロゾル・プリンタを使って、太陽電
池の入射面の金属配線を作製した。この結果、金属配線面積を削減でき、日陰
損失を低減することで発電効率を高められたという。エアロゾルジェット印刷
された入射面のグリッドには、線幅が45μmを切る光誘起めっきが施されてお
り、そのめっき接点はグリッド全体の幅の43%を占める。
 一般に、インクジェット印刷よりもスクリーン印刷の方が、単位時間当たり
に多くの太陽電池を製造できる。Optomec社によれば、同社のエアロゾルジェ
ットの蒸着ヘッドは40個のノズルを備えており、比較的薄い太陽電池ウエハー
を使って3秒以下で太陽電池を印刷でき、材料コストと印刷時間をともに低減
できるという。



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