2008年12月14日日曜日

米MIT,薄膜太陽電池の変換効率を50%向上させる設計方法を発表


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081203/162295/?ref=ML
2008/12/03 12:40

プロジェクトに携わったMIT's Research Laboratory of Electronicsのpostdoctoral researcherであるPeter Bermel氏
 米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の研究チームは,薄膜太陽電池の変換効率を50%向上させる方法を発見したと発表した(発表資料)。コンピュータ・シミュレーションによって薄膜太陽電池を設計し,研究所内の実験で結果を確かめたという。

 厚さ2μmのSi薄膜に反射防止膜を施し,多層の反射膜と回折格子の新しい組み合わせを背面に適用することによって,太陽電池の出力を従来比で50%程度向上させた。太陽電池の背面に設けた多層の膜によって,太陽光がSiの薄膜の中でより長い間反射を続けるため,効率が向上するとする。

 このプロジェクトに携わったMIT's Research Laboratory of Electronicsのpostdoctoral researcherであるPeter Bermel氏は,「重要なポイントは,太陽電池の層に入った太陽光がSiの中で長い経路をたどることだ」と説明する。研究チームは,回折格子の幅やSiの厚さ,太陽電池の背面の反射膜の層の数について,さまざまなバリエーションを考え,何千回もシミュレーションを繰り返したという。

 研究チームは,引き続きシミュレーションと研究所内での試験を通して,この技術の微調整を行う。その後,製造プロセスや材料を研究する予定。3年以内の実用化を目指す。


加納 征子=日経エレクトロニクス

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