2008年7月30日水曜日

欧州の再生可能エネルギーの勢力図に変化



http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080728/166390/
2008年7月30日 水曜日 服部 哲郎
洞爺湖サミットに合わせて開催された主要排出国会議では、G8諸国にブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカ共和国などの16カ国が参加し、温暖化ガスの削減について議論された。しかし、削減の数値目標導入の必要性を主張する先進国に対して、ブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカなどの新興国は、排出量の枠設定に対する警戒感が強く、先進国と新興国間の意見の相違が目立った。今後も国連と主要排出国会議で、2013年以降のポスト京都議定書の枠組みに関して協議が続けられる。意見の相違はあるものの、地球温暖化対策が喫緊の課題であるという問題意識は、先進新興主要国の間で共有されている。欧州をはじめとする先進国だけではなく新興国も、環境問題への意識の高まりに加えてエネルギー価格の高騰もあり、再生可能エネルギーの拡大を急いでいる。
●2007年の風力発電能力、インドは4位、中国は5位
 例えば、風力発電を例に取ると、世界の風力発電能力(設置ベース)は、2007年末に94.1ギガワット(ギガは10億)と前年比27%増となった。先進国だけではなく、新興国でもインドが前年比28%増で世界第4位、中国は同132%増で同第5位となっている。温暖化ガス削減に関する先進国と新興国の議論は噛み合っていないものの、政策面、エネルギー確保の観点から再生可能エネルギーに追い風が一段と強まっている。また環境対策で主導権を取ろうとしている欧州では、EU(欧州連合)が地球温暖化ガス削減の数値目標導入に前向きで、EU内の数値目標を掲げている。その骨子は、
(1)EUの同ガス排出量を2020年までに1990年比で20%削減する、
(2)EU内のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2005年時点の8.5%から2020年までに20%に引き上げる、などである。
●実態に合わせた対策を打ち出す欧州
 この目標を達成する具体策として、EUの行政執行機関である欧州委員会は2008年1月に温暖化対策包括案を発表し、排出権取引制度の改善、長期的な技術開発(CCS=二酸化炭素の回収・貯蔵)、再生可能エネルギーの拡大を打ち出した。同案における再生可能エネルギーに関して、欧州委員会は全加盟国に一律の目標を課してはいない。過去の実績、経済規模などに基づく負担能力を踏まえて、各加盟国別の目標を設定している。各加盟国は風力発電、水力発電、バイオ燃料、太陽光発電などの再生可能エネルギーを組み合わせ、目標達成を求められている。同案が欧州議会の承認を得てEU指令になった際には、達成の義務を負うことになっている。このようなEUレベルの枠組みの下で、再生可能エネルギーへの期待が強まると同時に、限られた期間内、コストで目標達成を可能にする再生可能エネルギーを選別し、優遇しようとする動きがEU加盟国の間で表面化している。優先順位が最も高い再生可能エネルギーは、(1)技術的に成熟している、(2)コスト競争力が向上している、(3)海上など立地面で成長余地が大きい、などの強みを持つ風力発電である。英国やドイツでは風力発電の優遇策が相次いで打ち出されている。
●英国では王室も一役買う
 英国は、欧州委員会からエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2006年の1.5%から2020年までに15%に引き上げることを求められている。引き上げ幅では、EU加盟国の中で最大であり、達成への危機感が強い。英国は、今年6月末に発表した再生可能エネルギー戦略リポート(Renewable Energy Strategy Consultation Document、以下RESCDリポート)において、発電における再生可能エネルギーの比率を2020年までに30~35%に引き上げることで、この目標を達成する青写真を描いている。再生可能エネルギー拡大の動きは既に具体化している。同国海岸の55%、さらに12海里以内の領海を保有する王室の不動産管理機関が、英国政府の意向に沿って、オフショア風力発電所建設を支援する計画を発表した。その内容は、不動産管理機関が管理する海域をオフショア風力発電にリースし、関連する許認可取得を支援するというものである。英国政府は上述のRESCDリポートにて、オンショア(陸上)に4000基、海上に3000基の風力発電機を設置し、風力発電能力を現行の10倍に拡大する方針を示している。この計画では、2020年時点における再生可能エネルギーのうち、オンショア、オフショアの風力発電が32%に達する見通しである。英国は目標達成に向けて、風力発電を中心に再生可能エネルギーを拡大させる戦略を鮮明にしている。
●ドイツでも海上風力発電に重点
 ドイツは、欧州委員会からエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2005年の5.8%から2020年に18%に引き上げるように要求されている。この目標を達成するため、ドイツはオフショアなど風力発電の拡大などから2020年までに発電に占める再生可能エネルギーの比率を30%に引き上げる意向である。ドイツの風力発電能力は、設置ベースで2007年に22.2ギガワット(前年比8%増)と世界最大で、再生可能エネルギーの有力市場である。急成長した再生可能エネルギー市場の起爆剤の役割を果たしたのは、フィードインタリフ(再生可能エネルギー発電システムからの電力に対する最低保証買い取り価格の設定)制度であった。同制度では、電力会社は、再生可能エネルギーの事業者などの発電する電力を買い取ることが義務づけられている。その価格設定は、
(1)再生可能エネルギーごとの発電コストを勘案する、
(2)コスト削減やエネルギー効率の改善を促すために、毎年引き下げられる
――といった形式になっている。同制度は再生可能エネルギーに対する優遇策として多くの国でモデルになっている。ドイツでは、オフショア風力発電に対するインセンティブをフィードインタリフに反映させようとしている。2008年6月に2004年改定の再生可能エネルギー法(EEG)の改正案がドイツ連邦下院において可決された。それによると、新規稼働のオフショア風力発電に対するフィードインタリフは、2008年現在のメガワット(メガは100万)時当たり89.2ユーロから引き上げられた。また2009年から2015年まで同150ユーロに固定される。一方、オンショアの風力発電は2008年現在の同80.3ユーロから2009年に同92ユーロに引き上げられるものの、その後は毎年1%引き下げ(従来は同2%引き下げ)となるなど、相対的にオフショア風力発電が優遇される見通しになっている。太陽光発電は、EEG改正案において、フィードインタリフを約10%引き下げ(価格レンジは同330~440ユーロへ)、毎年実施するフィードインタリフの削減率を、従来の年5%から2010年まで年8~10%に拡大する見通しで、優遇策の縮小を図っている。また、スペインもフィードインタリフの引き下げなど優遇策の削減を検討している。このため、太陽光発電量の伸びに対する不透明感が台頭している。しかし、ドイツの太陽光発電は、相対的に経済発展の遅れている旧東独地域に、成長産業として根づいているため、国策的な観点でも重要度を高めている。削減率は、報道によると当初案で示された30%から大幅に縮小されており、削減そのものは太陽光発電の成長を阻害するものではないとの安堵感が広がっている。フィードインタリフの引き下げは継続されるが、その優先順位は引き続き高い。反面、バイオ燃料には慎重論が拡がっている。世界的なインフレ上昇は、バイオ燃料向け需要の増加に伴う食料品価格急騰に起因すると見なされている。英国では、輸送に占める同燃料の比率を2008年の目標2.5%から2010年までに5%に引き上げる目標を法制化した。しかし、その実施を担当する政府機関が、土地利用や食品価格などへの悪影響を緩和するために、その目標達成時期を2013年に先送りする提言を発表した。今後は、食品と競合しない原材料によるバイオ燃料開発が加速すると見られるが、バイオ燃料の優先順位が低下するリスクが高まっている。
●調整局面は再生可能エネルギー投資の好機
 再生可能エネルギー関連産業は、中長期的な見通しが良好であるが、5月中旬以降の株式市場の下落に伴って、風力発電・太陽光発電関連銘柄も調整局面を迎えた。今般の株価調整は再生可能エネルギー銘柄への投資の好機と捉えたい。再生可能エネルギーの主要プーイヤーは、日本のシャープ(太陽電池)、京セラ(同)、三菱重工業(風力発電機)などに加えて、米国のゼネラル・エレクトリック(風力発電機)、ドイツのシーメンス(同)などの世界の有力大企業である。さらに、欧州では再生可能エネルギーに特化した専業企業が急成長している。

代表的な企業は、風力発電関連では、ガメサ(タービンメーカー、スペイン)、ベスタス・ウインド・システムズ(同、デンマーク)、EDFエナジー・ヌーベル(風力発電、フランス)、イベルドロラ・レノバブレス(風力発電、スペイン)などがある。また太陽光発電では、Q-セルズ(太陽電池、ドイツ)、ソーラーワールド(同、ドイツ)といった企業が挙げられる。加えて、高成長が見込まれる新興国の企業も台頭している。スズロン(風力発電、インド)、米国上場のサンテック・パワー(太陽電池、中国)なども注目に値する。

2008年7月29日火曜日

HIT太陽電池を主力とした事業戦略/いつでも、どこでも、太陽電池の時代へ――三洋電機


写真1 HIT太陽電池の断面構造 左側は結晶系太陽電池の断面構造


http://monoist.atmarkit.co.jp/feledev/news/2008/07/29sanyo.html
2008/7/29 三洋電機は2008年7月29日、太陽電池の市場動向と同社の事業戦略についての説明会を開催。同社がエナジー領域事業として掲げる二次電池事業と太陽電池事業のうち、地球環境への取り組みとして、今後は太陽電池事業をコア事業にするという考えを示した。

 2007年の世界における太陽電池生産量は3733MW(前年比151%)であり、そのうち日本は920MW、原子力発電所の約3機分の生産量にあたる。太陽電池市場は今後も拡大を続け、2010年には4500MW規模になると予測されている。(Marketbuzz2007をもとに三洋電機が推定)

 具体的な取り組みとしては、同社が太陽電池事業において主力差異化商品としているHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer Solar Cell)太陽電池を前面に出した展開や、シリコンウエハの調達からハウスメーカーまでを一貫した事業化の促進を考えているという。

 HIT太陽電池は、太陽からの熱を電力に変換するセル変換率が19.7%であり、両面発電、表裏対称構造で薄型化に有利とされている。従来のヘテロジャンクション対応電池のp型およびn型のシリコンウエハの間にi層と呼ばれる不純物を含まない角膜の層を入れることで、熱を拡散。形成時の発熱量を約200度にした。

設置事例として欧州では、太陽の動きに合わせて向きを変えるトラッキングシステムを搭載したものが人気を得ているという。

 「地球にやさしい太陽電池でクリーンエネルギーを具現化ということで、製造面では省エネルギー、省電力であること。ユーザー面では発電量が多いこと、省スペースであること、環境負荷が少ない材料であることをコンセプトとして開発しました。HIT太陽電池は、世界の太陽電池生産で約90%以上を占めている結晶系太陽電池が形成時に約900度の熱を発するのに対し、約200度という低温での形成を実現しています」(同社 ソーラー事業部 事業企画部 担当部長 脇坂健一郎氏)

同社は今後2010年度までに太陽電池事業に累計700億円以上を投資し、HIT太陽電池生産量を現行2.5倍の年間600WM規模に拡大。HIT太陽電池事業のさらなる差別化と強固な事業基盤造りを図るという。

 さらに、会見では薄膜シリコン太陽電池ビジネスへの参入も視野も示唆。2008年4月に設立した岐阜県の先進太陽光発電開発センターにて、太陽光の有効利用をした微結晶のシリコンタンデム型電池の開発を進めているという。広いバンド領域を持つ太陽光スペクトルの短波長をアモルファスシリコン(a-Si)、残りの長波長を微結晶シリコン(μc-Si)と、2回に分けた吸収をする薄膜シリコン太陽電池だ。

 「将来的には、集合住宅あるいは個人住宅、HEV用の充電スタンドに対して電気が供給できるような、いつでも、どこでも、誰でも、太陽電池の時代を創出したいと思っています」(脇坂氏)







産総研が太陽電池研究の成果を披露,高効率・低コスト技術などが目白押し


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080729/155624/
2008/07/29 15:25 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センターによる年に一度の成果報告会が,2008年7月28~29日に東京・台場の日本科学未来館で開催された(Tech-On!関連記事1 ,2)。招待講演を含む18件の講演や37件のポスター発表,パネルディスカッションが行われた。発表内容を大きく分けると,(1)高変換効率を実現する技術,(2)低コスト化・高生産性を実現する技術,(3)付加価値を産み出す技術,(4)測定技術・システム構築の検討の四つになる。(1)の高変換効率に関しては,高度秩序構造を有する薄膜多接合構造で2015年に変換効率25%以上を目指す技術,量産タイプのCIGS(Cu,In,Ga,Se)型太陽電池サブモジュールで15.9%を達成した技術,水素添加した酸化インジュームで近赤外領域の透過率を大きく改善した技術,p型半導体であるルブレンを使った高い光開放電圧を有する有機薄膜太陽電池などについての発表があった。(2)の低コスト化・高生産性に関しては,薄膜Si型太陽電池工場でモジュールコストを現在の1/3にする手法の検討,高圧枯渇法による微結晶Si薄膜の高速成膜が紹介された。(3)の付加価値を産み出す技術では,フレキシブルなCIGS型太陽電池で17.7%の効率を達成した「貼れる太陽電池」がある。(4)の測定技術・システム構築では,一次基準太陽電池セルの校正機関として,国際的なラボ認定を取得したことが紹介された。このほか,発電量の評価として,これまでの標準試験条件(STC)を補完する評価体系に加えて,発電量(エネルギー)による性能比較のためのベンチマーク方式の提案があった。さらに,太陽電池の普及に伴い,2030年時点で既存の発電システム中へ88GWまでの太陽光発電システムを導入できることを,需給バランスの観点から示した研究結果などが,今回の発表の目玉だった。北原 洋明=テクニカルライター

太陽光発電、電力会社並みの料金単価は2015年がターゲット=三洋電


http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2008-07-29T153050Z_01_NOOTR_RTRMDNC_0_JAPAN-329580-1.html
 【東京 29日 ロイター】 三洋電機<6764.T>のソーラー事業部事業企画部の脇坂健一郎・担当部長は29日、都内で記者団に対し、2015年には太陽光発電システムによる発電単価を電気料金並みに引き下げたいとの考えを示した。脇坂担当部長は、足元で太陽光発電システムによる電力量1キロワット時当たりの料金単価を約45円と見積もっていると説明。太陽電池パネルの材料使用量の削減や発電効率の向上などの技術革新を通じてコストダウンを進めるとし、電力会社との料金差がなくなる時期について「2015年がターゲットになってくる」と述べた。脇坂担当部長は、電力会社の電気料金は値上がりする傾向が続くと見ており、価格差がなくなる料金水準について「30円を切るぐらいではないか」との見方を示した。電力会社は、原油高の影響を受け電気料金を値上げする方向にある。東京電力<9501.T>の場合、現在の料金単価は電力量1キロワット時当たり21.04円に燃料費調整単価の同1.82円を加算した同22.86円となっている。9月からこの22.86円を料金単価とし、来年1月からは、原油価格が1バレル=130ドルの水準が続いた場合、燃料費調整単価を加味すると同25.56―25.66円程度に値上がりすると試算している。

太陽光発電機器、3-5年で半額に 温暖化防止で政府行動計画


http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080729AT3S2900929072008.html
 政府は29日の閣議で、地球温暖化防止のための国内対策を盛りこんだ「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定した。温暖化ガスをほとんど排出しない太陽光発電システムの価格(一般的な家庭向けで300万円程度)を3―5年後に半額にできるよう、技術開発と導入支援策を強化する。企業間で排出枠を取引する国内排出量取引制度の試行を10月をメドに始めることも盛りこんだ。実行計画は6月に福田康夫首相が発表した温暖化対策「福田ビジョン」や首相官邸の有識者懇談会の提言を受け、関係省庁がまとめた。行動計画は太陽光発電の導入量について、2020年に現状の10倍、30年に現状の40倍とする目標を明記した。発電システムを低コストで生産するための技術開発を進めながら、個人住宅での購入費補助などの導入支援策を強化する方針を打ち出した。

太陽光発電で飲料水精製 いちごHD



http://www.kahoku.co.jp/news/2008/07/20080729t12014.htm
淡水化機器を搭載した車両。
上部の左右に太陽光パネル(格納式)と風力発電用のプロペラが設置されたピザ宅配のストロベリーコーンズなどの親会社、いちごホールディングス(仙台市)は、太陽光発電などで海水や泥水を飲料水に精製する機器を搭載した車両を開発し、販売に乗り出した。特許も申請した。水不足に悩む海外諸国をターゲットに売り込むが、「災害時にも活用できる」として国内の自治体などにも販売する考え。機器の製造は、横浜市の機械メーカーに委託した。太陽光発電をメーンに風力発電の装置も備え、システムの駆動を自力で行う。海水や泥水をホースで取水し、固形不純物をろ過。さらに小型の超高圧ポンプを使い、逆浸透膜と呼ばれる特殊フィルターでろ過する。この膜は水以外の不純物を取り除き、10億分の1のバクテリアも除去するという。機器は、トラックを改造した車両に搭載した。「太陽光発電を使った移動可能な淡水化システムはほかにない商品」(いちごホールディングス)という。ろ過した水を国内の水質基準に従い塩素で殺菌すると、飲料水や農業用水として使用可能になる。備長炭が入ったオプションの装置を通せば、ミネラル分やマイナスイオンが多い水になる。1日当たりの最大精製能力は10トンで、1人が1日当たり最低限必要な水分2リットルを5000人分用意できる計算。価格は1台4000万―1億円。機器を車両に搭載せず、コンテナに組み合わせる地上設置タイプもあり、海水による工業用水の精製などにも対応する。いちごホールディングスは、ピザの原材料を調達する中で、穀物高の背景に水不足があるととらえ、水事業にも参入することにした。宮下雅光社長は「砂漠の緑地化や農地化にも活用でき、地球温暖化の防止にもつながる。機動性を生かし、山間部でも活用できる」と話している。

【続報】一部の単結晶Si型車を上回る中間順位,耐久性には課題も


レース中の太陽誘電ソーラーカー苦楽部の車「Aten-1」


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080728/155499/
2008/07/28 07:00 太陽電池を用いた自作車の耐久ラリー「2008 World Solar-Car Rallye(WSR)」(2008年7月25~28日,秋田県大潟村)では,太陽誘電のクラブ・チーム「太陽誘電 ソーラーカー苦楽部」(以下,太陽誘電)が参戦中である(第1報の記事)。ソーラーカー・ラリー参加歴が長い東海大学 工学部 電気電子工学科 教授の木村英樹氏によれば,「色素増感型太陽電池での参加は,こうした有名なソーラーカー・ラリーでは世界で初めて」であるという。会場には,太陽誘電と別の会社や大学で色素増感型太陽電池を開発している技術者,研究者も数人が駆けつけ,「我々が怖くてできなかったことをやってくれた」と感心する。色素増感型太陽電池,特にフィルムを基板に用いたものは一般には耐久性にまだ課題があり,ラリー参加中に発電機能を失ってリタイヤなどすれば,初参加という話題性の大きさがそのままイメージダウンの大きさに跳ね返りかねないためである。最終日(28日)を残した時点での中間結果をお伝えすると,まず,予選のタイム・トライアルでは,太陽誘電は全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ(JISFC)も含めた全エントリー32チーム中,19位と中間的な位置につけた。ただし,この予選は400mを走るいわゆる「ゼロヨン」で,「太陽電池の性能よりはむしろ,太陽電池が発電する電力を蓄電するバッテリやキャパシタの出力,さらにはメカニカル部分の性能で決まる要素が大きい」(ある大会参加者)という。本選2日目を終えた時点での太陽誘電のソーラーカーの走行距離は,200km。これは,動力源に太陽電池だけを使い,しかも車体の大きさがほぼ同じという参加クラスの中で,出走8チーム中,5位である。本選1日目は終日ほぼ快晴で強烈な太陽光が照りつけた。2日目も朝から昼過ぎまではほぼ快晴と,曇天が狙い目だった太陽誘電のソーラーカーには明らかに不利な状況の中,健闘していると言える。一方,色素増感型太陽電池の耐久性にはやはり課題がある。本選1日目で既に,太陽誘電のソーラーカーが搭載した366枚の太陽電池セルのうち,電解液の液漏れを起こすなど明らかに動作しなくなったセルが1~2枚出てきた。本選2日目後の時点でそれは数枚に増えた。停止せずとも,なんらかの性能劣化を起こしたセルは「全体の半数近い」(太陽誘電の関係者)と満身創痍である。「性能が劣化していないセルと劣化したセルの差が激しい。性能劣化の原因は分かっているので(今後の色素増感型太陽電池の開発には)問題がない」(太陽誘電の関係者)。ただし,目の前の問題は,本選3日目に果たして最後まで走りきることができるかどうか。3日目は朝から雨の予報だが,熱に弱い色素増感型太陽電池にとってはむしろよい条件になりそうだ。
・暫定トップは人工衛星用の太陽電池を搭載
 ちなみに,すべての参加クラス中での現時点のトップは,JIFSC側で参加した芦屋大学のチーム「芦屋大学ソーラーカープロジェクト」である。本選2日目まで1025kmと他チームに比べて断突に長い距離を,約53~75km/hで走っている。芦屋大学は1993年から続くこの大会で「第1回から,2回ほどの例外を別にして毎回参加している」(同大学 経営教育学部 准教授の盛谷亨氏)。海外のソーラーカー・ラリーでも何度か優勝しているという。

現在トップをゆく芦屋大学のソーラーカー(出走直前)
 同大学のチームの車が搭載している太陽電池は,人工衛星向けに製造された,GaAs系の3接合型と呼ばれるタイプ。こうした太陽電池は一般の結晶Si系太陽電池の100倍ほども高価で,正規に購入すれば1千万円以上する。芦屋大学の場合,「2005年に米国のメーカーから規格外品をゆずってもらった」(盛谷氏)。現在,モジュール変換効率は25%,ソーラーカー全体の出力は最大1930Wであるという。

予選の結果。異なる参加クラスを一度に掲載している。
野澤 哲生=日経エレクトロニクス


2008年7月28日月曜日

NO WOMAN NO CRY

CdTe薄膜太陽電池の米First Solar社,米電力会社向けに10MWの発電所を建設


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080728/155522/?ST=observer
 CdTe(カドミウム・テルル)薄膜太陽電池技術を手掛ける米First Solar,Inc.は,電力会社の米Sempra Generation社向けに,10MWの発電量の太陽電池による発電所を建設すると発表した(発表資料)。米国ネバダ州のBoulder Cityに建設する。First Solar社は,発電所の設計や建設などを担当し,建設後は監視サービスやメンテナンス・サービスを提供する。Sempra Generation社は,竣工後に発電所を所有および運営する。同工場は2008年7月に既に着工済みで,2008年末までに竣工する予定。この発電所に利用される太陽電池モジュールは,First Solar社が米国オハイオ州のPerrysburgにある工場で製造する予定である。今回建設される発電所は,カリフォルニア州と米国西部の顧客に電力を提供する。同発電所は,Sempra Generation社の既存の天然ガス複合発電所に隣接しており,Sempra Generation社は既存の施設と同じ場所に新しい施設を作ることで,同社の土地や送電施設を最大限利用するという。First Solar社は,欧米で急速に出荷を伸ばしている太陽電池メーカー。同社によれば,2007年末の時点で,同社製の太陽電池モジュールは世界全体で300MW分以上導入されている。さらに,2008年の太陽電池モジュールの出荷量は420~460MW分になる見通しという。

南極の氷分析し太陽活動の歴史 弘大助教ら測定


http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/07/2920.html 
弘前大学大学院理工学研究科で古環境学を専門とする堀内一穂助教らは、南極大陸で最も高所にある基地「ドームふじ」から掘削した氷床コアを使い、宇宙線生成核種のベリリウム10を測定。これにより、太陽活動との関係から過去約千年間の太陽活動の変遷を明らかにした。堀内助教は「今後はより詳細に年代を把握する研究で、正確な地球環境の変遷を解明していきたい」と期待を込める。研究は、4年前から行われており、弘大大学院理工学研究科(地球環境学科)の堀内研究室と東京大学タンデム加速器研究施設(MALT)や国立極地研究所などとの共同研究の一部。研究は、地球年代学の国際誌「クォーターナリー・ジオクロノロジー」の8月号に掲載されている。同研究では、地球気候変動の解明に過去の太陽放射、太陽磁場強度などの太陽活動の変動が注目されていることから、宇宙線と大気との相互作用により生成するベリリウム10を分析。今回、堀内助教らは、700年から1900年までの氷床コア中から加速器質量分析によりベリリウム10の量を測定した。 その結果、太陽活動の極少期とされる4つの時期が、ベリリウム10の最大期として明瞭に検出された。 さらに、ベリリウム10と同じ宇宙線生成核種である炭素14の樹木年輪から復元された生成率がベリリウム10の変動とも一致し、期待された以上の結果を示した。 堀内助教は「研究結果は太陽活動の変動史を知る理想的な試料」とし、「掘削した氷床コアは深さ約3千メートルに達し、72万年前までさかのぼることができる」と可能性を述べた。また、「研究の一部をホームページで公開している。研究者だけでなく、大学の活動の一つとして、中高生にも見てほしい」と話した。

VNL、携帯電話用基地局を開発 新興市場向けに低価格省電力を実現


http://www.usfl.com/Daily/News/08/07/0724_035.asp?id=62504
 インドとスウェーデンに拠点を置く新興企業のVNLは、消費電力が電球と同程度という低消費電力かつ低コストの携帯電話向け基地局を開発した。業界アナリストによると、携帯電話人口は向こう5年間に約20億人の純増が見込まれ、そのうち約80%は開発途上国市場の住民になると予想される。それを受けて携帯電話サービス事業者(キャリヤー)は、アジアやアフリカ、そして中東諸国の特に都市部以外の遠隔地でのサービス供給体制の確立を急いでいる。しかし、それらの地域では電力供給が不安定で通信機器への投資額も限られていることから、省電力かつ低コストの基地局の開発が求められていた。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、VNLの基地局は、太陽光パネルを利用して発電し、わずかな電力で稼動する。今日、遠隔地に設置された基地局は、ディーゼル発電機と電池を使って稼動させる方法が一般的だ。しかし、典型的な基地局運営費の65%を燃料費が占めるため、実用性に乏しく、費用も高い点が問題視されている。そこで、テレフォンAB LMエリクソン(Telefon AB L.M. Ericsson)をはじめ、アルカテル・ルーセント、モトローラといった通信機器大手は、基地局用の既存の通信機器を改良し、省電力化や再生可能エネルギーの使用による問題解決に取り組んできた。 エリクソンとアルカテル・ルーセントは、セネガルやウガンダを含むアフリカ諸国に、太陽電池で稼動する基地局をそれぞれ約400局設置した。そのほかにもエリクソンは、インドにバイオディーゼルを利用する基地局約40局を構築済みだ。アルカテル・ルーセントの太陽電池基地局の消費電力は約750ワット。一方のエリクソンの太陽電池基地局は約600ワット。いずれも費用は非公開。両方とも、技術者が数週間かけて設置する必要がある。 それに対し、VNLの基地局の費用は3500ドルで、電球とほぼ同じ100ワットで稼動する。また、専門の訓練を受けていない人でも、比較的簡単に設置できる。対照的に、今日最も普及したGSM基地局の場合、費用は4万~10万ドル、消費電力は600ワットから数千ワットに達することもある。VNLは最近、インドの携帯電話基幹網運営会社であるクイッポ・インフラストラクチャー・イクイップメント(Quippo Infrastructure Equipment)と、インド北部でVNLの太陽電池基地局の試験を行うことで契約を締結した。本格的な利用が始まるのはこれからだが、もしVNLの技術が普及すれば、キャリヤーは遠隔地のサービス供給体制を、低コストかつ迅速に整備できるようになる。VNLは、車両と家電製品に一般的に使われる半導体を改良し、基地局向けに使用した。その半導体は、通信機器向けに比べて消費電力が小さい。基地局は、通信量の多いビレッジ・センター向けと、通信量の少ない地方向けに2種類がある。通信塔は省エネ対策として、使用者が誰もいない時はスリープ・モードに切り替わる。

京セラ、スペインで世界最大の太陽光発電施設建設


太陽光パネル(写真中央)が並ぶ、建設中の太陽光発電所=スペイン・クエンカ県、アバンツァリア提供


http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200807250096.html
 【マドリード=上栗崇】京セラと、スペインの太陽光発電会社「アバンツァリア」は25日、世界最大となる30メガワットの太陽光発電所の建設を、同国中部で進めていることを明らかにした。今年9月に1期工事20メガワット分が完成。残り10メガワットは09年6月をめどに増強する予定だ。予定地はクエンカ県にあり、甲子園球場22個分にあたる86万平方メートル。20メガワットの時点では、京セラ製の太陽光パネル10万5600枚を使い、建設費用は1億8千万ユーロ(約300億円)。電力はすべて電力会社が買い取り、一般家庭約6300戸分の電力をまかなえる。 アバンツァリアのカルロス・ガルドン社長は「京セラの協力を得て今後も積極的に投資を進めていく」と話した。 スペインには、太陽光による電力を電力会社が一般的な電気料金の3倍で買い取る制度がある。計算上は10年程度で投資が回収できるため、大きな発電施設の建設が相次いでいる。ただ、高値で買い取る電力が増えて電気代が上がる懸念が高まっており、政府は今年9月末から、買い取り額を引き下げる方針を固めている。

太陽光発電機普及へ、半額目指す…「低炭素」行動案


http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080726-OYT1T00035.htm?from=navr 
温室効果ガス排出を大幅に減らすため、政府が29日にも閣議決定する「低炭素社会づくり行動計画」案が明らかになった。 2050年の排出量を現状から60?80%削減する長期目標を掲げた「福田ビジョン」の達成に向けた具体策を示したもので、太陽光発電機器の価格を3?5年後に半額程度にする施策を打ち出す。火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の実用化への道筋なども盛り込んでいる。 日本の太陽光発電の導入量は04年までは世界一だったが、05年にドイツに抜かれた。行動計画では「世界一の座を再び獲得する」ことを目指し、「思い切った支援策」を講じるとしている。05年度に打ち切った個人住宅での購入費補助の復活や、電力会社が買い取る太陽光発電の電力量を増やすことを検討する。 住宅向け太陽光発電機器の普及を図ることで、現在200万~300万
円の価格が3?5年後に半額程度になるよう後押しする。導入量については、20年に現在の10倍、30年には40倍にするとしている。 温室効果ガスを大幅削減する「革新的技術」として期待がかかるCCSは、来年度に大規模実証実験をスタートさせ、20年までの実用化を目指す。 原子力発電所の建設についても、着実な実現を目指すとし、電力各社が新規建設を計画している13基の原発のうち、17年度までに9基を新設するとしている。 このほか、エアコンなどの家電製品や自動車ですでに導入され、エネルギー効率が最良の製品を業界の基準とする「トップランナー方式」を来年4月から建売住宅にも導入する。企業間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引制度は10月から試行を始める。

頭脳放談 第98回 石油が高ければ太陽があるさ


http://www.atmarkit.co.jp/fsys/zunouhoudan/098zunou/solarpower.html
Massa POP Izumida

 筆者がわざわざ書かなくても皆さんよくお分かりのとおり、ガソリンの価格が異常に高い。筆者のように田舎に住んでいると、ちょっとした買い物でも車なしには済まないから燃料の高騰は非常に痛い。痛いどころか職業によっては「やってられない」苦しい状況の方もいらっしゃるだろう。高騰の「原因」もニュースなどでいろいろ聞かされているわりには、それによって儲けているヤツの顔は見えてこないので、怒りは地下にたまっている感じである。ちょうどいまもクリーニング屋に洗濯物を取りに行ってきたのだが、往復4km。もちろん車である。ガソリン代も気になるが、二酸化酸素(CO2)も出している。どうも筆者の暮らしはエコになれない。どこで読んだのかは覚えていないのだが、都会暮らしと田舎暮らしを「1人当たり」の観点で比べると、田舎暮らしの方がエネルギーを1けた多く使っているという話であった。都会の方が巨大なエネルギーを消費しているのは明らかなのだが、頭割りすると田舎の方が使っているという論理である。都会の方が、電車で移動するし、狭いところにインフラが集まっているので「エネルギー効率」がよい。それに比べると田舎は効率が悪いのだそうだ。田舎には住むな、ということだろうか。二酸化炭素といえば、例のサミットも終わったようだ。まずは無事に済んでめでたい。しかし北海道での「お祭り」のために、東京周辺の年中行事の日程
まで随分と変更になっていたようだ。これは警備の人員のやりくりの都合だろうが、二酸化炭素を目の敵にするあまり、さまつで本質とは遠いところでの議論も多いように感じる。ほとんどすべての人が「温暖化を何とかしなきゃ」と感じているはずなので、ともかく「CO2が!」、といわれると反対できない雰囲気がある。そのわりには効果の不明瞭な対策に関連する議論も多い。もちろん、二酸化炭素排出を制限しようとすると摩擦が多いことおびただしい。先進国のせいで起きたこの状況を、途上国に押し付けるのかという議論はご存じのとおり。制限のための仕組みやら枠組みづくりやらはいろいろ考えられてはいるが、なかなかうまく進まない。二酸化炭素を出す権利を売り買いしても、枠をはめることにはなるが、結局、二酸化炭素は出る。何が一番の問題なのかはよく考えてみるべきだろう。
半導体が温暖化を止める?
 結局、燃料が高騰しているのも、温暖化も、「化石燃料を燃やしてエネルギーを取り出す」という点が最大の問題なのである(牛や豚のゲップのメタンガスが問題だから、牛や豚を食べないようにしよう、という話もあるが……)。もし、いますぐに「化石燃料を燃やさないでエネルギーを取り出せる」なら、それこそ原油バブルははじけ、儲けているファンドの誰かは真っ青になり、二酸化炭素の排出比率にしたら「さまつな」問題のほとんどは忘れ去られるであろう。 思うに、「いますぐ」は無理だが、それを可能にするのは「実は(広い意味での)半導体屋」かもしれない、と昨今思い始めている。何かというと、「太陽電池」こそが世界を救う「本命」じゃないかと思うのだ。大げさだろうか。 しかしである。想像してみるに、日本の総発電量の数十%くらいを太陽電池で賄えるようになったら、どれほどの石油を燃やさないで済むだろうか? また、どれくらい二酸化炭素を出さずに済むだろうか? そういうトレンドがはっきりと統計に表れてきたら、投機筋もばかではないので、このまま石油を買い続けることはないだろう。細かな排出量のやりくりをターゲットにするような議論にあくせくする必要もなくなる。それに、制限するばかりでなく、これからエネルギーが欲しい発展途上国にも、二酸化炭素を出さない「エネルギー」が提供できる、といいことずくめだ。現状の技術の中で、各国の総発電量の数十%といったレベルに「すぐに」持ち上げられるポテンシャルを持っている最右翼が太陽電池ではないか、と思うのだ。何せ半導体業界は、有名なムーアの法則のとおり「指数関数的」に生産量を上げるのが得意な産業である。また太陽光発電は、パネルの製造を除けばローカルでローテクな発電所で済むので、巨大な発電所や再処理施設に比べたら作るのは難しくない。「人類の」総力を結集して太陽電池へ向かえば十分に可能だろう、と楽観している。
IBMもIntelも太陽電池へ
 こんなことは筆者がいわずとも、偉大な業界の先達は皆さんお分かりのようだ。もちろん、政府が音頭を取らなくっても、である。さっさと「行動」に移している。「頭脳放談:第90回 捨てるウエハあれば拾う太陽電池あり?」でIBMの廃ウエハを太陽電池に再利用というニュースリリースを取り上げたが、今度はIntelが太陽電池のベンチャーをスピンオフして育成するというニュースリリースが出た(Intelのニュースリリース「Intel Spins off Solar EnergyTechnology; Intel Capital Invests in SpectraWatt」)。SpectraWatt(スペクトラワット)という社名はなかなかカッコよい。また、IBMは日本の東京応化工業という会社と組んで、シリコンを使わない新方式の太陽電池を開発する、というニュースリリースを出してきた(IBMのニュースリリース「IBM and Tokyo Ohka Kogyo Turn Up Watts on Solar EnergyProduction」)。先ごろはシリコン・ベースで、今度の材料はCIGS(Copper-Indium-Gallium-Selenide:非シリコン系の半導体材料を利用した太陽電池)なので、「節操がない」感じもするが、何でもやるというところだろう。ちなみに東京応化工業というのは、半導体そのものを作っている会社ではないが、半導体を作るための素材や装置を作っている会社なので、広い意味での半導体屋といえないこともない。ほかにも半導体関連の製造装置メーカーや、コネクタ・メーカーなどでも太陽電池関係への進出が活発化してきている。もちろん、老舗のシャープや三洋電機は「頑張る」つもりを表明しているし、将来を考えた石油メーカー、あるいはホンダといった自動車産業まで皆さん取り組んでおられることは心強い。太陽電池を作るのにもエネルギー(と二酸化炭素排出)が必要で、以前はそのエネルギー収支も問題にされたが、すでに使うエネルギーに対して取り出せるエネルギーのレシオはかなり向上し、反対に石油採掘に消費するエネルギーと取り出せるエネルギーのレシオは落ちているので、このまま開発が進めば太陽電池の方がよくなるのは必然であろう。すでに逆転したという話も聞いたことがある。また太陽電池で発電したエネルギーを持ち運ぶのに適した電池の技術も発展しているので、自動車などの輸送機関にも適用できる。単に発電の面だけでなく、既存の化石燃料インフラを置き換えられる可能性がある。あとの問題は、日照条件などによる変動を吸収して平準化するための技術とインフラ整備であるが、「技術的には」やる気になりさえすれば、十分にできると思う。最近、「頭うち」になっている「半導体業界」が世界を救うことになるかもしれない?しかし、こんなことを書きながら、だいぶ前に屋根に太陽電池を載せようかと思ったときは、結局、値段が高かったので見送っている。それに電力会社などによる電気の買い上げもいろいろ条件があるみたいだったし。でも太陽電池そのものが安くなり、いくらでも発電した電気を買い上げてもらえるとなったら、屋根だけといわず庭にも太陽電池を敷き詰めようかと思う。こんな場合は、田舎という立地が生かせることになる。
関連記事 
頭脳放談 第90回 捨てるウエハあれば拾う太陽電池あり?
http://www.atmarkit.co.jp/fsys/zunouhoudan/090zunou/solarwafer.html
関連リンク 
Intel Intel Spins off Solar Energy Technology;Intel Capital Invests in SpectraWatt
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/20080616corp.htm
IBM IBM and Tokyo Ohka Kogyo Turn Up Watts on Solar Energy Production
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/24464.wss

十市勉の『資源Wars』再生可能エネルギーと日本[前編]太陽光発電の拡大に不可欠な国家レベルの普及策



http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/toichi/31/index.shtml
2008年7月24日(木)公開「福田ビジョン」の要は太陽光発電の拡大 日本は2020年までに、二酸化炭素(CO2)排出量を現状に比べて14%削減できる──。今年6月9日、福田康夫首相は、日本記者クラブで行ったスピーチ「低炭素社会・日本をめざして」で、いわゆる「福田ビジョン」を打ち出した。現状比14%削減に向けた具体策は、省エネの推進と並んで、全発電量に占める「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上にするというもの。ゼロ・エミッション電源とは、原子力発電や再生可能エネルギーなど、CO2排出量がゼロの発電方法を指す。福田ビジョンでは、特に、太陽光や風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーに力を入れていく方針を明らかにした。福田首相が、なかでも期待を寄せているのが太陽光発電である。2020年には太陽光発電の発電量を現状の10倍に、2030年には40倍に増やす目標を掲げた。福田ビジョンでは具体的な数値を発表していないが、2005年の設備容量である約140万kWを基準に計算すると、10倍なら1400万kW、40倍だと5600万kWで、この数値を目標に、導入量を増やしていくことになる。福田ビジョンで、太陽光発電の発電量を増やすために提言された施策は二つある。一つは、電気事業者などによる世界最大級規模の「メガソーラー発電」を全国に展開すること。もう一つは、新築持ち家住宅の7割以上に太陽光発電を導入することだ。メガソーラー発電とは、発電量が1000~1万kW級のもので、家庭用の太陽光発電装置が平均3kW程度の出力であることを考えると、太陽光発電としては相当大規模なものであることがわかる。実は、CO2排出量を現状比14%削減というのは、今年5月に資源エネルギー庁から発表された「長期エネルギー需給見通し」の「最大導入ケース」で示された削減量とほぼ同じ数値である。最大導入ケースとは、実用段階にある最先端技術を最大限に普及させる場合で、劇的なCO2削減を実現することを前提とした試算だ。水力・地熱発電を含む再生可能エネルギーの導入目標は、全電力比で2005年度の5.9%から2030年度には11.1%に、水力・地熱発電を除いた場合の導入目標は、全電力比で、2005年度の2%から2030年度には6%に高めるとされている。
■2030年に現在の40倍規模をめざす太陽光発電
今年6月に発表された「福田ビジョン」のポイント
日本の中・長期目標
長期目標 2050年までにCO2排出量を現状に比べて60~80%削減
中期目標 今後10~20年で世界全体のCO2排出量をピークアウト(頭打ちに)させる必要があり、日本はここ1、2年のうちにピークアウトさせる
日本のセクター別積み上げ方式によってCO2削減量を分析し、2008年12月に行われる国連気候変動枠組条約第14回締約国会議(COP14)で結果を報告するよう各国に働きかける
2009年中に日本の国別総量目標を発表
具体的な政策
革新技術の開発 革新的な太陽電池やCCS(炭素隔離・貯留)、次世代原子力発電などの技術開発ロードマップを世界で共有し、技術開発を進める
「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」を洞爺湖サミットで提案
既存先進技術の普及:再生可能エネルギー 2020年までに、再生可能エネルギーや原子力などの「ゼロ・エミッション電源」の比率を50%以上に引き上げ、新車の2台に1台の割合で次世代自動車を導入
太陽光発電の導入量を2020年までに現状の10倍、2030年に40倍にするため、導入支援策や新料金体系を検討
既存先進技術の普及:省エネ 2012年までに白熱電球を省エネ電球に切り替え、省エネ住宅・ビルの義務化や200年住宅の普及を促進
国全体を低炭素化へ動かすしくみ:排出量取引 2008年秋に、排出量取引の国内統合市場の試行的実施を開始
「福田ビジョン」では、太陽光発電などの再生可能エネルギーを軸に低炭素社会の実現をめざしていく方針を打ち出した
「太陽光社会」実現に向けた施策 福田ビジョンの発表を受けて、資源エネルギー庁・総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会は、6月24日、新エネルギーの導入拡大に向けた緊急提言を発表。「新エネ・モデル国家」を構築し、新エネ文明を日本から世界に向けて発信していくことを提言するとともに、福田ビジョンを具体化する方法を示した。この提言によれば、2020年に太陽光発電の発電量を現状の10倍に、2030年に40倍に増やして「太陽光社会」を実現するには、2020年に新築持家の約7割、2030年には新築戸建住宅の約8割に、3kW級の太陽光発電パネルを設置する必要がある。また、工場やオフィスビルなどの産業用や学校・駅などの公共施設でも、全体の約8割に太陽光発電装置が設置されている状態が必要だ。福田ビジョンや新エネ部会の緊急提言が太陽光発電に注目するのは、素材から加工、組立まで、太陽光発電は裾野が非常に広い産業であり、雇用創出効果が期待されるという理由もある。もともと日本は、太陽電池産業で他国に先行しており、生産量では世界一を誇る。太陽光発電の累積導入量では、2005年度の補助金打ち切りをきっかけに、世界一の座をドイツに明け渡したが、産業の国際競争力そのものは依然として高く、日本にとっての強みとなっている。課題は、住宅用太陽光発電システムの導入コストだ。日本では、ドイツのように、電力事業者に対して通常の電力価格より大幅に高い値段で再生可能エネルギーの買い取りを義務付ける「固定価格買い取り制度」を導入していない。結果として、普及させるためには、量産などによりシステム自体のコストを下げる必要がある。そのためには需要増が不可欠だ。新エネ部会の緊急提言では、技術開発と需要創出で機器の高効率化と価格低減を図り、現在の1戸あたり約230万円という導入費用を、3~5年以内(2011年~2013年まで)に半額(約115万円)程度まで低減するという目標を掲げている。具体的な施策として、住宅用太陽光発電に対する国の支援措置を再開する。補助金を打ち切った結果、導入量の伸び率が停滞したことを重く見た福田首相からの指示で再開が決まった。一方、緊急提言では、公的支援に加え、太陽電池メーカーと住宅メーカー間の連携を強化する必要性を訴えている。住宅の設計段階から太陽光発電を組み込むことや、屋根や壁材と一体型の太陽電池パネルを普及させることに加え、各家庭での太陽光発電のCO2排出量削減効果を住宅メーカーなどが取りまとめ、グリーン電力証書化する事業も提言している。グリーン電力証書とは、グリーンエネルギーで発電された電力について、CO2排出量削減という付加価値を証書化する取り組みだ。さらに、電気事業者に新エネルギーなどの電気を一定割合以上利用することを義務付けた「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」では、2011年から、太陽光発電に特例措置が設けられる。電力会社が再生可能エネルギーの割り当て量を満たす際に、太陽光発電による発電量は、他の発電方式の2倍として扱われることになる。コストのハンディを克服するためのインセンティブの導入が進められているわけだ。
■再生可能エネルギー導入率11%をめざす日本

「長期エネルギー需給見通し」では、実用段階にある最先端技術を最大限普及させることで、再生可能エネルギー(水力・地熱を含む)の比率を2030年度に11.1%に高めることができると試算している(出所:資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会需給部会「長期エネルギー需給見通しのポイント」を基に作成)
日本でも始動する「メガソーラー計画」 産業・公共分野でも太陽光発電の導入が進められている。ビルの屋上や工場の屋根、ビルや高速道路の側壁、駅舎・ホームの屋根などが設置場所だ。例えば堺市(大阪府)と関西電力、シャープは、今年6月23日、堺市の臨海部2カ所でメガソーラー発電を行う「メガソーラー計画」を発表した。1カ所目は、産業廃棄物埋め立て処分場の跡地。出力1万kWの「太陽光発電所」を設置する。もう1カ所は臨海コンビナート。工場の屋根などに太陽光発電装置を設置する計画で、こちらは当初、9000kWの発電から始め、最終的には出力を1万8000kWまで増やし、コンビナート内の電力需要にあてる。2009年度に計画に着手し、2011年度に運転を開始する予定。太陽光発電装置を設置するうえでネックとなるコストについては、建設費の3分の1を国が助成し、強力に支援する。太陽光発電普及のもう一つの課題は、天候条件により発電量が変動することだ。発電量が少なければ既存の電力系統でも吸収できるが、発電量が多くなると系統に大きく影響を与えてしまい、周波数や電圧などを安定させることが難しくなる。そこで、安定化のために、太陽光発電による電気を蓄える「蓄電池」が必要となる。一方、太陽が出ていないときは発電しないため、火力発電所などのバックアップ電源が必要になることも悩みのタネ。大規模導入のためには、安定化技術や蓄電池システム、バックアップ電源などの計画的な整備が必要となるが、そのためにはコストがかかる。今後、メガソーラーを全国的に展開して発電量が増えてくると、コストもかさむようになる。こうした費用を電気事業者が負担するのか、電力料金に転嫁し消費者が負担するのかなど、費用負担のあり方も検討していかなければならない。系統との連携ルールやバックアップ、費用負担などの問題は、今後、国の審議会などで議論していくことになるだろう。
>>後編に続く
十市勉 氏 (といち つとむ)財団法人日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員
1973年東京大学理学系大学院地球物理コース博士過程終了、理学博士。同年日本エネルギー経済研究所に入所。米国のマサチューセッツ工科大学エネルギー研究所客員研究員を経て、日本エネルギー経済研究所第1研究室室長に就任。理事・総合研究部長、常務理事・首席研究員などを経て、2006年に専務理事(最高知識責任者)・首席研究員に就任。主な著書に『21世紀のエネルギー地政学』(産経新聞出版)、『エネルギーと国の役割─地球温暖化時代の税制を考える』(共著、コロナ社)、『石油─日本の選択』(日本能率協会マネージメントセンター)、『第3次石油ショックは起きるか』(日本経済新聞社)などがある。内閣府経済財政諮問会議・日本21世紀ビジョン・グローバルWG委員、総合資源エネルギー調査会臨時委員を務めるなど、エネルギー分野での論客として知られる。

2008年7月25日金曜日

VCマネーの流入先:太陽エネルギー利用の最前線、画像ギャラリー



http://wiredvision.jp/news/200807/2008072523.html
2008年7月25日Alexis Madrigal
サンフランシスコ発――米国では政府の支援にむらがあるが、太陽エネルギー利用は世界中で爆発的に広がっている。気候変動とエネルギー価格上昇に対する懸念から、太陽の力を利用する技術の効率を上げ、その種類を増やすことに、何十億ドルもの資金が投じられているのだ。ここで言っているのは、新しい太陽光発電パネルのことだけではない。素材から製造工程、太陽の追跡装置に至るまで、すべてが見直されている。15日(米国時間)から17日までサンフランシスコで開かれていた『Intersolar North America』で紹介された、太陽エネルギーを利用する取り組みの最前線をのぞいてみよう。

中国で大人気の太陽熱温水器
この奇妙なパイプは、中国のWesTech International Development社が製造する太陽熱温水器の一部だ。屋根に設置すれば、太陽の熱エネルギーを集めて内部の水を温め、魔法瓶のように保温してくれる。米国の住宅に設置されているのは、たいてい、もっと高価なシステムだ。しかし中国では、このように管内に閉じこめた水を温める単純なシステムが主流だ。価格の安さが中国国内での普及を後押しし、10軒に1軒ほどの割合で、こうした装置を設置していると見られている。そして現在、大きな生産能力を持つ中国企業は、この低コストの技術を米国にも紹介しようとしている。Photo: Emily Lang/Wired.com

回転して太陽を追跡
ソーラーパネルの配置とは、直射日光をできるだけ多く浴びるようにしたい日光浴のようなものであり、その目的にかなうのが、この回転するソーラーパネル台だ。太陽が空を横切っていくのに合わせて、円形のトラックに載った上部の構造が回転し、パネルがいつでも日光を正面から浴びるようにする。いずれもドイツのメーカーであるa+f社(写真)とRWenergy社はよく似たシステムを作っており、ソーラーパネルの効率が30%向上すると説明している。

ロボットによる製造
太陽光発電は長い間、もっぱら科学者や環境保護の理想主義者たちの領分とされていた。太陽エネルギーが世界で使われるエネルギーの1%に満たないのには、そうした理由もある。世界のエネルギー市場を少しでも変えるには、太陽エネルギーの業界が規模を拡大しなければならない。それも迅速に。ソーラーパネルのコネクターを製造するスイスMulti-Contact社のIan Chen氏によると、1つの有力な対処法は、産業の世界で常に実行されてきたこと――つまり、オートメーションだという。「ガレージでやっていた方法をそのまま踏襲するのではなく、規模を拡大しなければならない」とChen氏は言う。コストを減らすと同時に生産量を増やすには、オートメーションの工程をゼロから設計する必要がある。

太陽電池製造ロボット
米Adept Technology社が製造するこの機械は、マシンビジョンと真空を利用し、ベルトコンベアから太陽電池をつかみ取る。同社の法人向けマーケティング責任者Jay Sacharia氏によると、動きの素早いこのクモのようなロボット『Quattro』の価格は10万ドル以下だという。

9500万ドルを集めた「集中型のソーラーパネル」
今、見つめているのは、太陽エネルギーの未来かもしれない。米SolFocus社が製造する集中型のソーラーパネルは、高効率で太陽光発電を行なう小さな素材に、鏡を使って太陽光を集める。まず、後ろにある凹面の第1の鏡が、中心に後ろ向きについている小さな鏡へと光を集める。この第2の鏡が反射した光は、オプティカルロッドを通って発電セルに到達する。この装置を使えば、広範囲の光を集められると同時に、コストを抑えることができる。どの程度かというと、法人向け開発責任者Stephanie Southerland氏によると、「2010年までに化石燃料と同等のコスト」にすることが目標だという。こうした話に、投資家たちは想像力を膨らませている。SolFocus社は2度の資金集めを実施し、すでに9500万ドルもの資金が殺到している。

ソーラー・ステッカー
米Lumeta社が開発したソーラーパネルは、世界初の「ソーラー・ステッカー」だ。屋根作りや建設を専門とする同社が、設置のしやすさを考えて開発しただけあって、パネルの裏の紙をはがして平らな屋根に張るだけという単純さだ。台に乗せるタイプの従来型パネルより軽いという長所がある一方、屋根に密着させることから、最も効率の良い角度にできないという短所がある。最高業務責任者(COO)のStephen Torres氏は5月、ワイアードの取材(日本語版記事)に対し、この短所によって失われる発電量は5%ほどだと説明している。

柔軟な折り畳み式充電器
「ソーラーパネルのインテグレーション」とは長年のキャッチフレーズで、建物や製品に直接組み込めるソーラーパネルを意味する。今回のイベントでは、米Global Solar Energy社が、建物に組み込めるフィルム状の製品『PowerFlex Solar Strings』をアピールしていた。同社によると、細長い太陽電池1メートルで70〜90ワットの発電ができるという。Global Solar社は、[携帯型の]ソーラー充電器にも技術を応用している。写真のものは6.5ワットの発電ができるタイプで、価格は約100ドルだ。法人向け製品の責任者Charles Gambill氏によると、2、3時間で携帯電話を充電できるという。そして何より、映画『WALL・E/ウォーリー』に出てくる折り畳み式の充電器にそっくりだ。

Applied Materials社が業界を支配する? Intersolarが『SEMICON West』と同時に開催されたことを考えると、半導体業界の関係者がIntersolarの展示会場を歩き回っていたのも不思議ではない。驚いたのは、太陽光発電の市場に参入した米Applied Materials社に関する騒ぎだ[半導体製造装置メーカーである同社は2006年に、太陽電池事業への参入を開始。2007年11月にはイタリアの太陽電池製造メーカーのBaccini社を買収した]。Intersolarに参加していた米SolarFrameWorks社のNathan Singsen氏は、「Applied Materials社はおそらく、太陽光発電の業界全体を支配するだろう」とまで言った。Applied社で薄膜部門の責任者を務めるChris Beitel氏も、たぶん同意するだろう。半導体生産の規模拡大と最適化におけるApplied社の経験は、太陽光発電における同様の問題にそのまま応用できると、Beitel氏は主張する。「われわれなら新たな規模に到達できる」その証拠にApplied社は、写真の巨大なフィルム状のソーラーパネルを披露した。米Signet Solar社がApplied社の技術を使って製造したものだ。この技術を利用する企業は、ほかにも複数あるようだ。Beitel氏によると、Applied社はすでに計30億ドルの契約を結んでいるという。

新素材をナノスケールでテスト
太陽光発電業界へのベンチャー投資が増えているため、この業界の企業には、革新をもたらす可能性のある新素材に資金を投じる余裕が生まれている。新素材開発には、米Agilent Technologies社の『NANO Indenter』が役に立つ。非常に薄い素材の硬さや伸縮性といった力学特性を測定できる装置だ。ナノスケールで素材に圧力を加え、圧痕の形や性質を評価する。

シリコンをレーザーで切断
パソコンや電話のチップを作るには、シリコンウエハーを細かく切断しなければならない。太陽電池の製造にも同様の工程が必要だ。チップメーカーはかつてダイヤモンドの刃を使用していたが、ドイツのJenoptik社によって新たな方法が開発された。熱レーザーで切断する方法だ。Jenoptik社によると、レーザーはダイヤモンドより切れ味がよく、材料の無駄が少ないという。Photo: Emily Lang/Wired.com

太陽誘電,色素増感型太陽電池でソーラーカー・レースに初参戦


現地でテスト走行をする様子(写真提供:太陽誘電)


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080724/155376/?ref=ML
2008/07/25 08:00
太陽誘電は,2008年7月25~28日に秋田県大潟村で開催される国際ソーラーカー・レース「2008 World Solar-Car Rallye(WSR)」に同社として初めて参戦することを明らかにした(写真)。ソーラーカーでは一般的なミツバ製モーターを採用し,車体と太陽電池パネルを一から自作した。フレキシブルな色素増感型太陽電池の採用は,WSRへの参加車としては初めてという。25日は,予選を兼ねたタイム・トライアル。26~28日の3日間が本選で,1周25kmのレース・コースを計25時間走行する耐久レースとなる。WSRは,全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ(JISFC)との共催となる(大会の詳細)。WSRへのエントリーは,太陽誘電を含む20チーム,22車(表1)。今回,企業としての参加は,太陽誘電とエスペックの2社だけで,他は個人,学校,地元の有志グループなどである。
●曇天なら勝機も
 太陽誘電以外のほとんどの参加者は,色素増感型より変換効率が高いシャープや米SunPower Corp.などの単結晶Si太陽電池を採用する。単純な最大変換効率で,色素増感型太陽電池は太刀打ちできないため,不利は否めない。ただし,太陽誘電などによると,「色素増感型太陽電池は,曇天時の間接光でも一定の発電が可能で,しかも光の入射角の許容範囲が広いという特徴がある。レース時の天気が曇りであれば有利」という。ちなみに,現時点での7月26~28日の現地の天気予報は,晴れ時々曇り(26日),晴れ時々曇り(27日),曇り(28日),となっており,やや分が悪そうである。日経エレクトロニクスでは現地入りして,レースの模様や結果をお伝えする予定である。

WSRへの参加エントリーと利用する太陽電池パネル
野澤 哲生=日経エレクトロニクス

NEDO海外レポート(1026号)

西部を再生可能電力網でつなぐ計画(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-17.pdf?nem
2025年までに太陽エネルギーで米国の電力の10%を賄える可能性(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-18.pdf?nem
太陽エネルギーの多彩な集光器アプローチ(米国)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1026/1026-19.pdf?nem


2008年7月24日木曜日

【EU】太陽光発電でサハラ砂漠から電力調達へ


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000015-nna-int
 欧州連合(EU)でサハラ砂漠から電力を調達する構想が浮上している。23日付ガーディアンが欧州委員会のエネルギー研究所の話として伝えた。 総工費450億ユーロ(7兆6,200億円)の「欧州スーパーグリッド(送電網)」計画の中核をなすもの。日差しが強力な北アフリカに太陽光発電(PV)パネルを設置した場合、欧州北部の最大3倍に及ぶ電力を得られる。各ソーラーファームの発電容量は5万~20万キロワットを想定している。 「欧州スーパーグリッド」は英国やオランダの風力発電のほか、アイスランドとイタリアの地熱発電といった再生可能エネルギーを欧州全体で共有する壮大なプロジェクト。北アフリカとは、従来の交流方式より長距離送電中の電力ロスが少ない高電圧直流送電線で結ぶことになる。 計画はまだ初期段階だが、既にブラウン英首相やサルコジ仏大統領が支持を表明している。欧州全土に送電網を張り巡らせるには、2050年までに年間最大10億ユーロの費用が掛かる見通しだ。

箕輪ブライトプロジェクトが天竜川護岸に夜間照明設置


夜間照明(太陽光1号市販品)を設置する箕輪ブライトプロジェクトのメンバー


(2008/7/23)箕輪町の事業者有志でつくる「箕輪ブライトプロジェクト」(小池茂治会長)はこのほど、同町のみのわ天竜公園付近の天竜川護岸に太陽光発電による夜間照明2台を設置した。同プロジェクトは、3年前に発足。自然エネルギー活用の廉価な照明装置の開発に取り組んできた。試作を重ね完成した市販品にはすでに受注があり5日から組み立てを開始している。天竜川護岸に設置した太陽光発電照明は、試作機と市販品(太陽光1号機)を1台ずつ。いずれもポールの頂上部に10ワットの太陽光パネルを備え、暗くなると自動点灯。コントローラーで照射時間をプログラムできる。照明を設置するとメンバーからは「ようやくついた」「悲願達成」と喜ぶ声が上がった。同照明は日暮れから4~5時間点灯する。太陽光1号機は1台25万円(開発記念特別価格19万5千円)。問い合わせは、箕輪町商工会内事務局(TEL79・2117)へ。

太陽光発電の高効率化技術「SolarMagic」,ナショセミが実現技術を明らかに


SolarMagicモジュールの外観。外形寸法は10cm×12cm程度である。


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080724/155303/
2008/07/24 10:39
米National Semiconductor Corp.は,太陽光発電システムの発電性能を高める技術「SolarMagic」を開発し,米国カリフォルニア州において実地試験を開始した(Tech-On!関連記事)。この技術を適用すれば,既存の太陽光発電システムに比べて,発電量を最大で45%も高められるという。どのような手法で発電量を高めるのか。同社の日本法人で代表取締役社長を務めるJeff Waters氏に,SolarMagicの技術内容などを聞いた。
--SolarMagicでは,どのような手法で太陽光発電システムの発電量を高めているのか。その詳細を具体的に説明してほしい。
Waters氏 SolarMagicは,当社のアナログ半導体技術を駆使して実現していおり,形状はモジュールである。単体のICではない。モジュールの中に,インテリジェンスなアナログICなどを収めてある。このモジュールは,太陽電池モジュール(太陽電池セルを複数枚搭載したモジュール)に1個接続して使用する。従って,3直2並で太陽電池モジュールを接続したシステムであれば,SolarMagicモジュールが6個必要になるわけだ。SolarMagicモジュールの役割は,建築物や樹木などによって作られた日陰によって太陽光発電システムの発電量が低下してしまうことを防止する点にある。既存のシステムでは,日陰ができてしまった太陽電池モジュールを,ダイオードを使ってバイパスさせることで,システム全体の発電を可能にしていた。つまり,バイパスさせた太陽電池モジュールは,ほとんど発電に寄与していない。SolarMagicを使えば,こうした太陽電池モジュールも,発電に寄与させることが可能になる。このため発電量が高まるわけだ。さらに,太陽電池セルのミスマッチによる悪影響を最小限に抑える効果もある。ミスマッチとは,太陽電池セルの発電能力のばらつきである。太陽電池モジュールでは,セルを直列に接続して使うため,その中に発電能力が小さいセルがあれば,ほかのセルの発電性能が制限を受けてしまう。SolarMagicモジュールを接続すれば,太陽電池モジュールの発電能力を最大限に生かすことが可能になる。
--SolarMagicモジュールでは,どのような制御を実行しているのか。
Waters氏 太陽電池セルから得られる発電電力は常に一定ではない。セル電圧によって,発電電力は大きく変化する。すなわち,発電電力が最大となるセル電圧が存在する。その発電電力をMPP(Maximum Power Point)と呼ぶ。SoalrMagicモジュールは,太陽電池モジュールの単位で,常にMPPで動作するように制御している。ただし具体的な制御方法については,現時点では明らかにできない。量産出荷を予定している2009年第1四半期(1~3月)には,詳細を話せるようになるだろう。
●外形寸法は10cm×12cm
--SolarMagicを適用することで発電量はどの程度高まるのか。
Waters氏 現在,米国の太陽光発電システム施工会社であるREgrid Power, Inc.と共同で,実地試験に取り組んでいる。その試験によると,ダイオードによる対策のみの既存システムに比べて,発電量を最大で45%高められるという結果が得られている。
--SolarMagicモジュールの外形寸法はどのくらいか。価格はどの程度に設定する予定か。
Waters氏 外形寸法は10cm×12cm程度である。太陽光発電システムであれば,問題なく搭載できる大きさだろう。価格は,現時点では明らかにできない。しかし,SolarMagicモジュールを採用することで,太陽光発電システムの発電コスト(1kWh当たりの発電コスト)が下がる価格に設定する考えだ。
--太陽光発電システムは,20年や30年といった長期間使用される可能性が高い。こうした長期間の使用に耐えられるように,半導体チップを収めたモジュールの信頼性を確保することは可能なのか。
Waters氏 大きなチャレンジであることは間違いない。しかし,当社には,産業用電子機器用途に向けた半導体チップ開発でたくさんの経験がある。これらの経験を活用すれば,信頼性を確保することは可能だろう。ただし結論は,量産出荷を開始する予定の2009年第1四半期まで待ってほしい。
●ギガ・トレンドに乗る
--なぜ,太陽光発電システムに向けたアナログIC市場に参入したのか。
Waters氏 当社は確かに,扱う電力が比較的小さいアナログ/電源ICを得意としている。太陽光発電システム市場への参入は奇異に映るかもしれない。当社がこの市場への参入を決めたのは,2~3年前のことだ。その当時,今後世界全体で大きな問題になりそうなトピックスについて話し合った。その際に登場したのがエネルギー問題であり,代替エネルギーをいち早く実用化しなければならないという結論に至った。そこで当社の技術者が検討し,取り組んだのが太陽光発電システムの発電コストを低減する技術の開発である。エネルギー問題のほかには,ヘルスケアやセキュリティといったトピックスが登場した。当社ではこうしたトピックスを「ギガ・トレンド」と呼んでいる。これらの問題を解決する技術を開発すれば,大きな市場機会があるのは間違いない。
--SolarMogicモジュールの販売先はどのような企業になるのか。
Waters氏 太陽電池モジュール・メーカーが主な販売先となる。既に,日本のメーカーとも協議を始めている。SolarMagicは,日本市場に合った技術だと考えている。日本は住宅が密集して建っており,住宅の周囲に樹木が多いからだ。米国のカリフォルニア州では,太陽電池モジュールに日陰を建物や樹木は多くない。従って,米国市場では,太陽電池セルのミスマッチによる影響を最小限に収めることを理由に普及が進む可能性が高いと見ている。ただし,現在,日陰を作る樹木が多くないカリフォルニア州でも,太陽光発電システムの上にできた日陰を巡って論争が起きている。日陰を作る木を切るべきか,切らぬべきかという論争だ。太陽光発電システムの発電量は,高ければ高いほど環境に優しい。そのためには木をきらなければならないが,そもそも木を切る行為自体は環境に悪い。果たして,どちらの方が環境に優しいのだろうか。しかし,SolarMagicモジュールが実用化されれば,こうした論争に終止符が打たれるだろう。

SolarMagicモジュールの使用方法。太陽電池モジュールに対して,1個のSolarMagicモジュールを接続して使う。

SolarMagicモジュールを使うことで,発電量を最大で45%高められる。グラフの青い線が日陰が全くないときに得られる発電量。ピンクの線は,日陰がある状態でSolarMagicモジュールを使わなかった場合に得られる発電量。緑の線は,SolarMagicモジュールを使った場合の発電量である。
山下 勝巳=日経エレクトロニクス

注目の太陽光発電、政府の失策のツケが「補助金復活」でいいのか……国は緊急提言へのパブリックコメントを募集中:中川修治2008/07/24


筆者の関わる太陽光発電所 


http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807021022/1.php
日本で自然エネルギーの供給が増えないのは、固定価格買取の制度がないからだろう。政府は補助金で何とかしようとしているが、様々な既得権を守るための変な仕組みを改めることがまず必要なのではないか。
太陽光発電の設置量は、去年から1昨年の1年間に、世界的には拡大しています。しかし日本は、20%も国内での設置量が減ってしまいました。これは単に政府の失策以外の何物でもないといえるでしょう。ところが現在、3年前に「十分に価格が下がった」として廃止された、設置補助金の復活が言われている。今、日本により必要なのは設置補助金ではなく、FIT(長期に亘る固定価格買い取り制度)なのではないか。
【経済産業省の総合資源エネルギー調査会は、6月24日太陽光発電の普及策を柱とする緊急提言をまとめた。住宅での太陽光発電の利用拡大に向け「思い切った支援措置を講じる」として、国による設備費用の一部補助や減税の検討を政府に要請。メーカーのコストダウンを促し「3~5年以内に機器の価格を現在(約 230万円)から半減する」との目標も掲げた】(共同通信)
 「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会 中間とりまとめ(緊急提言)案」には、7月29日までの期間限定でパブリックコメントの募集が行われている。
 ・http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?&BID=620208010
 内容で問題となるポイントは
1.目標値が低い(2020年時点で太陽光は現行の140万kWの10倍と言っているが日本国内での生産能力と価格の低下傾向を見れば何もしなくても達成可能な数字)
2.環境価値に関してRPSとグリーン電力証書との整合性などが問題とされることなく、相乗効果を上げることを期待するとか不思議なことが書かれている点などでしょうか……。

 この案のスタンスは、基本的には政府があらたに資金を国民に出せという風にもなっている。しかし、既に、原子力に掛けていてその非効率が明らかな資金の流れはそのままにしておいて……という点も勿論、指摘すべきでしょう。実際には、自然エネルギーの普及促進には、FIT(長期に亘る固定価格買い取り制度)で、事業として取り組める仕組みが海外では成果を上げています。参考に若手の太陽光発電の研究者が書いたものがあります。下記のURLをご覧になるとわかります。
 ・http://ksakurai.nwr.jp/R/slides/WhyFIT/WhyFIT-Home.pdf
 制度はシンプルで公平で公正なものとしなければなりません。今の日本の自然エネルギーに関わる制度は、問題を先送りして様々な既得権を守るために、変な仕組みにされてしまったものです。「中間とりまとめ(緊急提言)案」へのパブリックコメント募集は、抜本的な制度改革を提案するいい機会です。未来の人たちに対して、恥ずかしくないものを自分なりに考えて提案して見られる良い機会です。期間は短いですが、この週末にでも、自分なりにこれを考えてみるのも良い勉強にもなるのではないかと思います。

大日本スクリーン、太陽電池関連業界に本格参入


http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=195069&lindID=4
太陽電池関連業界に本格参入~既存保有技術を応用展開し、新たな事業の構築へ~
http://www.screen.co.jp/press/NR080723-2.pdf

太陽光の「メガ発電所」 北陸電力 10月末までに計画策定


http://www.hokkoku.co.jp/_keizai/K20080724302.htm 
北陸電力は、大規模な太陽光発電所(メガソーラー発電所)の建設に向けた検討を始めた。温室効果ガスである二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギー導入促進策の一環。太陽光発電所の場所や規模、発電開始時期に加え、他の再生可能エネルギーも含めた具体的な行動計画を十月末までに策定する。北電によると、現在、風力など管内で発電される再生可能エネルギーは二・八万キロワットで、全発電の1%となっている。二〇一四(平成二十六)年度にはこれを二倍強に引き上げることが法令で義務化される見込みのため、北陸電力は、制限している風力発電量の上限引き上げや、メガソーラー発電所建設で達成する方向で検討を進める。他の電力会社では、関西電力とシャープ(大阪市)が二〇一一年に堺市で出力二・八万キロワットのメガソーラー発電所を稼働させる。出力は志賀原発2号機の2%だが、世界最大級の太陽光発電所となる。電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)は十八日の会見で、低炭素社会の実現に向け、北陸電力など電力会社十社すべてがメガソーラー発電の建設検討を行い「年内に具体的な計画をとりまとめ、公表したい」との方針を示した。
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北陸電力が「緊急経営対策本部」-「メガソーラー」導入計画など検討
http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20080724.html
 北陸電力は23日、化石燃料の著しい高騰など厳しい経営環境に対処するため、永原功社長を本部長とする「2008緊急経営対策本部」を設置したと発表した。燃料費高騰に向けた効率化や、再生可能エネルギーの導入促進に向け「メガソーラー発電」導入の具体的行動計画などを検討する。同日、第1回本部会議を開催。設置期間は18日から10月31日まで。審議した成果は10月末の中間決算発表時に公表する。
・「2008緊急経営対策本部」の設置について
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/08072302.pdf

2008年7月23日水曜日

Enable IPC to Develop Enhanced Clean Energy/Ultracapacitors for Leading European Research Institute


http://www.enableipc.com/PR20080722.html

New Contract from an Ambitious R&D Program Funded by Spain’s Administration to
Address Local and International Energy Solutions
VALENCIA, Calif. and MADRID, Spain – July 22, 2008 – Marking a major milestone with the first commercial
use of its breakthrough ultracapacitor nanotechnology, Enable IPC Corp. (OTC BB: EIPC.OB), a leading
company for turning technologies into products and successfully bringing them to market, today announced
that it has partnered with the Madrid, Spain-based IMDEA Energy Institute to jointly develop ultracapacitors
based on Enable IPC’s patent-pending energy technology. The initial project for this venture will be to
incorporate Enable IPC’s ultracapacitor into the SA2VE clean energy innovation program.
Enable IPC’s ultracapacitor technology combines nanoparticles with common carbon sheets for a low cost,
easy-to-implement technology that improves the performance of ultracapacitors so they can function as
clean energy storage devices. The enhanced ultracapacitors are simpler, cheaper and longer lasting than
some conventional batteries, but perform just as well in many applications.
“Our partnership with IMDEA Energy marks a major validation of Enable IPC’s ultracapacitor technology by a
renowned international organization,” said David Walker, CEO, Enable IPC. “Partnering with IMDEA Energy
solidifies our standing as a leading company with cutting-edge energy technologies. We are excited by this
unique opportunity to help develop clean energy devices that could be a part of the solution to the world’s
energy problems, and hope it marks the first of many collaborations with IMDEA Energy.”
The IMDEA Energy Institute develops energy-related Research and Development (R&D) with an emphasis
on renewable energy and clean energy technologies to achieve outstanding scientific and technological
contributions that create a sustainable energy system. Together with the SA2VE, a strategic national
research and development program in Spain focusing on electricity storage for applications in renewable
energy integration, transport sectors and households, the organizations seek innovative, state-of-the-art
technologies to address energy issues locally in Spain, as well as worldwide. In effect since 2006,
partnering with Enable IPC marks one of the first steps in SA2VE’s expansion to include ultracapacitors.
“After conducting an exhaustive search of ultracapacitor technologies, we chose Enable IPC due to the
numerous improvements that their process produced over today’s current market-ready ultracapacitors,”
said Manuel Romero, Deputy Director, IMDEA Energy Institute. “The Government of Spain is extremely
committed to developing environmentally friendly sources of energy, and this partnership is an excellent
example of how technology can be used to protect the environment, while also assisting the economy.”
Under the new partnership, IMDEA Energy will work directly with Spanish company Green Power and a
national lab in Spain known as CEDEX, while Enable IPC will provide enhanced ultracapacitor electrodes to
the organization for integration into a new power conditioning unit.

About Enable IPC
Enable IPC (OTC BB: EIPC.OB) provides efficient, streamlined strategies for turning technologies into
products and bringing them to market. Though not limited to nanotechnology or the energy industries,
Enable IPC’s growing portfolio currently includes the exclusive rights to two break-through energy
technologies. The company seeks to turn technologies into products and is a transparent, fair turnkey
partner for sub-licensing and other partner companies.

About IMDEA Energy Institute
The IMDEA Energy Institute has been created by the Regional Government of Madrid, Spain, in order to
develop cutting-edge R&D activities in energy, with main emphasis in those topics related to renewable
energy and clean energy technologies. The portfolio of expertise includes the following themes: Solar energy
systems and technologies, with special emphasis in concentrating solar power; production of sustainable
fuels for the transport sector: hydrogen, biofuels and waste-derived fuels; energy storage coupled to
renewable energies; smart management of electricity demand; development of energy use systems with
enhanced efficiency such as fuel cells and polygeneration and alternatives for CO2 confinement and
valorization. For more information, visit www.imdea.org

Forward-Looking Statements
This release contains forward-looking statements, such as "believes", "expected", “targeted” and similar
terminology, which are made pursuant to the safe harbor provisions of the Private Securities Litigation
Reform Act of 1995. These forward-looking statements involve risks and uncertainties which could cause
actual results that the Company achieves to differ materially from any of the forward-looking statements.
Such risks and uncertainties, include, but are not limited to, the following: the timely development and market
acceptance of products and technologies, the ability to secure additional sources of financing, the difficulties
in forecasting results from development efforts, difficulties in accurately estimating market growth, the impact
of changing economic conditions, business conditions in the microbattery industry and others identified in
our Annual Report on Form 10-KSB, as amended, and other Securities and Exchange Commission filings.
The company undertakes no obligations to revise or update any forward-looking statements in order to
reflect events or circumstances that may arise after the date of this release.

Investor relations for Enable IPC:
Rich Kaiser
(800) 631-8127
ir@enableipc.com

Press contacts for Enabel IPC:
Jason Wonacott / Jessica Busch
Wonacott Communications, LLC
(310) 477-2871
jwonacott@wonacottpr.com / jbusch@wonacottpr.com

太陽光ビジネス展開に昭和シェル石油が本腰


http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/8b9e0194c57ee4687699aaa61609d23e/
 昭和シェル石油が新エネルギー事業を強化する。同社は2011年に世界最大級の太陽光発電パネル工場を建設する方向で検討に入った。投資額は1000億円前後、年間に100万キロワット分のパネルを生産。これは原子力発電1基分に相当する。昭和シェルは1978年から太陽電池開発に着手し、93年から「CIS」系電池の研究を手掛けている。CISは原料の銅、インジウム、セレンの頭文字を取ったもので、現在主流の結晶型太陽電池とは異なりシリコンを使わないのが特徴だ。エネルギーの変換効率はシリコン系に比べて劣るが、シリコンの需給逼迫に伴う価格上昇で競争力は高まっているという。07年から宮崎県の工場でCIS系太陽電池のパネル生産を開始。09年に第2工場が稼働する予定だが、両工場でも生産規模は8万キロワットにとどまる。新エネ事業拡大に動く背景には、国内の石油製品需要の低迷がある。ガソリン販売は05年をピークに減少。若者の自動車離れなども響いて冷え込みが続く。原油高も重荷で、価格の急上昇は需要減退をもたらすだけではない。川下の給油所への転嫁が追いつかず、収益を圧迫している。石油元売り業者にとって、新たな収益源の確保は喫緊の課題。巨額投資で一気にパネル生産量を引き上げ、太陽光発電市場の拡大に向けて「プレゼンスを確保したい」(子会社の昭和シェルソーラー)。原油高を背景に“非石油事業”拡大に動く元売り業者の動きは活発化しそうだ。

「太陽熱発電」 2012年に14倍へ 米研究所が予測


http://sankei.jp.msn.com/world/america/080723/amr0807230938001-n1.htm 鏡で集めた太陽光の熱で蒸気を発生させて発電する「太陽熱発電」が、全世界で2012年に07年の14倍に当たる出力640万キロワットまで急拡大するとの予測を、米環境シンクタンクのアースポリシー研究所が22日、発表した。太陽熱発電は1980年代に右肩上がりで伸びたが92-06年は横ばい。しかし地球温暖化への懸念やエネルギー価格高騰の影響で07年に計10万キロワットが増設され、がぜん注目を集めている。
 同研究所によると、07年に米国で16年ぶりに大型発電所がネバダ州で建設されるなど、世界全体の太陽熱発電出力は約46万キロワットになった。今後もカリフォルニア州を中心に米国内で約10基、スペインで20基以上の建設が計画され、この両国だけで12年までに、原発5基に相当する計560万キロワットの新規稼働が見込まれるという。

2008年7月22日火曜日

「メガソーラー」「電気自動車」導入計画、電事連が年内策定へ-CCSへの取り組みも加速


http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20080722.html
 電気事業連合会は18日、大規模太陽光発電設備のメガソーラーについて、電力業界による導入規模や時期などを盛り込んだ計画を年内に取りまとめると発表した。次世代自動車として期待される電気自動車も同じく年内に業界全体の導入計画を策定する。低炭素社会の実現に不可欠な革新的技術の一つである二酸化炭素の回収・貯留(CCS)は、研究開発の推進とともに、今年5月に設立された日本CCS調査会社への参画を通じ、電力業界も積極的に取り組む。同日の定例会見で森詳介会長(関西電力社長)が明らかにした。 低炭素社会の実現に向け、福田康夫首相が提唱するビジョンでは、原子力、省エネ、再生可能エネルギーを3本柱に掲げ、着実な実践や革新的技術開発が不可欠との考え方が示されている。電力業界も、再生可能エネルギーや原子力をゼロ・エミッション電源に位置付け、2020年までに非化石エネルギーの比率を現状の約40%から50%まで高める目標を掲げている。 森会長は、電力業界が率先してメガソーラーを導入する方向性を打ち出し、「送電ネットワーク全体に与える影響の検証を行い、パネルの価格低下や国民の関心を高める起爆剤になってほしいと考え、積極的に取り組むことにした」と述べた。とくに「系統上の問題は、十分勉強しておく必要がある」としたほか、出力変動に伴う発電設備側の課題も含めて洗い出す考えを明らかにした。 これまでに関西電力がシャープと共同で、合計出力2万8千キロワットのメガソーラーの設置を発表するなど、個別の電力会社としての具体的な動きも出てきた。国や自治体の支援策、パネルの価格動向なども見通しながら、今後は電力業界として、メガソーラー発電の導入規模や時期などについて計画を策定する方針。 また、現在各社で走行試験などが進む電気自動車も業界全体の導入計画を取りまとめる。このほか、CCSに関しては、発電所から出るガスからの分離・回収をはじめ、地中への注入・固定化など、電力業界による研究開発の実績を踏まえ、日本CCS調査を通じた大規模実証試験などに乗り出す。

東芝が太陽光発電事業について,「事業の可能性を検討」


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080718/155037/?ref=ML2008/07/18 19:51
 東芝は,一部報道されている「東芝が米SunPower Corp.と提携して太陽光発電システムを日本国内で販売へ」という記事内容について,「現在,事業の可能性を検討している段階」とコメントした。2008年7月18日にシステムを販売開始するという報道については,「具体的な販売計画はまだ何も決まっていない」(同社)と否定した。一方のSunPower社は,同社CEOのThomas H. Werner氏がテレビに登場し,東芝との関係について「(東芝の)エレクトロニクス技術と我々の高い変換効率の太陽電池との組み合わせで,市場シェアを0%から10%に持っていける」と述べている。SunPower社は約22%と,商用の結晶Si系太陽電池では最も高いセル変換効率のモジュールを開発済み(Tech-On!の関連記事1,関連記事2)。また,2008年5月には12cm角と比較的大きな太陽電池セルで23.4%という変換効率も記録した。2008年7月17日に発表した決算報告では,2008年第2四半期(4月-6月)の売り上げが第1四半期の2億7370米ドルから,約40%増の3億8280米ドルと大幅に増えた。前年同期比では120%増と,太陽電池業界全体の年間約40%成長の勢いを大きく超えている。

環境技術へのベンチャー投資は記録的な増加


http://www.usfl.com/Daily/News/08/07/0721_026.asp?id=62399
更新2008年07月21日 18:55米国東部時間
経済の低迷にもかかわらず、環境保護技術関連の新興企業に対するベンチャー投資は2008年に過去最高を記録するとの見通しを、市場調査のクリーンテック・グループがこのほど発表した。USAトゥデイによると、バイオ燃料、太陽光発電、風力発電、浄水関連の新興企業が調達したベンチャー資金は第2四半期(4~6月)に約20億ドルと過去最高に達し、前年同期から58%も増加した。現在の米経済は、起業家やベンチャー投資家が投資資金の回収手段として通常考える株式公開(IPO)や、大手企業による合併・吸収(M&A)に最適な状況とは言えない。しかし、エネルギーやコモディティ(原材料)価格の高騰、石油供給の縮小、炭素排出規制の強化などを受けて、企業は環境技術への投資を大幅に増やしており、ベンチャー投資家も、欧米やイスラエル、中国、インドの資産を、ソフトウェア、医療機器、バイオテクといった伝統的な業界から環境技術分野に移している。投資家や起業家が重視する2つの分野は、石炭に代わる発電燃料と石油に代わる輸送燃料の開発。投資対象となった企業としては、タービンを動かすための大規模なソーラー・サーマル(太陽熱発電)技術を開発しているイーソーラー、スカイフューエル、ブライトソース・エナジー、藻やセルロース系エタノールなど食用穀物以外の植物材料を使った次世代バイオ燃料を開発するレンジ・フューエルズ、オーロラ・バイオフューエルズ、グリーンライン・インダストリーズなどがある。環境技術は、原料コストが高騰している自動車、輸送、石油化学業界などから注目されているが、開発した商品や技術が主要企業に導入され、経済や環境に大きな影響を与えるようになるのは5年から15年先と見られている。

産総研,フレキシブルなCIGS型太陽電池で効率17.7%


セラミック基板で作製したCIGS型太陽電池



帝人製の樹脂フィルムを基板にしたCIGS型太陽電池

今回の太陽電池の主な構造。裏面電極層は,アルミニウム(Al)の蒸着で形成した。
産業技術総合研究所は,フレキシブル基板を用いたCIGS型太陽電池で,セル変換効率17.7%を確認したと発表した。フレキシブルなCIGS型太陽電池としては世界最高クラスの効率とみられる。産総研によれば,従来フレキシブルなCIGS型太陽電池の作製には,p型半導体の形成に課題があったという。CIGS型太陽電池のp型半導体のキャリア密度は,ナトリウム(Na)などのアルカリ金属の添加で制御する。具体的には,セレン化ナトリウム(Na2Se)やフッ化ナトリウム(NaF)を半導体に添加していた。ところが,Na2SeやNaFは不安定で再現性が低かったという。今回,産総研は,まずケイ酸塩ガラス層を基板上に形成し,この層の成膜条件を制御することで,裏面電極層を通過して光吸収層に拡散するアルカリ金属の量を制御する技術「alkali-silicate glass thin layer(ASTL)法」を開発した。これによって簡便にアルカリ金属を添加できるようになり,再現性も向上したことで,太陽電池の変換効率も大幅に向上したという。利用した基板は,セラミック基板,帝人が提供した透明な樹脂フィルム,表面の粗いチタン(Ti)箔の3種類。セル変換効率17.7%はセラミック基板を用いた場合の値で,樹脂フィルムでは同14.7%,Ti箔では同17.4%だった。技術の詳細は2008年7月28~29日に日本科学未来館で開催される「第4回産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター成果報告会」で発表するという。野澤 哲生=日経エレクトロニクス

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080718/155027/
2008/07/18 17:19

太陽光発電は28年度に19年度比23%減・民間調査機関、国内エネルギー関連市場調査


http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080721/env0807211915003-n1.htm
 民間調査機関の富士経済(東京都中央区)は、省エネや地球環境保護を切り口に今後の普及が注目される国内エネルギー関連機器の市場動向についてまとめた。平成28年度には19年度比約1・5倍の7206億円に拡大するとの見込みを示した。ただ、太陽光発電は価格競争激化などで市場が縮小する一方、燃料電池分野の電力貯蔵システムなどは大幅な伸びが期待できるとの見込みを示した。調査対象は10分野71品目。それによると、21年度以降、本格的な商品化が始まる家庭用固体高分子形燃料電池(PEFC)の設置急増によ
って、燃料電池市場は28年度に19年度比36倍の2230億円になると予測。加えて、20年度以降、直接メタノールを燃料にして発電する携帯機器向けの燃料電池が成長し、28年度には300万台規模まで増加するなど、燃料電池の各機器での伸びが市場拡大に貢献する見通しだ。一方、普及が進んでいる太陽光発電は、価格競争の激化などで、同23・2%減の1143億円に減少するとの見込みを示した。これは、現在、国内市場向けは容量ベースで横ばい傾向だが、国内販売の8割を占める住宅向けで価格競争が激化するほか、量産効果によるシステム自体の価格が低下するなどの理由から金額ベースで販売は減少すると予測している。

ソーラー&人力 25艇が速さ競う


http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20080720-OYT8T00586.htm
 静岡市清水区の三保内浜海水浴場で20日、太陽電池や人力で動く自主制作のボートの速さを競う「ソーラー&人力ボートレース全日本選手権」が始まった。 今年で15回目で、同海水浴場での開催は3年連続。国内や韓国などの高校、大学、社会人チームの25艇が出場した。 中には水中翼で水面に浮き上がり、時速30キロ以上で水面を滑るように進むボートも。この日は100メートルと200メートルのレースが行われた。 主催者の日本ソーラー・人力ボート協会の堀内浩太郎会長(81)は「海外にも同様の大会があるが、参加者のレベルの高さから全日本選手権が実質的に世界一を決める大会」と話していた。 最終日の21日は1周1キロコースで、1時間耐久レースなどが行われる。

エコマシン疾走、大潟村 「ワールドソーラーカーラリー」開幕


個性あふれる自転車がスピードを競ったソーラーバイシクル・レース


http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20080721b
 「2008ワールド・ソーラーカー・ラリー」(同組織委員会主催)が20日、大潟村のソーラースポーツラインで開幕、前半競技の「ソーラーバイシクル・レース」が行われた。直線100メートルの平均速度を競う「最高速度コンテスト」には48台が出場。雲の間から日が時折差すコンディションの中、スピードを競った。バイシクル・レースは21日まで。 レースはS(ソーラーエネルギーで走行)、A(市販自転車に国際ソーラーカー連盟公認の太陽電池か蓄電池を搭載)、B(規定に沿って製作・改造し、太陽電池か蓄電池を搭載)の3部門。 同コンテストは200メートルの助走の後、直線100メートルの測定区間で平均速度を競った。高校生や大学生、社会人チームが、自転車タイプから流線形まで多彩なマシンで記録に挑戦。スタートの合図とともに1台ずつ勢いよく飛び出し、コースを疾走した。21日は周回コース4周(100キロ)の所要時間を競うマラソン(A、B部門)、5時間以内の周回数を競う耐久ラリー(S部門)が行われる。後半競技の「ワールド・ソーラーカー・ラリー」と「全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ」は、26日から3日間開催される。
 最高速度コンテスト(時速)の結果は次の通り。
【S】
(1)Stream XV(埼玉)82・005キロ
(2)Γ14(神奈川)
(3)ミレニアム“T” Ver.8(埼玉)

【A】
(1)カミ「SUN」求(愛知)56・648キロ
(2)コットン1号(栃木)
(3)BOSCO TTX(東京)

【B】
(1)オレンジ号(群馬)62・241キロ
(2)Pegasus(東京)
(3)杉ッチ(秋田)

◎太陽ボール、エコの輝き・夜のいしかわ動物園、26、27日に


ソーラーボールを試験的に水に浮かべる職員=能美市のいしかわ動物園


能美市のいしかわ動物園は二十六、二十七日の「ナイトズー」で太陽光発電で発光する「ソーラーボール」二百個を園内中央池に浮かべる新たな演出を行う。動物園では全国的にも珍しい取り組みで「光のファンタジー」と銘打ち、環境に優しいエコ動物園をアピールする。中央池約二千五百平方メートルに架かるゆめつり橋中央から、長さ約八十五メートルの釣り糸十本を放射線状に垂らし、各糸に三メートル間隔で二十個のソーラーボールを付ける。ソーラーボールは直径十二センチで、縦横六センチのソーラーパネルが付いており、四 ―六時間、日光に当てると約四時間点灯する。周囲が暗くなるとセンサーが感知して点灯する仕組み。色は赤、青、黄、緑の四種類があり、三秒間隔で変化する。午後七時四十分ごろから見ごろとなる。同園ではこれまで、ゆめつり橋に巨大スクリーンを張り、動物紹介のDVDを上映していたが、大量に電力を消費することから新たな演出を模索していた。十日に二十個を試験的に池に浮かべた。ナイトズーは今年で五年目を迎える夏休みの人気企画。二十六、二十七日は通常営業終了時間の午後五時で閉園せず、同九時まで延長営業する。八月十三、十四、二十三、二十四日と十月十二日も行われる。

都:太陽熱利用した家庭の節約分、来年度から買い取り 全国初 /東京


http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20080719ddlk13010266000c.html
 都は来年度から、太陽熱を利用した暖房・給湯機器を設置した家庭に対し、使用した太陽熱の量から環境への貢献度を評価し、買い取る「グリーン熱証書制度」を全国で初めて導入する。国内の太陽熱利用設備の設置件数は80年代から低迷しているが、都は地球温暖化対策として家庭での普及を進める方針だ。制度は、従来だと化石燃料によって生み出されていた熱を各家庭が太陽熱によってまかなったと想定。その環境貢献度(環境価値)を示した「グリーン熱証書」を発行し、都などが買い取るしくみとする。都は10年度から大規模事業所に二酸化炭素(CO2)の排出量削減を義務づけるが、事業所が削減目標を達成するために証書を買い取れるようにする案も検討している。対象となる機器や環境価値の表示方法などについては、専門家らで構成
する検討会が8月にも具体案をとりまとめる。都は16年までに100万キロワット相当の太陽エネルギーの導入を掲げていることから、制度の対象外の太陽熱利用機器についても何らの支援策を講じる姿勢を見せている。

電事連会長「太陽光発電所計画、年内にまとめる」


http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080718AT1D1805D18072008.html 
電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)は18日会見し、「電力業界全体の太陽光発電所導入計画を年内にまとめる」と述べた。6月に福田康夫首相が公表した地球温暖化対策(福田ビジョン)で太陽光発電の本格導入が打ち出されたのを受けた措置。2万?3万キロワットの大型の太陽光発電所の建設が相次ぐ見通しで、発電パネルなど関連産業の成長に弾みがつきそうだ。 電力では関電がシャープと共同で堺市に2万8000キロワットの太陽光発電所を2010年度に稼働させる計画で、各電力会社が同様の太陽光発電所を建設する見通し。 一方、政府が今秋に試行を目指す排出量取引には「参加するかどうかを含めて検討中」と慎重姿勢を示した。一律に削減枠を当てはめるキャップ・アンド・トレードは「公平な排出枠の割り当てが難しい」として引き続き反対する意向だ。

PVの長寿命化について




http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080718/155007/
問◎太陽電池が発明されて50年,まず歴史についてお聞かせ下さい。
答◎1950年代から1980年代半ばの「黎明期」,1990年から2000年代半ばにかけての「成長期」,グローバル展開が始まった現在の「拡大期」の三つに分けることができます。私は1960年代初めから半導体を研究していたのですが,1973年のオイルショックを契機に,アモルファスSiを使った太陽電池の研究を始めました。当時,エネルギー危機が叫ばれ,ローマクラブは「資源は有限だ」とする『成長の限界』を提言,米国や日本の企業を中心に代替エネルギーの研究が始まりました。しかし原油価格が下がるとともに,日本以外の企業は撤退。日本ではサンシャイン計画があり,変換効率が悪かった太陽電池を家電メーカーがソーラー電卓やソーラー時計に使うという活路を見いだすことで,研究開発を続けました。
問◎1980年代半ばになると,変換効率は10%を超えるようになりました。
答◎それによって,一般家庭の平均電力消費量3kWをまかなえるようになるとともに,オゾン破壊などの環境問題が注目されたこともあり,太陽光発電の出番だという話になりました。当時の太陽光発電システムは発電した電気を蓄電池に貯めて使うものでしたが,直接,電力会社の電力系統に接続し,電力をやり取りすれば,蓄電池は不要になります。しかし,当時,それができる社会的な仕組みがありませんでした。そこで,私たちは社会に訴え,法制度が整備され,1992年には住宅の屋根に装置を設置して家庭用電力をまかない,余れば電力会社に売ることができる「逆潮流ありシステム」が可能になりました。1992年7月,私は自宅に日本初の太陽光発電装置を設置。さらに助成金制度が設立され,1994年から2005年まで個人住宅に助成金が交付されました。その結果,設置戸数が増え,太陽電池の生産量も拡大して,価格も下がりました。
問◎この数年,温室効果ガス削減が人類共通の課題になっています。
答◎1990年代後半までは,日本が世界の太陽光発電のリーダーシップをとっていました。ところが,1997年に京都で開かれた気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)以降,EUがイニシアチブを取り始めました。ドイツでは,2000年に再生エネルギー法が制定され,フィードイン・タリフという制度ができました。これは電力料金を3%高くして,太陽光発電の電力を通常の3倍ほど高い価格で電力会社が購入するものです。これによってドイツでは太陽光発電が急速に普及し,制度はEU全体に広がり,韓国でも始まりました。逆潮流ありや助成金に換えて,高い買い取り価格の設定など,ドイツは日本の経験を踏まえて制度を作っています。
問◎日本の助成金もフィードイン・タリフも政府が資金を投入し,政策的に誘導するやり方です。競争の中で,他よりもコストが安いことで成長していくのが本来の姿のように思いますが。
答◎エネルギー分野は効率化され,成熟した古い競争相手が常に存在するという特徴があります。ですから,新しいエネルギーが出てきても,自然発生的には参入できません。新しいエネルギーが受け入れられるためには,社会政策で導入を促す過渡的な時期が必要です。誘導策が必要なくなる時期は確実に来るので,その段階になれば,助成策を止めればよいのです。
問◎太陽光発電が一気に広がる時代が本当にやってくるのでしょうか。
答◎既に予兆はあります。2020~30年ころには,石油,石炭など化石燃料が枯渇することは明らかです。BRICs諸国の経済発展によって化石燃料の消費は膨大な量になり,今後も増え続けるでしょう。それが原油価格高騰の最大の理由です。今,日本の電力料金は1kWhあたり23円程度で,60%ほどが化石燃料による発電です。今後,原油価格上昇と同レベルで値上がりする可能性が高く,倍近くになっても不思議ではありません。そうすると,1時間で世界中の1年分のエネルギーがまかなえる太陽光発電を使う以外に,社会は今の生活を維持できなくなってしまいます。
問◎今後の課題は何でしょう。
答◎技術面では,低コスト化と長寿命化です。太陽電池システムの寿命を20年として,日本の電力料金と発電コストを比較すると,太陽光発電が割高です。しかし寿命を100年まで延ばすことができれば,現在の火力発電所の発電単価とほぼ同じになります。
問◎寿命100年は現実離れしているのではないですか。
答◎太陽電池は半導体の量子効果を利用しているので,原理的には半永久的で,100年使うことは可能です。問題は電気取り出しのための部分です。例えば電線は金属なので劣化しにくいのですが,樹脂であるシールドが劣化します。ですから,劣化を防いで100年保つ材料を開発すればよいのです。太陽電池は何回も失敗する中で新しい樹脂が開発され,現在,寿命が20年になっているわけですから,できない話ではありません。このように長寿命化は変換効率アップによるコスト・ダウンと同等の価値があるのです。長寿命化という観点に立った技術体系にする。そのために新材料を開発し,質のよい素材を使い,徹底的に寿命を延ばすことを考える。さまざまな紆余曲折はありながら,ここまで発展してきた太陽電池の歴史を考えれば,やる気になれば技術的にできるはずです。
プロフィール
桑野 幸徳  1941年生まれ。1963年,熊本大学理学部卒業。同年,三洋電機入社,技術本部中央研究所配属。1993年取締役,1996年常務取締役,1999年セミコンダクターカンパニー社長,2000年代表取締役社長に就任。2005年から相談役。

2008年7月18日金曜日

三菱樹脂専務スティーブ・ユーリック氏に聞く 太陽光発電向け世界展開


【プロフィル】スティーブ・ユーリック
 1979年、米モンタナ州立大化学工学科修了。同年、米セラニーズケミカル入社。98年、三菱ポリエステルフィルム米国法人社長。2007年、三菱化学ポリエステルフィルム代表取締役CEO。三菱ケミカルホールディングス傘下の機能材料事業の統合により、08年4月より現職。


http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200807180068a.nwc
FujiSankei Business i. 2008/7/18
三菱ケミカルホールディングス(HD)傘下の機能材料部門4社1事業が4月に統合して発足した三菱樹脂。ポリエステルフィルム事業統括の担当に就任したスティーブ・ユーリック専務(53)は、グループ経営陣で唯一の外国人だ。海外に成長を求める同社の取り組みについて聞いた。(吉村英輝)
                   ◇
 --液晶テレビ向けなどの光学用ポリエステルフィルムは世界トップシェアだ
 「フラット・パネル・ディスプレー(FPD)は日本で独自に発達した。高度な技術を要求される。ただ、FPD事業は東欧などに広がるものの、基本的には日本市場が中心だ。今後のフィルム事業の世界展開を考えれば、成長が期待される太陽光発電パネル向けフィルムが有望だ」
 --太陽光発電の有力市場は
 「新規成長事業だけに、世界中といえる。日米欧に加え、中国やインドなどにも広がり、すでにソーラー事業者向けのフィルム出荷が始まっている。課題は太陽光発電パネルのコスト。技術革新で現在の半分に抑えられれば、風力発電などに対しても、価格競争力がでる」「1990年代の欧米企業買収によって、ポリエステルフィルム事業はすでに、従業員、研究開発、生産、顧客が米国、欧州、日本で3分の1ずつの等配分となっている。三菱樹脂内の他事業と大きく異なる点だ。世界規模での情報共有や共同作業により、迅速できめ細かい市場対応ができるのが当社の強みだ」
 --日本の樹脂市場は独特で、国際的な常識が通用しないとの指摘もある
 「その土地ごとに特色があるのは世界中に共通しており、プラスチック加工の事業はどの国でも難しい。どんな顧客企業もより良い商品をより安く欲しがる。世界中の素材企業は、彼らと手を携えて開発を進めている。だから商売はその土地の市場に合わせて行う。だが、事業に対する考えは、例えば原燃料の高騰への対応など、グローバルな視点が不可欠だ」
 --三菱樹脂はグローバル成長できるのか
 「会社はそのスタッフと同じレベルにしか育たない。鍵は人材だ。言葉が最も難しいがコミュニケーションのこつさえ押さえれば、あとはグローバルな考えを持った社員を探して組織し、会社を変えていけばいい。新社発足間もないが、若手にも役員にもそういう人材が多いことが分かった」「一番の問題は、リスクをとる気構えだろう。いちど国際展開の経験をすることが大切。多少の文化の違いや対応に違いはあるが、世界のどこにいても商売はチャレンジが重要。心配しすぎる必要はない」
 --実現するには  「旧三菱化学ポリエステルフィルムでは毎年、日米独からそれぞれ2人を研修に出しあったり、3~5年間の人材派遣も行ってきた。開発や製造ライン、マーケティングでは3カ国で横断的なチームをつくり事業を展開しており、ビジネスを通じた人材育成も有意義だ。三菱樹脂でも同様の人材育成をしていきたい」

2008年7月17日木曜日

環境特集:太陽光発電がエコ社会の主役、周辺技術の進歩で夢が現実に


7月17日、エコ社会の主役と期待される太陽光発電の周辺技術が進歩し、太陽電池パネルの大規模投資も動き出している。写真は昨年5月、ロンドン市庁舎の屋根に設置された太陽電池パネル(2008年 ロイター/Alessia Pier)


http://jp.reuters.com/article/jpEnvtNews/idJPJAPAN-32792120080717
2008年 07月 17日 13:10 JST
 [東京 17日 ロイター] もし、タイムマシンがあるなら、50年以上も先の未来を見ることができる。環境技術が発達したエコ社会は、こんな感じかもしれない──。 2060年7月、東京の近郊に住む会社員の太田陽一は、梅雨明けの強烈な朝の日差しを感じながら、愛車に乗り込んだ。人口減少に加え、地方分権が進んだため東京一極集中が緩和され、かつては大渋滞した首都圏の幹線道路はどこもスイスイ。都心まで乗用車で通うサラリーマンが増えた。何よりも燃料代を気にしなくていい。自宅の屋根に設置した太陽電池から車に搭載する高密度蓄電デバイスに給電されるからだ。最近、買い換えた太陽電池は変換効率40%と以前のものとは比べ物にならないほどパワフル。前夜まで雨が続いたものの、日の出からわずかな時間の陽光を受けてフル充電された蓄電装置からモーターに電流が走り、陽一が運転する電気自動車は音もなく滑り出した。 無尽蔵のエネルギーを地球に降り注いでいる太陽光線から、二酸化炭素(CO2)を排出せずに電気を取り出す「太陽光発電システム」が、低炭素社会の構築に向けた切り札になる可能性が高まっている。システムの中核である太陽電池パネルは、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)など日本メーカーが生産や技術開発で世界をリードしており、生産拡大やコストダウンに向けた大規模な投資も動き出した。
<太陽電池は薄膜型が有力に>
 「シェアを抜かれたことなんて全く気にしていない。太陽電池を既存のエネルギー並みに育てていくためには何をするのか、それを議論すべきだ」と、シャープの濱野稔重・副社長は語気を強めた。同社は2007年、太陽電池生産の世界首位の座をドイツの新興メーカー、Qセルズに明け渡した。ドイツでは太陽電池で発電した電気を電力会社が市場価格に比べ3倍程度の価格で買い取る仕組みを2004年に導入。それ以来、太陽光発電が急成長した。その波及効果で原料のシリコンの価格が急騰。シャープはシリコンの調達に苦戦したため、工場の稼働率が落ち込み、長年守ってきた首位を明け渡す結果となった。日本全体の太陽光発電導入量も2005年にドイツに抜かれている。 それでも濱野副社長が強気なのは、次の戦略が明確だからだ。シャープは現在、大阪・堺市に世界最大級の太陽電池工場を建設中だが、2010年3月までに稼働予定の同工場で生産する薄膜太陽電池は、現在の主流である結晶シリコン系太陽電池に比べシリコンの使用量を100分の1に低減できる。濱野氏は「薄膜太陽電池は材料も少ない上、製造プロセスも短いのでコストを大幅に下げられる」と話す。  現在の太陽電池の発電コストは1キロワット時当たり46円とされる。一般家庭向けの電気料金(昼間約23円)の2倍のコストだ。しかし、濱野副社長は「日本の電機メーカーのコストダウンに対する技術力は並大抵ではない。2010年ごろにはキロワット時当たり半額の23円、20年にはキロワット時14円くらいまではコストを下げることができる」と力説する。 石油元売り大手の昭和シェル石油(5002.T: 株価, ニュース, レポート)は今月、2011年にシャープの堺工場と同規模となる年間生産量1000メガワットの太陽電池工場を建設、稼動させる方針を発表した。生産するのは、シャープと同じ薄膜型ながらシリコンを使わないタイプだ。シリコン系薄膜タイプと同様、今後のコストダウンを見込む。原油高騰でガソリンなど石油販売に急ブレーキがかかる中、昭和シェル関係者は「石油に次ぐ第2の中核事業として育てたい」と意気込む。太陽電池は世界規模で年率3割から5割程度の成長が見込まれ、製造装置や材料など周辺産業を含めた一大基幹産業に発展する可能性が高い。 だが、太陽電池の本格普及の前には、別のハードルも待ち構えている。既存の電力インフラといかに共存するかという点だ。そのためには、蓄電池や、電気を物理的に貯めることができるキャパシターなど蓄電デバイスをいかに組み合わせるかがカギとなる。 
<電力インフラと共存できるか> 
 「電力品質で最も重要なのことの1つは周波数だが、風力発電や太陽光発電が大規模に導入されると、周波数変動が大きくなる懸念もある」──。今月8日、東京・霞が関の経済産業省会議室で、電気事業連合会の廣江譲・事務局長がこう発言した。電力の供給システムは時々刻々と変動する需要に対し、供給力を即時に対応させることで安定を保っている。需要と供給のバランスが崩れると周波数が変動し、許容される変動幅を超えると一部業種の工場に悪影響を与えるとされる。 一方、太陽光発電や風力発電からの電気が電力会社の送電網に送られても、天気や風の状況によって発電が止まることが少なくない。そうした場合、火力発電などでバックアップすることが必要になることもある。電事連関係者は太陽光や風力を「フリーター」、火力発電など既存の電源を「正社員」に例える。「タバコを吸わないから環境に良いということでフリーターを雇ったが、気が向いた時しか働かない。仕事をしていると思っているうちにいなくなってしまったら、正社員がバックアップする必要がある」との見立てだ。 ただ、発電所や送電網などの電力設備がある一定の規模を備えていれば、気まぐれな太陽光発電を許容できる。正社員10人の職場に4人のフリーターだと問題が起きるかもしれないが、正社員が100人いる職場なら問題ない。ここで気になるのは、現在の国内電力設備がどれだけ太陽光や風力など自然エネルギーを収容できるかだ。電事連は、太陽電池からの電気が既存の送電網に入ってきても1000万キロワット程度なら特に問題はないとの見通しを示している。 
<蓄電装置の活用かぎに>
 福田康夫首相が今年6月に発表した包括的温暖化対策に沿って、2030年に太陽電池の設備規模が現在の40倍の6800万キロワットに拡大しても、年間発電量は約715億ワット時と、国内の同発電電力量(約1兆キロワット時)に対し7%程度に過ぎない。脱化石燃料社会に向けて2030年以降も電力インフラに悪影響を与えない形で太陽光発電を一段と拡大するためには、蓄電装置と組み合わせる方法が考えられる。晴れの日に太陽電池で発電した電気を蓄電装置に貯めて、必要な時に取り出す形にすれば、既存の電力インフラに悪影響を与えずに共存することができる。電事連関係者も「蓄電池と組み合わせれば、太陽光や風力はフリーターではなくなる」と語る。 従来は、ただでさえ割高な太陽光発電と蓄電装置との組み合わせは、経済的にはとても見合わないと考えられてした。しかし、太陽光パネルのコスト低減が進む一方、原油価格は4年前の4倍の水準に跳ね上がった。CO2の主要な排出源である火力発電のコストには、今後本格化する排出量取引を通じて明らかになる排出価格が上乗せされる可能性が高い。シャープの濱野副社長は「太陽光パネルのコストが1キロワット時当たり14円まで低下すると、蓄電池との一体化というのが可能になる」と指摘する。大手電池メーカーのジーエス・ユアサコーポレーション(6674.T: 株価, ニュース, レポート)は、蓄電池付きの太陽光発電システムを高級住宅向けに出荷した実績がある。傘下のジーエス・ユアサパワーサプライの三原剛部長は「電力インフラの安定化を狙ったものではないが、そうした効果も出てくる」と話す。今後、太陽電池と蓄電池を組み合わせたシステムの普及について三原部長は「普及のペースは分からないが、加速度的に増えていくこともあり得ると思う」と話す。蓄電池以外の蓄電装置として期待されるのがキャパシターだ。電池が化学的に電気を貯めるのに対し、キャパシターは電気を貯める電子部品であるコンデンサーを巨大化したデバイスと言える。急速な充電放電ができるほか、瞬間的なパワーが必要な場合に威力を発揮する。中国ではキャパシターに貯めた電気だけで走るバスが実用化されている。停留所ごとに充電するのだという。キャパシターは、エネルギー密度(体積当たりのエネルギー量)が小さいため、装置の小型化が難しかったが、密度を大幅に高める発明に成功したのが岡村廸夫氏だ。エネルギー分野での画期的な発明は珍しく、岡村氏が会長を務めるキャパシターメーカー、パワーシステム(横浜市)には三井物産(8031.T: 株価, ニュース, レポート)とオムロン(6645.OS: 株価, ニュース, レポート)が2004年に出資し、注目を集めた。 
<エネルギーは狩猟型から耕作型へ>
 今から約30年前、石油や石炭を地下から採掘する「狩猟型」から、枯渇することがない自然エネルギーを畑で耕すようにして作る「耕作型」への転換を提唱したシステム技術研究所(東京都中央区)の槌屋治紀所長は「エネルギー耕作文明への転換は必然的で、少しも悲観する必要のないシナリオだと思う」と語る。槌屋氏は、米国でエネルギー戦略のバイブルといわれた著書「ソフト・エネルギー・パス」(エイモリー・ロビンズ著)の共訳者で、国の中央環境審議会委員などを務めた。同氏はこう続けた。「長い人間の歴史を振り返ると、食料生産を耕作型に変えたのと同じように、エネルギー生産を耕作型に変える時期に来ている。燃料電池、電力を効率よく使うインバーター、省エネタイプの照明などいろいろな技術が熟成していて、再生エネルギーを活用することが可能な時期にきている」。(ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)

東芝が太陽光発電に参入 国内シェア、10年に1割


 東芝は7月中に太陽光発電システム事業に参入する。専業大手の米サンパワー(カリフォルニア州)から太陽電池を調達、住宅向けの装置に組み立てて販売する。東芝がエアコンなどで蓄積してきた回路技術を盛り込み、発電効率を世界最高水準に引き上げた。国内の太陽光発電装置はシャープ、三洋電機など4社が市場のほとんどを握っている。東芝は小型・軽量でも大きな電力を出せる利点を訴え、2010年に10%の国内シェア獲得を目指す。 サンパワーは世界8位の太陽電池メーカーでシェアは4%。東芝はサンパワーが得意とする単結晶型の調達契約を結んだ。太陽光を電気エネルギーに変換する性能を示す発電効率は最高でも20%前後だったが、サンパワーの太陽電池は世界最高水準の21.5%を達成しているという。(07:00)

ベトナム・ダナン:太陽電池式LED街灯を設置


http://www.viet-jo.com/news/social/080714071308.html
2008/07/17 09:29 JST配信
 米国のクリーンエネルギー企業ミンソーラー社と地場クオックシー建設電機社はこのほど、中部ダナン市を流れるハン川に架かるソンハン橋の西側に太陽光エネルギーで発光する街灯を2本設置した。クリーンエネルギーを利用した街灯の設置は同市で初めて。この街灯は柱の表面にソーラーパネルが貼られ、柱の内部にバッテリーを内蔵、上部に配置された発光ダイオード(LED)で照明を行う。プロジェクト責任者のグエン・シー氏によると、LEDの寿命は10万時間で、バッテリーは156時間分を蓄電できるという。また、故障が生じた場合は自動的に管理センターに報告されるシステムになっている。街灯の価格は1本約7000米ドル(約75万円)。同市では今後、経費削減と節電のために市内各所にこの照明システムを設置していく予定。

サウジの原油増産に疑問符・日量1250万バレルまで増やすのは本当に可能?


http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080716/165496/
2008年7月17日 木曜日 Steve LeVine (BusinessWeek誌、ワシントン支局記者)
米国時間2008年7月10日更新 「Saudi Oil: A Crude Awakening on Supply?」
 サウジアラビアが暴騰する原油市場を沈静化する力は、以前から低下していた。しかし6月22日、原油価格が昨年夏と比べて2倍の「1バレル=140ドル」を超えたのを受け、サウジのアブドラ国王はOPEC(石油輸出国機構)加盟国、国際的な石油メジャー各社のCEO(最高経営責任者)、主要消費国の首脳を集め、市場の沈静化に向けた緊急会合を開いた(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年7月8日「原油高騰の沈静化なるか」)。そこでサウジの出したメッセージは非常に分かりやすいものだった。確実な需要が見込めるのなら、すぐにでも増産が可能だというのだ。だが、BusinessWeekが7月9日に入手した同国の油田に関する最新データを見ると、少なくとも今後5年間、場合によってはそれ以降も、サウジが公約したほどの原油増産はできそうにないと思われる。サウジ政府の当局者は、原油生産能力を現在の日量1000万バレルから、来年は日量1250万バレルまで増やし、需要があれば、日量1500万バレルまで拡大することも可能だと述べている。懐疑的な見方を払拭するため、首都リヤドの東に新しく開発しているクライス油田を報道陣に紹介したり(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年6月23日「Inside Saudi Arabia’s New Mega-Oil Field」)、油田に関するデータを一部公開したりするなど、いつもは秘密主義を貫くサウジ政府が、多少なりとも情報公開に努めている。
●サウジとの連携を目論む石油企業
 しかし、サウジ政府の石油担当の当局者に近い人物から入手した詳細な資料によると、国営石油会社サウジアラムコの生産量は、2010年に最大で日量1200万バレルを確保するにとどまる見通しだ。しかも、この最大生産量を維持できるのは緊急時などの短期間に限られ、その後は持続可能な水準である日量1040万バレルに戻すとされている。BusinessWeekは、各油田ごとの2009年から2013年までの生産量を推計した資料も入手した。情報提供者はある石油会社幹部で、油田のデータを入手できるサウジ政府のエネルギー担当の高官に内容を確認したと述べた。この石油会社幹部は長年にわたって情報交換に協力してくれている信頼できる人物で、サウジ政府や情報を確認してくれた政府高官との関係を守るため、匿名を条件に今回のデータ提供に応じた。7月9日の時点で、サウジアラムコの関係者からはコメントを得られなかった。今後数年間サウジが日量1200万バレル以上の生産を確保するのは不可能というのが資料に基づく結論だが、米国の3人の石油業界の専門家はこの分析に納得できると述べた。中東エネルギー問題の専門家である米コンサルティング会社PFCエナジー(ワシントンDC)のロジャー・ディワン氏は、「増産計画を達成したとしても、1200万(バレル/日)以上にするのは難しいと見ている」と話す。石油業界が設立した研究機関である米エネルギー政策研究財団のアナリスト、ローレンス・ゴールドスタイン氏は、サウジの生産能力が不明確なことが依然として市場の問題だと指摘する。「事実を知っているのはサウジ政府だけのはずだが、もう10年も産出能力試験を実施していないため、政府自体も現実を把握できていない可能性がある」。原油価格が高騰した主な理由は、国際的な需給が逼迫していて、いざというとき原油を増産できる供給余力がないためだ。それゆえ、従来さほど大きな問題とは考えられなかった出来事、例えば生産量の多いナイジェリアでの反政府ゲリラの攻撃や、戦略上重要なホルムズ海峡を封鎖するというイランの威嚇発言に対し、原油市場が以前よりはるかに敏感に反応するようになっている。サウジは、原油輸出量をすぐに拡大する余力のある唯一の産油国として、再びエネルギー問題で重要な存在として浮上してきた。サウジは欧米とも密接な関係を持っている。米エクソンモービル(XOM)や米シェブロン(CVX)の前身にあたる企業は1980年までサウジアラムコと提携していた。現在、石油メジャーの多くが再びサウジとの連携を深めたいと考えており、その足がかりとしてサウジの油田維持に協力することを提案したが、拒否された。
●サウジの公約は「空手形にすぎない」
 サウジ政府は石油に関して頑なに秘密を守ろうとする姿勢で、信用を損ねている。例えば、ロシア、ベネズエラ、ノルウェーと違い、サウジは石油埋蔵量の詳細な分析結果の公表を拒否しており、これが疑念を抱かせる要因になっている。米投資銀行シモンズ・アンド・カンパニー・インターナショナル(ヒューストン)のマシュー・シモンズ会長は、先日サウジ政府が日量1250万バレルの生産を公約したことについて、「単なる空手形にすぎない」と評した。シモンズ会長は、サウジの石油埋蔵量の推計についても疑問を抱いている。今回入手したデータで衝撃的なのは、ガワール油田に関するものだ。この油田は数十年間、サウジの原油生産の主力となっている。データによると、ガワール油田では来年は日量540万バレルを生産するものの、それ以後は急激に生産量が減り、2013年には日量447万5000バレルになる。情報提供者の石油会社幹部は、「この生産量減少分を埋め合わるため、クライス油田が非常に重要となる」と話す。クライス油田は今年後半から生産を開始する巨大な油田で、日量50万バレルの原油生産が見込まれている。先月開かれた会合の際、サウジ政府当局者は報道陣に対し、ガワール油田の生産量は、1993年から2007年まで日量500万バレル弱だと語った。こうしたデータは、今後の生産量が基本的には横ばいであることを示している。クライス油田とマニファ油田という重質油田が加わるほかは、今後5年間に増産する油田はない。データによれば、マニファ油田は2011年に日量12万5000バレルで生産を始めるが、2年後には日量90万バレルまで急増する。2014年の数字はデータに含まれていないが、情報提供者の石油会社幹部によると、資料で取り上げられている油田の1つ、シャイバ油田では、2009年から2013年までは日量75万バレルだが、2014年に日量100万バレルまで増産されるという。とはいえ、サウジアラビアがいかに莫大な原油埋蔵量を持ち、強気の発言をしていても、今後数年間に目標としている生産量は到底達成するのが難しそうだ。
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2008年7月16日水曜日

昭和シェル、新方式の太陽光発電に1000億円投資し大躍進を狙う


http://diamond.jp/series/inside_e/07_19_002/
 クリーンな自然エネルギーとして注目を集めている太陽光発電。ドイツのQセルズやシャープが代表的な太陽光発電パネルメーカーだが、中小メーカーにすぎなかった昭和シェル石油が俄然、存在感を示し始めた。2011年をメドに1000億円超を投じて年間生産量1000メガワットという、世界でもトップクラスの大型パネル工場を建設・稼働すると発表したのだ。 太陽光発電パネルを製造し始めたのは2007年7月で、じつはまだ1年しかたっていない。工場は宮崎県にあり、年間生産量はわずか20メガワット。ただ量産品の品質が予想以上によく、ドイツやフランス、イタリア向けに飛ぶように売れていることから、4月に同県内に年間生産量60メガワットの第二工場を着工したばかりだっただけに、大躍進といえる。 これだけスピーディな投資を決められたのは、他社よりも有利な商品の開発に成功したため。製造している太陽光発電パネルは、CIS型の薄膜系といわれるタイプで、通常の太陽光発電パネルで使用しているシリコンをいっさい使っていないのが特徴だ。 シリコンは近年、需給がタイトになっていることから価格が高騰しており、メーカーにとって頭痛の種になっていた。CIS型は銅、インジウムやセレンといった金属化合物を使用している。使用量はごくわずかであり、シリコン系に比べて価格競争力がある。同じ方式で商業化レベルに達したメーカーはなく、先行者メリットを享受できると判断したのだろう。 昭和シェルにとって今回の投資は社運を賭けての投資といっても過言ではない。2006年の設備投資額は325億円、2007年は236億円にすぎないことを考えると、1つの工場に1000億円超を投資するのは大胆といえる。じつはマスコミに配布した説明資料には、15年頃に今回の第三工場に匹敵する大型の設備投資を計画しているとも取れる記述がある。太陽光発電パネルメーカーとしてメジャープレーヤーを目指す並々ならぬ意気込みが感じられる。 本業の石油の精製・販売については、原油高で価格転嫁が進みにくいだけでなく、ガソリンスタンドがオーバーストアであることから過当競争に陥っており、決して明るい状況ではない。今回の投資金額を考えると、むしろ今後は太陽光発電パネルを中心とした新規ビジネスこそが本業になっていく可能性さえありそうだ。

ソーラーパワーで飛ぶ飛行機、フランスで誕生へ



http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/16/news019.html
Hy-Birdは翼と水平尾翼に太陽電池を搭載し、再生エネルギーのみを燃料とする。太陽電池を手掛ける中国のTrina Solarは7月14日、再生エネルギーのみを燃料とする航空機の製造で仏航空機メーカーLISA Airplanesと提携したと発表した。Trinaは提携の下、LISAの「Hy-Bird」向けに約300個の太陽電池を供給する。Hy-Birdの翼と水平尾翼に太陽電池を搭載し、飛行や機内の機器に必要な十分な電力をまかなえるという。また、高々度では熱機関よりも静かで効果的な電気機関を利用するとしている。LISAは既にHy-Birdのスケールモデルを製造しており、2009年末までには実際の機体の組み立てが完了する見込み。

2008年7月15日火曜日

風力・太陽光発電:蓄電池が開く道 天候頼みで不安定…「安定電源」に


http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2008/04/20080428ddm016040009000c.html 
再生可能エネルギーである風力、太陽光発電の普及に大きな障害だったのが、「天候頼みで発電が不安定になる」という点だった。しかし大容量の「蓄電池」と組み合わせることで、弱点が克服されつつある。電気を蓄え、必要に応じて放出できるようになり、「安定電源」への道が開けてきた。【江口一】
◆立役者は「NAS」
 「風力発電の技術的な弱点はなくなった」。電力の問題に詳しい早稲田大の横山隆一教授はこう断言する。その立役者になったのが「NAS(ナトリウム・硫黄)電池」という蓄電池だ。NAS電池は、硫黄を正極(+)に、ナトリウムを負極(-)に使った電池。東京電力と日本ガイシ(名古屋市)が実用化に成功し、02年から販売している。直径約9センチ、長さ約60センチの電池を約300本集めて一つの蓄電池にする。その容量は約360キロワット時、出力は約50キロワットで、用途によっては蓄電池を多数つなげてパッケージ化する。東電蓄電設備ソリューショングループの田中晃司マネジャーによると、NAS電池は(1)材料がナトリウムと硫黄で入手しやすい(2)大きさ(設置面積)が従来の鉛蓄電池の3分の1(3)自然に放電されることが少なく長寿命--などの利点がある。風力発電に組み合わせる蓄電池は、なるべくコンパクトで大容量の蓄電ができ、維持・点検が容易なことなどが求められるが、NAS電池は鉛など他の方式の蓄電池に比べ、これらの点で画期的だった。実はNAS電池開発の歴史は古い。1960年代に米フォード社が、自動車用バッテリーとして開発を始めた。国内でも新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や電力各社が研究してきたが、実用化の決め手は、日本ガイシが持つセラミックの技術だった。電池内部でナトリウムと硫黄を分離する特殊な管はセラミックで造るが、決められた寸法に焼き上げるのに高度な技術が必要で、同社がこの関門を克服した。
◆秒単位の変動を調整
蓄電池と組み合わせることで、太陽光・風力発電がどう生かされるのか。太陽光・風力発電の弱点は、秒単位で発電量が変動する不安定性にあった。この「ふらついた電気」が大量に送電網に入ると、送電システム全体が不安定になる恐れがあり、電力会社の懸念材料になっていた。しかし蓄電池を用いれば、太陽光・風力発電の発電量が大きければ電気を蓄え、小さければ放出するという動作を瞬時に切り替えられる。つまり通常の発電設備と同様に安定した電力になることが、NEDOによる実証試験などで証明されている。安定電源になれば、こんな効果も期待できる。電力会社は、電力需要の多い昼間に火力発電所を稼働させ、発電量を増やしている。蓄電池と組み合わせた太陽光・風力発電ならば、発電量がその時の需要を超えていれば余剰分を蓄積し、少なければ電気を放出することが可能になる。蓄電池が需要と供給の調整役となり、その結果として火力発電所などにかかる負担を減らすことができる。こうした形での普及をにらみつつ、東電はこれまでに大型店舗など90カ所に、災害時の電源用などの目的でNAS電池を設置した。日本風力開発は5月、青森県六ケ所村で、NAS電池を併設した風力発電所(出力約5万キロワット)の試験運転を始める。
◆家庭用としても期待
 蓄電池には家庭用電源の担い手としても、期待が大きい。「理論上は、蓄電池と組み合わせた太陽光発電だけで、家庭の電力消費をまかなえる」。電池メーカー、ジーエス・ユアサパワーサプライ(京都市)の山口雅英・電源システム生産本部開発部長はこう話す。同社はリチウムイオン電池を大容量化した蓄電池を開発。試算では、出力5キロワットの家庭用太陽光発電と蓄電池を併用すれば、夏季には発電量と家庭の消費電力がほぼ同じにできるという。さらに大型の太陽電池で夏季に十分な電気を蓄えれば、年間の消費電力すべてを太陽光でまかなえる可能性があるという。ただ問題となるのは、そのコストだ。同社によると、家庭用の蓄電池設置には安価な鉛電池でも約150万~200万円かかり、現状では省エネ効果で設備投資分を回収することはできないという。山口部長は「大量生産で値段が半分になれば、実用化も視野に入る」という。NAS電池の普及もその価格(電力1キロワット当たり25万円以上)がネックになっており、横山教授も「これからの再生可能エネルギーは、蓄電池を併用したシステムが前提になるが、あとは社会によるコスト負担のあり方が課題になりそうだ」と指摘する。毎日新聞 2008年4月28日 東京朝刊


太陽光発電で電気自動車も蓄電、アイフルホームカンパニーがモデル住宅を建設


http://www.nikkeibp.co.jp/news/const08q3/578481/
トステム住宅研究所アイフルホームカンパニーが、
「CO2ゼロライフ」を実現する「クールアースモデル住宅」を建築
東工大、三菱商事などとの共同研究開発プロジェクト開始
http://www.eyefulhome.jp/news/press_release/pdf/2008/080701co2_zero.pdf

シリコンバレーは今やソーラーバレーへ


http://www.toyokeizai.net/business/industrial_info/detail/AC/6b7145b2b3ca83b69728cbb1aafa51aa/
 米国では「クリーンテック」と呼ばれる環境ビジネスが急速に台頭し始めて
いる。環境対策“後進国”と揶揄される米国だが、ビジネスとなると話は別。
すでに、ベンチャーキャピタル(VC)がこぞって同分野への投資をしている
一方で、クリーンテックベンチャーが続々と誕生している。
 クリーンテックとは、太陽光発電や風力、バイオ燃料など代替エネルギーや
燃料電池、電気自動車、浄水といった地球環境保護分野をひっくるめた総称。
2000年代初頭から早耳のVCなどが注目していたが、06年になって急速
に投資額が増えた(右棒グラフ参照)。
http://www.toyokeizai.net/public/image/2008070900134922-2.jpg
 シリコンバレーの名門VCも我先にと出資を急ぐ。中でも積極的なのが、ク
ライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)だ。06年
に6億ドルの新規ファンドのうち1億ドルを同分野へ充当、今年5月にはつい
に5億ドルの専門ファンドまで立ち上げた。米報道によると、これまでに26
社に対して総額2・7億ドルを出資、22人いるパートナーのうち半数以上が
同分野への投資にかかわっているという。
 KPCBを率いるジョン・ドーア氏はグーグルやアマゾン・コムなどに投資
してきた最有力投資家の一人。そのドーア氏が最近ではすっかり環境分野の投
資家として知られるようになり、アル・ゴア元米国副大統領が立ち上げた投資
会社の諮問委員にも就くほどだ。

藻からバイオ燃料? 開発段階で250万ドル
 サン・マイクロシステムズの創業者でKPCB出身のビノッド・コースラ氏
も自ら設立したコースラ・ベンチャーズを通じて関連企業へ続々と出資。米メ
ディアに積極的に登場し、クリーンテック分野の有望性について語っている。
 微細藻類を利用したバイオ燃料のオーロラ・バイオフュエルズはVCからの
出資を受けたベンチャーのひとつ。カリフォルニア大学のビジネスコンテスト
で優勝して06年に設立した同社は、これまでに3社から総額250万ドルの
出資を受けた。同社の技術はまだ研究開発段階で商業化のメドはたっていない。
それでも、「VCにとってクリーンテックは『次の大きなビジネス』という期
待感が大きい」(共同創設者のギド・ラダエリ氏)。
 一方で、太陽光発電を中心に、上場する企業も出てきた。06年12月に上
場したファースト・ソーラーの時価総額は今や2兆円超。「今のVCの投資額
を考えると、今後も新規上場(IPO)が増えることは間違いない」とクリー
ン・エッジ代表で『クリーンテック革命』著者のロン・パーニック氏は期待を
膨らませる。
 クリーンテックに注目するのはVCだけではない。創業者のラリー・ページ
氏らが個人で電気スポーツカー「ロードスター」を手掛けるテスラ・モーター
ズ(関連記事)に出資するなど、独特なエコIT企業であるグーグルは、昨年
11月末に「REC<C」と名付けた環境関連プロジェクトを発足させ、「0
8年度には何千、何百万ドルの資金を代替エネルギー分野の研究開発に振り向
ける」と発表した。
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/2ae333b4382b7c26cd0ce9c53a386394/
 データセンターに膨大な電力を利用するグーグルにとって、電力節減は重要
な経営課題でもある。すでに、太陽光発電のeソーラーなど数社に出資。さら
に数年内には、サンフランシスコ市全土の使用電力に相当する1ギガワットを
代替エネルギーによって発電するという壮大な目標まで掲げている。
http://www.toyokeizai.net/business/industrial_info/detail/AC/6b7145b2b3ca83b69728cbb1aafa51aa/page/2/
 シリコンバレーを中心にクリーンテック分野が盛り上がっている背景を老舗
VC、USベンチャー・パートナーズのアラティ・プラブヘイカー氏は「ガソ
リン価格の高騰などに伴って消費者の関心が高まったことで新技術への市場ニ
ーズが膨らんだことが大きい」と分析する。
 確かに太陽光発電などは半導体製造技術の応用。関連企業の多いシリコンバ
レーにはピッタリだ。また、ナノテクなど技術があっても応用先がなく“持て
余していた”ところへ環境保護という応用先が登場、「新興企業が続々と誕生
するのに必要なインフラが整っていた」(シリコンバレーにあるVC、ノベン
ティのパートナー・石井正純氏)。
 ノベンティでも06年に専用ファンドを組成し、出資先を募ったところ80
社以上の案件が殺到。「毎日のように案件が持ち込まれるほど」(石井氏)、
関連企業は増えている。
 政府による環境保護対策の加速も発展を後押ししている。米国政府が保護対
策に消極的だが、州政府は関連プロジェクトへの出資などさまざまな政策を打
ち出している。中でも先行しているのが、シリコンバレーのあるカリフォルニ
ア州だ。
 06年にはシュワルツェネッガー知事の号令の下「100万軒のソーラール
ーフス計画」と呼ぶ太陽光発電普及促進策を法制化。17年までに総額330
億ドルを費やして、個人や法人の太陽光発電設備設置を支援、3ギガワットの
発電を目指している。このほかに20年までに温室効果ガス25%削減を目標
に掲げているほか、保護技術やプロジェクトへの資金援助など、関連政策は山
とある。「従来のIT分野では政府の動向を気にすることはなかったが、クリ
ーンテックでは政府の支援策が発展のカギを握る」(プラブヘイカー氏)だけ
に、VCの間でもカリフォルニア州の積極策を賞賛する声が多い。
 こうした要素がうまく絡み合ってシリコンバレーは徐々に環境ビジネスのメ
ッカへと変貌を遂げている。しかし、研究開発段階のベンチャー企業がほとん
どであり、クリーンテック分野がITのように産業として成長するにはかなり
の時間がかかることは間違いない。「いつビジネスになるのかという議論が尽
きないが、最低5年は待つ必要がある」(プラブヘイカー氏)。ノベンティの
石井氏は「IPOよりはむしろ、大企業による買収が主なエクジットになるの
ではないか」と見る。
 大きな花が咲くのか。VCならずとも、関心は高まるばかりだ。



新技術で太陽電池市場に参入=米シリコン・ジェネシス


http://www.businesswire.com/portal/site/google/?ndmViewId=news_view&newsId=20080711005130&newsLang=ja
半導体基盤製造技術大手の米シリコン・ジェネシス(サイジェン)は、PV
(太陽光発電)業界向けに開発した「カーフ・フリー」のウエハー製造技術
「ポリマックス」によるソーラー基盤製造に成功したと発表した。ポリマック
スは、インゴットからウエハーを作る工程で切削(カーフ)ロスを減らすほか、
ウエハー作製工程で使用されている高価な消耗品も不要。ポリマックスを使用
した設備により今回、厚さ50ミクロンで125mmのフルサイズ・ウエハー
を作製したが、同社は来春までに150マイクロメートルから50マイクロメ
ートルの厚さのウエハーを作製するパイロット・プラントを稼働させる計画。
ポリマックスと製造工程の詳細は、9月1-5日にスペイン・バレンシアで開
催される「第23回欧州太陽電池会議」で公開される。

薄膜太陽電池市場の売上高は2015年に200億米ドル超,米NanoMarkets社が予測


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080711/154717/
 米NanoMarkets, LCは,薄膜太陽電池が2015年に26GW分の電力を生み
出し,その売上高は200億米ドルを上回るとの見通しを発表した(発表資料)。
http://www.nanomarkets.net/news/pr_detail.cfm?PRID=292
 この成長の要因は,いろいろな種類の薄膜太陽電池が普及するほか,現
在主流となっている結晶Si太陽電池に比べて,低コストで柔らかく,製造し
やすい薄膜太陽電池が登場するためという。同社は,2015年までに太陽電
池が生産する電力のうちの半分以上が,薄膜太陽電池によるものになると
予測する。
 薄膜太陽電池は,低コストで,軽く,フレキシブル基板の上に製造でき
るため,特に住宅向けの人気が高まりそうだという。住宅向けの薄膜太陽
電池の市場は,2015年までに23億米ドルに成長するとみる。
 種類別に見ると,CdTe(カドミウム・テルル)薄膜太陽電池市場は成
長を続け,2015年に同市場の売上高は87億米ドルになると見込む。CdTe
半導体は光吸収係数やエネルギー・バンド・ギャップが高いという利点を
持つ。また,以前に懸念されていた環境への影響も小さくなっているよう
だと説明する。
 CIS/CIGS太陽電池は,値段が高く,製造に関する課題が存在するものの,
薄膜太陽電池産業の中ではまだ際立った存在という。NanoMarkets社は,
同市場の売上高が2015年までに50億米ドル近くまで達すると見込む。

Intel社、CIS系太陽電池のSulfurcell社に3800万米ドルを投資


http://www.ednjapan.com/content/l_news/2008/07/u0o686000000hko0.html
 米Intel社の投資部門である米Intel Capital社は、CIS(銅インジウム二セ
レン化物)系太陽電池モジュールメーカーのドイツSulfurcell Solartechnik
社に対して1億3370万米ドルの投資ラウンドを主導することを明らかにし
た。
 Intel社はSulfurcell社に対して3770万米ドルを投資し、英Climate Change
Capital Private Equity社、米AIG社、フランスDemeter Partners社、英Zouk
Ventures社、デンマークBankInvest社などが合計5980万米ドルを投資する。
残りの3620万米ドルは既存の投資家から調達するという。
 Sulfurcell社は、セレン化/硫化銅インジウム(CIS/CIGSe)系の薄膜材料
を利用して、光を電気に変換する太陽電池モジュールを製造しており、
「試験製造ラインにおいて、量産時における製品性能や製造過程の拡張性
が実証されている」(同社)という。
 Intel Capital社によると、「Sulfurcell社の太陽電池モジュールは、薄膜材
料を利用した太陽電池の中でも最高レベルの変換効率を実現しており、建
物一体型の太陽発電など新たな用途を創出する可能性を秘めている」と説
明してる。
 Sulfurcell社は今回の投資によってベルリンに新しく工場を設立し、生産
能力をさらに拡大させる計画である。
 米Intel社は2008年6月に太陽電池事業を分離独立させて新会社の米
SpectraWatt社を立ち上げており、今回のSulfurcell社への投資によってク
リーンエネルギのポートフォリオを拡大することになる。

関電:シャープ社長説明で太陽光発電事業化…神野副社長


http://mainichi.jp/select/biz/news/20080712k0000m020177000c.html 
関西電力の神野栄副社長は、毎日新聞のインタビューに答え、堺市西区
の臨海部で11年度に運転開始する太陽光発電所(出力1万キロワット)
を決断するきっかけは、シャープの片山幹雄社長が語った太陽電池の将来
性だったことを明らかにした。
 シャープが堺市に建設中の液晶パネル工場に関電が電力供給することに
絡み、昨年後半に両社の首脳が懇談。同工場では薄膜型と呼ばれる次世代
の太陽電池を生産する。
 液晶事業で知られる片山社長は、入社直後には太陽電池に取り組んだが、
当時の技術では目指す太陽電池ができず、液晶事業に転じてもずっと気に
なっていたという。「薄膜型を生産する技術は液晶の技術を応用する。当
時できなかったことが液晶と結びついて可能になった。(原料の)シリコ
ンの使用量も減りコストダウンできる」と話す片山社長に、関電の森詳介
社長と神野副社長は「これは本物だ」と感じ、太陽光発電所の事業化を決
断したという。
 また神野副社長は、発電所の予定地を所有する大阪府に「今後、支援を
検討していただきたい」と、堺市と関電などで設立する推進組織への参加
を求める考えだ。
 一方、関電子会社が、建設中のシャープ新工場の屋上で施工・管理する
太陽光発電施設(出力1.8万キロワット)に関連して、同様の引き合い
がすでに2、3件あることも明らかにした。神野副社長は「事業として可
能なら、サービスの一つとしたい」と期待感を示した。




平成19年度成果報告書 光電センサー制御式太陽熱集光装置に関する国内外の市場の調査


Lotus社、ブリティッシュモーターショーにエコカー「Eco Elise」を出展


図2◎ルーフにソーラーパネルを搭載


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080711/154730/
2008/07/11 22:27
英Lotus社は、ブリティッシュモーターショー(British International Motor Show、一般公開日:2008年7月23日~8月3日)に、環境に配慮したコンセプトカー「Eco Elise」を出展すると発表した。単に走行時のCO2排出量を減らすだけでなく、車両の生産から廃棄するまでのトータルで環境性能を向上することを目指し、環境に優しい素材の採用、製造工程での有害物質の削減、再生可能エネルギの利用、物流でのCO2削減、燃費効率の良い運転方法の支援、軽量化を図った。

 素材面では、麻や羊毛といった天然素材を用いた。強度が優れている麻の繊維とポリエステル樹脂の複合材をボディパネルとスポイラーに採用している。天然素材を使った複合材の開発は、将来、完全にリサイクルできる材料にすることも期待できるという。シート表皮や内装材には生分解可能な羊毛繊維を使う。自然の風合いを残し、羊の種類を変えることで色を変え、染色や加工による有害物質の排出をなくした。さらに丈夫な耐摩耗材料のサイザル麻をフロアマットに使用した。

 麻を使った複合材で作られたルーフには、二つのソーラーパネルを取り付け、車載電子機器に電力を供給する。今回、湾曲した面にソーラーパネルを設置できたため、今後はもっと多くのパネルを他の部分に搭載できるとしている。

 Eco Eliseは、従来品より1500g軽いアルパイン製ステレオおよびスピーカシステムを採用した。さらに、市販している「Elise」の軽量ホイールよりさらに軽量化したホイールを備え、4輪合計で15.8kgを削減した。これらにより「Elise S」と比べて32kg軽くなっている。軽量化による燃費向上に加え、効率の良い運転を支援するため、燃料消費が少なく、排ガス中の有害物質を低減できる最適な変速ポイントを、インパネのディスプレイに示すソフトウエアを開発した。

 製造面では、水性塗料の塗装システムを米Du Pont社と共同開発した。下塗り、カラーコート、ラッカーの工程を経た塗装は、“Aクラス”の仕上がりになるという。溶剤を使わないため、VOC(揮発性有機化合物)排出量を削減でき、塗装工程で焼き付けをしない分、消費電力の低減にもつながる。この技術は、近い将来、同社の量産車に使用するという。

 ボディパネルに用いた麻はグレートブリテン島の東南地方で栽培されたもので、成長過程でCO2を吸収している。塗装工場や組み立て工場の位置を近くしたほか、効率を重視してカンバン方式を採用した物流システムを構築することで、物流面でのCO2の排出を削減した。

2008年7月11日金曜日

MIT、「太陽電池の性能を2倍にする」集光装置を開発



Alexis Madrigal 2008年7月11日
http://wiredvision.jp/news/200807/2008071123.html
太陽電池について大抵の人が知っていることが1つあるとすれば、それは非常に高額であるということだ。そして今、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちは、安価な色付きガラス、および光ファイバー技術の応用によって、太陽電池アレイの性能を2倍にアップさせられる可能性があると考えている。これは、太陽光集光装置と呼ばれ、既存の太陽電池アレイを覆うような形で取り付け可能だ。この装置は、可視光のうち特定の波長を捕らえ、アレイの端に設置された高電圧太陽電池に送り込む。一方、現在の太陽電池システムの主要なエネルギー源となる赤外線は、この装置を通過して太陽電池に到達する。[コメント欄にある記事筆者の注によると、可視光線対応型のソーラーセルのほうが、赤外線対応型のセルよりも発電量が多いという]「この装置を既存の太陽電池パネルの上に取り付ければ、最小限の追加費用でシステムの性能をほぼ2倍に増強できる可能性があると考えている」と、研究のリーダーを務めるMarc Baldo氏は述べる。11日付の『Science』誌で発表される予定のこの新しい研究は、気候の変化や化石燃料価格の高騰などに関する懸念から、新たな関心が集まっている太陽エネルギーの分野をさらに大きく前進させるものだ。

MITが開発したこの新技術は、集光装置と薄膜太陽電池という、太陽エネルギーを活用するうえで最も有望な2つの方法を支える科学技術を組み合わせたものと言える。ベンチャーファンドから9500万ドルを集めた米SolFocus社をはじめとする各企業は、鏡を利用して、少数の光電池に太陽光を集める方式を採用している。この方式では多くの電力を得られるものの、必要となる太陽追尾式の鏡は価格が高い。一方、太陽エネルギー研究で注目が集まっているもう1つの分野が薄膜太陽電池で、こちらは染料を使って安価なプラスチックに太陽電池を印刷するものだ。この2つの技術を組み合わせることによって、より安く太陽エネルギーを利用する新たな方法が生まれる可能性がある。現時点での光発電のコストは1キロワット時あたり20セントで、石炭や風力、天然ガスを使った発電よりも数倍高い。Baldo氏らの技術の研究が進み、今後必ず遭遇するであろう技術的な障害をも乗り越えられれば、太陽光発電による電気の1キロワット時あたりの価格を一般市場価格に近づけるのに役立つだろう。そうなれば、普及が促進されることは間違いない。「技術的な問題が解決されれば、太陽電池の効率と費用の改善に大きく貢献するだろう」と、米Lux Research社の研究責任者、Marc Bunger氏は述べる。Baldo氏らが開発した集光装置は、染料でコーティングしたガラスという単純な部品で構成されている。このガラスは、光ファイバーケーブルとほぼ同じ要領で太陽光を誘導することによって集光する。太陽光は、ガラスを通過する際、ガラスに含まれている染料の分子に吸収される。染料の分子がこのエネルギーを再び放出すると、エネルギーの波が導波管を通ってガラスの端に送られる仕組みだ。この有機集光装置(染料に炭素が含まれることからこのように名付けられた)は、太陽電池アレイがこれまで抱えていた根本的な問題の解決に役立つ、とBaldo氏は述べている。その問題とは、太陽電池は非常に異なる2つの機能を持つため、まったく違う種類の材料を合わせて用いる必要があるという点だ。「太陽電池は光を吸収し、電気を作り出すものだ。われわれが試みたのは、この2つの機能を分離することだった」とBaldo氏は説明する。「光を吸収するために、シリコンのような非常に高度な電子材料を一面に貼り付けても意味がない。ペンキをはじめ、光を吸収するものは沢山あるからだ」「光の吸収」に安価な材料を使うことによって、高い効率でエネルギーを作り出す高価な材料の使用量を大きく減らすことができる。費用が安くなること以外にも、この技術は「透けて見える」という特徴を持つので、建物や製品に組み込むことができるというメリットがある。デザイナーや建築家にとっては嬉しい話だが、この集光装置を実際に利用する際にそのような使い方が最も効率的かどうか、Baldo氏は確信が持てないでいるという。「プラスチックに用いれば、丸められる素材ができる。また、好きな色に染めることもできる。この新技術を建築家は大歓迎している」とBaldo氏は述べる。「しかし、技術者の立場で言えば、窓を太陽電池にすることにどれほどの費用対効果があるかはわからない」この技術は単純で費用も安いため、製造も容易で、3年以内には実用化できるだろうとBaldo氏は考えている。その目標に向け、MITではBaldo氏の同僚たちが、この技術を商用化する目的でCovalent Solar社という会社を立ち上げている。
[日本語版:ガリレオ-平井眞弓/長谷 睦]
WIRED NEWS 原文(English)

MITが新型の集光式太陽電池を開発,レンズや追尾装置が不要に


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080710/154663/?ST=device
 米Massachusetts Institute of Technology(MIT)は,レンズを使わない新しいタイプの集光式太陽電池を開発した。学術雑誌「Science」の2008年7月11日号で論文を発表した。これによって「将来的には,高い変換効率を備えた太陽電池セルのコストをレンズや太陽追尾装置などを使わずに,1/10以下に引き下げられる」(同論文)という。
●仕組みは液晶バックライトの逆
 この集光式太陽電池は,屈折率の高いガラス板に,特定の波長の光を当てると蛍光発光,または燐光発光する有機色素材料を成膜し,さらに導光板となるガラス板の端面に太陽電池セルを張り付けた構造を取る。光源にLEDと導光板を用いる液晶パネルのバックライトを似た構造で,光の進む向きが逆になる。バックライトではLEDから出た光が導光板を介して面発光するのに対して,この太陽電池は導光板に当たった太陽光が太陽電池セルに集められるのである。有機色素材料を導光板に成膜するのは,太陽光の特定の波長帯の光を効率よ
く太陽電池セルに導くため。つまり,光の分光機能を併せ持つ集光装置を備えた太陽電池となる。この導光板を有機色素材料の種類を変えて積層すれば,「タンデム型」や「トリプル型」の太陽電池で,太陽光の利用効率を高められる。従来の集光式太陽電池はレンズで光を集めるため,レンズの焦点距離の分,パネルが分厚くなるのが避けられない。加えて,太陽電池が高温になるのを避けるために,ヒートシンクを裏面につける必要があり,これがさらにパネルを分厚くしていた。一方,今回の方式では厚みを大幅に薄くできる。熱の問題も,赤外線を集光しないようにできるため,大きく軽減する。さらに,太陽を追尾する必要がないため,システム全体が格段に軽量になる。
●元の太陽電池セルの変換効率以上の性能を確認
 こうしたアイデアに基づく太陽電池は既に1970年代に試作されたことがあるが,導光板で光のエネルギーの98.7%が失われてしまい,実用的でないとされていた。今回は,「色素材料に対する様々な知見や成膜技術の進歩で従来のものより優れた導光板を作れるようになった」(MITの論文)とする。最終的な太陽電池セルの変換効率をシミュレーションしたところ,CIGS型太陽電池セルでしかもタンデム型の場合に,集光なしで13.1%だった値が集光することで最大14.5%になったという。ただし,導光板ではやはり一定の光が失なわれるため,導光板を大きくすればするほど効率が高まるとは限らないようだ。「今後,材料やタンデム構造の最適化を進めることで,効率20%以上も見込める」(同論文)という。