2008年9月26日金曜日

発電、給湯に太陽の力 屋上にパネル 国も補助金

屋上に設置したパネルで太陽の熱を集め、全戸の給湯や床暖房に利用するマンションも登場


出典:http://home.yomiuri.co.jp/kaiteki/20080923hg01.htm
 太陽の光や熱を利用して、発電や給湯に使うマンションが登場している。光
熱費を抑えられる上、二酸化炭素(CO2)の排出量削減にもつながり、国も
補助金を出すなど設備の導入を後押ししている。
 北九州市八幡東区の会社経営、松田圭司さん(39)は今春、一家4人で、
太陽光発電設備の付いた分譲マンション「リビオ東田ヴィルコート」に引っ越
した。事業主は新日鉄都市開発(東京)。
 屋上に太陽光パネルがあり、発電した電力をエレベーターや廊下の照明など
共用部分に使う。電力が余ると、新日鉄グループ内の発電所に売ることができ、
その代金をマンションの修繕費用に充てている。
 また、各戸ごとに、電気の使用が一定量を超えると、音や光を発して知らせ
るパネルを屋内に設置。マンションの出入り口には、発電量やCO2の削減量
が一目でわかる大型モニターもある。
 「このマンションに住むようになって、家族全員が電気をこまめに消すよう
になり、省エネや環境に対する意識が自然に高まった」と松田さんは話す。引
っ越すまでは古い一戸建てに住んでおり、電気代が月に約4万円近くかかって
いたが、この夏は約1万6000円に抑えられたという。
 3LDKか4LDKのファミリータイプが多く、中心価格帯は2900万円。
周辺の同程度の広さのマンションより1割ほど高めだが、松田さんは「売却す
る際には、こうした発電設備がマンションの付加価値になる」とみている。
 大和ハウス工業(大阪)が手がけ、今春から入居が始まった分譲マンション
「ディーグラフォート レイクタウン」(埼玉県越谷市)は、太陽熱を給湯や
暖房に生かしている。
 マンション屋上に集熱パネルを設置し、その内部に不凍液が入っており、太
陽熱で温められる。不凍液は1階にあるプラントに送られて水を温め、その温
水が各戸に行き渡って給湯や床暖房に使われる。
 温水は晴れた日で80~90度、雨の日でも40度になる。温度が低い場合
はガスボイラーで追いだきするが、ガスを一括購入して価格を抑える。給湯や
暖房費用は、通常のマンションに比べ、1戸あたり年間約4万円低くなるとい
う。
 大和ハウス工業の担当、堀達雄さんは「原油高騰の影響で電気代、ガス代共
に上昇傾向にある。冬場には、さらにパネル設置の効果を実感してもらえるの
では」と話す。
 両マンションとも、従来の集合住宅に比べると、CO2の排出量を2割以上
削減できる。いずれも環境省の補助事業「街区まるごとCO2 20%削減事
業」の補助金を受けており、設備導入にかかる費用が1戸あたり40万~70
万円安くなっている。
 太陽光や熱の利用に詳しい、新エネルギー財団(東京)の新国禎倖さんは
「ただし、設備にコストがかかり、通常のマンションに比べると価格が高くな
るのが難点」と話す。そうした声を受けて経済産業省は、家庭用の太陽光発電
システムの購入補助を来年度から4年ぶりに復活させる予定。「入居者の省エ
ネや環境意識が高まり、光熱費も減らせる。国の後押しが追い風となれば、集
合住宅での導入が進むのではないでしょうか」と新国さんは話している。



【EU PVSEC続報】スペイン太陽電池メーカーに聞く~Guascor


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080925/158475/
Guascor Solar Corp. Marketing & Sales ManagerのJose Tona氏
Guascorの集光型モジュール
スペインの太陽電池向け電力買い取り制度が,2008年9月29日に大きく見直さ
れる見通しとなった。買い取り金額の大幅削減や上限枠の設定などによって,
2009年以降のスペインの年間導入量は大幅に減る可能性がある。見直し直前の
9月1~5日にスペインで開催された太陽電池の展示会「23rd EU PVSEC」で,ス
ペインの太陽電池メーカー各社に対応を聞いた。

――主な生産品目と生産能力を教えてください。
 2005年に創業後,モジュール製造とインストール事業を続けてきました。モ
ジュールは,結晶Si型太陽電池モジュールのほかに,集光型モジュールを製造
しています。2008年の年間生産能力は結晶Si型が65MW,集光型が20MWです。
2010年には,両者を合わせた年間生産能力を150MWに高めます。

――インストール事業とはどのような事業ですか。
 インストール事業は,2種類に分かれます。一つは,土地や資金などがある顧
客に対して,太陽電池システムの設計や設置を請け負う事業です。もう一つは,
土地や資金もない顧客に対して,太陽電池システムに最適な土地の手当てから
資金の融資先の確保まで,必要なすべてをわれわれが提供する事業です。

――電力買い取り制度「フィードイン・タリフ」見直しの影響はありますか。
 スペインのフィードイン・タリフ制度が変更になれば,ギリシャやイタリア,
ブラジルなど海外へと市場を拡大していきます。


【EU PVSEC続報】スペイン太陽電池メーカーに聞く~Pevafersa


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080925/158477/
Grupo Pevafersa Departamento ComercialのJose Luis Gonzalez Barba氏
Pevafersaのブース。
スペインの太陽電池向け電力買い取り制度が,2008年9月29日に大きく見直され
る見通しとなった。買い取り金額の大幅削減や上限枠の設定などによって,
2009年以降のスペインの年間導入量は大幅に減る可能性がある。見直し直前の
9月1~5日にスペインで開催された太陽電池の展示会「23rd EU PVSEC」で,ス
ペインの太陽電池メーカー各社に対応を聞いた。

――主な生産品目と生産能力を教えてください。
 2006年に結晶Si型太陽電池モジュールの生産を始めました。2008年の年間生
産能力は20MWですが,2009年には60MWに高める計画です。2009年には,年間生
産能力80MWで,太陽電池セルの工場の稼働も始めます。さらに2010年には,イ
ンゴットの製造工場の稼働も始めます。

――電力買い取り制度「フィードイン・タリフ」見直しの影響はありますか。
 タリフが減額になった場合,モジュールの価格を下げて対応します。われわ
れはインゴットからモジュールまでを手掛けるため,各工程でコストを削減す
れば,モジュール価格の引き下げは十分に可能です。



【EU PVSEC続報】スペイン太陽電池メーカーに聞く~T-Solar


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080925/158476/
T-Solar Global S.A. Project ManagerのBjoern Ree氏
T-Solarのブース。右奥が大型基板を使った試作モジュール。
スペインの太陽電池向け電力買い取り制度が,2008年9月29日に大きく見直され
る見通しとなった。買い取り金額の大幅削減や上限枠の設定などによって,
2009年以降のスペインの年間導入量は大幅に減る可能性がある。見直し直前の
9月1~5日にスペインで開催された太陽電池の展示会「23rd EU PVSEC」で,ス
ペインの太陽電池メーカー各社に対応を聞いた。

――主な生産品目と生産能力を教えてください。
 2007年に欧州企業として初めて,米Applied Materials, Inc.との間で製造ラ
インの一括供給契約を結びました。現在,薄膜Si型太陽電池モジュールの年間
生産能力は45MWになります。今後,さらに生産能力を拡張する計画です。

――電力買い取り制度「フィードイン・タリフ」見直しの影響はありますか。
 製造から計画立案,運営までを垂直統合した企業のため,低コスト化に強み
を持っており,フィードイン・タリフ制度の見直し後も競争力を維持できると
考えています。特に,寸法が5.7m2と巨大な基板を使う,安価な薄膜Si型太陽
電池モジュールを製造できることが,価格競争で有利になるためです。



太陽電池マーケットセミナー2008-2009 ┃ 10月10日(金)開催


出典:http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/seminar/20081010.html
太陽電池マーケットセミナー2008-2009 ┃ 10月10日(金)開催決定!
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シャープ,三洋,ホンダ…日本の巻き返し,台頭するアジア・パシフィック
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近年の原油高・資源高によって,世界各国のエネルギー政策は太陽電池などの
再生可能エネルギーの活用に舵を切ろうとしています。それによって,世界の
太陽電池市場は急速に拡大し,これまでの“技術力”に“スピード”と“規模”
を加えたグローバル競争の段階に突入しています。
これまで日本メーカーの独壇場だった太陽電池市場は激動期に入っています。
守勢に立たされた日本メーカーが今後どのように巻き返すのか。さらに新規
参入が相次ぎ,メーカー数で世界のトップに立った中国。台頭するアジア・
パシフィックの太陽電池メーカーはどのようなビジネス戦略を練っているのか。
本セミナーでは,時々刻々と変化している太陽電池マーケットの未来を展望
します。太陽電池ビジネスに関心のあるすべての方に役立つ情報が必ず収集
できます。
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■日 時:2008年10月10日(金) 10:00~16:30(予定)
■会 場:ベルサール八重洲(地下鉄日本橋駅から直結)
■主 催:日経マーケット・アクセス
■協 力:NIKKEI MICRODEVICES
■受講料:48,000円(税込)
日経マーケットアクセス会員:30,000円(税込)
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◇受講料には「NIKKEI MICRODEVICES(1年・13冊)」の購読が含まれます。
現在ご購読中の方は,購読期間を1年間延長させていただきます。
(MEMS Technology Forum会員の期間延長はお受けできませんので,
ご了承ください。)
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※ 満席になり次第,申込受付を締め切らせていただきますので,お早めに
お申し込みください。
※詳細・お申込⇒ http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/seminar/20081010.html


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太陽電池マーケットセミナー2008-2009 プログラム
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主催者挨拶 太陽電池業界の動向
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NIKKEI MICRODEVICES 記者 河合 基伸

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◎野村證券 金融経済研究所
企業調査部 エレクトロニクスグループ
和田木 哲哉 氏

太陽電池産業の興隆と日本のハイテク業界
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太陽電池産業の大きな将来性に注目している。太陽光発電は環境負荷が低い
クリーンエナジーの中で最も有望な発電技術の1つである。加えて,同産業は
日本が育成し,またハイテク業界が待ち望んだシリコン加工技術応用産業
でもある。
同産業の世界動向とシェアが急落している日本の業界がとるべき道について
提言したい。

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◎シャープ
ソーラーシステム事業本部 次世代要素技術開発センター 副所長
小西 貴雄 氏

グリッドパリティ実現に向けたシャープの開発戦略
…━…━━━━…━……━…━━━━…━……━…━
太陽光発電は地球温暖化問題やエネルギー枯渇問題を解決しうる次世代の
エネルギー源である。当社は世界の太陽電池の累積生産量の1/4に当たる
2GWを生産してきた。
今後,太陽光発電を大幅に普及させるためには,既存の電力と同等となる
こと,即ちグリッドパリティの実現が必須である。変換効率の向上による
発電コストの低下は,その重要な一手法であるため,当社では薄膜Si太陽
電池,結晶Si太陽電池,集光型発電システムの高効率化開発に取り組んで
いる。

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◎三洋電機
ソーラー事業部 企画戦略担当部長
脇坂 健一郎 氏

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◎ホンダソルテック
取締役営業部長
水本 和幸 氏

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◎中国Trina Solar
Manager, Business Development
Jerome Mazet 氏

Global PV market and solar business strategy of Trina Solar
…━…━━━━…━……━…━━━━…━……━…━━━━…━……
The first part of this presentation will provide an overview of the
global PV market. It will analyze global market demand initially
from a high level standpoint and then by individual markets.
The presentation will or cover questions such as: How much demand
is expected from each major market in 2008 and in the coming years?
When is each major market expected to reach grid parity? What are
the main specific attributes of each market? Which are the next high
potential markets around the world?

The second part of the presentation will present Trina Solar and its
business strategy. Trina Solar has managed over the last few years
to establish itself in key European markets like Italy. Trina Solar
aspires to become a leader in the PV industry and to significantly
contribute towards overall industry development. This presentation
is a good opportunity for the audience to better understand
Trina Solar’s business strategy, as well as its expansion plans.

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◎オーストラリアDyesol International

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※プログラムは,変更になる場合がございますので予めご了承ください。
※ 満席になり次第,申込受付を締め切らせていただきますので,お早めに
お申し込みください。
※詳細・お申込⇒ http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/seminar/20081010.html



NEC:自然エネルギーとリチウムイオン電池を組み合わせる



自然エネルギーを活用した発電システムを企業に導入する場合の、システム概念図。発電出力のばらつきを抑え、電力を平準化するためには、大容量のバッテリーを使ったパワフルな電源システムが必要になります。オフィス内部で消費する電力を、通常時はおもに電力線でまかない、電力使用のピーク時に2時間程度、この大容量バッテリーから供給されるエネルギーを利用します。


出典:http://www.nec.co.jp/environment/features/05/index.html
太陽光発電の普及を妨げている「問題」とは・・・?CO2を排出しないサスティナブルな発電方法として注目が集まる、太陽光発電と風力発電。中でも太陽光発電は、今後最も早く普及が進むと期待されています。ドイツ・日本・米国をはじめ、世界全体の累積設備容量は近年、急速な伸びを見せています。
2008年6月に福田康夫首相が発表した「低炭素社会・日本をめざして(福田ビジョン)」でも、太陽光発電の導入量を2020年に現状の10倍、2030年には40倍(※)に増やすという目標が盛り込まれました。今後は電力会社の配電系統を利用しつつ、CO2排出を減らすために自然エネルギーを部分的に利用していくというのが、現実的な温暖化対策の柱になっていきます。個人住宅への太陽電池パネルの設置はもちろん、オフィスビルや工場においても、商用電源と常時接続して使用する系統連系型の太陽光発電システムを計画・検討する企業が相次いでいます。ところが今、ある「問題」が、普及の足枷となっているのです。

(※1)・・・原油換算で、1,300万キロリットル。今後、新築される個人住宅の約8割が、太陽光発電システムを設置するという状態に相当します。

発電出力のばらつきを、いかにして平準化するかその問題とは、天候や時間帯によって発電出力に大きな差が出るため、安定した出力が得られないことです。太陽光のエネルギーを電気に変換するため、当然、昼間の晴天時には余剰電力が発生しやすく、逆に曇りや雨の日は出力が大幅に低下します。またこの問題は、風力発電システムにもそのまま当てはまり、風の状態によって出力のばらつきが激しいため、とくに出力10キロワット程度の小型の発電システムは、これまではなかなか実用化に至りませんでした。
天候の良し悪し。昼間と夜間。風の強弱--。この不安定な発電出力の問題を解決するには、発電量が大きい時の余剰電力をいったん蓄えておき、電力が不足するときに自在に利用できる、比較的低コストで高性能なバッテリーが必要になるのです。

電気自動車向けバッテリー開発で培った、驚異の長寿命NECグループの電子部品メーカーで、エネルギーデバイスの分野で独自技術を数多く有するNECトーキン株式会社は2007年、自然エネルギー用途に向くバッテリー「大容量ラミネート電池」の開発に成功。現在、実用化に向けた実証実験に取り組んでいます。
大容量ラミネート電池とは、正極材に「マンガンスピネル」という、低環境負荷で熱暴走を起こしにくい独自の結晶格子構造を採用しており、しかも電池セルにラミネート構造を採用することで安全性を高めたリチウムイオン電池です。
もともとNECトーキンは、大容量のリチウムイオン電池をさまざまな市場に提供してきた実績があり、高出力型バッテリーに関する豊富な知見を有していました。その一例が電動アシスト自転車です。今でこそ、ユーザーの環境意識から、急速に拡大している電動アシスト自転車市場ですが、NECトーキンは、6年以上も前からこの市場に供給しており、その供給性や安全性技術に電動アシスト自転車メーカ様からも大きな信頼を得ています。このほか車椅子や各種ロボット、モバイル端末、電動工具など、幅広い機器に採用され、その安全性や出力性能が高く評価されています。最近では日産自動車と合弁事業を設立し、電気自動車向けのマンガン系ラミネート電池を開発。加速の際の大電流出力や急速充電に対応できるように、電極仕様の見直し、集電構造の最適化などを行っており、2010年度に投入される日産自動車の電気自動車、およびハイブリッド車に採用される予定です。
自然エネルギー発電システムの電力を平準化する「大容量ラミネート電池」も、こうした技術的な蓄積を基に開発したもので、その最大の特長は、約3,000~4,000回というサイクル特性。環境にやさしい、かつてない長寿命バッテリーなのです。「つまり365日、毎日1回フルに充電と放電を繰り返しても、10年間も使えるわけです。これほど優れたサイクル寿命を持つ電池を完成させることができたのは、やはり電気自動車向けバッテリーの開発で確立した技術があったからこそです。そもそも電気自動車の普及が進まなかった理由の一つは、電池のサイクル寿命が短かったから。わずか100回程度の充放電でバッテリーの寿命が尽きてしまうので、大量の電池を積みかえる必要があったのです」。こう語るのは、同社 マーケティング本部 ソリューション技術部 部長 堀仁孝氏。大容量ラミネート電池はこのほか、最大18Aの連続放電電流という出力性能を損なうことなく小型軽量化を実現し、設計の自由度が向上したこと、環境規制物質を禁止したRoHS指令に準拠していること、豊富な埋蔵量のマンガンを電池の主原料にしていることなどが、環境面から見た大きな特長となっています。


大容量マンガン系ラミネート電池。蓄電池は、太陽光発電システムと風力発電システムの普及に欠かせない重要なエネルギーデバイスです。NECトーキン製品は、約3,000~4,000回もの驚異的なサイクル特性、高い放電特性と温度の安定性(安全性)、小型軽量化の実現など、市場ニーズに合致した多くの特長を有しています。写真は一般ユーザ向け標準品、第一弾製品の「24V標準電池パック」。左が7直列1並列製品。右が7直列2並列製品。今後も、皆様のご期待に応える製品シリーズを続々と展開する予定です。

社会全体で電力を融通し合えるしくみづくりにチャレンジ企業や家庭へ、今後、大量に導入される自然エネルギー発電システムからの電力供給を安定化・平準化する高度な技術を持ち、しかも突出したサイクル特性を実現しているバッテリーを、現時点で供給できる数少ない企業の一つが、NECトーキンなのです。大容量ラミネート電池については、自動車業界や発電機メーカーだけでなく、住宅メーカーや各種産業機器メーカーなどからも引き合いが来ており、すでに試験運用を開始している案件もいくつかあります。
そして今後、同社は独自のバッテリー技術とNECのITを融合して、社会のさまざまな場所で浪費されている電力のムダを「見える化」し、企業/自治体向けの環境ソリューション・省電力サービスを展開していく構想を持っています。「日本の産業界は、すでにもう搾りつくせないほど徹底した省エネ・省電力が実施されていると言われますが、本当にそうでしょうか? 実は、まだまだ搾る余地はあるのですよ。そのためには、リアルタイムで使用機器ごとの浪費電力を測定して、適切な方法でムダを抑制していかなければなりません。また、電力消費のピーク時には、社会全体で電力を融通し合うという考え方が今後は不可欠になりますが、こうしたしくみをつくるには、私たちが持つエネルギーデバイスの技術に加えて、NECのITと情報システム構築のノウハウが必要。これらを融合して、温暖化ガス排出量の削減に貢献できる新しいチャレンジを始めたいと考えています」(堀氏)。


太陽の活動低下、地球への影響は?


太陽風、ここ50年間で最も弱く――寒冷期との関係は?


【EU PVSEC続報】スペイン太陽電池メーカーに聞く~Isofoton


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080924/158461/?ST=PV
スペインIsofoton S.A.の拠点
Isofotonのブース

スペインの太陽電池向け電力買い取り制度が,2008年9月29日に大きく見直さ
れる見通しとなった。買い取り金額の大幅削減や上限枠の設定などによって,
2009年以降のスペインの年間導入量は大幅に減る可能性がある。見直し直前の
9月1~5日にスペインで開催された太陽電池の展示会「23rd EU PVSEC」で,ス
ペインの太陽電池メーカー各社に対応を聞いた。

――主な生産品目と生産能力を教えてください。
 2007年の生産量は太陽電池セルが85MW,同モジュールが70MWでした。2008年
の生産量は,セルが130MW,モジュールが110MWになる見込みです。通常の太陽
電池セルとモジュールのほか,集光型太陽電池システムなども開発しています。

――今後の増産計画はありますか。
 現在,1億8000万ユーロを投じて新工場を建設しており,2009年に稼働する
予定です。その結果,2011年までにセルとモジュールの年間生産能力はそれぞ
れ400MWに高まります。

――電力買い取り制度「フィードイン・タリフ」見直しの影響はありますか。
 フィードイン・タリフの見直し草案に関して,われわれは政府に上限枠を300
MWから800MWへ引き上げるとともに,買い取り金額を建物一体型向けで0.33ユー
ロ/kW時から0.398ユーロ/kW時に,地上設置向けで0.29ユーロ/kW時から0.358ユ
ーロ/kW時に高めることを要求しています。



【EU PVSEC続報】スペイン太陽電池メーカーに聞く~Siliken


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080924/158462/?ST=PV
Siliken Modules, S.L.U. Product Engineering Managerの
 Alvaro Navarro Paulo氏
Silikenのブース

スペインの太陽電池向け電力買い取り制度が,2008年9月29日に大きく見直さ
れる見通しとなった。買い取り金額の大幅削減や上限枠の設定などによって,
2009年以降のスペインの年間導入量は大幅に減る可能性がある。見直し直前の
9月1~5日にスペインで開催された太陽電池の展示会「23rd EU PVSEC」で,ス
ペインの太陽電池メーカー各社に対応を聞いた。

――主な生産品目と生産能力を教えてください。
 結晶Si型太陽電池モジュールとインバータを製造しています。現在の年間生
産能力は180MWですが,2008年の実際の生産量は110M~120MWになりそうです。
今後も生産量を拡大するため,2010年には年間生産能力を350M~400MWに高める
予定です。工場はスペインに6カ所あるほか,2008年から米国工場の稼働を始め
ました。

――電力買い取り制度「フィードイン・タリフ」見直しの影響はありますか。
 フィードイン・タリフ制度の見直し後は,米国やイタリア,フランスという
新たに成長が期待できる三つの市場に出荷先を広げる計画です。スペイン向け
とそのほかの市場の比率を50%ずつにしたいです。米国に工場があるため,ほ
かのスペイン企業に比べて,米国市場の開拓は有利に進められそうです。



【EU PVSEC続報】スペイン太陽電池メーカーに聞く~Solaria


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080924/158460/
スペインSolaria Energia y Medio Ambiente, S.A.
 Marketing ManagerのCristina Lopez Lezcano氏
Solariaのブース

スペインの太陽電池向け電力買い取り制度が,2008年9月29日に大きく見直さ
れる見通しとなった。買い取り金額の大幅削減や上限枠の設定などによって,
2009年以降のスペインの年間導入量は大幅に減る可能性がある。見直し直前の
9月1~5日にスペインで開催された太陽電池の展示会「23rd EU PVSEC」で,ス
ペインの太陽電池メーカー各社に対応を聞いた。

――主な生産品目と生産能力を教えてください。
 スペインの2カ所の工場で,主に結晶Si型太陽電池モジュールを製造してい
ます。2008年の年間生産能力は350MWです。今後の増産計画はありますが,現時
点で公表できません。2008年9月からは太陽電池セルの製造も始めました。

――電力買い取り制度「フィードイン・タリフ」見直しの影響はありますか。
 われわれの太陽電池モジュールの出荷先は,大規模発電所向けがほとんどで
す。そのため,今回のフィードイン・タリフ制度の見直しは,われわれにとっ
て大きな問題です。特に,草案の「合計300MW」という上限枠が問題です。

――上限枠のどのような点が問題なのですか。
 上限枠のうち,大規模発電所を想定した地上設置型はわずかに100MWです。わ
れわれの年間生産能力だけで,この上限枠を超えてしまいます。スペインに拠
点を置く太陽電池メーカーと連携して,草案の見直しを政府に要求していると
ころです。



2008年9月25日木曜日

プラスチックフィルム上に金属電極を低温で印刷形成する技術を開発

-従来困難だったアルミニウム配線のフィルム上への印刷形成も可能に-


特集2050年への革新技術-9豊富なバリエーション武器に/世界一奪還狙う太陽光発電


世界における日本の太陽電池シェアは、およそ4分の1で世界一となる。また、企業別では上位5位のうちの2社が日本企業であるが、日本企業の存在感は大きく低下している(「PV News. 2008.3」を基に資源エネルギー庁が作成)


出典:http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/110/index.shtml

取材・文/岸上祐子

2008年9月22日(月)公開将来性の高い「薄膜系」 低炭素社会の実現に向けて期待が高まる太陽光発電。だが、現在、その発電コストは約46円/kWh(全国平均)であり、経済産業省が2010年の達成目標とする、一般家庭用電力料金並みの23円/kWhと比較すると、まだ2倍の水準にとどまっている。しかも日本は、太陽電池の生産量こそ辛じてトップの座を死守したものの、累計導入量ではドイツに抜かれている。さらなる普及のための技術革新と体制整備が求められているなかで、経産省の「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」のロードマップでは、発電コストとして2020年には14円/kWh、そして2030年には7円/kWhをめざすとしている。

 発電コストの低下をめざすなかで現在注目されているのは、第1世代の結晶シリコンの太陽電池と比較して生産コストが低い、第2世代の太陽電池であるシリコン薄膜系太陽電池だ。シリコン薄膜系は単層ではエネルギー変換率が低いが、多層化によって変換率を大きく向上させることが可能となった。

 太陽電池に用いる半導体材料で分類すると、シリコンを使うものとガリウムヒ素(GaAs)などの化合物を使うものに大きく分けられる。また、シリコン系のなかでも、シリコンの結晶をスライス加工してウエハをつくるバルク系と、シリコンをガス化して基板に蒸着させる薄膜系に分けることができる。現在はまだシリコンバルク系が主流だが、「今後、有望視されるのはシリコン薄膜系」と語るのは、太陽光発電研究の第一人者である小長井誠・東京工業大学太陽光発電システム研究センター長だ。

 シリコン薄膜系のエネルギー変換効率はモジュールで10%前後、シリコンバルク系の15%前後に対し変換効率が3分の2程度にとどまっているのが現状。しかし、シリコン薄膜系のシリコン使用量はシリコンバルク系の100分の1にすぎず、急騰しているシリコン価格にも対応できる。また、シリコンバルク系と比べてシリコン薄膜系は製造工程がシンプルで、さらに現状の性能のものであれば、5m2規模の大面積の太陽電池をロール紙のように製造できるという強みもある。

 前出の「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」では、超高効率薄膜太陽電池として、2010年の製造コスト100円/W、モジュール変換効率12%に対し、2030年には製造コスト50円/W、モジュール変換効率18%を打ち出している。小長井センター長は、「2050年には変換効率40%をめざしている。材料選択や積層技術の研究余地がまだまだあるが、達成が不可能な値ではない」と力強い。

世界一奪還もくろむシャープ

堺コンビナート太陽光発電施設の最終完成予想図。127万m2の敷地にはシャープの液晶パネル工場などが建設される予定(イラスト提供:関西電力) このシリコン薄膜系に力を入れているシャープは2008年6月、関西電力や堺市と共同で、薄膜型シリコン太陽電池を採用した発電出力約18MW(稼働当初は約9MW)の太陽光発電施設を、大阪府堺市臨海部のコンビナートなどの屋根に設置すると発表した。同じく堺市臨海部に関西電力が建設する発電出力約10MWの太陽光発電所と合わせると、合計28MWで、世界最大の太陽光発電施設となる。この電力は、一般家庭8000世帯で消費する電力にほぼ相当し、年間で約1万tの二酸化炭素(CO2)を削減できる計算になる。シャープは、この発電施設などにシリコン薄膜系太陽電池を供給する新工場を建設、2010年3月までに稼働を予定している。シリコンの入手難から、太陽電池生産量で世界トップの座をドイツのQセルズに譲ったシャープだが、シリコン薄膜系を主力に巻き返しを図り、世界トップを奪い返す意気込みだ。

 太陽光は、紫外線から赤外線に至る広い範囲の波長の光を含んでおり、一つの太陽電池材料でエネルギー変換をしようとすると、熱としてエネルギーを失ったり、透過したりして変換効率があまり高くならない。そのため、それぞれの波長に有効な異なる材料の薄膜を重ねていくことで変換効率をアップさせようと開発が進められている。シャープが力を入れるのも、シリコン薄膜系太陽電池で主流のタンデム型で、ガラスや金属基板にシリコンガスを蒸着させた(アモルファス層)セルに微結晶シリコンの薄膜を重ねることで、これまで利用していなかった赤外線も利用できるようにしたものだ。

 シャープは2008年10月から、葛城工場(奈良県葛城市)でタンデム薄膜系の生産能力を160MWに増強する。さらに2010年4月には、葛城工場や堺工場(大阪府堺市)、そして今後、展開する海外工場をあわせて1GWの生産体制を構築。将来的には、世界全体で6GWのシリコン薄膜系の生産体制をめざす。また、同社は、タンデム型にさらにアモルファスのセルを重ねたトリプル型を開発。この結果、モジュールでの変換効率を8.5%から10%にアップさせることに成功している。

 そして、いま開発が待たれているのが、全ての波長に対応できる太陽電池だ。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2008年度「革新型太陽光発電技術研究開発」計画では「変換効率の向上を優先的に取り組む観点から、理論的に40%達成の可能性/筋道が示せる研究開発テーマ」が公募され、東京工業大の「薄膜フルスペクトル太陽電池の研究開発」が採択された。

 「現在の主流であるタンデム型から、重ねる層の数をさらに増やせば、それだけ変換効率アップが期待できる」と小長井センター長。さらに、米国のスペクトロ・ラボ社が、2007年にトリプル型セルでの変換効率40.7%に成功していることを挙げ、「5層のセルで変換効率35%をめざし、加えて太陽光をレンズなどで集める低倍率集光で最終的には40%を達成する」と今後の道筋を示す。

シリコン多結晶系の効率を追求する京セラ 一方、太陽電池を材料で見ると、シリコンの単結晶系、多結晶系、アモルファス(非晶質)系、そしてシリコンを使わない化合物系に分類される。単結晶系シリコンやガリウムヒ素を使った化合物系は、セル単位の変換効率が20%前後と優れる半面、コストが高いのが難点だ。

 そこで、変換効率やコストなどのバランスをはかり、多結晶系シリコンで太陽電池を製造しているのが、世界シェア4位(2007年)の京セラだ。2007年時点でセルベースの生産量は207MWだが、2008年度は年間生産量300MW、そして2011年度には年産650MWをめざす。ソーラーエネルギー事業本部マーケティング部責任者の池田一郎氏は、「日本は住宅用の需要が多いが、海外は大規模発電所などの公共事業用が圧倒的に多い」と語る。製品の約70%は、主にこうした公共事業用として海外へ出荷している。



電極を裏側に設置し、集光面積を拡大した「バックコンタクトセル」を使った太陽電池モジュール(写真提供:京セラ) 京セラでは、現在と同じパネル面積で高い出力を可能にするために、セルの大型化を実現している。従来、150mm×155mmサイズだったセルを、156mm×156mmに拡大。このモジュールで、一定面積でのパネルの設置枚数を減らすことでコスト軽減にもつながった。また、セルの厚みも、昨年度は200μm(1μm=1000分の1mm)だったものから180μmへ薄くすることに成功している。

 さらに同社が力を入れているのが、「バックコンタクト」と呼ばれる技術だ。いままでセルの表面に配置していた電極を裏面に配置することで集光面積を拡大したもので、この技術の導入などによって、多結晶シリコン系のセルの変換効率としては18.5%と、世界でもトップクラスの水準を達成している。すでに、製品の安定性も確保されており、モジュール化に向けて生産性を向上させ、2009年度からの量産開始をめざす。まずは17.5%のものを市場へ投入する予定となっている。

 化合物薄膜系も負けてはいない。昭和シェル石油は、素材に銅(Cu)やインジウム(In)、セレン(Se)を材料としたCIS太陽電池に力を入れる。2011年の年産1GWを目標に、神奈川県の半導体製造装置メーカー、アルバックと共同開発を進めている。すでに2007年には、宮崎プラント(年産20MW)を稼働させており、さらに2009年には同じく宮崎に第2工場(年産60MW)も稼働する予定。着々と化合物薄膜系の増産体制を整え、一気に生産能力を高めようというわけだ。

 また、発電コストを下げる第2世代の太陽電池としては、有機材料を用いた有機系太陽電池などの開発も各社しのぎを削っている。

 小長井センター長は、「シリコン使用量が少ないシリコン薄膜系太陽電池の開発が、現状では最も期待ができるが、化合物系やその他の太陽電池にふさわしい材料の開発も欠かせない」と語る。

過熱する太陽光発電市場 高効率、低コスト化に向け、次々に新しい技術が投入される太陽電池開発だが、普及拡大などを目的に政府も積極策を打ち出している。今年7月に開催された北海道・洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に先立って発表された「『低炭素社会・日本』をめざして」と題した通称「福田ビジョン」では、「太陽光発電世界一の座を奪還するため、導入量を2020年までに現状の10倍、2030年には40倍に引き上げることを目標として掲げたい」としている。また、経産省の総合資源エネルギー調査会は今年6月、住宅での太陽光発電の利用拡大に向け、国による設備費用の一部補助や減税の検討を要請する提言をまとめた。さらに先ごろ締め切られた2009年度予算の概算要求では新エネルギー関連として、住宅用太陽光発電システムの導入に対する補助金支給制度を新規事業として盛り込むなど、今年度予算の1.5倍となる約1300億円が計上されている。

 わが国の太陽光発電市場を見ると、「サンシャイン計画」などの技術開発援助や住宅用の補助金制度導入(1994年度~2005年度)で太陽電池の技術を磨き、生産量を大きく伸ばしてきた。1997年に累計導入量で米国を抜きトップに立つと、2004年までの8年間世界一を守っていたが、2005年には急激に市場を拡大したドイツに累計導入量世界一の座を奪われている。とはいえ、日本とドイツ、さらに3位の米国の3カ国で世界の累計導入量の9割(2006年)を占めている。

 一方、生産量を見ると、2007年末時点で日本は920MWで世界シェアの24.6%を占め、世界一を保っている。しかし、同22%(821MW)の中国、同19.8%のドイツ(738MW)と、2位以下の国の猛追により気を抜くことはできない。ここで、トップを守るために求められるのが、変換効率の向上や発電コスト低減と共に、需要拡大策のスピードだ。この数年、世界における、企業別太陽電池生産量の勢力地図の塗り替えはすさまじいものがある。2006年末には上位からシャープ、Qセルズ(ドイツ)、京セラだったものが、2007末年にはQセルズ、シャープ、サンテック(中国)に入れ替わっている。2006年末には10位以内だった三洋電機(5位)、三菱電機(6位)はそれぞれ生産量を増やしているものの順位を下げ、三洋電機は7位に、三菱電機は11位に落ちている。

■日本の生産量は世界の4分の1



日比谷花壇が請け負い、企画・施行するクリスマスイルミネーションの消費電力を太陽光発電によるグリーン電力でオフセット


鈴鹿サーキットで国際的なソーラーカーレースが開催されました。


出典:http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00141111.html
地球温暖化対策の1つとして、太陽光発電を利用したソーラーカーが近年、あら
ためて注目を集めています。
こうした中、鈴鹿サーキットで、国際的なソーラーカーレースが開催されまし
た。

8月2日、F1の聖地「鈴鹿サーキット」で、国際的なソーラーカーレースが開催
された。
参加は総勢88チーム、全国の学生や社会人はもとより、海外からは台湾やオー
ストラリアからのエントリーもある。
レースは、2日にわたって、合計8時間で、何周回ったかが競われる。
真夏の太陽を最大に浴びて、各車一斉がスタートした。
スタート直後から果敢な走りでレースを主導したグレーの車は、大阪産業大学
の車で、このレースに優勝を懸けて、万全の体制で挑んだ。
大学は、これまでに中国・シルクロード2,000kmを横断、オーストラリア3,000
kmを縦断するなど、エコカープロジェクトを成功させてきた。
2008年、大学は、ガスの燃焼熱を利用して発電する世界初の電気自動車を発表、
さらにソーラーを利用した実用車の開発も進行中で、大学レベルでは最先端を
進んでいた。
一部の高級車では、ソーラーパネルは、空調機能の動力源として、すでに実用
化されている。
大学は、車社会の将来を見据えていた。
大阪産業大学の才原 篤講師は「太陽エネルギーを少しでも利用するという」、
「今後、電気自動車というのは、間違いなく普及していくと思います」と話し
た。
総監督の藤田久和講師は、ソーラーカーに取り組んで20年になるという。
藤田講師は「環境破壊が、われわれの技術以上のスピードで進んでいる」と話
した。
大学は、鈴鹿でも優勝を果たして、環境技術の研究成果を証明したかった。
2008年入学の新メンバー・三浦 愛さんには、大きな期待が懸かっていた。
キャンパスでは、おとなしめの三浦さんは、7月は試験期間中で、試験勉強にも
余念がない。
しかし、12歳から始めたカートの腕を見込まれて、ドライバーに大抜てきされ
た。
三浦さんは「タイヤのことも、電気のことも、いろんなことを考えながら」、
「頭を使わないと勝てないなと思いました」と話した。
大学で初めてソーラーカーに触れた三浦さんは、環境問題への意識も大きく変
わったという。
三浦さんは「今まで、環境のことなんて考えたこともなかったし」、「いろい
ろ考えさせられること、たくさんありました」と話した。
最大のライバルは、大会3連覇を達成している同じ関西の芦屋大学で、その強豪
にどれだけ迫れるかに注目が集まっていた。
レース開始早々、激しいデッドヒートを繰り広げる両大学、ピットはかたずを
飲んで見守っていた。
三浦さんは、予定の2時間を走り終え、先輩ドライバーに交代した。
三浦さんは、時速81kmで、この日の最速ラップを記録した。
三浦さんは「とりあえず車つぶさなかったんで、よかったです」と話した。
しかし、スタートから2時間半、何と大阪産業大学の車がピットに入った。
車は、足回りに重大なトラブルを起こしていて、ピットは凍りついた。
気温は35度で、過酷なレースに停車する車が続出した。
修理は夜更けまで続き、1日目は19位で幕を閉じた。
翌朝、一晩保管されていたバッテリーが、午前10時に一斉開放された。
前日、消費した電力を、2時間だけ充電が許される。
実際の走行では、スピード以外に電力をいかに効率よく使うかが要求される。
前日のトラブルがあるだけに、三浦さんへのプレッシャーは重かった。
午後1時、2日目スタートした。
チームの方針は「徹底的に攻める」だった。
三浦さんは、車の性能を思いっきり引き出して、猛烈なアタックを開始し、序
盤から周回を重ね、どんどん順位を上げていった。
結局、7つ順位を上げ交代、責任を果たした三浦さんに、ようやく笑顔が戻っ
た。
三浦さんは「1つでも前に行けるようにと思って、きのうよりも気持ちを強く
(走った)」と話した。
午後5時、レース終了し、大阪産業大学は総合7位で完走した。
優勝は芦屋大学で、4連覇となった。
結果は及ばなかったが、三浦さんには、新たな目標ができた。
三浦さんは「みんなが優勝を狙ってたと思うので、悔しかったですけど、でも
やっぱ楽しかった」と話した。
藤田監督は「時には起こるこういうトラブルにどういうふうに対処するか、そ
してそのトラブルを自分たち乗り越える」、「環境を見据えたこういうソーラ
ーカーのプロジェクトというのは、非常にいいと思いますね」と語った。
学生たちのあくなき挑戦、ソーラーが普通に使われる車社会が、もうそこまで
来ている。


「市場」と「技術」のリーダーが勝てない?-ドイツや中国が急伸する太陽電池市場


出典:http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080924/171512/?P=1
2008年9月25日 木曜日 クロサカ タツヤ

2年で世界シェアが半減した日本の太陽電池

 CO2(二酸化炭素)削減のため、石油の代替エネルギーとして注目度を高めている太陽電池。米国の太陽電池専門誌「PVニュース」のまとめによると、2007年の太陽電池の生産量は、世界で3733メガワット。これは前年比で約50%増で、世界的に環境意識が高まっていることを裏付ける。これに対して、日本は約1%減の920メガワットへと減少。2005年には半分近い世界シェアだったが、わずか2年で約25%へ落ち込んだ。なぜ世界で強まる環境志向の波に乗れていないのか。



 前回(「韓国製ディスプレイで溢れる欧州」 )に引き続き、再び欧州でこのコラムを書いている。あちこちを移動していて気づくのは、太陽光や風力など、自然エネルギーの利用に取り組んでいるということだ。

 ギリシャは特に熱心だ。郊外をドライブしていると海沿いの山々には風力発電の風車が数多く設置されている。また、市街地にあるアパートの屋上などを見ると、太陽電池のパネルが目に飛び込んでくる。それなりの割合に達しているように思う。

 とある田舎町で、アパートの上にある屋根裏部屋のようなところに泊まった。そこにも太陽電池のパネルがあった。ちょうどいい機会なので、屋上に出てパネルを眺めてみた。メーカー名は「THOMSON」と書いてある。周りを見渡してみると、その地域には仏トムソンのパネルが多かった。いずれも、世代は少し前のようだ。

 欧州のメーカーもあれこれ取り組んでいるが、市場の寡占が進んでいるというわけでは、まだなさそうである。おそらくまだまだ開拓の余地が十分残されているのだろう。その意味で、日本のメーカーにもチャンスはある。しかも、日本は太陽電池の分野をリードする立場だと認知されている。

 裏付けとなる技術力があってこそだが、実は「リーダーだと思われている」ということは非常に重要である。リーダーの言うことに相手は耳を傾けてくれるし、説明の手間も省けることが多い。つまり、この分野はまだ「ニーハオ」ではなく、「コンニチハ」で挨拶してくれるというわけだ。今後、大いに飛躍してほしいと期待している。


エコ“ブーム”ではない欧州

 ところで、欧州が石化燃料に替わるエネルギーの創出に熱心なのは、単にCO2(二酸化炭素環)削減を目的とした環境保護や温暖化対策に熱心だというだけではない。大きな問題意識として、エネルギー安全保障を取り巻く複雑な事情がある。

 私は安全保障問題の専門家ではない。それでも安全保障を意識せざるを得ないのは、“流しのコンサルタント”として欧州で何人かの投資銀行家とミーティングをしていると、共通するアジェンダの1つに、必ず「ロシアとどう向き合うか」という話が出てくるためだ。感覚的には、日本にとっての「中国とどう向き合うか」に近いかもしれない。

 米国や英国からの情報が多い日本では、欧州とロシアは対立しているように見えるかもしれない。しかし、実は欧州は経済・産業の分野は相変わらず一枚岩ではなく、ロシアとの関係にも濃淡がある。結論として、英国はロシアと対立しているが、ドイツとフランスについては、ロシアのヘゲモニーの下に入りつつあると考えていいだろう。

 ドイツについては、ロシアからの天然ガスに工業や生活を依存しつつある。端的にいって、ロシアと喧嘩したら、冬を越せなくなってしまう状況だ。またフランスについても、ロシアをマーケットとしてとらえ、軍事産業も含めて様々な取り組みを進めている。先日のグルジアでの戦争の仲介にサルコジ大統領が乗り出し、停戦の軌道に乗ったのは記憶に新しいが、こうした関係が出来つつあるのである。

 天然資源を背景にしたロシアのプレゼンス拡大を、苦々しく思う人は少なくない。確かに彼らのやり方は時として暴力的である。また日本もサハリンの天然資源開発で苦汁をなめた経験があるように、契約や商取引に対する誠実さは、西側先進国の水準には達していない面があるように思う。先日の資本市場の混乱でも、すぐに市場を停止させてしまったように、資本主義に対する理解が未成熟なのだろう。

それでもロシアのプレゼンスは長期的には拡大していくというのが、欧州の投資家たちの共通した見方である。今回の資本市場の混乱を期に、今、世界では急速に「ファンダメンタル(実体経済)に戻れ」という号令がかかっており、おそらくこの流れは当面続く。だとすると、その実体経済を支える天然資源を握るロシアは、やはり有利なのだ。

 だからこそ、そうした天然資源に依存しない生活・産業形態が、必要となるのである。天然資源への依存は、その産出国への依存ということである。すべての自給は不可能だとしても、ある程度のポートフォリオは持たなければ、自分たちの国家としての自立性が脅かされる。そしてこの分野はまだ未成熟で、高度な科学技術や生産技術が必要であり、いま自分たちが取り組めばまだ間に合う…。欧州各国が自然エネルギーや代替燃料の研究開発や普及促進に熱心な理由の1つはここにある。


太陽電池を投げ出した“前科”

 翻って、日本はどうか――。一部で大きく報じられている通り、太陽電池の世界市場で、2007年に異変が起きた。それまで発電量(生産量)トップを走っていたシャープが、1999年設立のドイツの新興メーカーであるQセルズに、その座を奪われたのだ。さらに、中国のサンテック・パワーも急伸している。これに対して、日本メーカーはシャープだけでなく、トップ10に名を連ねる京セラや三洋電機なども成長は鈍化しており、状況は厳しい。

 このように日本メーカーが足踏みしている理由として、専門家はおしなべて2つの理由を挙げる。1つは、大規模資本調達を含めた世界的な競争激化に、日本メーカー単独ではキャッチアップできないということ。特にこれは原料となるシリコン調達を「買い負ける」要因にもなっているようだ。もう1つは、政府による推進策の停滞。2005年度に太陽電池普及のための補助制度が廃止され、住宅向けの国内需要が急激に冷え込んだという。

 これに対して、Qセルズのあるドイツでは、政府による強力なテコ入れが行われている。家庭や事業所の発電を、電力会社が市場価格よりも数倍高い価格で買い取ることを義務づけている。このやり方ならば、10年前後で設備投資は回収できるとしている。

 もちろん日本政府も、座して見ているだけというわけではない。6月には、福田康夫・前首相および政府の総合資源エネルギー調査会からそれぞれ、太陽光発電に関して「2030年に現状の40倍を目指す」という指針が示された。これ自体は力強いものであり、実際に産業界も歓迎しているようだ。

 ただ気になるのは、こうした施策に果たして一貫性が確保されるのか、ということである。なにしろ現実として、2005年度に補助制度が打ち切られ、需要が落ち込んだ、という前科がある。政府予算が厳しい状況にあるのは重々承知だが、そんな時期だからこそ、次の時代に必要となる「戦略物資」については厚く長く補助をする、というメリハリが必要なはずだ。まして、言い出しっぺの福田氏自ら、政権を投げ出す始末である。本当に信じていいのだろうか、という疑念が生じるのがむしろ自然となる。


“次世代IT戦略会議”の時期に

 産業の活性化については、「民間部門が主役、公的部門は脇役」という議論が出てくる。これ自体は原則として正当であるべきと思う。ただそれでも、技術や市場が未成熟な分野で、かつ戦略的に取り組む必要があるものについては、脇役も積極的に役割を演じるべきである。実はIT(情報技術)も、その1つであると考えている。

 分かりやすい例では、インターネット。最近でも、大きな動きが起きている。米グーグルがWebブラウザーを開発した途端にブラウザーのシェアが変わり、米アップルがiPhone(アイフォーン)を開発した途端にサービスの姿が変わる。まさに、未成熟そのものである。

 消費者の目には触れない通信の世界でも同じだ。IPv4アドレス(現在利用されているインターネット上の認識番号)の枯渇が目前に迫っていたり、経路制御(データ転送の道のりの制御)が崩壊しつつあったり。無線通信の技術も発展途上と、課題山積である。

さらに情報解析技術や管理運用技術などを含めると、ITが持つ潜在能力からすれば「まだ何も始まっていない」という段階なのかもしれない。欧州では、こう事態を正面からとらえているからこそ、フランスの「QUAERO(クエロ)」やドイツ「THESEUS(テセウス)」といった検索エンジン開発の国家プロジェクトが、各国で始まっている。

 確かに「ITは未成熟、だから国がやるべき」という議論は稚拙なものだ。それに、未成熟であるからこそ新たなビジネスチャンスが多い、とも言える。ゆえに、「ITは民間が進めるべき」という認識が定着しているのだろう。しかし、だからといって政府の支援を全否定するというのも、ITに対する広い理解が不足しているのではないだろうか。

 ドイツのQセルズの躍進が示すように、ITをさらに進展させる上で障害となる規制があるのであれば、それは解消すべき課題だ。こうした取り組みは、政府でしか出来ないだろう。また、解析技術やデータ管理のような「後方支援や兵站の技術」は、情報に関する国家安全保障にも関わる問題であり、単純に事業化が困難だからといって頓挫させるべきではない。こうした支援の姿もあるだろう。こう考えると、世界のリーダーとして期待されている太陽電池の日本メーカーを失速させてしまった政策は残念でならない。

 ちょうど資本市場の潮目が変わり、リスクマネーの質も変化してきた。再出発は、自分たちの自立を守るために何が必要なのか、それはITという面では何なのか、という戦略を明確にすることから始まる。おそらく今後は、これまでのような「ITベンチャー礼賛」一辺倒の時代ではなくなるだろう。ならば、単に目の前のビジネスや利便性だけでなく、ITと国家の関わり方という深い議論を進めていくべき時期に入っているのではないだろうか。




2008年9月24日水曜日

三洋電、2010年度にも薄膜太陽電池を量産化=執行役員


出典:http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-33888820080923
 三洋電機(6764.T: 株価, ニュース, レポート)の前田哲宏・執行役員ソーラ
ー事業部長は23日、ロイターのインタビューに応じ、今後の主流として期待
される薄膜太陽電池について、2010年度にも量産化を目指す考えを明らか
にした。
 前田執行役員は、薄膜型への参入では、太陽光線を電気に変える変換効率が
「どれだけ早く10%を超えるかが勝負」としている。 

<薄膜型、HIT太陽電池でのノウハウ転用> 
 三洋電機は、変換効率が19.7%(量産段階)と業界最高水準の「HIT
太陽電池」を製造している。HIT太陽電池は面積当たりの発電量が大きいた
め、設置面積が限られる住宅の屋上などに向く。これに対し、薄膜太陽電池は
原材料であるポリシリコンの使用量を大幅に減らすことができるため、コスト
低減が見込めるが、変換効率は低い。このため、発電所など大規模な施設への
導入に適しているとされる。前田執行役員は、事業化に踏み切る目安は量産レ
ベルで変換効率10%を達成することとし、「2010年度に10%レベルを
量産できる水準に持っていきたい」と述べた。 
 薄膜太陽電池は、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)が、葛城工
場(奈良県)で生産し、2010年3月までに堺市で稼動させる新工場で大規
模な事業展開に乗り出すほか、事業化を進めたり研究開発に取り組む企業が国
内外に多数ある。前田氏は、HIT太陽電池から薄膜型へ転用できる技術があ
り、「ノウハウの蓄積が我々の優位性になる」と述べ、本格参入時に競争が激
化しても、他社との差別化は可能との認識を示した。 

<08年度は上期好調で業績上振れ> 
 前田執行役員は、2009年3月期における太陽電池事業の業績見通しにつ
いて、「利益は当初の計画に比べプラスが出ると思う」と述べた。同事業の0
9年3月期売上高見通しは前年比19.2%増の867億円で、利益見通しは
公表していない。足元の事業環境は、「上期は計画に比べ良かったが、下期は
厳しい」(前田氏)としている。上期は、4─6月期の売上高が前年同期比5
0%増で、7─9月期も好調を持続しているという。 
 下期は、1)ドイツとともに欧州市場をけん引してきたスペインで、政策的
な理由で市場規模が一時的に縮小、2)対ユーロの円高、3)原料ポリシリコ
ンの高止まり--といったマイナス要因がある。スペインでは、太陽電池で発
電した電力を電力会社が長期にわたり高値で買い取る「固定価格買取制度」の
適用容量を半年程度大幅に縮小するため、その余波で欧州での需給バランスが
緩む見通しだ。三洋電機は、上期での好調に加え、歩留まり向上や生産効率化
などにより、通期は計画対比での利益増を狙うとしている。 



出典:電気事業連合会の「メガソーラー発電と電気自動車の導入計画」の問題点:中川修治


出典:http://www.news.janjan.jp/business/0809/0809217763/1.php
2008/09/23
電力7社による電力の業界団体、電気事業連合会が怪しげな構想をぶち上げた。「電気自動車を1万台導入する」というのは、別に環境に良いことをしよう、などと言うのではない。メガソーラーにいたっては電力会社のやるべきこととは思えない。まず、現状、安く買い叩いている太陽光発電の購入価格を適正にすべきだ。

 何も知らない昔なら、「いやあ電力会社も良いことするのですね、方向を変えるんだ」と喜んだかもしれませんが、ちょっと事情が分かった今では、「人を馬鹿にするにも程があるだろう」と、呆れはててしまうような計画です。

 電気事業連合会(電事連)は電力7社による電力の業界団体です。この19日に行われた会長の定例記者会見で「メガソーラー発電と電気自動車の導入計画」というものを発表しました。ちなみに電事連は、2007年の米国大リーグ優勝決定戦で、日本向けのプルサーマル推進の「広告」を出していた団体です(関連記事)。

 「メガソーラー発電と電気自動車の導入計画」について、毎日新聞は
「電気事業連合会は19日、地球温暖化対策の一環として2020年度までの太陽光発電と電気自動車の導入計画を発表した。電力10社合計で太陽光の発電能力を14万キロワットに引き上げるほか、業務用車両として電気自動車を1万台導入するのが目標で、いずれも現状より30倍程度に増強するとしている。
 太陽光の発電能力は07年度末で4250キロワット。導入計画ではまず、09年度までに計4万キロワット程度のメガソーラー発電(太陽光で発電能力1000キロワット超)設備の建設に着手する。20年度に14万キロワット態勢にすることで、約4万世帯分の電気使用量を賄う。【谷川貴史】」(事連:太陽光発電と電気自動車を30倍に…環境計画)と報じました。

 一見、自然エネルギーへの取り組みとしては前向きに見えるのですが、内実は決してそうではないのです。

 もともとメガソーラーというのはドイツなどで施行されたFIT(固定価格買い取り制度)で「規模の経済が効く」と言う事で、大量に太陽電池を購入し広い場所で一気に発電所が造られたことで、目を引いたのです。何を勘違いしたのか、日本の経産省の某大臣(当時)が「私が命令して世界一のソーラー発電所を作らせようと考えている」と国会で発言したのを受けて、電力会社が「何かしてみせねば」ということで始まったのです。

 電力会社のやるメガソーラーは実にお高く資金効率が悪いのです(関連記事)。呆れたことに海外では規模の経済が効いて1kWh当たりの経済効率が小規模のものより良い筈のメガクラスのものが、日本では高くついているのです。

 「電力会社がやるべきプロジェクトではないのでは? 大牟田メガソーラー」で紹介した、大牟田のプロジェクトでは1kWあたり83万円ですから、一般家庭用に比べれば20万円は高いので、発電原価もそれだけ高くなります。

 一般家庭用なら45円/kWh程度のものが、60円/kWh程度になる訳です。そして、これが回り回ってみなさんが支払っている電力料金に反映されるのです。良く電力会社が「自分たちの負担で」と言いますが、つまり、それは全ての電力需要家が支払う電気料金によるのだ、と言う事なのです。

 ならば、太陽光発電を一般の方々にやってもらって、その方々にまともな発電原価45円/kWhを支払う方が、電気料金に反映される原価も安いので、電気料金もリーズナブルな価格となる、ということになります。

 現在はそのまともな発電原価すら支払わず、たったの25円程度しか支払っていないのですから、お話にもなりません。まず、こうした阿呆なメガソーラーなどと言うものに金をかけるぐらいならまず、まっとうな電気代をこれまでに設置されている太陽光発電事業者に支払うべきでしょう。

 さて、次に電気自動車の導入についてみてみましょう。これは、原子力によってあまってしまう夜間電力の需要を増やしたい、と言う事でしょう。原子力発電は、ほかの発電と比べてオン・オフが容易ではないので、世の中の電力消費量が減る夜間にも発電を続けます。夜間は今でも、どうしても電力供給があまってしまい、各電力会社は何としても夜、電気を使って欲しいのです。

 何しろ「原子力立国」という、経産省・資源エネ庁の官僚の天下り先を確保するためにも必要とされている、国策の原子力推進の方針でさらに原子力の比率が上がると、揚水発電やオール電化やエコキュートなどでは吸収できないとんでもない夜間電力の余剰が、さらに発生するのです。

 これは如何ともしがたいのです。自由化の進む欧州みたいに、買ってくれるならダンピングしてでも買ってくれと言えば、夜間に火力発電所を休止したい国々は買うでしょうけど、島国の日本では国内で余った電力は海外に売れませんから、全部、国内で消化しないといけなくなる。

 で、「電気自動車にしてしまえば」ということなのでしょう。見掛け上、ガソリンとかの化石燃料の高騰と環境問題が追い風になっているから、この機会に国からの補助金という形での予算も出るだろうし、これ幸いとこの構想をぶち上げたと言うところでしょう。

 これは、別に環境に良いことをしよう、などと言うのではない訳です。そこを私たちは読み違えないようにしなければなりません。


太陽電池の夜明け 【第2回】変換効率向上が鍵


表1 主な太陽電池方式 *A)GaInP/GaAs/Geという3接合時。


出典:http://eetimes.jp/article/21091/
(2008/09/22公開)
畑陽一郎:EE Times Japan
 FIT制度をうまく利用し、太陽電池の普及を進めるには大きく分けて2つの手法がある。まずは大面積/低コストの太陽光発電機器を量産することだ。

 もう1つは太陽電池の変換効率、すなわち単位面積当たりの発電量を増やす努力を重ねることである。FIT制度においても、農耕地など有効利用できる土地のタリフは小さく、住宅の屋根などほかの利用形態が見つからない土地のタリフは大きく設定されている。個人住宅の所有者にとって、屋根の面積は貴重な資産だ。太陽電池は屋根の面積を電力(金銭)に変える装置と考えられる。

 変換効率が高ければ高いほど、より小さい面積で大きな電力が得られる。このように考えると、「他社製品に比べて変換効率が1/2でも、その製造コストが1/2なら十分競争できる」という考えは通用しにくいことが分かる。「変換効率が太陽電池の命だ。その点は、日本の一般住宅向けにしても、FIT向けにしても同じだ」(三洋電機の脇坂氏)。「大面積製造を売り物にした装置があるが、高い変換効率を実現するために必要な多層膜構造を量産できるのか疑問だ」(シャープの濱野氏)。

変換効率を上げる
 このように太陽電池が火力発電と競合するには、製造コストを下げると同時に、変換効率の向上が避けて通れない。

 変換効率を上げる手法は様々だ。手法は大きく分けて2つある。(1)変換効率の高い材料や構造を開発すること、(2)多接合(タンデム)を形成することで光を有効利用すること、である。

 太陽電池は、材料となる半導体のバンド・ギャップよりもエネルギーが高い(波長の短い)光子を吸収し、電子と正孔の対を生成することで電流を取り出す装置だ。従って、太陽光スペクトルに合致したバンド・ギャップを持つ材料を利用することが前提となる(表1)。単一の化合物では現時点で最も適した材料が、単結晶SiとGaAs(ガリウム・ヒ素)、CdTe(カドミウム・テルル)だ。理論変換効率はいずれも25%を超える。CdTeはCd(カドミウム)、GaAsはAs(ヒ素)という毒性のある元素を使うことなどが理由で、あまり使われていない。現在はSiを使う太陽電池が全生産量の95%を占める。残りの5%弱を占めるのは、First Solar社が採用しているCdTeだ。
Siを利用する場合、変換効率だけを考えると単結晶Siが望ましい。しかし、単結晶Siの製造コストがかさむ。このため単結晶Siを採用した太陽電池は、2007年に全生産量の4割を下回った。

 一方、多結晶Siの弱点は変換効率が単結晶Siよりも低いことだ。結晶界面で一部の電子と正孔の対が失われることによる。単結晶Siの25%に対し、試作レベルでは最高変換効率が18.5%(京セラの150mm角セルの場合)、商品では16.5%(同)である。

 多結晶Siの変換効率向上のペースは鈍ってきており、20%が1つの山だと考えられている。「多結晶Siは今後、変換効率20%を達成できたときに大型投資を実施する。20%以下の時点で投資するのは意味がない」(シャープの濱野氏)。

 三洋電機の太陽電池は、単結晶Siとも多結晶Siとも異なる独自のHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)構造を採る。n型の単結晶Si基板上に、プラズマCVDを用いてアモルファスSiからなるi層とp層を形成する。i層は電子と正孔の対が界面で再結合することを防ぐ役目を担う。

 HITではp層とn層の間に不純物を含まないi層を形成することで、22.3%の変換効率を達成したとする(100 mm角セルの場合)*5)。2010年には研究レベルで23 %、量産レベルで22%という目標を掲げる。

 そのための手法として、単結晶Si界面の清浄化と、光閉じ込め技術の最適化を進める。HITでは単結晶Si上にアモルファスSi層を成膜する。原子の配列が異なるため、どうしても汚れや欠陥が発生し、電子と正孔の対が失われる。これを低減する。HITでは、i層を追加したことだけでなく、n層表面に製造時に形成される、すきまなく並ぶ直径10μm程度の円すい状の構造を利用する。垂直に入射した光が、n層で斜めに長距離移動すること、n層に入った光が内部で反射したとしても再度乱反射することを利用する。

 「円すいの頂上には膜が付きにくく、すそ野には成膜中の余分な材料が残留しやすい。これを防ぐようプロセス技術を改良する。円すい頂点の角度にも工夫の余地がある」(三洋電機の脇坂氏)。

【注釈】
*5)温度特性が良いこともHITの長所だとする。太陽電池の変換効率は国際基準(STC、JIS)に従って表面温度25℃で測定する。しかしながら、屋根に設置した太陽電池の表面温度は70℃を容易に超える。温度が上がることでバンド・ギャップが変化し、多結晶Siでは変換効率が2割低下する。「HITは70℃でも1割しか変換効率が低下しない」(三洋電機の脇坂氏)。

多接合で60%を目指す

 太陽電池では、半導体のバンド・ギャプよりも低いエネルギーを持つ光子(波長の長い光子)は全く利用できない。例えばGaAsでは867nm、Siでは1117nmが限界になる。

 従って性質の異なるごく薄いpn接合を複数層重ねる多接合が役立つ。最上位にバンド・ギャップが大きく短波長を受ける層、次にそれよりもバンド・ギャップが小さく長波長側を受ける層というように積層すれば、単位面積当たりの変換効率を上げられる。アモルファスSiだけであっても、バンド・ギャップを調整することで多接合化は可能だ。「現時点でもコストを度外視すれば、変換効率40%を実現できる。この値は、太陽電池自動車が実現できるほど高い変換効率だ」(シャープで技術担当取締役専務執行役員を務める太田賢司氏)(図3)。

図3 ソーラー・カー「アポロンディーヌ号」
シャープが製造した変換効率17%の単結晶Si太陽電池セル(出力480W)と水素燃料電池を組み合わせた。走行距離4004kmとなるオーストラリア大陸横断に成功した車体。全長4000mm、重量220kg。玉川大学が製造した。

低コスト化を進める

 低コスト化を進めるには、(1)Si原料の安定調達、(2)Si以外の材料の採用、(3)使用するSi材料の低減、という3つの手法がある。

 日本企業では、京セラが(1)の手法を採った。同社は2007年にSi材料メーカーと多年度にわたる長期供給契約を結んだ。一方で、「長期契約は材料のコストを下げられず、例えばFIT制度に追従できないと判断した。当社は多結晶Siの長期契約を一切止めた」(シャープの濱野氏)というメーカーもある。

 (2)のSi以外の材料では、化合物系として実用化されているCIS(銅インジウム・セレン)やCIGS(銅インジウム・ガリウム・セレン)が有力である。いずれも光吸収層の膜厚は数μmであるため、希少なIn(インジウム)の使用量も「同サイズの液晶パネルの電極に使われる量よりも少ない」(産業技術総合研究所太陽光発電研究センターの化合物薄膜チーム研究員である石塚尚吾氏)。

 CIGS系材料を使った太陽電池は、ホンダが量産を開始している。「2007年12月から一般住宅向けに出荷を開始し、現在までに200件を受注した」(本田技研工業の汎用事業本部ソーラーシステム事業企画室で室長営業主幹を務める古川潤一郎氏)(図4)。

図4 ホンダのCIGS系太陽電池モジュール
本田技研工業の子会社であるホンダエンジニアリングが太陽電池セルを製造し、ホンダソルテックがセルを組み合わせたモジュール製造と販売を手掛ける。変換効率は12%である。

CIS系材料を使った太陽電池は、昭和シェル石油と昭和シェルソーラーが、成膜装置メーカーであるアルバックと共同で、2008年7月に量産技術の共同開発を開始した。CIS太陽電池の現在の年産規模は20MWであり、2009年には80MW、2011年には1000MWを目指すとした。ただし、昭和シェル石油の発表は、他社には意外感があるようだ。「発表が唐突であり、量産規模もコメントできないくらい多いと感じる」(三洋電機の脇坂氏)。

 一方、上記(3)に挙げたSi材料の低減手法は、さらに2つに分かれる。多結晶Siの基板厚を薄くする方法と、薄膜化を進める方法である。

 基板厚の論理は単純だ。Si基板を薄くできれば、部材コストを下げられる。「現在のウエハー厚は180μm。これを薄くすればコスト・ダウンになる。実験室レベルでは50μm厚も可能だが、まだ量産できない。次は160 μmがめどになる」(シャープの濱野氏)。

 薄膜化はメーカーによって判断が分かれた。製造コスト自体は多結晶Siよりも薄膜系が下回る。Si利用量自体が薄膜化によって1/100に抑えられるからだ。ただし、成膜装置に多額の投資が必要になる。

 このため京セラとシャープ、三洋電機では判断が分かれた。京セラは従来の多結晶Si以外の薄膜Siの計画について何も明らかにしていない。これに対して三洋電機は、現在のHITを継続しながらも、岐阜県にある同社の先進太陽光開発センターで2008年4月に実証研究を開始しており、薄膜Si系ビジネスに参入するとした。一方のシャープは、現在多結晶Siと薄膜系を両立させてはいるが、多結晶Siが中心である。しかし、2010年4月に稼働を開始する堺工場では薄膜Siを量産する。




太陽光発電のエコ灯ろう点灯 丹波・立杭陶の郷 


ソーラーパネルで明かりがともされた灯ろう=丹波市、丹波伝統工芸公園 立杭陶の郷


出典:http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/0001466810.shtml
十月に開催される「第三十一回丹波焼陶器まつり」をPRしようと、篠山市今田町上立杭の丹波伝統工芸公園「立杭陶(すえ)の郷」で二十日夕、灯ろうの点灯が始まった。今年の祭りのテーマは「エコ」。窯元が手作りした三百基に、ソーラーパネルを使って発電した明かりがともされた。

 陶器まつりは十月十八-十九日、同公園や市今田支所、兵庫陶芸美術館などで開催。陶器でエコを体感しようと、軽食や地酒を楽しむ出店コーナーでは窯元が手作りした小皿などをリサイクル容器として使い、割りばしは回収する。

 同公園の入り口付近に並べられた灯ろうは、カラスをかたどったものや真っ白なものなど、参加した五十三窯元の個性が光る。夕暮れとともに発光ダイオードの明かりがともされ、灯ろうから暖かなオレンジ色が漏れた。

 実行委員会の市野達也さん(45)は「明かりを通じて少しでもエコの意識を高めたい。陶の郷の新名所として定着してほしい」と話している。点灯は毎日午後五時半から。まつり終了後も継続して行う。(上田勇紀)

(9/21 11:00)



ソーラータクシー 世界を行く


アメリカのメディアがソーラータクシーを取り巻く (swissinfo)


電事連:太陽光発電と電気自動車を30倍に…環境計画


出典:http://mainichi.jp/select/science/news/20080920k0000m020098000c.html
 電気事業連合会は19日、地球温暖化対策の一環として2020年度ま
での太陽光発電と電気自動車の導入計画を発表した。電力10社合計で太
陽光の発電能力を14万キロワットに引き上げるほか、業務用車両として
電気自動車を1万台導入するのが目標で、いずれも現状より30倍程度に
増強するとしている。
 太陽光の発電能力は07年度末で4250キロワット。導入計画ではま
ず、09年度までに計4万キロワット程度のメガソーラー発電(太陽光で
発電能力1000キロワット超)設備の建設に着手する。20年度に14
万キロワット態勢にすることで、約4万世帯分の電気使用量を賄う。

太陽光発電4万軒分、電気自動車1万台…電力10社が導入へ
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080919-OYT1T00603.htm?from=navr
 東京電力や関西電力など電力10社は2020年度までに、太陽光発電
を約30か所で計14万キロ・ワット導入する計画を発表した。
 これにより、住宅約4万軒が1年で使う電力量をまかない、二酸化炭素
(CO2)を年間約7万トン減らせるという。すでに関電や九州電力など
が09年度までに、計4万キロ・ワットの大規模な太陽光発電設備の建設
に着手することを決めている。
 これとは別に、電気自動車を計1万台導入する。電力各社の業務用車両
約2万台のうち、電気自動車は約300台にとどまっている。CO2排出
量はガソリン車の4分の1程度で済むため、業務用の半分を電気自動車と
する計画だ。
 発電や設備のコスト高などのため、電力各社の太陽光発電の導入実績は
4250キロ・ワットにとどまる。

メガソーラー発電と電気自動車の導入計画/今夏の電力需要について
http://www.fepc.or.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2008/09/19/kaiken09.pdf



Squeezing Juice from the Sun: Tapping Solar Energy Could Provide Limitless Power


出典:http://www.innovationsreport.de/html/berichte/energie_elektrotechnik/squeezing_juice_sun_tapping_solar_energy_provide_118645.html
nächste Meldung 22.09.2008
The biggest energy bang for the buck comes from sunlight, says Binghamton University researcher Seshu Desu. And together with his research team, he’s hoping to tap into that immense supply of renewable energy and make it easily accessible as a flexible, large-area and low-cost, power source.

Focusing on creating autonomous power systems based on flexible thin-film solar cells, Desu is hoping to increase efficiency through novel design and restructuring of the cell itself.

“We’re attacking both sides of the problem: We want an integrated system that can generate power with solar cells and store that power more efficiently and at a lower cost,” said Desu, dean of Binghamton University’s Thomas J. Watson School of Engineering and Applied Science, and the head of the research team tackling how to harness the sun’s energy potential.

Although the typical generation efficiency of these solar cells today is about 10 percent, Desu says that the developing field of nanotechnology can help achieve this goal. When materials are structured into much smaller dimensions as nanoparticles, it increases the number of surfaces. This, in turn, increases the capacity to interact with the environment without increasing the size of the basic unit. Materials also have other unexpected and often beneficial properties when their sizes are reduced to nano levels. Desu’s research will take advantage of these as yet unknown properties in constructing the next generation of thin-film solar cells, in which nanoparticles cover a large surface area to maximize generation efficiency, reduce the cost and increase reliability.

“The solar energy we could access in one day could support the electricity needs of the Earth for a year at the present rate of consumption,” Desu added. “By 2015, solar cells as power sources could be a huge industry.

The other side of the coin in developing lower cost power sources using solar cells is that the energy that is produced must be stored efficiently and still provide ready, reliable access for several years. Desu compares marathon runners and sprinters to explain the current state of energy storage devices.

“Batteries are marathoners — they have high energy density but low power density,” he explained. “Capacitors are the opposite because they can supply high levels of power quickly, such as when you turn on your laptop computer.”

The problem with energy-dense batteries is their size and lifetime, whereas lightning-fast capacitors run down quickly. The solution is to combine the best qualities of both into a supercapacitor, Desu said.

“Potential for solar energy utilization can be maximized when the solar cells are integrated with high-efficient energy storage supercapacitor devices that could accommodate the accelerated power needs. We were able to produce supercapacitors with significantly high energy and power densities with extremely long cycle lifetimes using the advantages of nanostructuring as well as thin-film nanocomposite materials,” he said. “To achieve high-energy density and prevent self-discharge through open circuit reactions, we developed inorganic and organic solid-state electrolytes as gels or membranes with ionic conductors that are biologically derived.”

Integrated solar-cell supercapacitor structures as autonomous power sources are also being investigated, Desu added. And the direct applications of the autonomous power system based on solar cells are found everywhere, not just in computers or electronic gadgets.

“Research should ultimately transfer scientific innovations into useful products and processes that would benefit society. It’s not just curiosity,” he said.

In addition to flexible, large-area autonomous power sources, there is a growing need for highly efficient large-area lighting. For that latter purpose, some members of Desu’s group are developing ZnObased light-emitting diodes (LED). His group has also been developing flexible thin film medical sensing devices. Desu suggests that due to their flexibility and precision detection capacity, these sensing devices could be built into the environment. For example, if built into the walls of a shower stall, the devices would remain unobtrusive yet provide accurate monitoring of potential health threats.

“The future exists in latent form in the present and if we can identify dangerous conditions, such as cancer growth, in their latent phase, intervention is easy and less costly,” says Desu. “We’re trying to migrate flexible electronics into that area of application. In effect, our cars are better monitored than our bodies are.”

Gail Glover | Quelle: Newswise Science News
Weitere Informationen: www.binghamton.edu



携帯電話の業界団体「GSMA」,基地局への再生可能エネルギー導入を支援


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080919/158235/
2008/09/19 17:36
 携帯電話方式GSMの普及促進を目指す業界団体GSM Association(GSMA)は,現地時間2008年9月18日にケニアで自家発電の必要な携帯電話用基地局に対して再生可能エネルギーの利用を推進する取り組み「Green Power for Mobile」を発表した。太陽や風力,継続利用可能なバイオ燃料などを発電に使うことで,ディーゼル燃料の節約と二酸化炭素(CO2)の排出削減を図る。GSMAによると,電力網に接続されていないために自家発電を必要とする基地局のうち,現時点で再利用可能エネルギーを使っているところは全世界に1500局しかないという。Green Power for Mobile活動は,途上国にある自家発電の必要な基地局を対象に,2012年までに最大50%,11万8000局で再利用可能エネルギーの利用実現を目指す。目標が達成できれば,1年間にディーゼル燃料の消費を最大25億リットル,CO2の排出を最大630万トン減らせると見込む。活動には,インドBharti Airtel,米Dialog,インドIdea Cellular,フランスOrange,スペインTelefonica,ロシアVimpelComなどの携帯電話キャリア25社が参加している。これまでに,太平洋の島国バヌアツで17局に太陽/風力発電エネルギーを供給し,インドで350局以上に使用済み調理油20%とディーゼル燃料80%の混合燃料を導入した。
[発表資料へ]

2008年9月19日金曜日

アウトドア向け調理器具「真空力」を発売


【写真説明】太陽熱を利用した調理器具「真空力」


出典:http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200809190081.html
プラント機器製造の寺田鉄工所(福山市)は、太陽光から熱エネルギーを集める真空二重ガラス管を応用したアウトドア向け調理器具「真空力」を発売した。焼き鳥を焼いたり湯を沸かしたりできる。魔法瓶の構造と似た二重ガラスの真空管を試験管のような形に加工した。真空管は長さ30センチ、内径3.3センチ。集熱効率を高める反射板も付け、内部の温度は200度まで上がる。器具の重量は1.2キロ。ゴム栓に付けたくしに肉や野菜を刺して真空管に入れておくと、集めた熱で蒸し焼きにできる。快晴時なら1―2時間で焼き上がる。水は250ミリリットル分が入り、2―3時間で沸騰するという。器具は4800円。自社のホームページで注文を受け付ける。

12歳の少年、画期的な3次元型太陽電池を考案:紫外線も吸収可能



出典:
2008年9月19日Chris Radcliff
オレゴン州ポートランドに住む7年生[日本の中学1年生にあたる]のWilliam Yuan君が、可視光線だけでなく紫外線も吸収する3次元構造の太陽電池を考案した。紫外線と可視光線の両方に対応すれば、発電効率が大きく向上する可能性がある。William君は、このプロジェクトによって2万5000ドルの奨学金を獲得し、その授与式のために米国議会図書館に招待された。この奨学金は、通常は大学院生レベルの研究に対して与えられるものだ。[『Beaverton Valley Times』紙の記事によると、この奨学金はDavidson Institute for Talent Developmentという団体の主催によるもので、今年の受賞者は全部で20人。Yuan君は科学部門では史上最も若い受賞者という。以下は同記事からの引用]「今の太陽電池は、平面状で、可視光線しか吸収できないのですが、僕が発案した太陽電池なら、可視光線だけでなく紫外線も吸収することができます。僕のプロジェクトのメインテーマは、光の吸収率と効率性をさらに高めるために最適な太陽電池を突き止めること、光から電気への変換を効率よくできるナノチューブを設計することです」と、William君は語った。今だから言うが、私も12歳のときにまったく同じようなことを考えていたのだが、うまくいかなかった。何せ、ペーパー・タオルのロールの表面にマーカーで「太陽光線」と書いて、それを使って『G.I. Joe』の人形を溶かそうとしただけだったからだ。まあ、そんな話はさておき、William、君の研究は実に見事だ![報道によると、Yuan君は環境問題やエネルギー問題に関心があり、問題を解決する手段のひとつとして、2年前から研究を続けているという。研究にあたっては、ポートランド州立大学やカリフォルニア州立大学バークレー校などの研究者からも支援を受けている。奨学金に応募したのは、さらに年長になってから応募するための「テスト」のつもりであり、本当に合格するとは思っていなかったという]
[日本語版:ガリレオ-佐藤 卓/長谷 睦]
WIRED NEWS 原文(English)

京セラが太陽電池の生産量を引き上げ,2010年度に550MW,2011年度に650MW


2008年9月18日木曜日

GoogleとGE,クリーン・エネルギーの推進に向けた取り組みで協力


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080918/158179/?ref=ML
2008/09/18 12:30
 米Googleと米General Electric(GE)は米国時間2008年9月17日,クリーン・エネルギーの推進に向けた取り組みを協力して進めていくことを明らかにした。GEが専門とする電気技術と,Googleが専門とするIT技術を生かして,政策面と技術面の両面から活動を進めるという。政策面では,新時代にふさわしい発電設備や送配電網の整備を目標として,米政府に向けた提言や働きかけを行う。再生可能エネルギーの大規模な利用が可能となるインフラを整え,電気の効率よい使用とCO2排出量の削減を目指す。技術面では,再生可能エネルギー技術の開発や,電気自動車の普及に向けた活動を進める。まずは,地熱発電の新技術「Enhanced Geothermal Systems(EGS)」や,家庭で充電できるプラグイン式の電気自動車に関する技術に力を入れる。Googleはこれまでも,環境保護に関連する取り組みや投資を行ってきた。地熱発電やプラグイン電気自動車の普及に関する投資も既に行っている(関連記事:Google.org,地熱発電の新技術開発に1000万ドル強を投資,Google,プラグイン・ハイブリッドカー普及促進に1000万ドル超出資へ)。

住友化学、2010年に有機薄膜太陽電池を事業化


出典:http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720080919cbaq.html
 住友化学は2010年に、シリコンを使わない次世代の太陽電池「有機薄膜
太陽電池」を事業化する。すでに有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)の
材料技術を応用し、エネルギー変換効率5―6%の同電池を開発済み。この効
率を材料の改良などにより高め、2010年には実用化の指標となる同10%
の製品を市場投入する方針。
 同社は「年内にも変換効率10%のテストセル(試作品)を開発する」(中
江清彦取締役)考え。その後、寿命が実用化に耐えうるか試験し、ユーザーの
評価などを経て2010年に製品化する。
 有機薄膜太陽電池は、シリコンを使用する太陽電池に比べ、薄く低コストに
生産できる。材料は電気を流すことができる高分子材料を用いる。この材料は
有機ELの発光材料と構造が類似しており、大手化学メーカーが研究開発を積
極的に進めている。



九州電、来年度に追尾式太陽光発電の実証実験に着手


出典:http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720080919caad.html
 【福岡】九州電力は09年度に、太陽の位置に応じてパネルの向きが変わる
「追尾式」太陽光発電の実証実験に着手する。固定式太陽光発電に比べて発電
量が「1―2割増える」(同社)高効率性が特徴。国内の電力事業者では初の
試みと見られ、発電効率やコスト面などで優位性が確認できれば、同社が開発
を計画するメガソーラー発電などへの導入を検討する。
 太陽光発電は発電時に二酸化炭素(CO2)が発生しないためクリーン発電
として位置づけられている。
 だが夜間は稼働せず、朝や夕方は発電パネルに太陽光が斜めから当たって発
電量が少ないため、発電効率は10%強しかない。
 発電パネルの角度が変わる追尾式は太陽光を真正面から受ける時間が増え、
高効率性が確保できる。ただ、パネルの角度を変える装置の導入費などコスト
も上がるのが課題となっている。
 実証実験の場所は同社総合研究所(福岡市南区)などを候補に検討を進めて
いる。



積水化学、太陽光発電システム採用住宅25%増


出典:http://www.s-housing.jp/modules/news/article.php?storyid=5869
 積水化学工業は4月26日から8月31日まで開催した「おひさまハイムキャンペーン」の結果を発表した。受注棟数は前年同期比6%増、期間中を含んだ4月から8月の太陽光発電システム採用数は2500棟と前年同期比25%増だった。発電容量も昨年の4.13kWから4.22kWと伸びた。

太陽光発電などに巨額補助・民生対策の決定打模索する霞ヶ関


出典:http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/torii/34/

業務部門に次いで増加率が高い家庭部門の二酸化炭素(CO2)排出について、政策レベルで積極策が検討されている。2008年8月25日の日本経済新聞夕刊では「ITでエアコン制御、家庭にも省電力技術、総務省、官民で開発へ」として、外気温に連動してエアコンの設定温度を自動調整するアイデアが掲載されている。

 また、来年度予算の概算要求が出揃うなか、2008年8月22日の日経新聞朝刊などが、住宅用太陽光発電システムの導入費用補助やカーボンフットプリント導入を経済産業省の温暖化対策として紹介している。

 冒頭に紹介したニュースには続きがあり、「将来的には家庭での電力消費を外部から調整可能にする」という。家庭部門でのCO2削減は喫緊の課題であるが、市民の自由を制限することにもなりかねない施策だけに慎重な検討が必要とされる。

電気を使う自由が奪われる? 「ITでエアコン制御、家庭にも省電力技術、総務省、官民で開発へ」という見出しの記事が、2008年8月25日の日本経済新聞夕刊に掲載された。気温などを測るセンサーを家庭に設置し、これと家電製品を連動させて「外気が涼しくなると自動的にエアコンの設定温度が上昇する」といった機能を持たせるという。ここまでであれば何の変哲もない記事で、技術的にも挑戦的とは言いにくい。

 しかし、この記事は、見方を変えれば「革命的」とも言える内容を含んでいる。「将来はインターネットで家庭と電力会社、公共機関などを接続。電力需要が逼迫する真夏などに、外部から電力量を調整できるようにする」と、記事は続く。エアコンの設定温度や、いつテレビを見るかは、電力料金を負担しさえすれば、本来は個人の自由のはず。「環境問題を理由に、その自由を制限する」とも読めてしまう。

 環境省の環境統計集をひもとくと、2005年度の家庭部門からの二酸化炭素(CO2)排出量は約1億7430万tで、1990年の1億2750万tに比べて36.7%の増加となっている。主要なエネルギー消費部門のなかで1990年比の増加率を見ると、オフィスや店舗などの業務部門が44.6%増と最も高いが、家庭部門はそれに次ぐ増加率となっている。日本がCO2の排出削減で、京都議定書で定めた国際約束を果たすには、家庭の省エネを進めることが重要な課題の一つというわけだ。

来年度予算の目玉は太陽光発電 各省庁による来年度予算要求(概算要求)が締め切られ、それぞれ来年度の施策が出揃った。そのなかから家庭向けの施策をピックアップしてみよう。施策の第一は、国による補助である。2008年8月22日の日経新聞朝刊、8月26日の朝日新聞朝刊などが、経済産業省の施策を報じている。これらの報道によると、住宅用太陽光発電システムの導入費用補助や家庭用燃料電池コージェネレーション・システムの導入補助などが家庭用施策の目玉になっている。

 家庭での太陽電池利用については、1994年度から2005年度まで、国による補助が行われてきた経緯がある。当時の政策意図には二つの側面があり、一つは太陽電池の普及、もう一つは普及に伴う量産化で製造コストを下げることだった。この結果、制度の導入当初は、1kWあたり90万円程度だった太陽電池の価格は、2005年には20万円以下になった。補助制度を終了したのは、政策目的が達成されたと判断したからである。

 太陽電池に対する補助が再び具体化し始めたのは今年6月ごろ。2008年6月5日の日経新聞朝刊は、自民党の「日本の活力創造特命委員会」が太陽光発電の年間導入量を2010年までに10倍の規模にすることを求めたと報じている。さらに、福田康夫首相が6月9日に発表した温暖化対策に関する、いわゆる「福田ビジョン」は、「太陽光発電世界一の座を奪還するため、導入量を2020年までに現状の10倍、2030年には40倍に引き上げる」という目標を掲げた(2008年6月10日日経新聞朝刊)。経産省の施策はこれらを受けたもので、238億円の来年度予算を要求している。

 一方、燃料電池コージェネレーション・システムの導入補助は、東京ガスなどが来年度から家庭用燃料電池の販売に乗り出すのを支援するという意味合いがある。量産しても1基当たり200万~250万円と高額で、普及には補助が必要との判断から,約70億円を予算要求している。

 そのほか、エネルギー統計上は「運輸部門」の省エネとされるために、家庭向けに分類すべきか迷うところだが、経産省の施策としてクリーンディーゼル車の購入補助がある。

 また、こちらは果たして、省エネが主たる政策目的であるかどうか不明だが、2008年8月16日の日経新聞朝刊が、「省エネ性能の高い住宅や長期間住める200年住宅、2世帯住宅などを対象に税金の優遇策を新設する」という、国土交通省の住宅ローン減税政策を紹介している。住宅ローンについて、借入額2000万円分を上限に6年目まで借入額の1%、それ以降10年目までは0.5%を、所得税から差し引くのが現行の住宅ローン減税だが、今年度でこの制度の期限が切れることから、国交省は、省エネ住宅などを控除対象とする新たな制度を導入するという。
各省庁が導入狙う「カーボンフットプリント」 政府の施策のもう一つの柱が、カーボンフットプリント(温室効果ガスの排出量表示)である。2008年5月8日の日経新聞朝刊は、「消費者が店頭で買う商品をつくる過程で排出した温室効果ガスの量を商品ごとに表示する制度の普及に向け、経産省と民間企業が取り組みを始める」と報じた。すでに引用した2008年8月22日の日経新聞朝刊でも、これを経産省の主な地球環境対策の一つとして取り上げている。

 経済省の取り組み以外でも、2008年5月14日の日経新聞朝刊では、「農産物もCO2排出量表示、農水省、仕組み検討」という農林水産省の取り組みを紹介している。さらに、2008年7月2日の朝日新聞朝刊によると、環境省は上下水道などの公共サービスや公共交通機関による移動、宅配便の利用、ホテル宿泊などのさまざまなサービスについて、CO2などの温室効果ガスの排出量の「見える化」を進めるために、有識者による戦略会議を設置したという。これら農水省や環境省の施策が、来年度の予算として実現するかは不明だが、カーボンフットプリントがこれらの分野にも普及するのは時間の問題であろう。

 家庭の省エネが極めて重要な課題であるにも関わらず、家庭に大きな影響を与える政策手段となると、実は、はなはだ心細い。ある程度、実効を期待できる施策は、省エネ機器の導入に対する補助金や税制優遇ぐらいである。そのほかとなれば、カーボンフットプリントや「冷房の温度は28℃にしましょう」といった呼びかけ程度しかない。

 買い換えの予定があれば、補助の出る省エネ型の家電製品などを選ぶことを期待できるが、補助金があるからといって、新たな買い換え需要が喚起されるとは考えにくい。消費者の意識が高まってきたとはいえ、呼びかけやカーボンフットプリントで、統計上、意味があるほどの効果を生むのは、なかなか難しいと言わざるを得ない。

 このような視点から、冒頭に紹介した総務省の「ITでエアコン制御、家庭にも省電力技術、総務省、官民で開発へ」という施策は、真の意味で革命的である。しかし、家庭に対するこのような強制策が人々に受け入れられるかは、大いに疑問である。言い過ぎとの批判を覚悟でいえば、自由主義を謳歌した結果としての地球的な危機を回避するには、自由という快適さも犠牲にせざるを得ないのかもしれない。


鳥井 弘之 氏 (とりい ひろゆき)
NPOテクノ未来塾理事長、科学技術振興機構JST事業主幹

1942年東京都生まれ。1969年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。1969年日本経済新聞社入社、1987年より論説委員を務め、2002年日本経済新聞社退社。2002年から2008年3月まで東京工業大学原子炉工学研究所教授。また、科学技術・学術審議会臨時委員などを務める。

主な著書に『原子力の未来―持続可能な発展への構想』(日本経済新聞社)、『科学技術文明再生論─社会との共進化関係を取り戻せ』(日本経済新聞社)、『どう見る、どう考える、放射性廃棄物』(エネルギーフォーラム)、共著に『「原発ごみ」はどこへ』(エネルギーフォーラム)などがある。



低炭素化をめざす環境税制改革-2/電源開発促進税をどう使う?/低炭素時代にあう見直しを


出典:http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/ueta/29/index.shtml
2008年9月1日(月)公開エネルギー節約を目的としない電源開発促進税 エネルギー税は、環境税の次善的性格をもつといわれる。しかし、環境税とは機能的にかなり異なるエネルギー税もある。例えば、電源開発促進税だ。環境問題や省エネルギーに関心のある人は、エネルギー税というとエネルギー消費に対して課税することでエネルギーの節約を促す税だと考える向きが多いだろうが、電源開発促進税はそうした節約を促すエネルギー税とは似て非なるものである。

 電源開発促進税の課税標準は、一般電気事業者の販売電気量なので、原理的には省電気を促す効果が想定できないわけではない。ただ、電源開発促進税の税率が、販売電気1000kW時につき375円と低率であることに加えて、そもそも電源開発促進税の課税は、省電気を促すことを目的にしているわけではない。

 電源開発促進税は1974年6月6日に制定された電源開発促進税法に基づいている。同法第1章第1条(課税目的及び課税物件)には、課税の目的が以下のように明確に述べられている。

 「原子力発電施設、水力発電施設、地熱発電施設等の設置の促進及び運転の円滑化を図る等のための財政上の措置並びにこれらの発電施設の利用の促進及び安全の確保並びにこれらの発電施設による電気の供給の円滑化を図る等のための措置に要する費用に充てるため、一般電気事業者の販売電気には、この法律により、電源開発促進税を課する」

 この条文には、どこにも「エネルギーの節約」や「省電気」という文言は出てこない。条文から明らかなように、電源開発促進税の課税目的は、発電施設の設置の促進、運転の円滑化、電気供給の円滑化などに要する費用に充てる財源の調達にある。一言でいえば、税の名前そのもの、すなわち電源開発を促進するために必要な財源を調達する税である。

「補償」の制度化? 電源開発促進税は、いわゆる電源三法の一翼を担う税である。この電源三法は、1974年第72国会で制定され、同年10月から施行された。資源エネルギー庁の説明によれば、電源三法とは「電源開発促進税法」「電源開発促進対策特別会計法」「発電用施設周辺地域整備法」を総称するものであり、三つの法律の名前をつなぎあわせれば類推できる通り、電源開発促進税による税収を電源開発促進対策特別会計に入れて管理し、発電用設備周辺地域整備に使うという枠組みである。すなわち、これら三つの法律を軸に、(1)電源地域の振興、(2)電源立地に対する国民的理解及び協力の増進、(3)安全性確保及び環境保全にかかる地元理解の増進など、電源立地の円滑化を図るための施策が行われている。

 電源三法が1974年に制定されていることからも明らかなように、石油ショックによってエネルギー危機が顕在化するなかで、危機に緊急に対処するために制定されたのである。当時の田中角栄内閣が、石油代替エネルギー源開発を国家的課題と位置づけ、電源立地促進システムとして構築した制度である。法制定以後、何度か制度が改変されているが、基本的骨格は変わっていない。電源開発のためのこうした制度は、国際的にもユニークな制度だと思うが、台湾や韓国では日本の制度を参考に類似のシステムを制度化している。

 電源開発促進税によって調達した財源で、発電用施設周辺の地域を整備するという電源三法の方式は、電源開発に伴う発電用施設周辺地域の不安や不満を、後述するような一種の「補償」を制度化することで解決することが期待されていた。発電所の立地は、それ自体としては雇用などの地域経済効果が乏しく、地域発展の契機が求められたのである。もう一つは、発電所立地に伴う事故や汚染に対する不安があるにもかかわらず、生産された電力は現地では使われず都市部へ移出されることである。例えば、原子力発電所は電気の大消費地たる東京や大阪には立地しておらず、福島、新潟、福井など遠方から移送されている。

 それでは、電源開発促進税をはじめとする電源三法の方式は、当初の狙い通りの成果をあげたのだろうか。

電源三法は持続可能な制度か? 電源開発促進税は、電力販売量を課税標準にして電気事業者に課され、電気利用者がそれを支払うことで電源の開発を促進するのであるから、受益者が負担する税だと言える。この受益者負担的性格の強い電源開発促進税が、国税で、しかも目的税として課されている。電源開発促進税の税収は使途が限定され、電源開発促進対策特別会計の電源立地勘定(発電用施設立地の円滑化のための歳出)と電源多様化勘定(1980年創設、石油代替エネルギーである原子力、新エネルギーなどの施策を推進するための歳出)を通じて支出されている。

 電源開発促進税の使途をはじめ、電源三法の方式の効果や、この方式によって新たに生み出された問題点については、すでに多くの論者によって詳細な研究がなされている。既存研究の結果を要約して言えば、この制度は政府が期待したほどの成果を上げ得なかっただけでなく、近年、特に制度自体の構造的矛盾や限界、そして問題点があらわになってきているということである。

 この制度が、「誰に」「どのような」インセンティブを生み出しているかに注目してみよう。このことは電源三法制定直後から指摘されていたことであるが、電源立地促進対策交付金(発電用施設周辺地域整備のために、電源開発促進税の税収から国が当該地域に対して支出する交付金)は、不要不急、あるいは必要以上の施設をつくる傾向を助長し、地元自治体の財政規模を過大にしがちであった。これは当初、交付金の使途が公共施設、しかもその建設費のみに限定されていたことも大きな原因である。不足していた公共施設を建設していた制度開始初期はまだよかったが、いわゆる“ハコモノ”を無限につくっていくわけにもいかない。まさに、持続不可能な制度であった。しかも、電源開発促進に使用されるということはエネルギー需要の増大に対応するためであり、エネルギー節約につながるものではない。また、電源立地勘定全体、及び交付金の執行状況がきわめて悪い。予算額が使われておらず、多額の余剰金が発生している。

 ところが、電源開発促進税は目的税であるため、使途が決められており、発電所の立地が進んで、初めて必要になるものである(言い換えると、支出可能になる)。近年の電力需要の伸び悩みや原子力発電所立地に対する反対運動などから、発電用施設の建設そのものが進まなくなると、当然税の使用額は減っていかざるを得ない。にもかかわらず、電源開発促進税からの収入は毎年確実に入ってくるので、電源立地勘定全体の剰余金は増加する一方ということになる。

電源開発促進税の抜本的改革を このような電源開発促進税は、そもそも電源開発のために税を取るというのではなく、持続可能な発展のための税に組み替える必要があるのかもしれない。制度の廃止も含めて抜本的な改革が課題になっている。

 それでは、電源開発促進税を地球温暖化防止や持続可能な発展のためという目的に沿ったものに改革するとすれば、どのようなオプションがあるか考えてみよう。もちろん改革する場合には、税の名称も変更する必要があるかもしれない。改革の方向を考える際には、課税の局面(対象や税率など)も重要である、しかし、ここでは税収の使途について考えてみたい。

 財政の原則に立ち戻るならば、そもそも目的税は財政の硬直化を招きやすいので、望ましい税とは言えない。おそらく目的税は、その課題から特に推進する必要があると考えられた場合に導入されるものであろう。しかし、しばしば問題になるのは、税導入時点では明らかに必要だったとしても、状況が変化して不要になった場合に廃止されず、一種の既得権益として維持される場合である。

 電源開発促進税の場合にも、そうした面があり、そうした評価に基づくならば、電源開発促進税は廃止ということになろう。しかし、課税の目的はすべて達成されたわけではなく、依然として必要であるということならば、現状の必要額に近い税収が入る程度にまで税率を下げることも考えられる。さらに、「減税」の経済効果は小さく、むしろ電気への課税から得られた税収の使途はもっと広くてもよいと考えるならば、減税するのではなく、逆に、税収の使途を拡張するというのも一案である。

 いくつかの選択肢で、わかりやすいのは一般財源化することであろう。また、もともとの課税目的を基礎に置きつつ、地球温暖化防止を新たな目的に加えて使途を拡張していくオプションも考えられる。その場合も、制度的には一般財源化しつつ、使途に配慮するということもありうるだろう。いずれにしろ国民的合意が不可欠なテーマであり、地球温暖化防止に向けて本格的な議論が望まれる。

>>2008年9月16日(火)公開の第3回に続く
植田 和弘 氏 (うえた かずひろ)
京都大学大学院経済学研究科教授
1952年、香川県生まれ。1997年、京都大学大学院経済学研究科教授。2002年、京都大学地球環境大学院教授を兼任。専攻は、環境経済学・財政学。学会賞の受賞歴に、1992年、国際公共経済学会賞受賞。1993年、公益事業学会奨励賞受賞。1997年、廃棄物学会著作賞受賞。2006年、環境科学会学術賞受賞。著書に、『環境と経済を考える』(岩波書店)、『環境経済学への招待』(丸善ライブラリー)ほか多数。

DOEは飛躍的な太陽エネルギー製品開発に2,400万ドル投資(米国)


ソーラーカー、UFOと間違えられ警察に睨まれる


出典:http://www.gizmodo.jp/2008/09/post_4324.html
Marcelo da Luzさんは、ご自慢のソーラーカーでノンストップで長距離を走る
という記録に挑戦しているのですが、いつも失敗してしまいます。
なぜか。警察が止めに来るからです。先日の7回目のチャレンジでもそう。アラ
スカ警察はしばらくこの乗り物をつけまわした後、彼をストップさせたのです。
Marceloさんが理由を聞いたところによると、「最近UFOの目撃情報が相次いで
いたから、警戒してるんだ」んだとか…
まあ…確かにUFO風な形の乗り物ではありますが…しっかりと地の上を転がるタ
イヤがついてるんですけどねえ…
Marceloさんは、そろそろ美的なことを我慢して「これはUFOじゃありません。
ソーラーカーです」と書いたほうがいいと思います。



三社電機、太陽光発電専用ダイオードを来月から量産


出典:http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320080918bjaa.html
 三社電機製作所は太陽光発電システム用に特化したダイオードを10月から
量産する。量産するのは逆流防止ダイオードとバイパスダイオード。太陽電池
モジュール本体や、システムを構成する複数のモジュールが発生した電気を集
める接続箱に装着する。国際規格の改訂に対応し、激しい温度上昇にも耐える
設計とした。岡山工場(岡山県奈義町)で月40万個体制で量産をスタートす
る。
 太陽がかげったり、太陽電池モジュールの一部に影ができたりすると瞬間的
に出力が低下する。バイパスダイオードは発電量低下を抑えるための部品で、
太陽電池モジュールに複数個取り付けて使用する。逆流防止ダイオードは接続
箱に搭載し、太陽電池モジュール同士の干渉を防ぐために使用する。いずれも
国際電気標準会議(IEC)規格の変更に伴い、耐熱性の高いものが求められ
るため新たに開発した。


発電マンの太陽光発電塾 第8回住宅用太陽光発電システムの選び方(パートII)


予算から探る投資の芽 目指すは“太陽光社会”?トップ交代でも政策は前進


出典:http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=111475&dt=2008-09-16
突然の首相辞任表明で、市場の注目は離散気味だが、経済産業省の「概算要求」
は、今後、環境・次世代エネルギー関連株投資を考える際のヒントを満載して
いる。


太陽電池の夜明け 【第1回】FIT制度が普及の推進力に


出典:http://eetimes.jp/article/20605/
 太陽電池が注目を集めている。太陽電池自体は最初期の人工衛星に利用され
てからすでに50年が経過した「古い」技術だ。Si(シリコン)などのpn接合を
利用して発電するという技術の基礎も同じだ。
 その太陽電池市場は、ここに来て急速に膨らんでいる。生産規模の伸びが著
しい。全世界の年産規模は、2002年の500MW(50万kW)に対して、2004年は約
1000MW、2006年は2000MWを大きく超過し、2007年は3733MWに達した。加速度的
な勢いがある。
 市場が膨らんだ主な理由は、政策的な力が働いていることだ。経済的な合理
性によるものではない。従来の火力、水力、原子力発電に比べて太陽電池の発
電コスト*1)は依然として約2倍である。東京電力と契約した場合、基本料金
などを除き、1kWh当たり22.86円で電力を購入できるが、太陽電池を使うと45~
46円かかる。「現在の太陽電池市場は自発的に出現した自由な市場ではなく、
政策主導の人工的な市場である」(資源総合システムで代表取締役社長を務め
る一木修氏)。
 太陽光発電普及の最大の推進力となっているのが欧州を中止に広がる「フィ
ードイン・タリフ」制度(Feed-In Tariff:FIT)である。FIT制度は再生可能
エネルギーを普及させ、技術開発を促すことを意図した制度である。ドイツが
最初に採用し、現在では約50の国と地域に広がっている*2)。FIT制度の目的
は、二酸化炭素排出量の削減と、化石燃料の枯渇を見越して太陽電池などの生
産規模を拡大すること。現在の電力会社が販売する火力発電などの水準まで太
陽光発電の発電コストを下げることを目指す。
 FIT制度の効果は明らかだ。三洋電機によると、2003年に日本市場とほぼ同規
模だった欧州市場は、2007年には日本市場の5倍に成長したという。世界市場規
模が4.5GWに達すると予想されている2010年には日本市場の6倍になる見込みだ。
2010年には、欧州市場は全世界の6割を占めると見られる。
 スウェーデンLund University配下のInternational Institute for
Industrial Environmental Economics(IIIEE)で教授を務めるThomas B.
Johansson氏によると、各種再生可能エネルギーの習熟曲線は、総発電容量と機
器コストを両対数グラフで表現すると直線になるという*3)†1)。太陽光発
電についても発電容量と太陽電池の機器コストは1981〜2000年の期間において、
両対数グラフで直線となっている。この傾向から、全世界の累積設置量が10GW
に達したときに機器コストは2000米ドル弱/kW、そして2007年の約27倍の規模に
相当する100GWでは800米ドル弱/kWを実現できることになる。普及ペースさえ鈍
らなければ、数年以内に火力発電よりも発電コストが安くなる。
 太陽光発電の発電コストと既存の電力会社による従来の電力コストが同一に
なる時点(グリッド・パリティ)はいつだろうか。ドイツのミュンヘンで2008
年6月に開催された展示会「Intersolar 2008」では、2012年や2015年という水
準が話題に上った。「従来の発電方法の電力コストが今後上昇することを考慮
にいれても、2012年は難しいが、2015年はターゲットに入る」(三洋電機のソ
ーラー事業部で事業企画部の担当部長を務める脇坂健一郎氏)。「46円/kWhの
うち、太陽電池モジュール自体の現在の機器コストは半分の23円だ。2010年3月
に稼働する堺工場では、太陽電池モジュールのコストを原価ベースで従来の1/2
に抑える」(シャープで経営管理兼ソーラー事業担当副社長兼堺コンビナート
建設推進本部長を務める濱野稔重氏)。
 ひとたびグリッド・パリティが達成されれば、その後は政府の政策支援がな
くても、従来の発電方法から太陽光発電へと爆発的に置き換わるだろう。
 シャープの代表取締役会長でCEOも務める町田勝彦氏は、「世界の認識は太陽
電池モジュール=石油、太陽光発電所=油田というものだ。太陽光発電所を作
るということは、自国内に油田を掘ることと同じとも言える。海外の政府関係
者から入ってくる商談は、自国に太陽光発電所や太陽電池工場を設置したいと
いうもの。中東からも引き合いがある」と言う(3ページの別掲記事「クリーン・
エネルギー立国目指すアブダビ」を参照)。

【注釈】
*1)太陽電池の発電コストは初期導入費用/耐用年数(約20年)として計算し
 た。なお、太陽電池は導入後にほとんどコストが発生しない。
*2)FITは固定価格買い取り制度とも呼ばれる。ドイツは1991年に
Stromeinspeisungsgesetz制度を開始。2000年に、それを改良したErneuerbare-
Energien-Gesetz制度を導入した。当初は風力発電に力点が置かれていた。2006
年にフランスでの制度改革、2007年にスペインでの導入などを経て現在に至る。
*3)この結果は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のワーキング・グル
ープでも引用されている。
http://www.mnp.nl/ipcc/pages_media/FAR4docs/final_pdfs_ar4/Chapter04.pdf



宇宙太陽光発電の実用化に一歩前進、ハワイ諸島間で太陽光エネルギーの長距離転送実験に成功


出典:http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200809151644
【Technobahn 2008/9/15 16:44】米研究者グループが143km離れたハワイ諸島間
で太陽光の転送実験に成功していたことが明らかとなった。
 この実験を行ったのは米宇宙太陽光協会のジョン・マンキンス博士を中心と
する研究グループ。
 研究グループは宇宙太陽光発電の実用性を紹介する実験の一環として、米科
学専門放送局、ディスカバリー・チャンネルの資金提供を受けて、太陽光を集
積してレーザービーム変換する装置と、レーザービームを受光してそれを電力
に変換する装置を製作。その上で、その2つの装置をハワイ諸島間に設定し、
143km離れた地点で集光した光を使って発電を行うことに成功した。
 今回、使われた集光装置は9枚のパネルから構成され、パネル1枚あたり20Wの
電力を発電する能力があるものが使われたが、FAAの規制のため、実験にあたっ
てはパネルあたりの出力を2Wに抑えて実施された。
 今回の実験にかかった費用は約100万ドル(約1億円)。
 マンキンス博士は宇宙空間に実用システムを構築するためにはこれをはるか
に上回る費用が必要になると述べている。
 宇宙太陽光発電に関しては既に米国防総省は昨年、100億ドル(約1兆円)の
費用を投じて10年以内に実用化させるとの開発計画案「Phase 0 Architecture
Feasibility Study」を公開し、注目を集めていた。
 米国防総省案での発電能力は5~10MW。この規模でも軌道上に現在の国際宇宙
ステーションの10倍もの大きさの施設を建造することが必要となる見通しだ。
 この実験成果は、米東部/太平洋標準時で9月12日午後10時から放送された米
ディスカバリー・チャンネル「オービタル・パワー・プラント」で紹介された。



米国立研究所、地球温暖化防止のためには屋根の色は白がいい


出典:http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200809122144
【Technobahn 2008/9/12 21:44】全米の都市部のビルや家屋の屋根を白くする
だけに年間あたり10億ドル(約1050億円)ものエネルギーコストの削減につな
がるという研究成果が10日、米学術専門誌「Climate Change」に掲載された論
文によって明らかとなった。
 この研究発表を行ったのは米ローレンス・バークレー国立研究所のヒートア
イランド研究グループ。
 研究グループは家屋の屋根によって吸収される太陽光による熱がどれだけの
エネルギー消費につながっているかを計算するためのモデルを作成。その上で、
屋根の色を暗色系から白い色に変えることで、太陽光の反射効率の高い色に変
更するだけで、屋根面積1000平方フィートあたり、年間で10トンのCO2削減効果
があることが判ったとしている。
 カリフォルニア州ではこの研究成果に基づき、既に2005年から商業ビルの屋
上は白く塗ることを義務付ける条例を制定。更に来年からは住居用家屋の屋根
に関しても光反射効率の高い寒色系の色に塗ることを義務付けることを予定し
ている。
 日本の場合、和形瓦屋根の場合は灰色や茶色に、スパニッシュ形瓦や平板瓦
の場合は茶色や赤系統の色が用いられることが多かったが、将来は、地球温暖
化防止の観点から今後は屋根の色としては異色な白などが一般化してくること
も可能性としてでてきたことになる。
 ヨーロッパでも気候的に温暖なギリシャなどの場合は、家の全体を白く塗り
太陽光の反射効率を高めるということが伝統的に行われたきている。



太陽エネルギーを150km無線伝送:「宇宙太陽光発電」への第1歩


出典:http://wiredvision.jp/news/200809/2008091623.html

 マウイ島の山頂で宇宙からの太陽エネルギーを集め、マウイ島から150キロ近く
 離れたハワイ島に無線伝送する実験が行なわれた。このプロジェクトに関連して、
 神戸大学から大阪湾を挟んでの実験も申請中という。


2008年9月15日月曜日

ソーラーバイク疾走 浜松オートレース場で大会


ソーラーバイクの走りやパフォーマンスを競う参加者=浜松市中区和合町の浜松オートレース場


出典:http://www.shizushin.com/news/local/west/20080914000000000021.htm
2008/09/14
 太陽エネルギーを利用した手作り電動バイクの大会「ソーラーバイクレース2008」(同実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が13日から2日間の日程で、浜松市中区和合町の浜松オートレース場で始まった。二輪車好きや自然エネルギー推奨団体などが作ったアイデアあふれるバイクが走りやパフォーマンスを競っている。
 県内外から21チームが参加。レースに使うエネルギーはソーラー発電装置を利用した電気だけ。より効率よく走るため、バッテリーの容量や車体を工夫するなど、各チームとも知恵を絞っている。二足歩行する「イノシシ」が後押しするような形にデザインしたユニークな三輪車も登場した。
 競技は6時間の走行距離を競う耐久レース、5周のタイムを競うスプリントレース、パフォーマンスをしながら200メートルをぴったり1分間で走るフリースタイルコンテストの合計得点で争う。
 山脇一休同大会実行委員長は「オートバイの町、浜松として町おこしできれば」と話した。



Hondaの太陽電池がアナタの家にもやってくる!?号 /// No.026


出典:Honda の メ ー ル マ ガ ジ ン

>2008/09/12
>Date: Fri, 12 Sep 2008 13:42:45 +0900
>
>//Hondaの太陽電池がアナタの家にもやってくる!?号 /// No.026 2008/09/12
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
> あ な た と 創 る Honda の メ ー ル マ ガ ジ ン
> ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
> │H│o│n│d│a│★│M│a│i│l│N│e│w│s│
> └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
> ○ *.・’*. ,"..・*'
>*.・, ____ *.・’ 日中はまだまだ暑くても、日が暮れると乾いた
>..・/■■■■\*.・ 涼風が(ときには肌寒さを感じてしまうような
>  | ■■■■ |   風が)吹くようになると、秋の到来を強く感じ
>  | ■■■■ |   てしまいます。
>  \■■■■/
>  =--====--=    そんな夜の空気を楽しみながら、秋のお月見と
> /_ ASIMO |\   シャレこんでみるのも一興かもしれません。形
> || | HONDA |/○  にこだわらず、ちょっと夜空を見上げてリラッ
> (w) |--------コ○○ クスしてみてはいかがですか?
> | (____)○○○
> ○ |___||___|[ ̄ ̄] Honda Mail News、そろそろ出発の時間です。今
> ● |___||___|│ │ 回もワタシ、ASIMOがアナタのナビゲーターを務
> ○ |_=_||_=_| ̄ ̄ ̄ めさせていただきます。
>  (_nn_)(_nn_)
>         ※表示最適フォント:MSゴシックやOSAKAなど
>
> ┏ <ASIMOが選ぶ一句>━━━━━━━━━━━━━━♪(■)ノ
> ┃   『カブ乗って かぶらを運ぶ あぜ道で』    ┃
> ┃           (フジぴょんさん・島根県)  ┃
> ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
> ☆メールの最後に、この川柳へASIMOからスペシャルコメントが!
>
>+━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━+
> +++ MENU +++
>+━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━+
> 1│コラム
>  │太陽の光がおウチの電気に大変身!
> ─・………………………………………………………………………………
> 2│超厳選! Hondaニュース
>  │「新型ハイブリッドカー・インサイト コンセプトモデルを発表」ほか
> ─・………………………………………………………………………………
> 3│こちらHonda放送局
>  │「伝説の牛肉で感涙にむせぶ!?」ほか
> ─・………………………………………………………………………………
> 4│プレゼントNavi(特典サービス付!)
>  │「シビックハイブリッドで爽快ツアーへ!」ほか
>+━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━+
>
>○====○───────────────────────────●
>||募集|| Hondaにまつわる川柳を募集中!
>○====○        詳しくはこのメールの最後のほうを見てね。
>  ─────────────────────────────●
>                           -○―
>                           | \
>┏━┓━━━━━━━……‥‥・・・・・‥‥……━━━━ / ̄\(■)/
>┃1┃コラム◇太陽の光がおウチの電気に大変身!     │田│<□
>┗━┻━━━━━━━……‥‥・・・・・‥‥……━━━━ └─┘ ||
>
>>>自然エネルギーを有効利用するHondaの太陽電池とは?
>
>地球環境に負担をかけない新しいエネルギーの実現を目指して、Hondaは
>自然のチカラを利用した、再生可能なエネルギーの研究にかねてから取
>り組んできました。
>
>ガソリンなど化石燃料を燃やす=二酸化炭素を排出する従来型の仕組み
>とは異なるエネルギー技術……たとえば水素を用いた燃料電池、植物を
>原料にしたバイオエタノール燃料、そして今回ご紹介する太陽電池もそ
>のひとつです。
>
>太陽電池とは、簡単に言ってしまうと太陽の光で電気を生み出す技術。
>Hondaは昨年から、住宅用太陽光発電システムの販売を始めています。こ
>のシステムを導入すると、太陽が出ている昼間に発電して余った電気を
>電力会社に売り、夜間など発電ができないときには電力会社から電気を
>買うというやり繰りが可能になります(電気の売買は電力会社との契約
>が必要です)。
>
>さらにHondaの太陽電池は、素材に薄い膜状の半導体を用いることで、従
>来のシリコン系素材を使った太陽電池にくらべて、製造時に必要な資源
>(エネルギー)を半分ほどに抑えました。つまり、製造段階から環境に
>やさしく、しかも低コストというメリットがあるのです。また、光を電
>気に変える変換効率も薄膜太陽電池の中で最高レベルを実現しています。
>
>太陽の光というクリーンなエネルギー。Hondaの次世代型太陽光発電シ
>ステムをアナタの住まいにも取り入れてみませんか?
>
>   地球にやさしいHondaの太陽電池は、お財布にもやさしい!?
>  ↓ ↓ ↓
> ○ ──────────────────────────── ○
>     ◆Hondaの太陽光発電システム 関連ウェブページ◆
> http://www.honda.co.jp/soltec/module/index.html?from=20080912
>        →Honda太陽電池モジュールの秘密とは?
> http://www.honda.co.jp/soltec/system/index.html?from=20080912
>        →太陽光発電システムの仕組みを図解
>   http://www.honda.co.jp/soltec/index.html?from=20080912
>    →太陽電池は株式会社ホンダソルテックで取り扱い中です
> ○ ──────────────────────────── ○
--中略--
>┏━┓━━━━━━━……‥‥・・・・・‥‥……━━━━━━━ (■)
>┃4┃プレゼントNavi◇シビックハイブリッドで爽快ツアーへ!  L□>
>┗━┻━━━━━━━……‥‥・・・・・‥‥……━━━━━━━  ||
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>《100名様》太陽充電器ソーラーチャージeco携帯ストラップVer.2
>
>→ http://www.honda.co.jp/CIVIC/hybrid-tour2/index.html?from=20080912
>  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>       【応募締め切り 9月30日(火)17:00まで】
--後略--



日本生命、「太陽光発電システム設置住宅」への住宅ローン金利優遇制度を導入


出典:http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=199736&lindID=3
『太陽光発電システム設置住宅』への
住宅ローン金利の優遇制度の導入について
http://www.nissay.co.jp/okofficial/news/2008/20080912a.html
 日本生命保険相互会社(社長 岡本圀衞)は、平成20年9月18日より、
「太陽光発電システム設置住宅」への住宅ローン金利の優遇制度を導入いたし
ます。
 当社では、資産運用部門におけるCSRへの取組みの一環として、この優遇
制度を通じ、『太陽光発電システム(※)設置住宅』の普及を支援してまいり
ます。
(※)当制度上の太陽光発電システムとは、「太陽光により発電した電気を低
圧配電線と逆潮流有りで連系するもの(自家使用を超える余剰分については電
力会社に売電できるもの)で、住宅の屋根等に設置するもの」とします。

 なお、このような取組みは、生命保険会社として初めてです。

<優遇制度の概要>
対象商品:ニッセイ住宅ローン(住宅の新築・購入資金)
ご利用いただける方:太陽光発電システムが設置された住宅を
          新築・購入される個人のお客様
ご融資金額:原則5,000万円以内
ご融資利率:ニッセイ住宅ローン固定金利型において、
      借入当初10年間、当社所定の利率から年0.1%優遇

(注)お申込にあたり、一般のご融資と同様の当社所定の審査を行いますので、
審査結果によりましては、ご希望に添えない場合もございます。

 日本生命は、今後とも、生命保険会社としての社会的責任をより一層果たせ
るよう、幅広い分野においてCSRの取組みを推進してまいります。



エネ庁、年内めど太陽光発電の導入促進へ行動計画


出典:http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420080911caaf.html
 経済産業省・資源エネルギー庁は年内をめどに太陽光発電の導入促進に向け
た行動計画(アクションプログラム)を策定する。
 同発電の導入量を2020年に現状比10倍、2030年に同40倍にする
政府目標の実現に必要な施策や実施時期を具体化する。日射量などの地域特性
に応じた普及方策や、事業所、道路、鉄道の駅舎など住宅以外の産業・交通分
野における普及策、太陽光発電の大量導入に伴い必要となる系統安定化対策な
ども盛り込む方針だ。
 10日に開かれた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)新エネル
ギー部会で、今後の論点として行動計画を策定する方針が示された。環境省や
国土交通省など関係省庁とも連携し作業を進める。



2008年9月14日日曜日

フジクラが続伸・色素増感型太陽電池の高性能化推進


出典:http://www.stockstation.jp/stocknews/13269
フジクラ(5803)が続伸。色素増感型太陽電池の高性能化を推進すると報じられている。米国の西部を中心に通信関連施設の工事・保守事業を手掛ける企業を買収、藤倉化成の第三者割り当て増資を引き受けるなど、ここ攻めの材料が目立っている。フジクラの株価は13時49分現在492円(△11円)。



国電集団:寧夏回族自治区に1080億元を投資


出典:http://www.chinapress.jp/finance/14672/ 9月8日、国内メディアによれば、国内電力大手企業の国電集団は2008年下半期に、寧夏回族自治区におよそ1080億元(約1兆7280億円)を投資することが明らかになった。国電集団は投資総額のうち850億元(約1兆3600億円)を寧夏石嘴山市に投資し、PVC、多結晶シリコンなどのプロジェクトを展開する。また、230億元(約3680億円)を、寧夏銀川市に投資し、寧東エネルギー化学工業基地を建設するとのこと。なお、国電集団は今後も中国西部資源・エネルギー事業への投資を行う方針という。



シンガポール・NRF、建材一体型の太陽光パネル開発へ


出典:http://www.chemicaldaily.co.jp/news/200809/09/02501_6161.html
 シンガホールの国家研究基金(ナショナルリサーチファンデーション=NRF)は、太陽光エネルギー事業振興プログラムを手掛ける省庁横断組織、クリーンエナジーリサーチプログラムオフィス(CERP)からの計画承認を受け、「南国地域に最適化した屋根・建材一体型の太陽電池パネル」の開発に取り組む。CERPがこのほど承認した太陽光に関する国家研究プロジェクトの新テーマで、「景観性と発電効率などを高レベルに融合」(NRF)して、新たな建材一体型太陽光パネルの製品開発を目指していく。



エネ庁、太陽光発電の大量導入へ本格議論開始


出典:http://www.chemicaldaily.co.jp/news/200809/09/04101_4138.html
 資源エネルギー庁は、太陽光発電の大幅導入に向けたインフラ整備の本格的
議論を開始した。新たに「低炭素電力システムに関する研究会」に小委員会
(横山明彦東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)を設置、8日に初会合
を開催した。小委員会では太陽光発電を中心とした新エネルギーの大幅導入の
ため、配電系統安定化対策やコスト負担の具体的シナリオ策定のための専門的
議論を集中的に行う。年内に検討結果をまとめ、研究会にインプットする。



NIMS,透明化が図れるBNを用いた太陽電池の試作に成功


太陽電池に用いられるp型BN/n型Siヘテロダイオードの概念図


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080908/157649/

独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)は,可視光に対して透明な窒化ホ
ウ素(BN)による太陽電池の試作に成功した(発表資料)。BNは,紫外レーザ
や透明トランジスタなどを可能にするバンドギャップが広い半導体として期待
されているが,従来は半導体化に必要となる不純物添加が困難であった。今回,
高密度のBN薄膜に不純物を添加した「レーザミキシング・プラズマCVD法」とい
う独自の手法を用いた結果,BN/Siヘテロ接合のダイオード作製に成功したとい
う。これを用いて試作した太陽電池が,2%程度の発電効率を示した。
 レーザミキシング・プラズマCVD法で,ダイヤモンドと同じ原子間結合(sp3
結合)をもつ高密度なBNを合成すると同時に,不純物としてSiを添加して,p型
半導体のBNを得た。これにより,Si基板(n型)とその上に成長させたBN(p型)
のヘテロ接合構造のダイオードによる太陽電池セルがワンステップで作製でき
るとする。加えて,薄膜の表面がミクロンサイズのコーンに覆われるため,太
陽光の反射が抑えられて光吸収効率の向上が図れるという。
 BN/Si太陽電池は,特に耐久性や信頼性,耐候性などの要求が高い無人観測装
置や宇宙環境などの用途に特化して製品化するという。今後は,今回作製に成
功したp型BNに加えて,n型BNを作製して全体がBNのホモ接合のダイオードを作
製する。このとき,可視光に対して透明な電池ができるため,蓄電池との組み
合わせによる車載型サンルーフ発電システムのほか,サングラスや窓に貼り付
けられる太陽電池などの開発が図れるとする。


【EU PVSEC】ドイツSolibro社がCIGS太陽電池の出荷を開始


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080908/157613/
Solibro社のCIGS型太陽電池モジュール
 ドイツの太陽電池メーカーが,CIGS型太陽電池の生産や出荷を相次いで開始
する。このうち,独Q-Cells AGが出資する独Solibro GmbHは,EU PVSECでCIGS
型太陽電池モジュールを展示するとともに,出荷を始めたことを発表した。
「現在のモジュール変換効率は10%程度」(説明員)である。
 Solibro社のCIGS型太陽電池モジュールの出荷先は,独HaWi Energietechnik
GmbH,独SUNOVA AG, 独Geckologic GmbH,独thermovolt AG,独SUNSET
Energietechnik GmbHである。このうち,HaWi Energietechnik社などは,EU
PVSECの自らのブースでSolibro社のCIGS型太陽電池モジュールを展示した。
 Solibro社は,現在の第一ラインの年間生産能力を30MWから45MWに引き上げる
ことを発表済みである。さらに,2009年第4四半期には,年間生産能力が90MWの
第二ラインからの出荷を開始する。



【EU PVSEC】三洋電機,厚さ85μmのHIT太陽電池セルで変換効率21.4%を実現



出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080908/157612/
2008/09/08 10:58
三洋電機は,同社独自のHIT(heterojunction with intrinsic thin layer)太陽電池で,セル厚を85μmに薄くした場合の結果を示した。同社は2007年のEU PVSECにおいて,既存のセルと同等の厚さのHIT太陽電池セルで,22.3%の変換効率を実現した成果を報告済みである。

 三洋電機は今回,セルを85μmに薄くした場合に,自社測定の変換効率が21.4%になったことを示した。HIT太陽電池セルの厚さを薄くすると,短絡電流(Isc)が大きく低下するものの,開放電圧(Voc)が上昇するために,結果として変換効率の低下はわずかにとどまった。

 このほかに三洋電機は,変換効率22.3%を実現したHIT太陽電池セルでモジュールを試作した結果も示した。産業技術総合研究所で測定した結果,面積が1366cm2のモジュールの変換効率は20.6%だった。



豪で、学生が考案したインクジェットプリンターとピザ用のオーブンで簡単にできる太陽電池が話題に


出典:http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2008/09/post-8b0c.html
School of Photovoltaic and Renewable Energy Engineering
at the Univesity of New South Wales
http://www.pv.unsw.edu.au/




太陽光発電、普及へ官民作業部会 補助金のあり方を議論


出典:http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=AS2C0801D%2008092008
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080909AT2C0801D08092008.html 
一般住宅への太陽光発電の普及促進策を協議する官民の作業部会「ソーラー
住宅普及促進懇談会ワーキンググループ」が9日、都内で初会合を開く。高い発
電効率を実現するための新素材の開発や効果的な補助金のあり方を議論。工務
店などが住宅に設置しやすいように、パネルの大きさなど工事仕様の統一化に
向けた問題も話し合う。
 作業部会はシャープや京セラなど太陽電池メーカーと積水ハウスや大和ハウ
ス工業のほか、経済産業省と国土交通省で構成。今年度内に報告書をまとめ、
政策に反映させる考えだ。


仏、省エネ住宅に無利子融資 1戸あたり460万円


出典:http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080909AT2M0301T08092008.html
http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=AS2M0301T%2008092008
 【パリ=野見山祐史】フランス政府は来年から太陽光発電など省エネルギー
仕様の住宅の新築や改築を対象に、1戸当たり3万ユーロ(約460万円)の無利
子融資を始める。来年の政府予算では10億ユーロの融資枠を設ける見通し。仏
は温暖化ガスの排出抑制のため石油、石炭など化石燃料の消費抑制を急いでお
り、エネルギー効率が悪い住宅部門のテコ入れを目指す。
 無利子融資は省エネ技術の種類を問わない。太陽光発電のほか、風力発電や
断熱材の使用などにも適用する。融資には1平方メートルあたり300ユーロの上
限を設け、利用者が民間金融機関から借り入れたローンについて、国が利払い
を肩代わりする。


ポリテクカレッジ滋賀が初V-びわ湖クルーレス・ソーラーボート大会


優勝を飾った滋賀職業能力開発短期大学校チームと「そーらー秀次丸ジュニア」(近江八幡市古川町)


出典:http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008090800058&genre=G1&area=S20
太陽エネルギーで動く船の速さを競う「びわ湖クルーレス・ソーラーボート大会」で、滋賀県近江八幡市の滋賀職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ滋賀)がこのほど初優勝を飾った。琵琶湖古来の「丸子船」をかたどった船で、4連覇を目指した東大大学院チームも破った。

 出場したのは、大会の先端技術部門で、8月下旬、高島市マキノ町の湖岸を発着点に開かれた。GPS(衛星利用測位システム)を駆使して自動操舵(そうだ)、竹生島付近で折り返す約20キロのコースで争った。同校のほか、東大や阪大、立命大などから10艇が参加した。

 ポリテクカレッジ滋賀の船の名は「そーらー秀次丸ジュニア」。江戸時代から昭和初期にかけて琵琶湖水運で活躍した丸子船をイメージした船体で、2年の中島和成さん(19)=大阪府高槻市=と崎出心映さん(20)=草津市、長崎克幸さん(20)=大津市=が約5カ月かけて作り上げた。

 レース1日目は悪天候で中止、2日目も波が約1メートルあり、転覆や横転する船が続出。東大チームの船も脱落し、往路約10キロを唯一完走した同校チームが優勝した。

 レトロな外観ながらも船体が大きく、水に弱い電気系統を船内の天井に張り付けるなど工夫を凝らしていたこともあり、「秀次丸」は波に負けず航行した。中島さんは「浸水もあったが、自然を味方にして優勝できた。後輩たちに技術を継承してもらいたい」と喜びを話している。

2008年9月8日月曜日

10社で新スワン発足 諏訪東理大が支援


出典:http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=11835
 特定非営利活動法人(NPO法人)諏訪圏ものづくり推進機構の「すわ航空・
宇宙ネット(略称スワン)」ソーラープレーンプロジェクトが5日、諏訪東京
理科大学(茅野市)の支援で動き出した。太陽光発電システムを使ったラジコ
ン操縦の飛行機開発を第1ステップに技術蓄積を図る新たな研究会には、ハイ
テク関連企業10社が参加した。新スワンでは、活動の一環として航空関連の
展示会にも出展し、航空分野への市場開拓の足掛かりを作る。
 諏訪東京理科大で開いた初会合には参加企業の代表者のほか、支援する大学
側、アドバイザーを務める同機構などから合わせて約20人が参加した。組織
やプロジェクトの進め方等を話し合い、幹事長にはタクト(茅野市)の宮坂貴
代治社長を選んだ。
 プロジェクトは長期的な活動を基本としている。完成品を作り上げることで
諏訪地方のものづくりのイメージアップを図り、産学連携や企業間連携の基盤
構築に役立てる方針だ。次代を担う子どもたちに、ものづくりへの夢や誇りを
伝えていくことも狙った。代表世話人を務める同機構の細川久常務理事は発足
のあいさつで「目先の利益や結果でなく、ものづくりへの夢をもってやってい
きたい」と述べた。
 参加企業はプロジェクトを応用し、駆動装置や機構部品の小型化や軽量化、
軽量太陽光発電技術、制御技術、各種センサー技術などの高度化にも役立てる。
 代表世話人の1人として開発の中心的な役割を果たす同大学機械システムデ
ザイン工学科の河村洋教授=流体力学=は「原油高騰もあって、ソーラーパワ
ーへのニーズは高まっている」と述べ、研究の波及効果に期待した。ハイテク
関連機器を製造する茅野市内の企業の技術者は「開発のお手伝いができる部分
や、皆さんのお知恵を借りたい部分もある。プロジェクトを通して1つでも芽
が出るように頑張りたい」と話していた。



太陽エネルギー活用家庭にステッカー 長野


出典:http://www.shinmai.co.jp/news/20080906/k-2.htm
 長野市民や企業、市でつくる「ながの環境パートナーシップ会議」は、太陽
光発電設備など太陽エネルギーを活用している家庭に配る「エコ市民賞」のス
テッカーを作った。太陽エネルギー利用への関心を広め、二酸化炭素の排出削
減を進める狙い。「ステッカーを広め、身近なクリーンエネルギーに目を向け
るきっかけにしたい」としている。

中小企業の太陽光発電を後押し、経産省が導入補助拡大


出典:http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080907-OYT1T00036.htm?from=navr
 経済産業省は、中小企業を対象とした太陽光発電システムなどの導入支援策
を強化する。
 原油高に苦しむ中小企業に太陽エネルギーの利用を促して、二酸化炭素の排
出削減を図る。小規模な事務所や工場が補助金を利用しやすくする。今年度当
初予算から約50億円を振り向け、近く補助金の対象事業を公募する。
 経産省は、中小企業が太陽光発電システムや太陽熱温水器を導入する際に、
最大で設置費用の3分の1を補助している。補助を受けることができる現在の
要件は、太陽光発電システムの場合は「50キロ・ワット(約500平方メー
トルの太陽光発電パネルが必要)以上」、太陽熱温水器の場合は「100平方
メートル以上」の設備を導入した場合だ。
 経産省は、この要件を太陽光発電システムで「10キロ・ワット以上」に、
太陽熱温水器で「20平方メートル以上」にそれぞれ引き下げる。政府は太陽
光による発電量を2030年に現在の40倍に引き上げる目標を掲げており、
要件緩和で導入を後押しする考えだ。


太陽光発電を簡素化、途上国への普及目指す 豪研究者


出典:http://www.cnn.co.jp/science/CNN200809060019.html
太陽熱を利用してお湯を沸かすチベットの女性
「地球環境に優しい技術にはお金がかかる」――そんな現状を覆そうと、
太陽光発電の分野で近年、途上国の貧しい住民が利用できる、安くて簡単
な技術の開発が進んでいる。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大
博士課程のニコール・ケッパー氏が考案した「iJET(アイジェット)」
もその1つだ。
ケッパー氏によれば、アイジェットは「インクジェット方式のプリンター
とマニキュアの除光液、ピザの焼けるオーブンがあれば作れる」太陽光発
電機。従来の工程と違い、クリーンルームを備えた工場や熟練した技術者
を必要としないため、約半分の費用で製造できる。同氏は今年、この技術
で、同国の優れた科学者に贈られる「オーストラリア博物館エウレカ賞」
を受賞した。「工程を簡素化し、分かりやすくすることが、太陽光発電を
途上国に普及させるカギだと考えたのです」と、同氏は語る。
途上国ではすでに、インフラ整備に膨大な費用と時間のかかる従来の電力
供給システムに代わるものとして、太陽光発電が注目を集めている。「一
軒一軒の家、ひとつひとつの村に設備を取り付けることにより、太陽光発
電は着実に普及するだろう」と語るのは、アフリカ東部などで灯油ランプ
をソーラー式発光ダイオード(LED)照明に切り替えるプロジェクトに
取り組む非営利団体「ソーラーエイド」のジェレミー・レゲット会長だ。
同会長は、「太陽光発電のコストを下げるための技術は日進月歩の勢い。
新たな発明も大歓迎だ」と話す。
ケッパー氏が描くのは、アイジェットを途上国の企業が製造し、地元の家
庭に販売するという将来像だ。「現地で製造できれば、雇用創出などの経
済効果も期待できる」と、同氏は説明する。
同氏によれば、当面の課題は、太陽光発電機の主要な材料となるシリコン
の使用量をいかに減らすかということ。「シリコンは製造コストの約50
%を占めているのが現状。コスト削減のためには、この割合を低くする必
要がある」という。



ソーラーシステムに復活の兆し 低コスト魅力


出典:http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080906/env0809061859001-n1.htm
 太陽熱を利用してお湯を沸かすソーラーシステムが復活の兆しをみせて
いる。太陽光発電のほか、電気でお湯も沸かすオール電化住宅の普及に押
されていたが、光熱費の値上がりや、太陽光発電に比べ設置費用が安いこ
とで見直されている。補助金を支給する自治体も増えており、普及の追い
風になっている。
 ソーラーシステムの大手メーカー、ノーリツでは7月に入り、一時、欠
品状態に陥った。販売が急速に伸びたためで、結局7月の販売台数は57
0台と前年同月の2倍に達した。商品を紹介するウェブサイトのページビ
ューも前年の4倍に急増し、消費者の関心の高まりをうかがわせている。
最大手の矢崎総業も7月の販売台数が約1.5倍の1059台に伸びた。
 ソーラーシステムは太陽熱を直接利用してお湯を沸かし、お風呂や炊事、
床暖房などに利用する。第1次、第2次オイルショックによる光熱費の高
騰を機に普及し、昭和45年のピークには販売台数が約83万台に達した。
しかし、訪問販売によるトラブルでイメージが悪化。太陽光発電などの新
しいシステムが登場したこともあって、平成19年の販売台数は約5万台
にまで落ち込んでいた。
 だが、原油高の影響で光熱費が上昇したことで状況が変わりつつある。
同じ省エネシステムでも初期費用が安い点が魅力だ。太陽光発電は3キロ
ワット級で約200万円かかるのに対し、ソーラーシステムは屋根に集熱
板を設置し、地上のタンクでお湯を沸かす強制循環式でも約90万円で済
む。
 自治体による後押しも進んできた。広島市は自然エネルギーの利用を増
やすことを狙いに、今年度から設置に対し5万円の補助を始めたほか、横
浜市も近くモニターによる補助制度を導入する予定だ。
 一般家庭の環境意識の高まりも追い風だ。業界団体のソーラーシステム
振興協会は、今年6月から設置家庭に「CO2削減効果計算証書」を発行
するサービスを始めた。光熱費の節約だけでなく、地球温暖化防止に貢献
できるメリットも強調し、普及促進に取り組んでいる。



NEDO International Projects(英語)


「集中連系型太陽光発電システム成果普及事業」に係る委託予定先の決定について


出典:https://app3.infoc.nedo.go.jp/informations/koubo/koubo/FF/nedokouboplace.2008-03-13.7447283769/nedokoubo.2008-09-01.8659728595/
平成20年9月4日
対象者 企業(団体等を含む)
大学・独立行政法人等(国立大学法人含む)
技術分野 エネルギー・環境技術分野(新エネルギー・省エネルギー導入普及)
プロジェクトコード P08028
担当部 新エネルギー技術開発部

公募内容独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO技術開発機構」という。)では、「集中連系型太陽光発電システム成果普及事業」について委託先を公募しました。公募期間中(平成20年6月17日~平成20年7月16日)に応募のありました1件の提案に対し、学識経験者等からなる審査委員会(別紙)およびNEDO技術開発機構による厳正な審査の結果、下記のとおり委託先を決定しましたのでお知らせします。

1.件名「集中連系型太陽光発電システム成果普及事業」

2.事業概要本事業は「集中連系型太陽光発電システム実証研究」(平成14年度~平成19年度)で構築した設備構成を今後の集中連系型PVシステムの基本モデルとなるよう、一般家庭でも容易に管理できる形態で実現します。これにより、本設備の安全且つ大規模な導入が可能であることを広く情報発信し、その普及に資することを目的とします。

3.委託先株式会社関電工
太田市

4.委託期間NEDO技術開発機構が指定する日から平成22年3月19日まで

5.問い合わせ先NEDO技術開発機構
新エネルギー技術開発部(担当:仲間、井上)
TEL:044-520-5274
資料別紙:委員会名簿 (57.3 KB)


2008年9月5日金曜日

自然エネルギーから拓けてくる新たな未来 メガソーラーへの補助金には疑問 太陽光発電は大規模なほど非効率:中川修治


筆者の家の出力4.98kWの稼働14年目の太陽光発電と、11年目に壊れたので新たに交換設置した真空ガラス管式太陽熱温水器


出典:http://www.news.janjan.jp/living/0809/0809046318/1.php
2008/09/05
太陽光発電など、自然エネルギーからは新たな未来が見えてきている。しかし、注目の太陽光発電、大規模なものほど実は非効率。家庭用を中心に、世界的に有効性が確認されているFIT(フィード・イン・タリフ)固定価格買い取り制度で、発電の全量を社会的に評価する仕組みに変えるべきでは……。家庭用太陽光発電の補助金は一般家庭向きは十分価格が下がったとして2005年で廃止されたが、10万kW以上の産業用はまだまだ価格が十分に下がっていないと言うこと(不思議だ、大規模なものの方が高い……)と、まだ、新規の技術的な開発を進める為には支援措置が必要だと言う事で、大盤振る舞いの半額補助がなされている。その、平成20年度太陽光発電新技術等フィールドテスト事業(第二次)の公募説明会が先月、東京、大阪、福岡の3箇所で開かれた。補助金制度を見てみようと大阪での説明会に参加した。関係者から聞いたがここでの参加者は殆どが設置事業者だった。不思議な事に事業では共同研究者となるべき設置する本人が来なくて、その事業者に頼まれて機器を納入する人たちが説明会にきているのだ。これは機器の販売業者が仕事がほしくてやってきていて、補助金が出るからと設置してくれそうな所へ営業をかけるということなのだろう。さて、予算であるが二次の分が10億円と言う事だ。前期と合わせて総額で58億円とか……。まあ、多いか少ないかはその成果によるだろう。
・新エネルギー技術フィールドテスト事業への疑問
 さて、説明を聞いていて、この支援制度自体への根本的な疑問を感じた。このFT(フィールドテスト)事業の共同研究の期間がたったの5年なのである。で、5年たったら共同研究をした相手に国民の税金で作った設備を強制的に10分の1に減価償却して譲ってしまうと言う風に以前聞いたことがあったが、よくよく考えてみればこれもなんだかおかしい。まずその期間について。太陽光発電の設備は最低でも20年は持ってもらいたいものだが、テストの期間のたったの4分の1の5年で短すぎるということだ。で、モノが壊れるのは時間が経ってからだ。ちなみに、私の自宅の太陽光発電システムは太陽電池は壊れていないが、その直流の電気を交流に変換して電力系統に繋ぐパワーコンディショナーと言う装置が13年目にして壊れてその改修費用に40万円近くも掛かったのだ。この費用を電気を売ったお金で回収するには現状では2年半も掛かってしまう。さて、初期の5年で問題が無ければあとの15年は壊れもしないで動くとでも言うのだろうか? それは、無理。絶対にないと言える。大体、機械物は、初期不良が出なかったらあとはかなり調子よく動くが、それでも年数を経れば壊れるものだ。むしろ、こういう長期的なテストを必要とする事業は厳選して、成果をきちんと評価するぐらいで無いと役に立たないのではないかと思える。で、今年からFT事業はインターネットを使ってデータが集計されるようになったと言うが、そのデータをどう使うのかについてはまだ検討していない、と言う。そもそも、では一体、今までのデータはどう利用されていたのかということだ。

関連サイト:新エネルギー技術フィールドテスト事業(NEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)

 この事業、総括する事が絶対に必要だろう。それも専門家やNPO・NGOが加わっての検討会議を行うべきだろう。そうでないと公金の無駄遣いにしか見えないと思うのだ。これは私だけの意見ではない。説明会を聞いていた業者の方が言うには「こんな、補助金の出し方ってオカシイですよ。新規性のある事業とか言うけど、そもそもこんなもん、合い見積もりを取れといっても、やったことが無くて新規性のあるものをやるというもの自体が、合い見積もりを取れるはずも無いもんやと思いますわ」。「考えて見れば全くそりゃそのとおり当然だよな」と思う。で、「どういう風なの」と聞くと「そもそも設置業者にこんなFT事業を申し込ませると言うのがおかしい。パネルが新しいタイプと言うのなら、それは製造メーカーが申請主体になって、研究場所提供者と共同で事業申請をするべきだ」と言われる。これも至極真っ当な意見、納得できる。どうも、このFT事業は、本来、FT(フィールド・テスト)が必要とする成果評価が、なんらなされていない事業であるとしか言いようが無い、というのが結論である。

NEDO事業で設置された太陽光発電システム。1kWあたりの設備単価は平均で80万円を超える。高いものは100万円以上だけど半額補助を受ける。補助金なしの家庭用なら65万円程度。でもまだ高いと、誰もが価格の低下を待っている
・「大きいことはいいことだ」だったのは昔
 まあ、こういう風にしてでもメーカーに市場を作ってやって金を流し込む様にして支援して見せてますよ、という風にして効果のある時代もあったのでしょう。でも、それって実は家庭用太陽光発電の補助事業が始まった頃の話で、今やそんな事業は意味を持たなくなってる、とすら言える状況だ。まず、その使われる太陽電池の量が市場にとって意味のあるほどではない、ということ。80万kWを超えるほどの量が生産されるのに、このFT事業の規模は全部合わせてもせいぜい2万kW程度の規模であること。さらにその製品スペックが特殊であるということ。また、こうした単年度事業は 募集時期が限定され、通年で仕事がないので、仕事に波があることなどの問題がある。ということから見れば既に、こうした中途半端な事業の役割は終えているとみるべきだろう。すでに、こうした太陽光発電の事業においては、量産効果によってどれだけコスト削減が図れるのかという点にあるのだから、成果もフィードバックできないようなFT事業は止めて、本当に意味のある事業だけに限定した方が余程効果が上がるだろう。少なくとも之まで行われた事業は全部、その装置がどう使われているのか、どういう経済効果を上げているのかを含めて、本当の意味の成果評価を行うべきだろう。次に、このFT事業の経済性を見てみる。このFT事業は10kW以上の規模のものが対象になっている。その理由の一つが、産業用の大規模なものの価格が十分に下がっていないから補助金で、支援する必要があると言うものだ。しかし、考えてみればおかしな話だ。太陽光発電自体は1kWのものは、産業用だろうが家庭用だろうが、同じだけの電力を生産する。ならば、同じ支援を行うなら1kWあたり20万円近く安い、一般住宅用の支援に資金を使えばさらに量産効果を生むことは確かだ。「大規模なもの」への支援は、公金の無駄遣いにも見える。「電力会社がやるべきプロジェクトではないのでは?」で私は、九州電力が大牟田に建設するとしたメガソーラーの資金の非効率を指摘したが、最近、マスコミをにぎわしているメガソーラーなどよりも、家庭用太陽光発電の方がよほど分散型で系統への負荷平準化にも貢献し、資金効率が高いことはちょっとその数字を比較すれば分かることだ。補助金を国から受けようが受けまいが、その費用が20万円安い方がいいに決まっているだろう。
・普及には固定価格買い取り制度(FIT)が有効
 一般家庭用の太陽光発電は、補助金がなくなったということもあって、国内設置は2年続けて減ってしまった。そして、固定価格買い取り制度(FIT)という、設置者が確実に設備投資費用を回収できる成果支援制度で普及を図っている、ドイツをはじめとする欧州などへと、日本の太陽電池が昨年は80%が輸出されている。さらに、今年は3~5年後には半額にすると言った「福田ビジョン」の所為で買い控えが起こり、国内需要は急激に落ち込んでしまった。(関連記事:地方では太陽光発電の設置業者が倒産している)ここで、政策的な新たに支援を行うと言うのなら、これまでの制度の問題点を解決しさらに発展的に展開できる日本型の固定価格支援制度へと変更するべきだろう。以下にその実施例を考えてみた。
 ●太陽光発電に関しては、余剰電力の買い取りではなく全量買い取り義務へと変更する
 ●電力の買い取り価格は当面、1kWh25円とする
 ●個別の太陽光発電事業者からの買い取り価格は、設置年度毎の発電原価から25円を差し引いたものを電源開発促進税から支給する
 ●支給するにあたって各地域の経済団体発行の通用期間限定の買い物クーポン券で支給されるものとする
 今後、普及量が増えれば、当然、発電原価は下がっていくので、当然、その買い取り保証価格はどんどんと下がっていくことになる。これによって日本の社会の中に、再生可能エネルギー(自然エネルギー)の装置へとお金が回っていく、よい経済循環が出来上がることだろう。これは、疲弊していく一方の地域経済にとっても、地域内の経済自給力を高めることになるだろう。20年間で経済的に元が取れるなら、30年持たせればあとの10年は無料で電力が手に入る訳だ。借金してでもやれる話だ。これは、太陽光発電が生産財で、新たに今まで人間にとって価値のなかった太陽の光を私たちの社会に導きいれると言うことで、人間の社会を豊かにしているから成り立つわけだ。
・ばら撒きの為の事業は経済合理性を欠く
 さて、問題のNEDO事業だが、ばら撒きの為の事業は経済合理性を欠くのでやめるが先進的な取り組みはなされねばならないので、以下に事業の本当の代替提案を考えてみたい。
 ●プロジェクトの必要性のある提案のみの採択を行う
 ●実施主体を別に募集する
 でも、これでも難しいだろう。企業にとってはノウハウとか新アイデアとかは宝だからだ。ここへ出す事自体が、そのノウハウが出て行く恐れがある。だから、ここで提案されて採用されるアイデアに関しては、特許権の半分とか実用新案権の半分が政府収入になる様にしてあげると言うのも手だ。ただし、官僚の利権と化する懼れはある。NEDOみたいな経産省からのばら撒き補助金の窓口から、本当に必要なプロジェクトに関しては別のところへ変えたほうが良いのかもしれない。技術的な検討を企業などと一緒にできると言うことなら、産業総合研究所の太陽光発電センターが妥当だろう。ここなら専門の研究者を抱えているので、過去のデータを含めて、キチンとした成果を評価できると思う。まあ、何にしろ、これまでやってたからとその事業の妥当性も考えずにだらだらと年間58億円もの公金をばら撒いてる非効率、こうした補助金は見直しをすべきだろう。金の使い方が勿体無いのだから……。今からでも決して遅くはない、日本の太陽光発電は実際に設置されている量はドイツに抜かれてしまっているが、過去に設置された実例は沢山ある。長期に亘りきちんと発電するかどうかが、一番重要なのだ。
・自然エネルギーから拓けてくる新たな未来
 今こそ制度を見直すチャンスだ。成果評価方式に変えてその発電量がきちんと報告として挙がっている仕組みに変えよう。その数字は、直接CO2を出さなかった証拠だ。そして、それをさらに検証して今後どう生かしていくのかを検討しよう。これまでの成果のわからない非効率なばらまき補助金は止めて、正しく成果評価できて、公平で公正な形の地域経済にも貢献する制度へと変更するいい機会だと考えるべきだ。この制度へ変えれば、国民の誰もが自分が使う電力を自然エネルギーに変えることが可能となるだろう。そして、CO2と放射性廃棄物を副産物として売りつけるのが仕事だった電力会社は、分散型電源で生み出される環境負荷のない電力を各地で過不足なく有効利用するためのインフラの管理者として重要な社会的な役割を果たすようになるだろう。太陽光発電など、自然エネルギーからはそんな新たな未来が見えてきている。