出典:http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080906/env0809061859001-n1.htm
太陽熱を利用してお湯を沸かすソーラーシステムが復活の兆しをみせて
いる。太陽光発電のほか、電気でお湯も沸かすオール電化住宅の普及に押
されていたが、光熱費の値上がりや、太陽光発電に比べ設置費用が安いこ
とで見直されている。補助金を支給する自治体も増えており、普及の追い
風になっている。
ソーラーシステムの大手メーカー、ノーリツでは7月に入り、一時、欠
品状態に陥った。販売が急速に伸びたためで、結局7月の販売台数は57
0台と前年同月の2倍に達した。商品を紹介するウェブサイトのページビ
ューも前年の4倍に急増し、消費者の関心の高まりをうかがわせている。
最大手の矢崎総業も7月の販売台数が約1.5倍の1059台に伸びた。
ソーラーシステムは太陽熱を直接利用してお湯を沸かし、お風呂や炊事、
床暖房などに利用する。第1次、第2次オイルショックによる光熱費の高
騰を機に普及し、昭和45年のピークには販売台数が約83万台に達した。
しかし、訪問販売によるトラブルでイメージが悪化。太陽光発電などの新
しいシステムが登場したこともあって、平成19年の販売台数は約5万台
にまで落ち込んでいた。
だが、原油高の影響で光熱費が上昇したことで状況が変わりつつある。
同じ省エネシステムでも初期費用が安い点が魅力だ。太陽光発電は3キロ
ワット級で約200万円かかるのに対し、ソーラーシステムは屋根に集熱
板を設置し、地上のタンクでお湯を沸かす強制循環式でも約90万円で済
む。
自治体による後押しも進んできた。広島市は自然エネルギーの利用を増
やすことを狙いに、今年度から設置に対し5万円の補助を始めたほか、横
浜市も近くモニターによる補助制度を導入する予定だ。
一般家庭の環境意識の高まりも追い風だ。業界団体のソーラーシステム
振興協会は、今年6月から設置家庭に「CO2削減効果計算証書」を発行
するサービスを始めた。光熱費の節約だけでなく、地球温暖化防止に貢献
できるメリットも強調し、普及促進に取り組んでいる。
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