2008年9月26日金曜日

発電、給湯に太陽の力 屋上にパネル 国も補助金

屋上に設置したパネルで太陽の熱を集め、全戸の給湯や床暖房に利用するマンションも登場


出典:http://home.yomiuri.co.jp/kaiteki/20080923hg01.htm
 太陽の光や熱を利用して、発電や給湯に使うマンションが登場している。光
熱費を抑えられる上、二酸化炭素(CO2)の排出量削減にもつながり、国も
補助金を出すなど設備の導入を後押ししている。
 北九州市八幡東区の会社経営、松田圭司さん(39)は今春、一家4人で、
太陽光発電設備の付いた分譲マンション「リビオ東田ヴィルコート」に引っ越
した。事業主は新日鉄都市開発(東京)。
 屋上に太陽光パネルがあり、発電した電力をエレベーターや廊下の照明など
共用部分に使う。電力が余ると、新日鉄グループ内の発電所に売ることができ、
その代金をマンションの修繕費用に充てている。
 また、各戸ごとに、電気の使用が一定量を超えると、音や光を発して知らせ
るパネルを屋内に設置。マンションの出入り口には、発電量やCO2の削減量
が一目でわかる大型モニターもある。
 「このマンションに住むようになって、家族全員が電気をこまめに消すよう
になり、省エネや環境に対する意識が自然に高まった」と松田さんは話す。引
っ越すまでは古い一戸建てに住んでおり、電気代が月に約4万円近くかかって
いたが、この夏は約1万6000円に抑えられたという。
 3LDKか4LDKのファミリータイプが多く、中心価格帯は2900万円。
周辺の同程度の広さのマンションより1割ほど高めだが、松田さんは「売却す
る際には、こうした発電設備がマンションの付加価値になる」とみている。
 大和ハウス工業(大阪)が手がけ、今春から入居が始まった分譲マンション
「ディーグラフォート レイクタウン」(埼玉県越谷市)は、太陽熱を給湯や
暖房に生かしている。
 マンション屋上に集熱パネルを設置し、その内部に不凍液が入っており、太
陽熱で温められる。不凍液は1階にあるプラントに送られて水を温め、その温
水が各戸に行き渡って給湯や床暖房に使われる。
 温水は晴れた日で80~90度、雨の日でも40度になる。温度が低い場合
はガスボイラーで追いだきするが、ガスを一括購入して価格を抑える。給湯や
暖房費用は、通常のマンションに比べ、1戸あたり年間約4万円低くなるとい
う。
 大和ハウス工業の担当、堀達雄さんは「原油高騰の影響で電気代、ガス代共
に上昇傾向にある。冬場には、さらにパネル設置の効果を実感してもらえるの
では」と話す。
 両マンションとも、従来の集合住宅に比べると、CO2の排出量を2割以上
削減できる。いずれも環境省の補助事業「街区まるごとCO2 20%削減事
業」の補助金を受けており、設備導入にかかる費用が1戸あたり40万~70
万円安くなっている。
 太陽光や熱の利用に詳しい、新エネルギー財団(東京)の新国禎倖さんは
「ただし、設備にコストがかかり、通常のマンションに比べると価格が高くな
るのが難点」と話す。そうした声を受けて経済産業省は、家庭用の太陽光発電
システムの購入補助を来年度から4年ぶりに復活させる予定。「入居者の省エ
ネや環境意識が高まり、光熱費も減らせる。国の後押しが追い風となれば、集
合住宅での導入が進むのではないでしょうか」と新国さんは話している。



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