2008年9月8日月曜日

太陽光発電を簡素化、途上国への普及目指す 豪研究者


出典:http://www.cnn.co.jp/science/CNN200809060019.html
太陽熱を利用してお湯を沸かすチベットの女性
「地球環境に優しい技術にはお金がかかる」――そんな現状を覆そうと、
太陽光発電の分野で近年、途上国の貧しい住民が利用できる、安くて簡単
な技術の開発が進んでいる。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大
博士課程のニコール・ケッパー氏が考案した「iJET(アイジェット)」
もその1つだ。
ケッパー氏によれば、アイジェットは「インクジェット方式のプリンター
とマニキュアの除光液、ピザの焼けるオーブンがあれば作れる」太陽光発
電機。従来の工程と違い、クリーンルームを備えた工場や熟練した技術者
を必要としないため、約半分の費用で製造できる。同氏は今年、この技術
で、同国の優れた科学者に贈られる「オーストラリア博物館エウレカ賞」
を受賞した。「工程を簡素化し、分かりやすくすることが、太陽光発電を
途上国に普及させるカギだと考えたのです」と、同氏は語る。
途上国ではすでに、インフラ整備に膨大な費用と時間のかかる従来の電力
供給システムに代わるものとして、太陽光発電が注目を集めている。「一
軒一軒の家、ひとつひとつの村に設備を取り付けることにより、太陽光発
電は着実に普及するだろう」と語るのは、アフリカ東部などで灯油ランプ
をソーラー式発光ダイオード(LED)照明に切り替えるプロジェクトに
取り組む非営利団体「ソーラーエイド」のジェレミー・レゲット会長だ。
同会長は、「太陽光発電のコストを下げるための技術は日進月歩の勢い。
新たな発明も大歓迎だ」と話す。
ケッパー氏が描くのは、アイジェットを途上国の企業が製造し、地元の家
庭に販売するという将来像だ。「現地で製造できれば、雇用創出などの経
済効果も期待できる」と、同氏は説明する。
同氏によれば、当面の課題は、太陽光発電機の主要な材料となるシリコン
の使用量をいかに減らすかということ。「シリコンは製造コストの約50
%を占めているのが現状。コスト削減のためには、この割合を低くする必
要がある」という。



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