2008年10月6日月曜日

中国で民生分野初の省エネモデル事業を実施


出典:http://www.nedo.go.jp/informations/press/200924_2/200924_2.html
2008年9月24日
独立行政法人
新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 村田 成二

中国で民生分野初の省エネモデル事業を実施
-23日に覚書締結-

 NEDO技術開発機構は明23日、中国国家発展改革委員会及び上海市政府との間で民生分野における省エネモデル事業を行う覚書を締結します。民生建築向けの省エネモデル事業を中国で実施するのは初めてで、上海市の代表的なホテル花園飯店を対象に日本の進んだ省エネ技術等を導入し、BEMS(ビル用エネルギ-管理システム)を活用して包括的に効率的な運用を行い、建物全体のエネルギ-消費量の低減を図ります。



本覚書は、NEDO技術開発機構が推進する国際エネルギー使用合理化等対策事業である省エネモデル事業を実施するに当たり、双方の役割分担、スケジュール、サイト等を取り決めするものであり、明日、国発改委、上海市政府、NEDO技術開発機構の代表者によって署名され、直ちに発効するものです。本モデル事業は、この覚書に基づいて、平成20年度及び21年度に国発改委と上海市政府の監督の下、行われます。これまでエネルギー多消費産業向けに省エネモデル事業を多く実施してきましたが、民生用途の建築物に対するものとしては今回が初めてとなります。


中国では、近年の経済成長を背景にエネルギー消費量が急激に増加しており、今年度中には米国を抜いて世界第1位のエネルギー消費大国になると見込まれています。特に民生部門のエネルギー消費の増加が顕著であり、1990年以降、年率14%を超える増加傾向を示しています。現時点では、全エネルギー消費量に占める民生部門の割合は27%程度ですが、急速な都市化の進展により2020年には産業部門を上回り約40%に達するとの予測もあります。このようなエネルギー消費量の増大は、電力不足、石油の対外依存度の増大等のエネルギー問題を引き起こし、世界のエネルギー需給に影響を及ぼすまでに深刻化していることから、中国のエネルギー問題は、中国国内の問題に留まらず、今や我が国も含めた世界的かつ喫緊の課題となっています。


2006年に中国政府から発表された「第11次・5ヵ年計画」では、GDP当たりのエネルギー消費量を2010年までに2005年比で20%削減するとの意欲的な目標が掲げられました。この目標達成に向けて、省エネルギー法の改正作業が開始された他、エネルギー価格の引き上げなど様々な施策が打ち出されています。しかしながら、その進捗は必らずしも順調とは言えず、目標達成のためには、省エネルギー分野での更なる技術導入が不可欠な状況となっています。


本モデル事業では、動力のインバータ化やエコノマイザなどの従来から用いられてきた省エネルギー技術に、高効率ヒートポンプ、コージェネレーション、太陽光発電などの最先端の技術を、対象施設の実態に合わせて複合的に組み合わせることにより、エネルギー消費効率の大幅な改善を目指します。また、BEMSを導入することで、建物のエネルギー消費・設備運用の実態を把握し、設備運用の最適化を図るとともに、エネルギー管理の概念を定着させ、運用段階での改善も促します。

問い合わせ先
NEDO技術開発機構 エネルギー・環境本部 国際事業統括室 荻野、松坂
TEL:044(520)5190 FAX:044(520)5193

補足説明
※国家発展改革委員会について
中国国家発展改革委員会(こっかはってん・かいかくいいんかい)は、中華人民共和国国務院に属する行政部門で、経済と社会の政策研究、経済のマクロ調整などを行う。前身は1952年に成立した国家計画委員会で1998年3月に国家発展・計画委員会に変更した後、2003年3月に現在の名称に変更している。


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