2008年10月24日金曜日

半導体メーカー、太陽電池市場に続々参入


出典:http://www.semicon-news.co.jp/news/htm/sn1812-j.htm
 インテルとキマンダ、09年にも製品化
 モセル、太陽電池に事業シフト

 太陽電池市場の拡大に伴い、半導体企業の参入が目立っている。最大手の米
インテルをはじめ同IBM、独キマンダなどの欧米勢やファンドリー2番手である
台湾UMCの子会社ネックスパワー テクノロジー、同モセルバイテリックなどが
積極的に動いている。
 2005年の京都議定書の正式発効により、環境負荷低減や脱化石エネルギーに
対する取り組みが積極化する中で、太陽電池、燃料電池、風力発電、波力発電
といった新エネルギーへの期待が高まっている。このうち、太陽電池はドイツ、
スペインなど欧州、さらには日本、米国などを中心に導入が進んでいる。近年、
太陽電池の生産能力はほぼ2年で倍増という勢いで拡大しているが、07年にお
ける生産能力は3.7GWに到達。10年には10GWレベルにまで達すると言われてい
る。また、同年には太陽電池向け投資額は半導体向け投資額と同水準にまで拡
大するとの見通しもある。
 このような中、半導体関連企業が続々と太陽電池事業への参入を決定してい
る。先行する製造装置メーカーでは米アプライド マテリアルズやアルバック
などが装置一式を納入するターンキーソリューションを展開。装置納入のみな
らず製造の技術コンサルタントにより強力にサポートしている。一方、最近で
はインテル、キマンダ、IBMなどの大手半導体メーカーも参入を表明している。
 インテルは、社内で進めてきた太陽電池の研究開発をスピンオフし、新会社
「SpectraWatt」として独立させる。インテルキャピタルが5000万ドル投資す
るほか、Goldman Sachsグループ、PCGクリーンエナジー・アンド・テクノロジ
ーファンド、ソロンAGも出資。新会社は08年中ごろから米オレゴン州において
先端研究開発および製造施設の建設に着工。09年上半期までに太陽電池モジュ
ールメーカー向けにSiベースの太陽電池を出荷する計画だ。
 キマンダは独CentroSolar Group AGと多結晶Siベース太陽電池製造を行う合
弁会社を設立する。出資比率はキマンダが51%、CentroSolarが49%。製造拠
点はポルトガルのVila do Condeにあるキマンダの既存製造拠点に設置する。
09年初頭には製造装置の導入など製造施設としての準備を終え、同年第2四半
期に製造を開始する。年間生産能力は、当初最大3000万個(約100MW)で、09
年9月までに7000万ユーロの初期投資を行う予定。また、中国・新宇市にある
LDKソーラーリミテッドとシリコン供給契約を締結する。
 モセルは半導体ファンドリー事業でパワーMOSFETやドライバーICなどを生産
しているが、以前から社内で進めてきたSi結晶系太陽電池を事業化した。07年
には台湾・新竹市のライン1で30MW、08年第1四半期にはライン2で30MWの量産
を開始し、60MWクラスの生産能力を確保。さらに、同湖口に新工場を建設する
計画を進めている。08年第4四半期までに製造装置を導入し、50MWに対応する
ライン3と4を立ち上げる。生産開始は09年第1四半期を予定しており、これに
より160MW体制にする。同社はライン12まで計画しており、09年第2四半期に
260MW、10年半ばまでには600MWにまで拡大するという。
 ネックスパワーは、08年4月から台中工場にて薄膜アモルファスSi太陽電池
の生産を開始。09年に100MW、10年に200MW、さらには14年には1GW体制にまで
拡張していく計画。アルバック、アプライドなどから装置を導入している。
 IBMは、東京応化工業とCIGS太陽電池の製造および大面積太陽電池モジュー
ルの量産化技術で共同開発を行う。従来、CIGS薄膜製造には蒸着法が採用され
ているが、これに対して常圧下での材料塗布および低温の焼成により低コスト
の製造プロセスを確立し、事業化につなげていく。IBMは光電変換層にCIGSを
用いて常温/常圧下で太陽電池を製造するプロセス技術を進めており15%を超
える発電効率の達成を目標としている。
 このほか、米ナショナルセミコンダクターは、太陽光発電の発電効率を高め
る「SolarMagic」技術により太陽電池市場に参入した。日照条件の変化にかか
わらず太陽光発電システムの発電性能を大幅に向上させる。08年末~09年初頭
に製品化する計画だ。



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