2008年10月24日金曜日

電力10社、新たな環境対策の武器に 太陽光発電 20年度までに33倍


出典:http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200810100012a.nwc
九州電力が福岡県大牟田市に2010年度に導入する
出力3000キロワットの設備の完成予想図
 電力会社が、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さない「太陽光発電」
の導入を拡大する。2020年度までに電力10社合計で発電出力14万
キロワットの設備を全国30地点に建設し、発電規模を現状比の33倍に
引き上げる。国内CO2排出量のうち、約3割を出している電力は従来、
原子力発電を環境対策の柱に据えてきた。ただ、相次ぐトラブルなどで原
発の利用率は向上しておらず、新たな環境負荷低減の武器として太陽光発
電など新エネルギーも積極的に活用する。
 出力14万キロワットの太陽光発電が完成すれば、一般家庭4万戸の1
年分の電力を賄えるほか、CO2の削減量も一般家庭約1万3500世帯
の年間排出量に相当する7万トンに上る。
 このため、すでに関西電力がシャープと共同で堺市堺区に発電出力1万
8000キロワットの設備を建設し、10年度から運転開始することを決
めたほか、関電単独でも11年度に1万キロワットの設備を同西区に導入
する。
 九州電力は福岡県大牟田市に出力3000キロワットの設備を10年度
に導入するほか、北海道電力も20年度までに道内に発電出力5000キ
ロワットの太陽光発電を建設する計画。東京電力は、三井物産と共同で1
0年10月開業予定の羽田空港国際線地区貨物ターミナル(東京都大田区)
に出力2000キロワットの設備を設置し、単独でも導入を進める方針だ。
 国は、CO2の一段の排出抑制に向け、太陽光発電の国内導入量を05
年度の約142万キロワットから30年度には40倍へ引き上げる目標を
掲げている。
 業界団体の電気事業連合会の森詳介会長(関西電力社長)は「国は導入
量の大幅な拡大目標を示しており、自治体や企業の今後の採用動向を見極
めて(導入拡大の)検討を進める」としている。
                   ◇
【予報図】
 ■普及進めば資源高騰抑制も
 経済産業省は7日、太陽光など「非化石燃料」の利用を電力会社だけで
なく、ガス、石油会社にも義務付ける方針を発表した。「石油代替エネル
ギー法」(代替エネ法)の抜本改正案を来年の通常国会に提出する方向で、
自然エネルギーの一定量の利用が、「新エネルギー等利用法」(RPS法)
で義務づけられている電力会社以外にも法改正によって課せられる。
 太陽光発電は、すでにRPS法の対象。「電力各社で太陽光発電所の導
入が進めば、RPSの面でも大きな貢献につながる」と電気事業連合会の
森詳介会長(関西電力社長)は説明している。
 国も温室効果ガス削減の有効な手段として普及を促すが、足元ではコス
トが課題。1キロワット時当たりの発電コストは47円程度と、原子力発
電の同5?7円に比べ最大で10倍近くなると言われる。設備投資もかさ
む。関西電力の出力1万キロワットの設備投資額は50億円に達する。原
油高で業績が悪化する中、自然エネへの投資負担がエネルギー各社の業績
を圧迫する可能性もある。 ただ、産業界ではトヨタ自動車が3月に堤工
場(愛知県豊田市)で出力2000キロワットの設備を導入するなど普及
の動きも活発化。国としても、年明けから家庭用の太陽光発電の導入費用
の1割程度(1戸当たり20万円超)の補助を行う方針を固めており、
「普及に伴う量産効果で、課題のコスト削減も進む」(電力会社幹部)と
みられる。
 太陽光発電の普及が拡大すれば、資源に乏しい日本の新たなエネルギー
源となるうえ「新興国に太陽光発電の技術移転が進めば、脱石油化が加速
し、資源価格の高騰の抑制効果につながる可能性もある」と第一生命経済
研究所の永浜利広・主席エコノミストは指摘している。



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