出典:http://202.143.251.238/localNews/2008_122474112265.html
水面から高さ56㍍の位置でゆっくりと回る巨大レンズ。
中には光源となる電球がある
豊後水道のど真ん中の孤島にそびえ立つ水ノ子島灯台。明治時代から戦火や
嵐を乗り越え、建造当時の姿を残して百年以上も明かりをともし続けている。
灯台記念日(十一月一日)にちなんで大分海上保安部は二十二日、内部を公開
した。以前は職員が泊まり込みで働いていたが、技術の進歩とともに無人とな
り、代わりにハイテク機器が灯台を支えている。
三百六十度、見渡す限り海。「キーキー」。ガラス張りの空間で巨大なレン
ズ(直径一・二五㍍)が、きしむ音を立てながらゆっくりと回る。水面から高
さ約五十六㍍にある灯火だ。光源は小さな電球だが、レンズで集約された光は
二十カイリ(約三十七㌔)まで届く。電球は外の照度を感知して自動で点灯す
る仕組みという。
壁に取り付けられた携帯電話。灯台の無人化を可能にした遠隔監視装置だ。
時折、灯台をチェックするための呼び出し音が響いていた。
職員の居住空間は灯台とつながった別棟にあった。一九八六年まで職員二人
ずつが十日交代で詰めていたという。
以前は軽油で発電していたが、現在は環境に優しい二種類の自然エネルギー
を活用。灯台横には大きな太陽光発電のパネルと、波力発電のパイプが備えら
れている。
同灯台は孤島という悪条件下にあり、百四十年間の灯台建設史上で難工事の
一つに挙げられている。海上保安部職員は「こんな海の真ん中に造り上げた当
時の技術力の高さに頭が下がる。守り続けていかないと」と気持ちを新たにし
ていた。
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