出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081001/158937/?ref=ML
講演するKonarka Technologies社 CTOのBrabec氏。
米Konarka Technologies,Inc.は,ドイツ・フランクフルトで開催中の有機
半導体技術についての国際会議「Organic Semiconductor Conference 2008
(OSC-08)」で,同社が開発中の有機薄膜太陽電池の将来性について講演した。
その中で同社は,「有機薄膜太陽電池で20%の変換効率を達成することに,本
質的な障害はない」(同社CTOのChristoph Brabec氏)と楽観的な見通しを示
した。
現在,有機薄膜太陽電池の小セルでのエネルギー変換効率は,公的機関で確
認された数字で最大5.7%,Konarka社の場合で5.24%,モジュールでは3%台
にとどまっている。Konarka社は,「次世代の光電変換材料を利用することで,
2011年ごろに単層でも効率10%を超えられる」と予測する。次世代の材料とは,
よりバンドギャップが小さく,それでいてバンドギャップの上側のエネルギー
準位(LUMO)が大きい材料を指す。
より具体的には,光を吸収する層の材料を,バンドギャップが2.1eV前後,
LUMOが3.3eV前後だった従来材料から,バンドギャップ1.8eV前後,LUMO3.5~
3.6eVの「第2世代」,そしてバンドギャップ1.6eV前後,LUMO3.8eV前後の「第
3世代」と呼ぶ材料に代えていくことで実現できるとする。タンデムなど,太
陽電池を積層する手法を用いれば2011年ごろに変換効率を12%超に引き上げる
ことも可能になるという。そしてKonarka社は,その変換効率の向上が20%程
度までは続くとした。
有機薄膜太陽電池は,有機EL照明とほぼ同じ材料と構造が使える。欧米には
ドイツNovaled AGなど,有機薄膜太陽電池と有機EL照明の開発を同時に進めて
いる企業が多いようだ。
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