出典:http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20081107.html
経済産業省・資源エネルギー庁は国内の太陽電池産業の競争力を強化するた
め、中長期的な産業戦略の策定に乗り出す。太陽電池パネルメーカーや関連企
業全体を対象に革新的な技術開発や材料調達、税制などの課題を整理。生産量
世界一の地位を維持するとともに、安い製品を作れる中国など新興国のメーカ
ーにも対抗できる産業構造の構築を目指す。年内に産業界や学識者などで構成
する専門の研究会を立ち上げ、議論に着手する。年度内をめどに報告書をまと
める。
太陽電池の産業戦略の必要性は、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問
機関)新エネルギー部会がまとめた緊急提言に盛り込まれた。エネ庁は戦略策
定のため「ソーラーシステム産業戦略研究会」を新設する。
研究会では太陽電池パネルの価格低減につながる革新技術開発への支援など
のほか、原料となるシリコン不足への対応など素材産業なども含めた課題を抽
出。太陽電池産業の将来像を示すとともに、低炭素社会実現に向けた必要性を
あらためて明示する。
中国、インドなど新興国で大規模な生産投資が行われている背景も考慮し、
日本企業が海外でもトップシェアを握るための戦略も提示する方向。価格面で
は新興国に比べて不利になることが予想されることから、品質などで標準化が
可能かどうかなども検討する。
太陽光発電に関して政府は2020年までに現状の約10倍、30年までに
約40倍に導入量を拡大する計画。これまで住宅用太陽光発電の設置補助金を
復活、09年度予算に238億円を要求するなど需要創出を図ってきたが、自
立的な普及拡大を目指すには産業全体の底上げが不可欠と判断した。
エネ庁は産業戦略の策定を通じて、生産量世界一を誇る日本の太陽電池産業
の競争力を維持したい考え。同産業は関連企業のすそ野も広いことから、雇用
創出効果など産業政策上の位置付けも明確にする。
太陽光発電をめぐっては大量導入に向けた行程表の作成に着手したほか、電
力系統に与える影響や費用負担の議論が進んでいる。産業力強化の点では官民
共同の「ソーラー住宅普及促進懇談会」などが発足している。
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