2008年11月15日土曜日

【生かせ!太陽光】家庭でしっかり発電(下)


出典:http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081113/sty0811130752001-n1.htm
太陽光発電システムを取り付けた家が立ち並ぶ住宅地。
国の補助金復活は普及への追い風となりそうだ=千葉県内 

■深刻な日陰問題 求められる基準づくり
 東京都荒川区に住む50代の主婦は今、日陰問題に悩んでいる。南隣の家が
10月、平屋から3階建てに建て替えられ、自宅より高くなった。現状では影
響はないが、冬至のころになると、屋根にある太陽光発電パネルの一部が日陰
になる恐れがある。
 日陰で発電量が減る利用者を守る制度はない。区役所に相談したが、「運が
悪かったですね。影響が出たら民事訴訟しか方法がないのでは」という回答し
か得られなかった。主婦は「仮に裁判で勝っても、もらえるのはお金。『光』
はもらえない」と漏らす。
 国内の太陽光発電の総導入量(公称最大出力)は昨年、約192万キロワッ
トだが、国は2020年までに10倍に、30年には40倍にすることを目標
に掲げる。だが、導入量が増えれば、都心部などで日陰問題に悩む人は増える
可能性がある。
 太陽光発電に詳しい黒川浩助・東京工業大特任教授(エネルギー工学)は
「国は普及を進めているが、期待される量が本当に発電されているかどうか具
体的に把握する努力を欠いている。把握しようとすれば、日陰問題も無視でき
ないはず。日陰の影響で3~4割発電量が落ちている家庭はたくさんある。こ
れからも増えてくる。日陰の被害は発電量で計算できるので、極端に影響を受
けている利用者を守る基準を作るべきではないか」と指摘する。
 太陽光発電システムの課題はまだある。そもそも導入コストが高い点だ。家
庭用のシステムは平均3・5~4キロワット。3・5キロワット分のシステム
は、設置工事費などを合わせると250万円ほどする。
 補助金を支給する自治体もあるが、利用が伸び悩んでいるところもある。愛
知県田原市は1キロワットのシステムにつき15万円の補助金を支給している。
全国的にも高額だが、補助金の利用者は平成17年度の116人から18年度
は98人、19年度には65人に減少した。不景気などが影響した、と担当者
はみている。
 普及を進める国は、17年度にやめた補助金を今年度中に再開するために調
整を進めている。さらに、国は技術革新などにより「3~5年以内に太陽光発
電システムの価格を現在の半額程度にする」ことも目指す。国の補助金は自治
体の補助金との併用も可能であるため、実現すれば普及への追い風となりそう
だ。



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