出典:http://wiredvision.jp/news/200811/2008110523.html
2008年11月 5日
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Brandon Keim
幅約1000キロメートル、長さ約2万キロメートルに及ぶ、磁力で管状になった高温のガスが、時速5万キロメートルの速さで動いているところを想像して欲しい。それが上に掲げた写真だ。
これは、スピキュール(太陽彩層ジェット)と呼ばれる太陽の現象を、現時点で最高の解像度でとらえた画像だ。
太陽表面を流れる音波状の波と磁気流体波の複雑な相互作用によって生み出される数万のスピキュールは、常に活動を続けており、太陽から外に向かって噴き上がり、数分経つとまた太陽表面に向けて下降する。
スピキュールは、地球の直径ほどもある厚さの、太陽を取り巻く彩層と呼ばれる大気層を構成している。地球の大気の場合は、約11キロメートルという薄い層になっている。
とかく忘れがちだが(私だけかもしれないとはいえ)、太陽は1億5000万キロメートルの彼方にあり、この熱いガスの球から遠すぎもせず、近すぎもしない位置に岩石惑星が存在するという偶然の幸運のおかげで、この地球に生命が存在する。
『スウェーデン1メートル太陽望遠鏡』で撮影されたこの写真は、このことをしっかりと思い出させてくれる。[スウェーデン1メートル太陽望遠鏡は、スウェーデン王立科学アカデミーが管理する望遠鏡で、2002年3月開設。カナリア諸島のラ・パルマ島、標高約2400m地点にある]
この記事は、米航空宇宙局(NASA)の『今日の天文写真――スピキュール:太陽表面から吹き出すジェット』を参考にした。
[宇宙航空研究開発機構が2006年9月に打ち上げた太陽観測衛星「ひので」のデータを解析し、彩層ジェット現象がコロナを超高温にしている可能性が高い、とした京都大学の柴田一成教授らの研究プレスリリース(2007年12月)はこちら]
[日本語版:ガリレオ-平井眞弓/福岡洋一]
WIRED NEWS 原文(English)
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