2008年11月15日土曜日

太陽光発電、世界一奪還へ 政府も「ようやく本腰」 公的施設導入を強力推進


出典:http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=122853&dt=2008-11-12
 いまこそ脱石油を進める好機ではないか。中でも二酸化炭素を出さない太陽
光発電への関心は依然高い。日本は2005年にドイツに追い抜かれるまで、太陽
光発電の技術・導入量ともに世界一を誇っていた。そのドイツは発電能力で、
いまや日本の1・7倍とずっと先を行く。「21世紀の基幹産業」に成長すると期
待を集める分野で再度、世界一を目指し、日本も普及に力を入れる時。

 政府がまとめた、クリーンエネルギーの太陽光発電を普及させるための行動
計画では、家庭だけでなく、公立小中学校や高速道路、駅など公的施設への導
入を促すのを柱の1つとしている。これら「公的施設」が設備を導入する際、
国の補助率を事業費の2分の1へと拡充を図る意向。

 ようやく重い腰を上げた日本政府。今年7月には、財源難を理由に2005年度
以来中止されていた家庭用において、太陽光発電に対する補助金制度(1キロ
ワット当たり7万円)を復活させる意向など、太陽光発電の導入量を20年に現
状の10倍、30年に40倍とする目標を掲げている(「低炭素社会づくり行動計
画」)。

 ただ、公的施設への太陽光発電の導入は進んでいないのが現状。例えば、全
国約3万2000の小中学校では、太陽光発電を設置しているのは約280校で1%に
満たない。政府は、公的施設の拡充を図ることで、太陽光パネルなど製造量が
増えて製造単価が下がり、民間の事業所への導入も進む可能性があると判断し
ている。また、全国公立小中学校の8割が太陽光発電を導入すれば、年間発電
量は一般家庭15万世帯が太陽光発電を設置した場合の発電量に相当する5・1億
キロワット/アワー程度となる。これによる二酸化炭素の排出量は、大手鉄鋼
メーカーの年平均削減量に相当する年間約23万トンを減らすことができるとい
う。

 日本の技術、試される時
 かつて日本勢は、05年にはシャープ(6753・1位)、京セラ(6971・3位)、
三洋電機(6764・4位)、三菱電機(6503・5位)と上位5社のうち4社を占めて
いた。しかし07年にはシャープが、シリコン調達で海外勢に買い負け、長年守
ってきた世界一の座をQセルズに明け渡して2位に陥落。以下、京セラ(4位)、
三洋(8位)と各社とも後退し、三菱電機はトップ10からも脱落した。そして、
市場の拡大とともに、新規参入者も増え続け、世界には現在200社以上の太陽
光発電関連のメーカーが存在している。ただ、三洋電機のように、同シェアは
8位だが、発電の効率は世界最高とされるなど、その技術力の高さは魅力であ
り、パナソニックがのどから手が出るほど欲しがっている重要な要素だ。

 技術革新によって、発電設備の高性能、低価格化が進み始めた太陽光発電。
この流れを後押しするためには政府の開発支援が大事。(G)

太陽電池関連銘柄
シャープ 6753 世界シェア2位
京セラ 6971 世界シェア4位
三洋電機 6764 世界シェア8位
新日本石油 5001 色素型を開発中
ノリタケ 5331 新型ペースト材を開発
フジクラ 5803 非鉄・金属株。悪環境下での長時間連続稼働技術を開発
ホンダ 7267 薄膜原料を開発
アルバック 6728 国内メーカーの大半に薄膜太陽電池製造装置の納入実績
中外炉工業 1964 太陽電池製造装置の大型案件を獲得
昭和真空 6384 太陽電池製造装置
カネカ 4118 アモルファス太陽電池
トクヤマ 4043 結晶シリコン世界2位級
東京製綱 5981 太陽電池パネル向けの極細鋼線も手掛ける
石井表記 6336 プリント基板製造装置メーカー最大手、研磨機で高シェア
昭和シェル 5002 CIS型太陽電池で先行
田淵電機 6624 太陽光発電のインバータでは世界のトップ シェア
東京エレクトロン 8035 太陽電池でシャープと提携
藤森工業 7917 昭和電工と共同でプラスチック太陽電池素子の
       大面積・高性能化に成功
NPC 6255 製造装置・後工程で世界シェアの4割
フェローテック 6890 各国で製造装置に本格参入
三晃金属工業 1972 太陽エネルギーを電気に転換する環境共生型屋根システム



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