2008年11月15日土曜日

南フロリダ大が有機太陽電池の超小型モジュール,MEMSセンサの駆動目指す


出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081107/160968/
 米University of South Floridaは,2.2cm2という小面積内に20個の有機太
陽電池を直列に並べた超小型モジュールを開発した。MEMSセンサなどの駆動
を想定しているという。論文は再生可能エネルギー技術に関する学術雑誌の創
刊号に掲載された。
 このモジュールは,寸法が約1mm角の有機薄膜太陽電池(以下,セル)を
20個,直列に接続したもの。セルの活性層には,n型半導体材料としてフラー
レン誘導体のPCBM,p型半導体材料としてP3HTを用いた。加えて,n型とp型
の材料が互いに混ざりあう「バルク・ヘテロ」という構造を採用した。基板に
はITOをコートしたガラス基板を利用。有機材料はスピンコートで膜形成した。
活性層はセルごとに区切られていないが,正負の電極をセルごとにリソグラフ
ィを用いて形成することで,微小セルを高密度に集積した設計を実現した。
 MEMSセンサなどに向けたオンチップ型太陽電池の開発はこれまでにもSi系
太陽電池を使ったものがあった。有機薄膜太陽電池を選んだのは「基板を選ば
ず,コストが安く,フレキシブルな基板が選べること」(同論文)という。有
機薄膜太陽電池はまだSi系に比べて大幅に変換効率が低いが,「単セルの開放
電圧の高さはSi系に匹敵する」(同論文)という。
 太陽電池モジュールとしての具体的な性能は,セル20個の場合については
非公表で,セル18個の場合に開放電圧7.8V,短絡電流0.0135mA,モジュー
ル変換効率は0.06%と低い。これについて論文では「セルを横に並べた構造で
電気抵抗が増えてしまったため」と説明している。ただし,「MEMSの駆動に
必要なのは電力自体よりも高い電圧。今回の7.8Vという電圧を確認できたの
は収穫」(同論文)としている。



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