2008年11月15日土曜日

エネ庁が太陽光発電で窓口開設 普及拡大へ「補助併用」PR


出典:http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200811080027a.nwc
 資源エネルギー庁は、住宅用太陽光発電の普及を促すため各都道府県に相談
や申請を受け付ける窓口を設置し、国や各自治体が設けた補助制度を一括して
利用できるようにする。国、都道府県、市区町村の各補助制度をあわせて使え
ば、設置費用の半分程度を賄えるところもあり、同庁では「普及を一気に拡大
したい」考えだ。

 ◆費用は半額も
 窓口の運営主体は、公募によって電機や住宅設備メーカーでつくる太陽光発
電協会(代表理事=川村誠・京セラ社長)に決めた。都道府県ごとに事業者を
募り年明けにも運営を始める。
 国は年度内に1キロワット当たり7万円程度の補助を開始。一般的な住宅用
(発電能力3.5キロワット)だと、20万円ほどになる。設置費用は200
万円程度のため、およそ1割の補助となる。
 太陽光発電への補助制度は自治体レベルでも急速に広がっており、同庁によ
ると約300の自治体が制度を設けている。
 例えば、東京都は来年度から2年間、1件当たり30万円程度の補助制度を
始める。都環境局では「都内の市区がすでに実施している制度と組み合わせて
利用してほしい」としている。国と都、各市区の制度も併用すると、補助額は
計70万?80万円程度になる。また高知県檮原(ゆすはら)町の場合は1キ
ロワット当たり20万円。国の補助と合わせると90万円を超える計算だ。設
置費用は100万円強ですむことになる。
 国内の太陽光発電の導入量は2003年末に累計86万キロワットだったの
が、07年末には191.1万キロワットに拡大した。このうち8割が戸建て
住宅用とみられ、単純計算すると40万戸強が設置していることになる。
 ただ、新エネルギー財団の集計によると、07年度の太陽光発電設備の年間
販売実績は約5万件で、05年度の約7万3000件と比べると減速気味。1
994年度に始まった補助制度が2005年度にいったん終了したことが影響
しているようだ。

 ◆4万戸を支援
 08年度の補正予算には太陽光発電の補助として90億円を計上、4万戸程
度を支援できる。資エネ庁は、補助の復活にあわせてより使いやすくする環境
を整えることで太陽光発電の導入を再び加速させたい考え。来年度予算の概算
要求では10万戸分の238億円を計上している。
 国としては10年度に最大482万キロワット、100万戸超に相当する規
模にまで増やすことを目指している。
                   ◇
【予報図】
 ■量産効果で価格さらに低下
 今回の窓口開設は、制度の利用拡大に有効な手だてとなりそうだ。ただ景気
低迷で、制度の利用が政府の思惑ほど進まない可能性もある。
 太陽光発電を導入すれば、電気代の節約に加え、使わない電力を電力会社に
売却することもできる。このため初期投資は20年程度で回収できるとされる。
国や各自治体の補助制度をフルに活用すれば半額近い投資で太陽光発電設備を
設置することも可能で、回収期間はさらに短くなる。電気料金が上昇すれば電
力会社の買い取る価格も上昇、回収期間は一層短縮される。
 また太陽光発電設備の普及が進むにつれ、システム価格が低下している。設
置工事費や付属機器を含めた価格は、この10年で約3割下がった。補助制度
の再開をにらんで、三菱化学などの素材メーカーや、シャープ、三洋電機とい
った電機メーカーが相次いで増産計画を打ち出しており、量産効果でさらに価
格が低下していくのは確実だ。
 各都道府県に新たに設置する窓口では、補助制度の紹介、申請受付のほか、
啓発活動も行う。環境に優しいだけでなく、経済的にも利点が大きいことが強
調されることになりそうだ。
 ただ、景気の先行きは暗く賃金の上昇も見込めないため、太陽光発電設備の
導入は「環境問題に特に関心が高い人以外は見送りがちで、売電による収支計
算にもあまり興味を示さない」(大手住宅メーカー)のが実情。普及促進には、
ローンや教育費なども含めて家計を総合的にみて助言できる、ファイナンシャ
ルプランナーなどとの連携が求められる。



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