出典:http://www.semicon-news.co.jp/news/htm/sn1816-j.htm
前年比3倍増も ターンキーメーカー躍進
装置業界の救世主として期待高まる
太陽電池用製造装置市場が高成長に沸いている。半導体産業新聞では、世界
の主要太陽電池製造装置メーカーの2008年度の太陽電池用製造装置の売上高を
集計した。すべて円換算しているため、昨今の為替レートの激しい変動により
成長率に若干の差は出ているものの、各社ともおおむね極めて高い伸びを記録
している。中には前年比3倍増という著しい成長を遂げているメーカーもある。
半導体不況の影響で半導体製造装置がダウンターンに陥り、また液晶製造装置
も大型投資を行えるメーカー数の減少などにより市場性に暗雲が垂れ込める一
方で、太陽電池製造装置はこのように活況を呈しており、製造装置業界の“救
世主”的な存在となっている。
今のところ、太陽電池製造装置の金額ベースでの市場規模は、半導体や液晶
製造装置に比べ大きくはない。しかし、太陽電池は今後数年間は年率30~40%
という高成長を遂げていくと予測されており、この成長基調にうまく乗ってい
けば、太陽電池製造装置も当面高成長を続けると予測できる。「やがては液晶
製造装置市場を抜く」との予測もあるが、このままいけば現実味を帯びてきそ
うだ。さらに、このように成長性の高い市場であることから、これから新規参
入を目指す装置メーカーが登場してくる可能性も大いに考えられ、救世主とし
ての注目度はますます高まりそうだ。
現在この市場に参入しているメーカーは、ロス&ロウやセントロサーム(共
にドイツ)など、太陽電池向け装置に特化している装置メーカーと、半導体・
液晶製造装置からの参入組とに大別できる。いずれも高い成長を遂げているが、
特に目立つのがターンキーソリューションを標榜するメーカーの躍進ぶりだ。
薄膜太陽電池向けソリューションを展開するエリコンソーラーやアプライド
マテリアルズ(AMAT)、アルバック、結晶系太陽電池向けのターンキーを展開
する石井表記やエス・イー・エスなどの高成長ぶりが目立っている。
これは、新規に太陽電池セルの生産に乗り出した太陽電池メーカーが、ター
ンキーソリューションを標榜する製造装置メーカーから装置を購入するケース
が目立っているためと見られる。太陽電池を製造した経験のない新規参入メー
カーにとっては、こうしたターンキーソリューションは心強い味方となってい
るのであろう。こうしたターンキーソリューションが登場する理由は、太陽電
池は工程数が半導体・液晶に比べ少なく、ターンキーを構築しやすいためだと
考えられる。
しかし、こうしたターンキーソリューションが今後も主流をなすとは限らな
い。実際にターンキーソリューションに頼らず、セルメーカー自らがプロセス
を開発し、装置を選定する動きも出てきている。
太陽電池のプロセス技術は、半導体や液晶をベースにしてはいるが、“似て
非なる”点も多い。200μm以下という薄いウエハーのハンドリングや、光閉じ
込め効果を高めるためのテクスチャー形成など、太陽電池ならではの技術も多
い。現在もそうだが、結晶系、薄膜系ともに今後はいかに変換効率を高めてい
くかが大きな課題になるが、上記のような太陽電池固有のプロセスにおいて、
いかに技術のブラッシュアップを図っていくかが変換効率アップのカギになる
であろう。また、一方ではCIGSなど半導体や液晶では使われない材料を用いる
太陽電池も登場している。
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